平成26年度事業報告 会員各位のご支援のもと活動は順調に進展しています。とくに「難病の子ども支援活動」 は児童福祉法改正という大目標を達成したことにより、東京都より小児慢性特定疾病児童 等自立支援事業の委託を受け実施することとなりました。このため、事業担当職員の採用 と事務局スペースの拡張をはかりました。併せて、小児慢性特定疾病医療費支援事業の主 体である自治体では、自立支援員を置かなくてはならないことから、国立成育医療研究セ ンターと共催により自立支援員研修会を開催したところ全国から受講者が殺到し、今後も 継続して開催することとなりました。 また、「みんなのふるさと“夢”プロジェクト」も各方面からのご支援をいただき、現地 施設は“あおぞら共和国”と命名され、ロッジ1号棟は平成25年度に完成して26年7 月より利用が開始され、2号棟、お風呂棟が平成26年度に完成し、現在それぞれ稼働中 で、これまで100名強のみなさんが利用されています。 機関誌<がんばれ!>は平成27年3月1日発行の149号まで発行しましたが、14 8号からはカラー印刷にすることができました。印刷費もあまり変わらない上に、「見やす い」と読者からも好評です。 以下の通り平成26年度の活動報告をまとめました。このように活動が順調に推移でき ているのも会員各位のご支援、ご指導のおかげと存じており、役職員一同こころから感謝 申し上げます。 Ⅰ.特定非営利活動にかかわる事業 1.病気や障害のある子の家族を対象とした相談事業 ◎電話相談室 ○ネットワーク電話相談室/月曜日から金曜日 11:00~15:00 専門の相談員が病気や障害のある子どもをもつ家族からの医療・保健・教育・福祉 についての相談に応じた。相談総件数は368件、希望者に行なった「お友だち紹介」 は登録が36件、紹介できたのは19件だった。相談員は医師、看護師、社会福祉士・ 精神保健福祉士など8名。日本小児保健協会学術集会(福島市)において1年間の活 動の成果を報告した。なお本年度からは相談員への日当を支給した。 ○遺伝(先天異常)特別相談/毎月第3金曜日 14:00~17:00 沼部博直先生(お茶の水女子大学大学院教授)による専門相談。先天異常のある子 どもをもつ家族からの療育や遺伝外来へのかかり方などについての相談に応じた。相 談件数は9件だった。 ○遺伝カウンセリング 沼部博直先生と認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングを実施した。相談 件数は18件だった。 電話による遺伝カウンセリング/毎月第1・3火曜日 11:00~15:00 ※東京都委託小児慢性特定疾病児童等自立支援事業相談支援事業(1月27日〜) ◎ピアサポート活動 ○国立成育医療研究センター/毎週火・木・金 10:00~16:00 ○神奈川県立こども医療センター/毎週火~金 10:00~15:00 ○東京都立小児総合医療センター/毎週火・木 10:00~16:00 ○慶應大学病院/9月24日、11月12日、12月1日、1月14日、2月18日、 3月18日の 10:00~15:00 国立成育医療研究センター、神奈川県立こども医療センター、東京都立小児総合医 療センター、慶應大学病院の4拠点で、36名のピアサポーターが親の会やネットワ ーク電話相談室などと連携しながら支援を必要としている家族の心に寄り添うピアサ ポート活動を行った。相談件数は、成育81件、神奈川145件、都立小児129件、 慶應大学病院7件。日本小児保健協会学術集会(福島市)において7年間の活動の成 果を報告した。 ※東京都委託小児慢性特定疾病児童等自立支援事業相談支援事業(1月27日〜) ○ピアサポーター養成講座 2014 夏 養成講座を通して、病気や障害のある子を育てた経験者をピアサポーターとして養 成した。受講者9名。 講義と演習:6月17日、24日、7月1日・8日 実習:7月9日から各人計4日、国立成育医療研究センター、神奈川県立こども医 療センター、東京都立小児総合医療センターにて実施した。 修了式:9月16日に行なわれ、9名が修了した。 ○ピアサポーター養成講座 2015 養成講座を通して、病気や障害のある子を育てた経験者をピアサポーターとして養 成した。受講者11名。 講義と演習:1月29日、2月5日・12日・19日 実習:2月20日から各人計4日、国立成育医療研究センター、神奈川県立こども 医療センター、東京都立小児総合医療センターにて実施した。 修了式:4月16日に行なわれ、10名が修了した。 ◎小児慢性特定疾病児童等自立支援員による支援 小児慢性特定疾病のある子どもの自立・就労に向けた地域における各種支援策の活 用についての実施機関との調整、および自立に向けた計画を策定することの支援とフ ォローアップを行った。相談件数は18件。 ※東京都委託小児慢性特定疾病児童等自立支援事業自立支援員による支援事業(1月 27日〜) 2.家族同士の交流の場を提供するサマーキャンプ事業 ◎サマーキャンプ「がんばれ共和国」の建国 サマーキャンプ「がんばれ共和国」は、難病や障害のある子どもたちとその家族を 対象として「友だちつくろう」を合い言葉に全国8箇所で開催した。キャンプのモッ トーは「安心と安全」。医師や看護師たちで構成される医療班の強力なサポートのもと、 吸引や経管栄養、酸素の管理などの濃厚な医療的ケアを日常的に必要としている子ど もたちでも安心して参加できるキャンプとなっている。 ○おーきな輪(沖縄県宮古島市/ホテルアトールエメラルド宮古島) 参加者159名、7月11日(金)~7月13日(日) ○あしがらキャンプ(神奈川県大井町/いこいの村あしがら) 参加者153名、8月1日(金)~8月3日(日) ○七夕キャンプ(宮城県蔵王町/ゆと森倶楽部) 参加者157名、8月1日(金)~8月3日(日) ○しぞーかキャンプ(静岡県島田市/川根温泉ホテル) 参加者149名、8月8日(金)~8月10日(日) ○津名がろうキャンプ in 関西(兵庫県淡路市/津名ハイツ) 参加者85名、8月15日(金)~8月17日(日) ○おいでんほうらい(愛知県新城市/モリトピア愛知) 参加者183名、8月22日(金)~8月24日(日) ○阿蘇ぼう!キャンプ(熊本県阿蘇市/阿蘇いこいの村) 参加者189名、8月22日(金)~8月24日(日) ○でっかいどうキャンプ(北海道富良野市/ハイランドふらの) 参加者24名、9月26日(土)~9月29日(火) ※公益財団法人日本財団(ToothFairy)助成事業[おーきな輪、あしがら] ※公益財団法人JKA補助事業[七夕、阿蘇ぼう!] ※Hitachi3ToursChampionship2013(一般社団法人日本ゴルフツアー機構、一般社団 法人日本女子プロゴルフ協会、公益社団法人日本プロゴルフ協会)、一般財団法人日 本メイスン財団、一般財団法人日本児童教育振興財団、一般社団法人昭和会館 助 成事業。株式会社ナチュラリープラス協賛事業。 ◎ハロウィンパーティ 横浜カントリー&アスレチッククラブ(YC&AC)にて10月26日(日)に開 催され、8家族26名が参加した。 3.親の会活動を支援する事業 ◎親の会連絡会 親の会連絡会とは、病気や障害のある子をもつ親たちを主な構成員として組織され た親の会が相互交流や情報交換を目的として定期的に開催している会議のことを指し ている。現在、親の会連絡会には計50団体が参加しており、年4回の定例会議の開 催、研修旅行、学会などにおける展示・広報活動を行っている。 本年度は、難病ネットと親の会連絡会参加団体の有志がワーキンググループを立ち 上げ、義務的予算としての小児慢性特定疾病の法制化に取り組んだ。 ○定例会議やワーキンググループの開催 定例会を4月12日、7月5日、10月11日、1月17日の計4回、このほか小 児慢性特定疾病の法制化を目指すワーキンググループを開催した。1月24日には西 日本で初めての親の会連絡会関西部会(仮称)が開催され60名が出席した。 ○関連学会における親の会展示PRコーナー設置 日本小児看護学会等において、親の会展示PRコーナーの調整窓口担当となり出展 を行った。 ○研修旅行の開催 2月7日~8日に静岡県島田市の川根温泉ホテルにて26名が宿泊研修を行った。 研修会は、しぞーかキャンプの関口政子実行委員長による「我が家とこよみの会」。 ○講演会の開催 がんの子どもを守る会との共催によって10月4日(土)に飯田橋レインボービル において「難病の子どもたちのライフプラン」講演会が開催された。参加者は30名 だった。 ◎ディズニーランドご招待 第50回日本周産期・新生児医学会学術集会の協賛により102名の子どもたちと その家族にディズニーランドの入場券をプレゼントしたが、その際に募集が殺到した ことを受けて急遽決定した第二弾では、サイバーソリューションズ株式会社および第 50回日本周産期・新生児医学会学術集会の再度の協賛によって、さらに365名の 子どもたちとその家族にディズニーランドの入場券をプレゼントした。 ◎いのちの輝き毎日奨励賞の募集 毎日新聞社、毎日新聞社会事業団の主催する「小児がん征圧募金」からの寄附金を 寄金として、小児がん以外の難病の子どもたちへの支援を目的に、親の会等を対象に 助成先を公募。選考委員会の審議を経て以下の7団体に各20万円ずつ贈呈した。 選考団体:心魂プロジェクト、もやもや病の患者と家族の会、小児交互性片麻痺親 の会、ハートの会、全国心臓病の子どもを守る会鳥取県支部、無痛無汗症の会「トゥ モロウ」、横浜こぐま園。 ※毎日新聞社、毎日新聞東京社会事業団 協賛事業 ◎いのちの輝き親の会奨励賞の募集 プロゴルフ3協会主催のチャリティーゴルフ大会・Hitachi3ToursChampionship 2013 からの寄附を寄金として、難病の子どもたちへの支援を目的に、親の会等を対象 に助成先を公募。選考委員会の審議を経て以下の5団体に各20万円ずつ贈呈した。 選考団体:小児交互性片麻痺親の会、魚鱗癬の会、NPO法人日本トゥレット協会、 あゆみOB・OG会、スタージウェーバー家族の会。 ※Hitachi3ToursChampionship2013(一般社団法人日本ゴルフツアー機構、一般社 団法人日本女子プロゴルフ協会、公益社団法人日本プロゴルフ協会) 協賛事業 4.講演会・研修会など病気や障害のある子どもを理解するための事業 ◎第36回こどもの難病シンポジウム 東日本大震災から3年が過ぎ、災害に対する備えも出来つつある反面、災害への気 構えが薄れつつあるなか、6月21日(土)に「難病や障害のある子の災害対策を考 える」をテーマとして国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議場にて開催 した。特別講演は福島県伊達市の仁志田市長の「伊達市における放射能災害対策(特 に子ども)について」、基調講演は、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センタ ー長の田中淳教授による「災害を生き抜く」。その後、シンポジストによる報告と討論 が行われた。参加者は200名だった。 ※公益財団法人フランスベッド・メディカルホームケア研究・助成財団、一般財団法 人日本児童教育振興財団 助成事業 ◎病弱教育セミナー2015 病弱教育に携わる教員や医療・福祉の専門職を対象に、病気や障害のある子どもの より良い教育のために毎年この時期に行っている。一般財団法人日本児童教育振興財 団との共催によって1月10日(土)~11日(日)に国立オリンピック記念青少年 総合センターにて開催され40名が受講した。 ◎難病・慢性疾患全国フォーラム 2014 当会、日本難病・疾病団体協議会(JPA)、日本リウマチ友の会を世話人団体とす る実行委員会主催による集会を11月8日(土)浅草橋ヒューリックホールにて開催 した。本年のテーマは「すべての患者・障害者・高齢者が安心して暮らせる社会を」 および「新たな一歩を踏み出すために〜患者・家族の生活を考える」。参加者は350 名だった。 ◎自立支援員研修会 本年の一月から施行された小児慢性特定疾病児童等自立支援事業において、地域で 暮らす小児慢性特定疾病児の教育や就労等を含めた自立支援を進めるために設けられ た「自立支援員」を育成するために、国立成育医療研究センターとの共催によって2 月19日(木)~20日(金)に国立成育医療研究センターにて開催され53名が受 講した。 5.社会教育・広報活動 ◎広報活動 ○機関誌<がんばれ!>の発行 機関誌<がんばれ!>は144号から149号までの計6回発行した。とくに14 9号からはカラー印刷にしたところ読者からたいへん好評だった。 ○パソコンおよび携帯電話のホームページの開設による最新情報の発信。 ◎チャリティー・イベント等出展による広報活動 ○Hitachi3ToursChampionship2013 12月14日に千葉市の平川カントリークラブにて行われた Hitachi3Tours Championship2014 大会に展示ブースを設置して広報活動を行った。 6.ボランティアの養成ならびに活動支援事業 ◎プレイリーダー(遊びのボランティア)を養成する活動 子どもは遊びを通じて、友達やきようだいとかかわり成長・発達する。病院や施設 等において遊びを提供するボランティアを養成すると共に、その活動を支援する。活 動先は、国立成育医療研究センター、神奈川県立こども医療センター、順天堂大学附 属順天堂医院、東京医科大学小児科病棟、中川の郷療育センター(埼玉)、杏林大学付 属病院、千葉大学医学部附属病院、東京医科歯科大学附属病院などとなっている。 ○プレイリーダー養成講座の開設 養成講座を開設して、講義と演習を受講してプレイリーダー活動を学ぶ。今年度は 春1回の講座を開講した。秋の講座は受講生が集まらなかったため中止。春の講座で 実習できなかった受講生の実習のみ行った。 講 座春:平成26年5月8日・15日・23日 実 習:平成26年6月から7月・11月から12月にかけて各自4回 実習先:国立成育医療研究センターおもちゃライブラリー、杏林大学付属病院、神 奈川県立こども医療センター 受講生:14名 ○プレイリーダー活動支援 プレイリーダー活動をより活発に行うために、活動先の紹介や開拓、玩具文具購入 費の助成(今年度は7件の助成)を行った。 ○病児の遊びとおもちゃケア 国立成育医療研究センターおもちゃライブラリー主催の公開セミナーに対して、共 催団体として参画した。プレイリーダー研修会の一環として位置づけている。3月8 日に国立成育医療研究センター講堂にて開催。基調講演は二瓶健次先生、記念講演は 難病ネット 小林会長が行った。参加者250名 ○プレイリーダー研修会の開催 11月13日に難病ネット研修室にて開催した。参加者30名 それぞれの活動先の活動報告、交流を行い、後半は頭金多絵さんを講師に招き、手作 りおもちゃ、ふれあい遊びの研修を行った。 ◎サンタクロースの病院訪問 今年も青い目のサンタクロースとおとものトナカイやツリーたちが、埼玉県立小児 医療センター、順天堂大学医学部付属順天堂病院、静岡県立こども病院、神奈川県立 こども医療センター、宮城県立拓桃医療療育センター、宮城県立こども病院、杏林大 学医学部付属病院、自治医科大学とちぎ子ども医療センター、東京大学医学部付属病 院、豊橋市民病院、大阪府立母子保健総合医療センターの小児病棟と、難病のこども 支援東海ネットワークのクリスマスパーティのほかに、荻窪病院のクリスマスパーテ ィにはプレゼントの提供を行なうなど、合わせて 2,300 名を超える子どもたちにプレ セントを届け、子どもたちや付き添いをしている家族たちにひと時の楽しみと思い出 を提供した。 ※Hitachi3ToursChampionship2013(一般社団法人日本ゴルフツアー機構、一般 社団法人日本女子プロゴルフ協会、公益社団法人日本プロゴルフ協会)、タカラトミ ー株式会社、一般財団法人日本玩具文化財団、株式会社ファイザー 協賛事業 7.みんなのふるさと“夢”プロジェクト(あおぞら共和国) 山梨県北杜市のプロジェクト現地は平成26年2月に“あおぞら共和国”と命 名された。1号棟は7月、2号棟・お風呂棟は12月から利用が開始され、26 年度は全体で延べ26組106名の宿泊利用があった。外周柵及び、駐車場の舗 装も整備できた。サマーキャンプ“がんばれ共和国”でシンボルとなっている熱 気球の係留飛行が、実施可能か否か現地調査及び試験飛行を行った。 ◎開発関連活動 ○駐車場の舗装工事、外柵の設置を行った。 ○固定資産税の減免措置を受けるため、申請を行った。 ○土地の地目変更登記をおこなった。 ◎建築関連活動 ○ロッジ2号棟及び、浴室A棟の建設を行った ◎運用関連活動 ○7月よりロッジ1号棟の利用を開始し、11月よりロッジ2号棟、平成27年 1月より浴室A棟の利用を開始した。 ○施設利用開始に伴い、現地の管理について青柳均・明美夫妻と契約を交わし、 鍵の受け渡しや施設管理等を行ってもらうようになった。 ○6月28日(土)29日(日)と10月31日(土)11月1日(日)にボラ ンティアを募り現地の草刈りを行った。 ○10月末、ルノージャポンより車輛の寄贈を受け、小淵沢駅前に駐車場を借り 現地までの移動手段として利用を開始した。 ◎広報関連活動 ○日野春駅〜現地(12km)のチャリティウォークを4月26日(土)と同年 10月25日(土)で実施した。4月は約180名が参加、10月は約60名が 参加した。 ○24時間テレビチャリティ委員会よりロッジ1号棟へ太陽光エコシステムを寄 贈いただいたため、4月26日(土)贈呈式を行った。 ○24時間テレビチャリティ委員会より浴室A棟へ太陽熱温水器及び給排水設備 等を寄贈いただいたため、10月25日(土)贈呈式を行った。 ○小口弘毅氏、田伏純子氏の声掛けで、「甲府一高あおぞら会」が結成され、チャ リティウォークの難病ネットとの共催等、広報に協力いただいた。 8.その他の活動 ◎健やか親子 21 推進協議会への参加 課題3グループの幹事団体として参加した。 ◎関連団体への活動支援 難病のこども支援東北ネットワークの七夕キャンプ20周年行事、難病のこども支 援九州ネットワークのピクニック、難病のこども支援東海ネットワークのクリスマス 行事等へ支援した。 Ⅱ.収益事業 実施しなかった。
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