1000 万人の顧客組織を背景とした 集客力でわずか 90 日間で黒字化実現

対 談
ワールドリゾートオペレーション
1000 万人の顧客組織を背景とした
集客力でわずか 90 日間で黒字化実現
五つの再生方式を軸に 90 日間でリ
ゾートホテル・旅館再生、黒字化す
るという実績を上げている企業があ
る。それが田村佳 克社長率いる㈱
ワールドリゾートオペレーションだ。
東証一部上場㈱リロ ・ホールディング
100%出資の子会社であることと、集
客・PR・運営など各分野のプロフェッ
ショナルな人材の両輪で実現してい
る。田村佳克社長に短期間再生を実
現させている仕組みや今後の展開を
お聞きした。
㈱ワールドリゾートオペレーション
代表取締役社長 田村佳克氏
インタビュアー:
㈱オータパブリケイションズ
代表取締役社長 太田
進
全国 18 拠点の施設運営手掛ける
本社:東京都新宿区新宿 4-2-18 TEL:03-5312-8520 URL:http://www.wro.co.jp
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ー 2015.12.4 ー
太田 リゾートホテルや旅館の短期間
再生を手掛けていらっしゃるとお聞きし
ました。
田村 バブル絶頂期に建設ラッシュで
増え続けた旅 館や企業の保養所など
は、バブル崩壊後に、運営の継続が厳
しくなった施設が増加しました。さらに
不動産価値の急激な変化により過剰な
投資家の対象にされるなど、浮き沈み
の激しい環境におかれ、人に「癒やし」
と「活力」を与える存在であるべきリ
ゾート業界は、本来の姿を失いつつあ
りました。この現状を目の当たりにする
中で、何とかリゾートの本来あるべき姿
「人に癒やしと活力を与える存在」に戻
したいという思いから、2009 年リゾー
ト再建を目的に㈱リロ・ホールディング
100%出資子会社として設立しました。
太田 バブルの崩壊に追い討ちをかけ
たリーマンショックや、近年では 2011
年に起きた東日本大震災など、消費者
のふところ具合は厳しくなるとともに、
大震災にともない旅行やレジャーへの
足も弱まり、リゾートホテルや旅館はま
すます厳しい状況となりました。
田村 世界に誇れる日本の観光資源を
最大限に活用し、リゾートホテル、旅
館に特化した問題解決者として、現在
では自社施設、運営受託、送客支援を
含め計 18 拠点の施設運営により、数々
の実績を上げております。また、これ
まで自社施設で培った運営および、集
客のノウハウを駆使し、ホテル運営に
お困りのオーナー様に具体的な再生施
策を提供することで、ホテルの収益性
の改善にも効果を上げております。
個々の状況に合わせた五つの再生方式
太田 具体的にはどのような手法で取
り組んでいらっしゃるのですか。
田村 五つの再生方式を軸に運営業
態を変えて施設を再生する事業に着手
しました。
「所有・直営方式」
「賃貸借
方式」
「運営受託方式」
「支配人派遣
方式」
「コンサルティング方式」です。
「所
有・直営方式」は施設の売 却を検討
されているオーナー様を対象としたもの
で、査定の後、購入金額を提示いたし
ます。弊社での購入が厳しい場合でも、
弊社グループを通し、売却のあっ旋を
行ないます。
「賃貸借方式」はオーナー
様の施設を一括で借り受け、一定の賃
料をお支払いいたします。継続を希望
されている従業員様につきましては原
則としてお引き受けいたします。
「運営
受託方式」は運営業務を請負させてい
ただきます。
「支配人派遣方式」はまさ
に再生の実現に向けスタッフの皆様とと
もに売り上げの最大化、コストの最小
化を実現できる支配人を送り込みます。
「コンサルティング方式」は web. 集客
のノウハウを中心に、マーケティング分
析に基づいた最適な施策をご提案いた
します。
太田 個々の状況によって最適な再生
方式を提案しているのですね。ところ
で 90 日間で黒字化できるポイントは何
ですか。
田村 さまざまな分析やノウハウがあり
ますが、最大の強みは集客力です。当
社は 1000 万人の顧客組織を持つリロ
グループが背景にあることで、その独
自の送客ネットワークを活用し、送客が
できるということです。再生に必要な
キャッシュフローを生み出すために欠か
せない集客力に絶対的な強さを持って
います。集客力が高まることで再生を
必要としている施設スタッフのモチベー
ションも高まり、ポジティブマインドに
切り替えることができます。再生にはス
タッフの意識改革も欠かすことができな
い大切な施策の一つなのです。
太田 キャッシュフローが回り出せば
新たな投資もできます。
田村 投資をするとともにムダなコスト
を削減することも重要です。例えばファ
クシミリなども当社のスケールメリットを
生かしリース料の削減ができます。ま
たアメニティなどの共同仕入れもできま
す。今後は食材の仕入れもかかわる施
設が増える中でなんとかできないものか
と思案中です。
集客や運営の専属専門スタッフも配置
太田 食材仕入れはコスト削減に欠か
せませんね。居酒屋チェーンなどと組
んでみるなど新たなマッチングも考えら
れますね。お互いにムダがなくなります。
ところで現在、どのような施設に取り
組んでいらっしゃいますか。
田村 自社施設として、箱根にありま
す「メルヴェール箱根強羅」、
「ゆとりろ
庵」
「強羅天翠」
「箱根 別邸今宵」や
兵庫県豊岡市にあります「レイセニット
城崎」伊豆半島の「ゆとりろ熱海」
「西
伊豆今宵」
「ゆとりろ西伊豆」の 8 施
設を持ち、実際に運営することで、あ
らゆる視点でのケーススタディを蓄積す
ることができます。受託案件、コンサ
ルティング案件には、自社施設で培っ
たノウハウ生かし、施設に合った最適
なソリューションをご提案させていただ
いております。当社の専任スタッフが再
生施設のスタッフの方々と密にコミュニ
ケーションを取り、二人三脚で再生を
行なっていくことでオーナー様のこだわ
りや施設の特徴など、壊すことなく継
承しながら、再生を行なっていきます。
太田 集客・運営サポートはどのような
ことをされていらっしゃるのですか。
田村 運営サポートにおいては「Web
集客代行」と「ブランディング・PR」を
専属スタッフにより行なっています。ネッ
トエージェントでは
「楽天トラベル」や
「OZ
モール」などの年間アワードを獲得する
など、高い実績を上げています。
「ブラ
ンディグ・PR」では、コンセプトに基
づいたブランディングを行なうことによ
り、開業当初 1 万円前半だった宿が 2
万円以上の高単価で売れる宿に成長さ
せました。
「運営サポート」ではホテル
開業フルアウトソーシングやリニューアル
工事プラニングを行なっています。
太田 人 的なサポート体 制も強 力な
バックアップをされているのですね。最
後に今後の展開はどのように考えてい
ますか。
田 村 今後においてもお困りのオー
ナー様のために、これまで自社施設で
培った運営と集客のノウハウを駆使し、
運営受託や運営コンサルティングという
手法で「癒やしと活力を与えるリゾート」
の復活に努め、全国のリゾート地の活
性化と地方創生に貢献していきたいと
思います。
ー 2015.12.4 ー
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