Rapid Progress in Hardware and Software of Chromatographic Analysis Applicable to High Throughput ハイスループット対応進む クロマト分析のハード&ソフト 編集部 ここ数年、食品の安全性・品質に 方向としては、高速・高分離(微量試 島 津 製 作 所では高 速 高 分 離に加 対するニーズは高度化し、微量成分 料 対 応) ・環 境 対 応( 溶 媒 使 用量 減 え、一般のコンベンショナルな使い方か 分析の機会は急増している。特に 96 少化)などが挙げられる。ルーチン分 ら、より高感度な分析への対応、多検 年 からのポジティブリスト制 度のスタ 析においては増える検 体をいかに短 体 への対 応などフレキシブルなシステ ートで、従 来の分 離 分 析プラス質 量 時 間で効 率よく処 理 するかが 大きな ム設計を可能にした「Nexera X2シ 分 析 装 置の需 要が活 発 化 。一 昨 年 課題となってきており、ハイスループット リーズ」を昨秋から紹介している。 からはカビ毒の規制も変わり、質量分 対応システムへのニーズが高まってい システム耐圧 130MPa の UHPLC 析装置での一斉分析が行われるよう る。このようなニーズに対 応した超 高 「Nexera」は 製 品 の 開 発フェーズ になっている。また義務化が決まった 速 LC(UHPLC)が、近年のクロマト から品質管理に至るまでの幅広い分 栄養成分表示の動きも、クロマト分析 装置市場を索引している(表 1)。 析目的に応じて、検出器、カラムオー 装置の市場には追い風となりそうだ。 国 内 HPLC の 年 間 需 要 は 約 ブン、オートサンプラー、送液ユニット 既にトランス脂肪酸の GC による分析 5,200 台(ポンプ台 数 )とみられ、全 の組み合わせが自由に選 べるように は表示義務化がささやかれた 3 年前 体としても年率 5%前後の伸びを維持 なっている。 から始まっており、安 全 性や有 用 性 しているが、近 年 伸びが著しいのは 代 表 的なラインアップとしては、ミ に関る成分分析の機会はますます増 UHPLC で、現 在の LC 市 場の 30% キサとカラムの自動 切り替えにより、 えるものと思われる。さらに食品業界 弱が UHPLCとみられている。 UHPLCとコンベンショナル分析を1シ が大きな期待を寄せる機能性表示の UHPLC は、従 来 の LC のシステ ステムで可能にした「UHPLC/LC シ 導入の前提になるのが、極微量の機 ム耐 圧 平 均 40MPa に対して高 速に ステム」、新たな分 離 機能とダイナミッ 能 性 成 分の分 析 法 確 立だ。機 能 性 耐える 100MPa 以 上 の 耐 圧 性をも クレンジ拡 張 機 能を持 つフォトダイオ 食 品の開 発の中でも分 析 法の確 立 ち、充填剤の粒子径が 2μm 前後の ードアレイ検 出 器 搭 載の「SR システ は大きなテーマとなってきており、未 カラムを利用することが多い。これに ム」、コンベンショナル LC からのメソッ 知の機 能 性 食 品 成 分の探 索 からル より分 析 時 間を従 来 の 1/10 以 下に ド移 管が容 易な 4 液グラジエントユニ ーチンの分析まで、クロマト装置の活 短 縮しながら、高 分 離を実 現してい ット搭 載の「Quaternary システム」、 躍の場は広がっている。 る。高 速 分 離により、時 間の短 縮と 多 検 体 のハイスループットに最 適な 応 用 場 面 が 広 がっているクロマト 同 時に溶 媒 使 用量も減らすことがで LC/MS フロントエンド用「MP システ 分析装置に対応し、カラム、ソフトウェ きる。HPLC 装 置の開 発は高 速・高 ム」、最大 96 種類の移動相とカラムの アの動きも活 発 化している。本 稿で 分 離 で MS へ の 接 続を容 易にする 組み合わせによる自動メソッド開発が は最新のクロマト分離分析装置及び UHPLC へ 移 行しつつあり、高 耐 圧 可 能な「Method Scouting システ 質量分析装置の開発動向を追う。 システムに対 応したカラムの動きも活 ム」などが揃えられている。 シェア拡大するUHPLC クロマト分 離 分 析が関わる食 品 関 連の試験は、糖・ビタミン・脂肪酸な どの栄養成分、アミノ酸・核酸、香気 成分などの呈味物質、薬用植物・培 発になりつつある。 UHPLC からコンベンショナル分析 各 社 の UHPLC 上 位 機 種 は 表 1 を 1 システムで完 全にこなし、かつ高 のとおり。 感 度 分 析を可 能にした Nexera X2 表1 各社のUHPLC上位機種 メーカー 装置名または型式 システム耐圧 カラム充填剤粒径 アジレント・テクノロジー Agilent 1290 Infinity LC 120MPa 1.8μm サーモフィシャーサイエンティフィック Accela 100MPa 1.9μm 島津製作所 Nexera X2シリーズ 130MPa 1.7μm 日本ウォーターズ Ultra Performance LC 100MPa 1.7μm る微量成分や水質、環境ホルモン分 日本分光 X(Extream)-LC シリーズ 100MPa 2μm 析など多種多様な成分にまたがる。 パーキンエルマージャパン FX-15 125MPa 1.9μm 日立ハイテクノロジーズ ChromasterUltra Rs 140MPa 1.9μm 養 生 産 物・酵 素などの生 理 活 性 成 分、食品添加物、残留農薬・動物用 医 薬 品などの食 品の安 全 性に関わ クロマト分析システムの技術開発の 食品と開発 VOL. 48 NO. 11 27
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