2008 年 3 月 13 日 株式会社ルネサス テクノロジ セキュア RFID プロトコルに対応した UHF 帯 RFID の リーダ/ライタ用ベースバンド信号処理 IC「RKT181NP」を製品化 - 当社のフロントエンド IC とチップセットで使用することにより、 UHF 帯 RFID 用リーダ/ライタの低価格化、小型化を実現可能 - 株式会社ルネサス テクノロジ (本社:東京都千代田区、会長&CEO 伊藤 達)は、このた び、RFID (Radio Frequency Identification)の国際標準規格 ISO/IEC18000-6 TypeC(注 1)に 準拠し、並びに「セキュア電子タグプロジェクト」(注 2)が開発したセキュア RFID プロトコ ル(注 3)を搭載した UHF 帯(注 4)RFID のリーダ/ライタ用ベースバンド信号処理 IC「RKT181NP」 を製品化しました。2008 年 4 月からサンプル出荷を開始します。 本製品は、国際標準規格プロトコル処理が可能であるため、国際標準規格に準拠した UHF 帯 RFID 用のリーダ/ライタを実現できるだけでなく、セキュア RFID プロトコルにも対応し ているため、例えば、当社のセキュア RFID プロトコル対応の RFID 用 IC チップである 「RKT132」などとの通信が可能なリーダ/ライタも実現可能です。 加えて、本製品を、当社で既に量産中のリーダ/ライタ用高周波フロントエンド IC 「RKT180」 とのチップセットで使用することにより、リーダ/ライタの低価格化、小型化が図れ、開発 が容易です。 <製品化の背景> 近年、RFID は、流通管理やトレーサビリティ等の市場で利用が始まっており、今後、ま すます利用が拡大していくことが予想されます。しかし、RFID 内の情報の読出し/書込みを 行う機器であるリーダ/ライタについては、現状、一般的には高価であり、RFID システムを 普及する上での課題となっています。このため、市場では、リーダ/ライタの低価格化はも ちろんのこと、コンシューマ機器などに組み込むための小型化等を実現できるデバイスに 強いニーズがあります。 一方、RFID 用リーダ/ライタは、アンテナを経由して電波を送信または受信を行い、RFID との情報交信を行います。そして、リーダ/ライタを構成する必須の部品として、フロント エンド IC とベースバンド信号処理 IC があり、それぞれ以下の役割を担っています。 ①フロントエンド IC:電波の周波数の変換(送信時は高周波化、受信時は低周波化)を行う。 ②ベースバンド信号処理 IC:低周波信号からデジタルデータを取り出す、またはデジタル データを低周波信号に変換する。 当社は、UHF 帯 RFID のリーダ/ライタ用に、①のフロントエンド IC として、 「RKT180」を 既に量産しています。今回、上記の市場ニーズに応えるため、「RKT180」とチップセットで 使用できる②のベースバンド信号処理 IC「RKT181NP」を製品化しました。 1 <製品の特長> 本製品の特長は以下のとおりです。 (1) 「RKT180」とのチップセットにより、リーダ/ライタの低価格化・小型化を実現可能 本製品「RKT181NP」は、高周波フロントエンド IC の「RKT180」とチップセットで使用 することで、UHF 帯 RFID 用リーダ/ライタの送受信信号処理に必要な大半の機能に対応 できます。わずかな外付け部品を追加するだけで、リーダ/ライタの送受信信号処理機 能を実現できるため、機器の低価格化、小型化を図れます。 また、 「RKT180」と「RKT181NP」とで生成される高周波出力信号のスプリアス(注 5)特性は、 日本国内電波法で定めている特定小電力無線における 10mW 以下の規格に適合するよう 最適化しています。 (2) 国際標準規格のプロトコルに加え、セキュア RFID プロトコルの処理が可能 RFID とリーダ/ライタ間の通信は、通信規格により定められた手順、即ち通信プロトコ ルを用いて行われますが、本製品「RKT181NP」は、機器における主要な処理を行うマイ クロプロセッサに対して、以下の変換や処理を行います。 ①RFID からの受信データは、通信プロトコルに基づいて解釈し、必要なデータを取り出 した後、マイクロプロセッサへ送信。 ②RFID へデータ送信する時は、マイクロプロセッサからのデータを通信プロトコルの形 式に変換して、フロントエンド IC へ送信。 本製品は、国際標準規格 ISO/IEC18000-6 TypeC に準拠したプロトコル処理が可能であ り、加えてセキュア RFID プロトコルにも対応しているため、グローバルなシステムお よびセキュアなシステム構築に対応できます。 加えて、RFID に内蔵しているメモリの読出しや書込みなどの 1 対 1 通信を行うためには、 プロトコルで規定された一定の手順に従う必要があります。「RKT181NP」は、この一定 の手順を自動的に行えるようにしており、本機能により、マイクロプロセッサは非常に 簡単な制御で RFID との通信を行うことができるため、システム構築を容易にします。 パッケージは、外形サイズが 9mm×9mm の小型 64 ピン QFN(Quad Flat Non-lead Package) を採用しており、機器の小型化に貢献します。 今後も当社は、市場のニーズに応える RFID 用 IC チップやリーダ/ライタ用 IC チップの開 発、製品化を行い、タイムリーに市場に提供していきます。 ■注 記 (注 1) ISO/IEC18000-6 TypeC:ISO/IEC18000 は、主に物に取り付ける無線 IC タグに関する規格。 ISO/IEC18000-6 TypeC は、IC タグの標準化を推進している非営利団体 EPCglobal Inc. の規格「EPCglobal Class1 Generation2」をベースに、ISO で国際規格化された IC タグ の規格。UHF 帯の中の 860~960MHz 帯域を使用する。 EPCglobal Inc.の URL: http://www.epcglobalinc.org/ (注 2) セキュア電子タグプロジェクト:経済産業省の研究開発委託事業「UHF 帯電子タグの技術 開発事業」(2006 年 8 月~2007 年 3 月)の通称。株式会社日立製作所が中心となって、 協力企業の 5 社と共同で進められたプロジェクト。 (注 3) セキュア RFID プロトコル:セキュア電子タグプロジェクトにより開発されたプロトコル。 (注 4) UHF 帯:UHF は Ultra High Frequency(極超短波)の略で、300MHz~3GHz の周波数帯の電 波を指す。 (注 5) スプリアス:目的の周波数以外の不要な電波が発射される現象。 * 記載の製品名、会社名、ブランドは、それぞれの所有者に帰属します。 2 ■応用機器例 ●UHF 帯 RFID 用のリーダ/ライタ ●UHF 帯 RFID 用ラベルプリンタ等 ■価 格 製 品 名 外形 出荷形態 サンプル価格(円/個) <税込> RKT181NP 64 ピン QFN テーピング(2,500 個/リール) 1,500 ■仕 様 項目 「RKT181NP」仕様 プロトコル 「ISO/IEC18000-6 TypeC」および「セキュア RFID プロトコル」に準拠 機能 ・各コマンド単発発行 ・RFID 認識までのコマンド連続発行 ・RFID データ読出し/書込みまでのコマンド連続発行 ・キャリアセンス機能 伝送レート ・下り (リーダ/ライタ → RFID):40 / 80 / 160 Kbps ・上り (RFID → リーダ/ライタ):40 / 80 / 160 / 256 Kbps 受信信号符号 FM0、Miller マ イ クロ プロ セ ッサ ・パラレルインタフェースモード とのインタフェース ・SPI(Serial Peripheral Interface)モード ・UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)モード 基準周波数 19.2MHz パッケージ 64 ピン QFN (9mm × 9mm) ■お客様からの問い合わせ先 株式会社ルネサス テクノロジ 汎用製品統括本部 第二アナログ製品技術部 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目 6 番 2 号(日本ビル) 電話 03(5201)5191 (ダイヤルイン) 以 上 *** このニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。 *** *** 発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。 *** 3
© Copyright 2024 Paperzz