堆肥・飼料・その他有機質資材について ver.2.3 contents

堆肥・
堆肥・飼料・
飼料・その他有機質資材
その他有機質資材について
他有機質資材について
ver.2.3
ver.2.3
contents
1. 粗飼料中硝酸態窒素測定法
2. 有機質資材の分析項目と簡易測定法
3. ミキサー法による有機質資材中カリ及び家畜ふん堆肥中リ
ン酸・硝酸態窒素・アンモニア態窒素測定法
4. 硫酸・過酸化水素分解法による有機質資材中リン酸・全窒
素測定法
5. 簡易ドラフト、恒温槽の自作
畜 産 研 究 センター
環
1
境
・ 飼
料
科
1.粗飼料中硝酸態窒素測定
粗飼料中硝酸態窒素測定法
測定法
RQflex による粗飼料中硝酸態窒素分析法については既にたくさんの報告がありま
す。その中で最も手軽だと思われる方法を御紹介します。
Ⅰ
抽出法
クッキングミキサーによる抽出法が迅速で、最も個人差が少なく、汎用性のある方
法だと考えられます。その手順を示します。
① サンプリングは出来るだけ全体を反映するように行います。
②
③
この作業を丁寧に行わないと測定誤差が大きくなります。
サンプルを 3cm程度に細断し、よく混ぜます。
10gをミキサーに秤り採ります。
④
⑤
水 490mlを加え、2 分間攪拌します。
攪拌停止後、2 分間静置し中間の液層を採取し、抽出液とします。
注意すべき点は、抽出液が植物体全体の硝酸態窒素濃度を代表している必要が
あります。つまり、牧草類であれば全草から抽出すればよいのですが、とうもろこし等
の長大作物の場合には次に示すような対応が必要です。
とうもろこしの乾物
うもろこしの乾物あたりの
乾物あたりの硝酸態窒素濃度
あたりの硝酸態窒素濃度(%)=A
硝酸態窒素濃度(%)=A×
(%)=A×B
A(濃度因子
A(濃度因子という
濃度因子という)
という)= 0.45 × V +0.008
V:地上 50cm部位の汁液中の硝酸態窒素濃度(%)
B(希釈因子
B(希釈因子という
希釈因子という):
という):以下
):以下の
以下の手順で
手順で求める。
める
1 ミルクライン降下度を調査する。
① 雌穂を着粒部位の中央部で二分する。
② 先端側の断面全体を見渡して、ミルクライン降下度(b÷a×10)を 10 段階
で評点する。
a
b
←ミルクライン
2
2 下の推定表に当てはめ希釈因子を求める。
表1 希釈因子の推定表
ミルクライン降下度 希釈因子
1
2.1
2
2.0
3
1.9
4
1.8
5
1.7
6
1.6
7
1.5
8
1.4
開花期
5.0
乳~糊熟期
2.8
Ⅱ
RQflexの
RQflexの操作
1
試験紙(リフレクトクアント)を用意する。
硝酸テスト 製造番号 16971-1M 5~225mg / l NO3-用
*冷蔵保存
2
RQflexの電源ON、付属バーコードをRQflexに読み取らせる。
3
STARTボタンを1回押す。60 と表示される。
4
試験紙の反応部を抽出液に浸し、同時にSTARTボタンをもう1回押す。カウ
ントダウンが始まる。
5
試験紙の余分な水分を除く。
6
カウントが残り 5 秒になりアラーム音が鳴り出したら測定部に試験紙を挟み
込む。
7
カウントダウンが終わり測定結果が表示される。
8
次の計算式に当てはめ硝酸態窒素濃度を算出する。
3
硝酸態窒素濃度(ppm)=RQ×0.226×50×1.1
RQ:RQflexの表示値。
0.226 の根拠:NO3=62、N=14 より、N / NO3=14 / 62 = 0.226 。
50:サンプル希釈倍率。
1.1 の根拠:化学分析値への換算係数。
9
RQflex法は 1000ppmあたりの推定精度は高いが、これより低い濃度の場
合には精度が落ちるという報告もあり、推定値はあくまで飼料の安全確認の
目安として考える。
10 硝酸態窒素のガイドライン
粗飼料中の硝酸態窒素濃度 ppm(乾物 給与上の注意
換算)
0-1,000
十分な飼料と水が給与されていれば安
全
1,000-1,500
妊娠牛以外は安全。妊娠牛には給与乾
物の 50%を限度とする。場合によっては、
摂食を停止したり、生産性が徐々に低下
したり流産が起こったりする。
1,500-2,000
全ての牛に対して乾物の 50%を限度とす
る。中毒死を含めて何らかの異常が起こ
る可能性あり。
2,000-3,500
乾物の 35-40%を限度とする。妊娠牛に
は給与しない。
3,500-4,000
乾物の 20%を限度とする。妊娠牛には給
与しない。
4,000-
有毒であり給与してはいけない。
*メリーランド大学のガイドライン
項目
1回の摂取量
飼料中の濃度
硝 酸 態 窒 素 含 量 0.1g/kg 体重
(乾物換算)
1日の摂取量
0.2% ( 2000ppm ) 以 0.111g/kg 体重
下
*日本でのガイドライン
4
ミキサーによる抽出ができない場合、他の方法による抽出を行います。
表2のようにいろいろな方法が提案されています。
表2 抽出法の例
抽出方法
磨砕法
圧搾法
煮沸法
浸漬法
振とう法
ミキサー法
手順
乳鉢ですり潰す。
にんにく絞り器で搾る。
煮沸-一晩静置-煮沸する。
30分程度水に浸す。
水を加え30分振とうする。
水を加え攪拌する。
適応場所
ほ場
ほ場
実験室
庭先
実験室
庭先
特徴
労力を要し、軟弱作物向き。
迅速。軟弱作物向き。サンプリングに注意。
色素の影響受けにくいが、時間がかかる。
色素の影響受けにくいが、やや時間がかかる。
振とう機が必要。
迅速。電源が必要。
硝酸態窒素は水に溶けやすく、どの抽出法を用いても問題ないと思われます。
ただし抽出液の色が濃い場合にはブランク用の試験紙で補正します。
農業改良普及センターにおいて汎用的だと思われる方法は表3のようなものがあ
ります。
表3 実用的な抽出例
方式
新潟畜研
材料
ルーサン、スー
ダン乾草
抽出法
現物3~5cmカット、10gとり水490ml加え
2分ミキサー2分静置
NO3
NO3 - N( ppm)
ppm ) =
RQ×0.226×希釈倍率×1.1
静岡畜研
ルーサン、スーダン、
他イネ科乾草
現物3~5cmカット、10gとり水490ml加え
2分ミキサー1分30秒静置
RQ×0.2258×(500/10)×1.1
福岡畜研
スーダン、イタライ、
ギニアグラス、ルーサ
ン生草サイレー
ジ
現物3cmカット、弱電子レンジ法または60℃
48hでの乾燥物をコーヒーミル粉砕後、1gと
り水50ml加え20分振とう後ろ過(濾紙
No5A)
RQ×0.226×50
(イタライ、スーダン、
チモシー、ルーサン、
エン麦)乾草、
(ルーサン、エン
麦、デント)生、
(イタライ、エン
麦、デント)サイ
レージ
全酪連分析セ スーダン乾草
乾燥物に水を加え50倍にし、時々攪拌30分
後ろ過(濾紙No5A)
RQ×0.226×50
現物3~5cmカット、10gとり水490ml加え
30分静置、1分激しく振とう
RQ×0.226×50
埼玉畜セ
デントコーンサイ
レージ
現物100gとり水500ml加え1分激しく振とう RQ×0.226×5
5
2.有機質資材の
有機質資材の分析項目と
分析項目と簡易測定
簡易測定法
測定法
前述の粗飼料に限らず濃厚飼料や家畜ふん堆肥、有機肥料、生ゴミ処理物など
様々な有機質資材に対してRQflex による簡易分析を行う際には、対象とする資材
や分析項目によって次の表のように抽出法を使い分ける必要があります。
適用できる資材・成分と簡易測定法
ミキサー法
リン カリウム 硝酸態窒素
140
80
リフレクトクアント代(円/回) 140
牛ふん堆肥
◯
◯
◯
豚ふん堆肥
◯
◯
◯
鶏ふん堆肥
◯
◯
飼料
◯
◯
その他有機質資材
◯
○:適用可能
アンモニア態窒素
140
◯
◯
硫酸-過酸化水素分解法
全窒素(CP)
リン
140
90
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
RQflex は溶液中の無機イオン濃度を測ることがで
家畜ふん堆肥三成分の形態
きます。
しかし家畜ふん堆肥を例にとっても肥料三成
分(N・P・K)には右図のように様々な形態が
含まれており、目的に応じた前処理をしないと
RQflex で測定することはできません。
家畜ふん堆肥では、Nは有機態が殆どを占めてい
るので、無機態まで分解しないとRQflexによる簡易分
家畜ふん堆肥3成分の形態
NO3-
NH4+
無機態
N
P
有機態
無機態
有機態
K
無機態
生物中
水溶性
水不溶性
水溶性
置換性
析が出来ません。
無機態の成分も水では十分に抽出されないものもあり、私たちは 0.2N(0.1M)硫酸での抽出を
検討しました。
家畜ふん堆肥中Kの内訳
Kは大部分が無機態で、どの畜種も全体の80%~90%
以上が 0.2N硫酸で抽出できます。
0.2N 硫酸可溶性
牛
n=15
水溶性
0.
0.2N 硫酸可溶性
鶏他
n=12
水溶性
0.2N 硫酸可溶性
豚
水溶性
n=18
0%
6
20%
40%
60%
80%
100%
Pは大部分が水不溶性の無機態ですが、0.2N硫酸での抽出割合は畜種により異なり、鶏ふん
堆肥は抽出率が低く実用的ではありません。他の有機質資材でも同様の傾向が考えられ、Pの
希硫酸抽出は牛・豚ふん堆肥に限定されます。
硝酸態窒素はすべて水溶性なので水または酸での抽出は可能と考えられます。
アンモニア態窒素含量は常法では、10%KCl抽出で測定する事になっています。しかし、家畜
ふん堆肥中には 10%KClで抽出されないアンモニア態窒素(MAP:リン酸マグネシウムアンモ
ニウム)が存在するという報告があり、1M程度の酸による抽出が提唱されています。
我々が調べた結果、堆肥の可給態窒素と酸
抽出無機態窒素には高い相関が見られます。
可給態窒素=酸抽出無機態窒素+α
という関係です。
可給態窒素 mg/gDM
(30℃4週 インキ ュベーション法)
18
16
14
12
10
y=x 直線
8
6
4
10%KCl抽出NH4-N+NO3-N
2
1M HCl抽出NH4-N+NO3-N
0
0
4
6
8
堆肥中無機態窒素 mg/gDM
(NH4-N+NO3-N)
10
12
600
コマツナ窒素吸収量 mg/pot
(窒素肥効量)
また、植物を使った肥効試験でも同じ結果が
得られています。
2
無窒素
牛ふん堆肥
豚ふん堆肥
化学肥料(硫安、尿素)
500
400
300
200
100
0
0
500
1000
1500
無機態窒素供給量 mg/pot
(堆肥は酸抽出NH4-N + NO3-N)
これらことから、酸抽出アンモニア態窒素は堆肥の短期的窒素肥効に大きく関与すると考えら
れます。
この考えに基づき酸抽出アンモニア態窒素に対する簡易測定を開発しました。
7
2000
3.ミキサ-
ミキサ-法による有機質資材中
による有機質資材中カリ
有機質資材中カリ及
カリ及び家畜ふん
家畜ふん
堆肥中リン
堆肥中リン酸
リン酸、硝酸態窒素
硝酸態窒素・
窒素・アンモニア態窒素
アンモニア態窒素測定
態窒素測定法
測定法
クッキングミキサーを用いてサンプルの成分
を希硫酸に溶かし出します。誰でも簡単かつ迅
速に抽出が行え、同一抽出液から複数の成分
が分析できる利点があります。
次にフローチャートを示します。現物サンプ
ルは事前にできるかぎりミルサー等を使って均
一化して下さい。測定結果に影響します。
クッキングミキサーに
堆肥現物を25gとり、
Aを475ml加える
試薬
A:0.1M硫酸
B:粉末活性炭
C:水酸化カルシウム
2分間程度ミキシング
4分間程度静置
液層を採取し、抽出原
液とする
K 2 O 測定
NO 3 -N測定
-N 測定
縦長のふた付容器
に抽出液25ml程度
をとり、Bを0.2g,C
を0.4g加え、よく振
る
分離するまで静置
中間の液層を採取
抽出液を1
~5倍に
希釈
P 2 O 5 測定
抽出液を10~
40倍に希釈
N H 4 -N測定
-N 測定
縦長のふた付容器
に抽出液1mlとり、
水を24ml,Cを0.4g
加え、よく振る
アンモニウムテスト
付属容器に0.5mlと
(pH調整は必要ない) り、水を4.5ml加え、
30℃条件下で反応
させる
RQflexで測定
8
試薬Aは水約 800mlに濃硫酸(36N)を 140ml加え冷却後、水で約 1,000mlにする。
これで5N硫酸になるのでこれをストックしておきます。
(注意!!濃硫酸の中に水を入れないように。危険!!)
ミキサー内で5N硫酸 20ml と水 455ml を混ぜれば0.2N硫酸となります。
カリウムはリフレクトクァントカリウムテスト(Cat.No.16992)、硝酸態窒素は硝酸テ
スト(Cat.No.16971)、リン測定はリン酸テスト(Cat.No.16978)、アンモニア態窒素
はアンモニウムテスト(Cat.No.16892)を用います。RQの測定値は10%の誤差を
含むので2反復で測定します。
常法による実測値との相関と推定式を次頁グラフに示します。RQflex に表示さ
れた値を推定式に当てはめれば現物中の%が計算できます。
注意点①
RQflex でのカリウムの測定は温度の影響を受けるので測定時の室温により次式で
補正します。
補正RQflex 表示値=(-0.0123T+1.2635)×RQflex 表示値+(0.021T-
0.577)
T:室温(℃)
注意点②
アンモニウムテストは温度の影響を強く受けるので、RQflex での測定時には必ず
恒温槽を使用して30℃一定で反応させてください。恒温槽が使用できない場合は後
述の簡易恒温槽で対応してください。
6
NH4 (μg/ml)
5
4
3
2
20℃
25℃
30℃
1
0
0
1
2
3
4
5
6
RQflex表示値
アンモニウムテストに対する温度の影響
9
7
8
9
またロットにより表示値が大きく異なる場合があるので、ロット毎に標準液(NH4-N
3.0μg/ml)を測定しロット補正係数を求めます。
標準液は NH4-N 100μg/ml(NH4Cl 0.382g を水に溶かして 1L に定容)をストックし
ておき希釈して用いると良いでしょう。
ロット補正係数は次の式で求められます。
ロット補正係数=3.0×1.29/(NH4-N 3.0μg/ml でのRQflex 表示値)
現物中のカリ(K2O)含量は以下の式で求めます。
現物中K2O%=2.2274×温度補正後のRQflex 表示値+0.0669
5
現物中K2O% = 2.23×温度補正後RQ表示値 + 0.07
SE=0.23%
現物中K2O%(原子吸光法)
4.5
4
3.5
3
2.5
堆肥
2
飼料
その他
1.5
1
0.5
0
0
0.5
1
1.5
温度補正後RQflex表示値
10
2
現物中のリン酸(P2O5)含量は以下の式で求めます。
現物中P2O5%(バナドモリブデン法)
現物中P2O5%=0.0178×RQflex 表示値(10 倍希釈換算)+0.28
現物中P2O5%=0.0178×RQflex表示値(10倍希釈換算)+0.28
SE=0.27%
9
8
7
6
5
4
3
牛ふん堆肥
豚ふん堆肥
2
1
0
0
100
200
300
10倍希釈換算RQflex表示値
400
500
現物中の硝酸態窒素(NO3-N)含量は以下の式で求めます。
現物中NO3-N%=0.0004×RQflex 表示値(抽出原液換算)
現物中NO3-N%(HPLC法)
0.5
現物中NO 3-N%= 0.0004×RQflex表示値(原液換算)
SE=0.006%
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
0
200
400
600
800
抽出原液換算RQflex表示値
11
1000
現物中のアンモニア酸態窒素(NH4-N)含量は以下の式で求めま
す。
現物中NH4-N%=0.3885×RQflex 表示値×ロット補正係数*
*参照 p10
現物中NH4-N %
(1M HCl インドフェノール法)
1.4
現物中NH4-N % = 0.3885×ロット補正後RQflex表示値
SE=0.19%
1.2
1
0.8
0.6
0.4
牛ふん堆肥
豚ふん堆肥
0.2
0
0
0.5
1
1.5
2
ロット補正後のRQflex表示値
12
2.5
3
4 . 硫酸・
硫酸 ・ 過酸化水素分解による
過酸化水素分解 による有機質資材中
による 有機質資材中リン
有機質資材中 リン酸
リン 酸 ・
窒素測定
窒素測定法
測定法
飼料や堆肥の全窒素やミキサー法で抽出できない一部のリンなどはケルダール
分解装置で分解する必要があります。これを簡易に行う手法として硫酸・過酸化水
素分解法があります。以下にフローチャートを示します。
サンプル量
ないので、
ミルサー等
サンプルを
粉砕しておきます
しておきます。
サンプル
量が少ないので
、必ずミルサー
等でサンプル
を粉砕
しておきます
。採取
目安として
として乾物
乾物1
相当量とします
とします。
料は目安
として
乾物
1g相当量
とします
。
サンプル水分%
10
25
50
75
500mlトールビーカー
に試料乾物1g相当を
秤量する
採取量g
1.1
1.3
2.0
4.0
試薬
A:濃硫酸
B:過酸化水素
C:水酸化Ca
Aを8ml加えなじませ
る
Bを4ml加え時計皿で
フタをする
激しい反応が終わっ
たら再度4ml加えフタ
をする
ビーカーの底全体に
火が当たるようコンロ
で5分間加熱
白煙が収まるまで放
置・冷却する
6回繰り返す
Bを2ml加えフタをし、
3分間加熱
冷却後、100mlに定
容し、抽出原液とする
*太枠はドラフト内で作業する。
13
分解は必ずドラフト内で行います。ドラフトが使用できない場合、後述の簡易ドラフ
トで対応してください。
硫酸、過酸化水素とも劇物なので取り扱いには注意してください。
市販カセットコンロ(3,000 円程度)と魚焼き網(100 円程度)を使うと便利です。
抽出原液
【全リン測定】
試薬
C:水酸化Ca
【全窒素測定】
希釈(抽出原液に含
まれる硫酸の影響を
抑えるため50倍以上
にする)
フタ付き遠沈管に1mlと
り、30ml線まで水を加
える
Cを0.4g加えフタを
し、激しく振る
ろ過(No.5A)する
アンモニウムテスト付
属容器に1mlとり、5ml
線まで水を加える
NH4-1試薬を5滴加え
振る
NH4-2試薬をすり切り
1杯加え振る
スタートボタンと同時にリフレ
クトクアントを浸し恒温槽
(30℃)に浮かべる
RQflex-Plusでセル
による測定
8分後、水気を切りRQ
flexで測定
測定はミキサー法同様、2反復で行います。
リンはリフレクトクァントプラスリン酸テスト(Cat.No.17942)、全窒素はリフレクトクァ
ントアンモニウムテスト(Cat.No.16892)を用います。
14
現物中のリン酸(P2O5)含量は以下の式で求めます。
現物中P2O5%=0.0074×RQflex 表示値(抽出原液換算)+0.10
現物中P2 O5 %(バナドモリブデン法)
10
現物中P2 O5 %= 0.0074×抽出原液換算RQ表示値
+ 0.10
SE = 0.17%
9
8
7
6
5
飼料
堆肥
その他
4
3
2
1
0
0
200
400
600
800
抽出原液換算RQflex表示値
15
1000
1200
RQflex での全窒素の測定は 8 分間の反応時間を要します。キッチンタイマーを利
用し連続測定を行うことで一度に 7 サンプル程度の測定が可能です。
最初のサンプルの反応スタートと同時にキッチンタイマーをスタートさせ、1分間隔
で次のサンプルを反応開始させていきます。最初のサンプルの測定が終わったら、1
分後に次のサンプルをセットしスタートボタンを押して測定します。
全窒素含量は次の式で求めます。
現物中全窒素%=((1.41×RQflex 表示値×ロット補正係数*)+
0.54)/サンプル量
*p10 参照
8
現物中全窒素%=( 1.41×ロット補正後RQflex表示値+ 0.54)
/サンプル量
SE = 0.35%
現物中窒素 %(ケルダール法)
7
6
5
4
飼料
堆肥
その他
3
2
1
0
0
1
2
3
ロット補正後RQ flex表示値
16
4
5
5.簡易ドラフト
簡易ドラフト、
ドラフト、恒温槽の
恒温槽の自作
ドラフトや恒温槽が使用できない場合には以下に示すようにそれぞれ簡易な物を
自作することで対応できます。
簡易ドラフト使用時の作業周辺の硫黄酸化物をガス検知管でチェックしたところ検
出限界未満でしたが、作業は換気扇をつけた安全な場所で行ってください。なお、
長期耐久性は調査中で、簡易ドラフト自体は「研究情報」で示したものに改良を加え
ています。
どちらの材料も市販されています。
a.簡易
a.簡易ドラフト
簡易ドラフト(
ドラフト(改良型)
改良型)
以下の材料で簡単に作ることが出来ます。
品名
規格
数量
価格の目安
・キッチンラック
・金属製広口漏斗
幅30cm奥行40cm高さ50cm程度
φ15cm
1
1
2,000
700
φ21cm
1
1,200
φ24cm
1
1,500
・配管用ニップル
外ネジ(3/4)×内ネジ(1/2)接続用
3
1,800
・金属製フレキシブルパイプ
300mm
3
2,100
500mm
1
1,000
・ネジニップル
(13)
2
600
・耐熱テープ
(20)
自動車マフラー補修用
1
1
300
800
・耐熱パテ
自動車マフラー補修用
1
800
・灯油ポリタンク
20L
1
300
10L
1
300
・ノズル
灯油タンク5,10,18L共用
1
100
・穴あきキャップ
灯油タンク5,10,18L共用
4
800
・洗濯ホース
150cm
1
1,000
・掃除機継ぎ手
各社共用
3
900
・粒状消石灰
肥料用
1
600
・活性炭
冷蔵庫用
1
200
・ペットボトル廃品
2L
1
0
合計
17,
17 , 000円
000 円
17
作り方
捕集部分の組み立て
1. キッチンラックを組み立て最上段の網棚を上下逆にセットし、カセットコンロ
とトールビーカーを配置します。写真
写真①
写真
①
2.
3.
金属製広口漏斗φ21cm の口をφ24cm の口に差し込み、φ24cm の漏斗が
トールビーカーに被さる高さに保持し、φ21cm の漏斗が網棚にかかる位置
に印を付けます。
網棚を適当にカットし、2.の印の位置で漏斗が収まるようにします。カット部
分以外にペットボトルを横置きできるスペースを確保しておきます。切り口
はビニールテープなどで被覆します。網棚を挟むように漏斗を組み合わせ、
結合部分に耐熱パテを塗り耐熱テープで固定します。写真
写真②
写真
②
4.
5.
6.
漏斗φ15cm の広口部分に耐熱パテを塗り、漏斗φ21cm に被せ接着しま
す。
2本のフレキシブルパイプ 300mm をネジニップル(13)でつなぎ、一端にニッ
プル(3/4)×(1/2)を取り付け 4.の上から通します。ニップルと漏斗φ15cm
先端は耐熱テープで固定します。写真
写真③
写真
③
トールビーカーの注ぎ口の 1cm 程上にフレキシブルパイプの端が来るよう
折り曲げます。写真
写真④
写真
④
写真①
写真①
写真②
写真②
写真③
写真③
写真④
写真④
冷却部分の組み立て
7.
8.
ネジニップル(13)でフレキシブルパイプ 500mm と同 300mm をつなぎ、両パイ
プの端にニップル(3/4)×(1/2)を取り付けます。
ペットボトルに開口部を設け網棚に横置きし、開口部に収まるようパイプを
折り曲げます。ペットボトルの切り取った部分と耐熱テープでペットボトル固
定枠を作ります。
18
9.
ネジニップル(20)で 5.と 7.のニップル(3/4)×(1/2)同士をつなぎます。写真
写真
⑤
10. 洗濯ホースを 30cm 程度切り取り、写真
写真⑤
写真⑤のフレキシブルパイプ端のニップ
ル(3/4)×(1/2)とつなぎます。
写真⑤
写真⑤
脱硫部分の組み立て
11. 20L タンクの口のうち垂直についている方にノズルを先端の方から入れ、穴
あきキャップをつけます。ノズルの先端がタンクの底に当たる場合は先端を
カットします。
12. 掃除機継ぎ手に穴あきキャップをかぶせ、灯油タンクの 1.以外の口に取り
付けます(3カ所)。写真
写真⑥
写真
⑥
13. 20L タンク上面にハンダごて等で 1cm 程度の穴を数カ所あけます。
14. 20L タンクに粒状消石灰50g程度と水を1/2程度入れます。
15. 10L タンクは掃除機への水の侵入を防ぐのが目的なので中には何も入れま
せん。
16. 洗濯ホースで 20L タンクの継ぎ手と 10L タンクの継ぎ手をつなぎます。写真
写真
⑦
17. 10.のホースを 11.の穴あきキャップにつなぎます。
19
写真⑥
写真⑥
写真⑦
写真⑦
装置の完成
18. 掃除機の紙パックに活性炭を入れます。
19. ペットボトルを一旦外し、水を 2/3 程度入れてセットします。
20. 10L タンクのもう一方の継ぎ手に掃除機をつないで完成です。分解の前に
慣らし運転をして石灰を十分に溶かします。写真
写真⑧
写真
⑧
写真⑧
写真⑧
なるべく弱い力で試運転し、20L タンクにあけた穴を適宜塞いで吸い込みの
力を調節します。強すぎると 20L タンクがつぶれ、弱すぎるとガスを捕集しきれ
ません。目安は吸い込み口のフレキシブルパイプ先端からかすかな風きり音
がする程度です。
備考
1. 本装置はドラフトが使用できない場合の臨時的使用に限定し、分解作業中
はその場を離れないで下さい。
2. 火を強くしすぎない。ビーカーの底から火がはみ出さないように注意して下
3.
さい。加熱後の放冷時間はドラフトでの分解より1分長くとる。
ビーカーへの過酸化水素の添加を行う際にはφ21cm の漏斗のふちを持っ
てゆっくり捕集部を持ち上げます。パイプは高温になっているので触れない
で下さい。過酸化水素添加時にガスが多く出るので、添加は少量ずつ行い
20
ます。
4.
5.
6.
ペットボトルの冷却水は1サンプル毎に取り替えます。
10 サンプル程度の分解では石灰水の pH は変わりませんが、時々チェックし
て石灰を補充します。
使用後は捕集部~冷却部のフレキシブルパイプ内部を水洗いします。パイ
プ先端の腐食が進んだら 300mm パイプ部分を交換してください。
b.簡易
b.簡易恒温槽
簡易恒温槽
適当な大きさの容器(シールウェア 700 円程度)に
水と熱帯魚用ヒーター(温度調節機能のあるもの
3,000 円程度)を入れ、時々かき混ぜながら30℃に
なるようにします。ヒーターの設定温度はあくまで目
安なので必ず温度計(水槽用 300 円程度)を使って
確認してください。最後にアンモニウムテスト付属容
器のサイズに穴をあけた発泡スチロールを浮かべ
ます。
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