エレクトロニクスの夜明け

講演
「エレクトロニクスの夜明け」
末松安晴博士日本国際賞記念講演会
2014.6.9 東京商工会議所ビル4F 東商ホール
東京大学名誉教授/学士院会員 霜田 光一
東北工業大学理事長/学士院会員 岩崎 俊一
横浜薬科大学長/元筑波大学長 江崎玲於奈
京都大学名誉教授/元総長 長尾 真
東京工業大学栄誉教授 末松 安晴
『末松安晴先生の日本国際賞授賞を記念して』
東京工業大学・名誉教授 本会名誉顧問 伊賀
健一
1.まえがき
末松安晴・東京工業大学栄誉教授(元学長)が,
2014年4月23日に(公益財団法人)国際科学技術
財団から,2014年日本国際賞(Japan Prize)を
授与されました。2014年の授賞対象分野の一つで
ある「エレクトロニクス,情報,通信」 の授賞者とし
て選ばれました。 授賞理由は,「大容量長距離光フ
講演会場の様子
ァイバー通信用半導体レーザーの先導的研究」です。
末松先生は,光通信分野の世界的研究者として知ら
れており,本会名誉顧問でもあります。
日本国際賞(Japan Prize)とは,「国際社会へ
の恩返しの意味で日本にノーベル賞級の世界的な賞
を作ってはどうか」との政府の構想に,松下幸之助
氏が寄付をもって応え1985年に始まった国際賞で
す。 毎年,科学技術の分野を勘案して決められた2
つの領域で授賞者が選定されます。 今回で第30回
を迎えた授賞式は,4月23日(水)に国立劇場で開
平成 26 年 4 月23 日 日本国際賞授賞式にて
(写真は,公益財団法人・国際科学技術財団の提供によるものです。
)
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催されました。
講演
「エレクトロニクスの夜明け」
たが,光子数の増加だけが注目されており,光の位
2.記念講演会
末松安晴博士の日本国際賞授賞を記念して,電
子工学,情報学に関する世界的碩学の先生方をお
招きし,新しい学術分野を切り開かれた『知』を共
有させていただくことにより,科学技術発展の指針を
相は考えられていなかったということです。1951年
にタウンズが分子線による発振器を提案し,1954年
にアンモニアメーザーの発振に成功しました。当時
の理論物理学者やエレクトロニクス研究者はスペクト
ルは広いと考えていたそうです。分子ビームがマイク
得ることを目的とした記念講演会を企画しました。東
ロ波共振器を通過する時間は短く,不確定性原理に
学長主催者挨拶のあと,文部科学省・山中伸一事
霜田先生とタウンズは狭いはずであると主張し,これ
工大の主催,蔵前工業会の共催でした。 三島良直
務次官からご挨拶をいただき,550名の参加者のも
よりその周波数幅は大きいというのが理由でした。
は2台のメーザーの100Hzのビート発生で証明されま
と盛大に開催されました。 以下は講演の概要です。
した。
荒井滋久,鈴木左文。
ロウとタウンズの1958年の論文で予測されました。
報告執筆者は以下の諸君が担当しました;浅田雅洋,
一方,赤外や光のメーザー(レーザー)はショー
1960年に,メイマンやベル研究所のグループによる
(1)
『量子エレクトロニクスの夜明け』
霜田光一先生(執筆:浅田雅洋教授)
現在,科学技術のあらゆる分野に使われ華々しい
ルビーレーザーの報告に続き,ベル研究所のジャバ
ンらがヘリウム-ネオンレーザーの発振に成功し,2台
のレーザーのビートも観測されました。ディラックによ
りフォトンはそれ自身としか干渉しないと言われていま
発展を遂げているレーザー
したが,この実験でそうでないことが示されました。
いう分野が源流となっていま
様々な応用が開けていったのです。
は,量子エレクトロニクスと
す。このご講演では,エレク
トロニクスの夜明け前からレ
こうしてコヒーレント光源としてレーザーが開発され,
以上のような概要でレーザーの発明に至る息を呑
む数々の研究のお話をいただき,すぐに時間は過ぎ
ーザーの発明に至る量子エ
てしまいました。アンモニアメーザーが提案された当
て,様々なエピソードを交え
ンズが耳を傾けてメーザーのビートを「聴いている」
レクトロニクスの発展につい
ながらお話いただきました。
量子エレクトロニクスという言葉は,原子や分子,
フォトンなどの量子現象をエレクトロニクスに用いる技
時のメモや実験装置の写真などの貴重な資料,タウ
おもしろい写真,ルビーレーザー発明当時のメイマン
の研究に関する報道や論文の話,また,理論物理学
者がレーザーの位相やフォトンの干渉について必ずし
術という意味で,そのもとになった原子や分子のエネ
も十分理解していなかったことなど,大変興味深いお
エネルギーの実証実験,ラビの分子線磁気共鳴の
最後に,司会の神谷武志先生(東京大学名誉教
ルギーについて,シュテルン-ゲルラッハによる不連続
実験などのお話をされました。レーザーの原理であ
る誘導放出はアインシュタインによって提唱されまし
話を伺うことができました。
授)からの 「次の若い世代のサイエンスの担い手を
育てるにはどのようなことを考えたらよいか」という
質問に対して,「いろいろあると思うが,レーザーの
発展がこれからもある中で,オプティクスの教育が今
あまり行われていないように思われます。特に,カラ
ー(光の色)についてはほとんど行われていません。
魅力も将来性もある分野なので,子供たちへ実験な
どを通しておもしろさを伝えていくべきです」とのお
言葉をいただきました。
霜田光一先生と神谷武志先生
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(2)
『 垂直記録−大容量ストレージと文明−』
岩崎俊一先生(執筆:荒井滋久教授)
垂直磁気記録は,岩崎先
いるそうです。1980年代の面内記録方式のHDD
に比べて2007年には記録容量で千倍(現在では約
7千倍),消費電力は1/1500という桁違いの発展を
遂げ,垂直磁気記録は非常に広汎な情報(ビッグデ
生が1977年頃に発明された
ータ:情報の産業革命といわれる)を扱う分野の創
容量のメモリーとして使われ
るようになるため,垂直磁気記録を用いるHDDは現
研究フィロソフィー(相補性),
化を生むため,技術の母と言われるが,技術は次の
のですが,現 在では広く大
ています。 講 演では,その
実用化 への 道,その 意 義,
および科学・技術と社会と
の関わりについて大変面白いエピソードを交えながら
ご講演いただきました。
特に,以下の当初の評判について触れられました。
・ 垂 直 磁 気 記 録 に つ い て のElectronics誌,
出に貢献しています。 今後,多くの情報が蓄えられ
代のロゼッタストーンといえます。「科学は新しい文
発想の基盤を作る科学の父と言え,技術は物作りを
通して社会を組織化し文明を築くと言える」という視
点も独特で面白いものでした。
最後に,司会の大野英男先生(東北大・電気通
信研究所長)からの 「研究・実用化に際して何が
一番重要か」という質問に対して,①魅力ある研究
April, 1983の記事では,「日本では米国より7年も
テーマ(一生をかけられるような),②大きなことを
る努力も20-30倍も大きなものである。」。
③応用と実用は異なるので,役に立つまで持続・続
先行した研究が進んでおり,研究開発に注がれてい
・The Institute News Supplement to IEEE
Spectrum誌,May 1984では,「 非 常に多くの研
究成果が日本の雑誌だけ(日本語で)出版されてお
り,西側諸国はこれらの重要な研究成果から遮断さ
れているため,日本の技術雑誌の翻訳は極めて重大
かつ緊急を要する。」(Dr. Clark E. Johnson Jr.,
当時のIEEE Magnetics Society会長)。
これらは,その後の研究教育に大いにグローバル
行うためには多くの協力者・協力グループが必要,
行することというお答えでした。 研究者・技術者個
人の心構えや役に立つまで続行されたご努力は大変
なものと感銘深く伺いました。
(3)
『新しいリサーチフロンティアの開拓』
江崎玲於奈先生 (執筆:鈴木左文准教授)
研究者として必要な創造力
化を推進させる契機となったのではという思いだけで
(Creative mind) と 教 育
as No. 1, Ezra F. Vogel, 1979」を思い起こさせ,
(Judicious mind) につい
その長い研究開発の結果,2006年から商用化さ
されました。 次に,学 生 時
は2010年には面内記録方式をほぼ全て置き換える
から,渡米と半導体超格子
者 とし て 必 要 な 分 別 力
なく,当時の米国で評判となっていた書籍 「Japan
てご自身の経験を元に解説
感慨深いものであったとのことでした。
代やエサキダイオードの発見
れた垂直磁気記録方式のハードディスク(HDD)
ほどに成長し,現在では年間7-8億台が生産されて
の研究にいたる当時の時代背景を含めた変遷の紹介
と,論文の長期的視点から見たインパクト,最後に,
科学者に必要なチャレンジ精神についてお話されまし
た。
創造力と分別力について,「分別力は年齢と共に
培われていくが,創造力は若いときが高く年齢と共に
衰えるため,自身も40歳までの成果が業績のほとん
どであることから,研究は若いときに精力的にすべき」
との考えを示されました。
この創造力と分別力については,最後の
岩崎俊一先生と大野英男先生
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裕之豊
田工業大学学長からの質問の 「世界と日本の学生
講演
の違いについて」 に応じ,「欧米では創造力を育て
るような授業が中学高校で展開されているが,日本
では創造力よりも分別力を鍛えるような教育になって
「エレクトロニクスの夜明け」
から,「米国と日本の両方をご経験され,ご帰国後は
大学教育にも大変ご尽力された立場から,最近の状
況についてどのようにお考えでしょうか」という質問
いるため,もっと創造力を育成するようにしなければ
に対しては,「米国の方が依然として創造力を強調し
力が必要であり,およそ30年間のアメリカ ニューヨ
フロントランナーとなる創造力に重点をおくべきであ
ならない」とのお答えでした。 教育者としては分別
ーク IBMワトソン研究所での研究生活の後,筑波
大学学長として日本に戻ったときは,「学生に探究心
を持たせるよう教育に取り組んだことから,年齢によ
る変化を感じながら自分の役割を果たすことが重要
であるということだと思う」と述べられました。
戦時中に中学,高校,大学と学生時代を過ごし,
ているようであり,
日本も2番手を走る分別力ではなく,
る」というお答えをされました。
(4)
『社会基盤としての情報学』
長尾真先生 (執筆:鈴木左文准教授)
情報処理学の概要につい
変化の大きい時代だったからこそ変わらない普遍的
ての 明 快 な 解 説,および,
の翌日も東大では授業が行われたようで,学ぶこと
書館などのご自身の研究の
顔認識や翻訳そして電子図
な知識の探究に重きを置いたようです。東京大空襲
移り変わりとそれら研究の要
に最大の価値を置けという精神が東大の根幹にあっ
点,それから,従来の科学
たということがうかがえ,江崎先生が物理にのめり込
方法論とは異なる情報の取
んだのも頷けました。
エサキダイオード発明のエピソードでは,東京通信
り扱い方法について,大変
工業(現ソニー)に移ってから半導体PN接合の限
分かりやすくユーモアを添えてお話いただきました。
を偶然にも発見し,このサプライズこそがサイエンス
ている顔認識の研究については,1970年ごろから研
界の薄さに挑戦したところ,負性抵抗が発現するの
の素晴らしさ,そして,この様なサプライズに出会う
にはチャンス(偶然)の女神がほほ笑む様に十分な
現在,デジタルカメラ等で当たり前の様に使われ
究を開始され,人間がどのように顔を認識しているか
のメカニズムを考え,プログラムはヒューリスティック
準備が必要だということであり,研究に対する取り組
かつ試行錯誤を行う方法をとるようになっており,一
ド発明の後,グラハムベルの言葉 「森の中に入れ」
れていることに感銘を受けました。顔の写真をコンピ
みについての感銘深いお話でした。エサキダイオー
般的な科学的方法とは異なる手段を先見的に取り入
(踏みならされた道から外れ森の中に入ればきっと新
ュータに取り込んだときの画像を紹介されたときは,
IBMワトソン研究所に移られました。そこでは,半導
に,日ごろ何気なく使っているカメラでは瞬時的に顔
たな挑戦が,
エピローグでの言葉「明日を訪ねる」
(限
術の進歩の度合を改めて認識することとなりました。
たな発見がある)を見てアメリカに移ることを決意し,
体超格子の研究をなさいましたが,これらたゆまぬ新
界への挑戦とその研究成果が明日の扉を開く)につ
ながるのではないかと思われます。
最後に,司会の
裕之先生(豊田工大・学長)
当時の画像処理の困難さがうかがい知れたと同時
認識が出来ていることが如何に凄く,そして,その技
顔認識の次に取り組んだ論文表題や論文抄録につ
いての翻訳の研究では,非常に多くの表題や抄録の
構造を分析・分類し,そこから独自の翻訳システム
を作り上げており,これらが,現在の翻訳システムの
中核となったと考えるとこの分野への貢献は計り知れ
ないものがあります。
電子図書館のシステム構築では,書物がどのよう
に構成されているか構造を解体し,冊子単位ではな
く章,節,図などの細かな単位で検索可能になって
おり,また,その他様々な電子読書機能を持たせる
など今までの図書館の概念を覆す機能がふんだんに
盛り込まれているようです。
江崎玲於奈先生と
裕之先生
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通信の実現のために,末松先生が「動的単一モード
レーザー 」と名付けた半導体レーザーの開拓の歴史
についてお話されました。これは,
(1)光ファイバー
の最低損失波長である1.5 µm帯で動作し,
(2)光
ファイバーの材料・構造分散による光パルス広がり
の影響を受けにくくするために,高速変調や温度変
化の下で単一モード動作し,なおかつ(3)波長が
可変,の3機能を併せ持つレーザーで,1980年には
温 度 的 波 長 可 変 の 動 的 単 一 モードレーザ ーを,
長尾 真先生と酒井善則先生
ザーを提唱して実証されました。
あることが実感できた」とのこと。「情報の意味を正
階から世界の最先端を切り開いた戦後最初の技術
の種類があり,それぞれに異なったとらえ方が必要で
しくとらえるためには,情報の構造を細かく分割する
のではなく,過去の膨大な用例から推定しなければな
らない」との考えも大変納得のいくものでした。この
ような膨大なデータを参照するということは(全体を
全体としてとらえるという表現をされていました。),コ
「日本の光ファイバー通信の発展は,研究開発段
開拓であったと言われている」とのことでした。その
中で,動的単一モードレーザーの開拓が契機となっ
て超高速長距離用の単一モード光ファイバー通信の
実験が始まり,それが世界に広まったということです。
半導体レーザーだけでなく,変調方式や光回路,そ
ンピュータや情報通信の進歩によって実現が可能と
して電子デバイスなどの開拓が進み,これらの進展
の発展を促す例といえ,科学技術全体が発展してい
ーブルなど,大容量長距離光ファイバー通信の商用
なったのであり,異なる分野の発展がまた他の分野
くことが重要であると感じました。
最後の,情報通信分野は今後どのように発展して
が1980年代後半からの陸上並びに大陸間光海底ケ
化を推進したとのコメントがありました。
また,1977年に伊賀健一前学長によって提案され
いったらよいかとの酒井善則先生(東工大名誉教授,
た面発光レーザー(VCSEL)も適切な設計によって
身の研究に絡めて「現代の通信で運んでいる膨大
くのスーパーコンピュータのボード間光通信をはじめ,
学問分野を切り開けば良いのではないか」というお
ているという紹介もありました。
電子情報通信学会長)からの質問に対しては,ご自
な量の情報(Big data)そのものを分析するような
答えでした。
動的単一モードレーザーとして動作し,現在では,多
比較的短い距離の広帯域省電力光通信に多用され
前述の電気的波長可変の動的単一モードレーザ
ーは省電力動作の特徴があり,波長多重方式では多
(5)
『半導体レーザーの夜明け
∼光ファイバー通信への道∼』
末松安晴先生 (執筆:荒井滋久教授)
くの波長の異なるレーザー光源が必要とされるため,
2004年から商用化され,2010年頃からは本格的に
用いられるようになったことは,研究を行っていた当
時には予想もできなかったことで,大変感慨深いとい
本格的な光ファイバー通
うことでした。
生がその中核技術として位
て順次これを乗り越える創案と新技術の開拓による
信の実現のために,末松先
置づけた半導体レーザーの
着想と特徴,そして光ファイ
動的単一モードレーザーの研究は,問題を設定し
工学的手法により進展したものですが,これは大容
量長距離光ファイバー通信というシステムを志向した
バーの開拓と相まって実用化
デバイス研究であったため,その後のインターネット
容量長距離光ファイバー通
というお話でした。 私たちが末松研究室の学生だっ
最初に,大容量長距離の単一モード光ファイバー
「研究はシステム志向で行うべき」という教えと重な
され,今も尚発展している大
信についてお話されました。
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1983年には電気的波長可変の動的単一モードレー
以上の研究を通して,「情報というのは多種多様
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の発展および社会のICT化に貢献したものと言える
た1970年代から一貫して,折に触れ言われてきた
講演
「エレクトロニクスの夜明け」
り,当時が懐かしく思い出されました。今後,集積化
『予想した基本性能の動的単一モードレーザーを達
光信号を用いる第一世代型から位相変調を用いる第
ステム指向のデバイス研究です。こうした工学的研
光ファイバー通信の大容量化は画像伝送コストの
者やこれから勉強しようとする学生諸君への大きな
や省電力化など,一層の高性能化により,強度変調
二世代型に飛躍しつつあります。
激的な低減に大きく貢献し,1990年代の半ばから楽
天やグーグルなどのネットワーク企業が続々と誕生し
ました。こうした流れは,大げさな言い回しをすれば,
活版印刷技術に基づく紙文明から大容量情報通信
技術に基づく映像表示文明への変革をもたらしたも
のといえます。
成するために,逐次,問題解決を達成して進めたシ
究展開の意図が評価されたことが,工学分野の研究
励みになれば幸いです。』
末松先生は,東京工業大学と高知工科大学の学
長や情報学研究所の所長等を歴任して,我が国の
科学技術に関するリーダーの一人です。また,20年
以上にわたり,郷里の中津川市において理科教室を
開催して理科のおもしろさを子供達に伝え,一方では
最後に,司会の白川英樹先生(本学昭和36年卒,
日本学術振興会の「ひらめきときめきサイエンス」の
材や研究費などいろいろな幸運に恵まれたというご
する役目も続けておられます。
生が特に意識的に働きかけたということがあるのか」
*東工大出身者
材だけでなく文部省や企業の支援,およびインターネ
白川英樹 (S36化工4 38修化工41博)
ノーベル賞受賞者)から,「末松先生のお話には人
紹介がありましたが,それは偶然なのかあるいは先
という質問があり,これに対して末松先生からは「人
ットのしくみが提唱されるという時代の巡り合わせと
いう偶然が重なった結果であると思う」との応答が
あって,和やかに記念講演会が終了しました。
委員長として,科学研究費の成果を若い世代に伝達
末松安晴 (S30電2 32修電35博)
伊賀健一 (S38電43博)
三島良直 (S48金50修)
荒井滋久 (S52電子57博)
浅田雅洋 (S54電物59博)
鈴木左文 (H17電・電19修 物 理 電 子システム
創造21博)
末松安晴先生と白川英樹先生
3.祝賀会
祝賀会場の様子
引き続き東京會舘で開催致しました記念祝賀会で
は,末松先生ご夫妻を囲んで,たいへん和やかな祝
賀会を開催することができました。 共催は東京工業
大学,蔵前工業会,東工大/電気・情報系同窓会
にお願いしました。蔵前工業会からも多くの会員が出
席し,総計で360名以上もの参加を賜りました。
4. むすび
末松先生は受賞に際して次のように語っています。
祝賀会における末松安晴先生ご夫妻
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