JLAU 公園活性化セミナー2016 実施レポート 【公園の進化を考える JLAU × プレーパークせたがや】 vol.3 冒険遊び場のデザインに学ぶ 子どものつぶやきと観察がヒント!子どもの動線と遊び場のかたち 造園 CPD 認定プログラム 2.5 単位(認定番号:16-0265) JLAUと NPO 法人プレーパークせたがやが協同して公園の活性化を考える合同セミナーを開催しました。 今回は、プレーパークせたがやのプレーワーカー:金子哲大氏に「常設プレーパークのかたち ~世田谷 公園プレーパークの事例~」、大垣内弘美氏に「いつもの公園をプレーパークに ~二子玉川公園プレーパ ーク プレーカーの事例~」をそれぞれのテーマとして常設と仮設のそれぞれの冒険遊び場の事例から、 「遊 び」と「遊び」 「見守り」 「憩い」の場の領域と関係において配慮していること、公園の特長に配慮した遊び 空間のしつらえ方、遊びの幅を広げる空間のあり方や道具の工夫など、計画・設計・運営管理の参考になる 豊富な実例をご紹介いただきました。 ※プレーカー:常設の冒険遊び場の運営が困難な地域、公園において、 〈NPO プレーパークせたがや〉が仮設による 冒険遊び場の実施を支援するために資材、遊び道具等を運搬する車及びそのプログラム。 【実施概要】講師:金子 哲大氏、大垣内 弘美氏 (NPO 法人プレーパークせたがや プレーワーカー) 日時:平成 28 年 9 月 30 日(金) 19:00~21:30 場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 主催: (一社)ランドスケープアーキテクト連盟(JLAU)、NPO 法人プレーパークせたがや 企画:JLAU:石井裕子、鈴木良、宮川忠之/プレーパークせたがや:大垣内弘美、早川直美 参加者 29 名(講師、スタッフ含む) 〈講演概要〉一般の公園でも冒険遊び場の楽しさや安全、安心を得るための知恵、ヒントがたくさんつまっ た講演でした。冒険遊び場の知恵に学び、公園の再デザインに反映していくことで、多くの人が楽しく安 心して遊び、憩うことのできる公園を実現できるのではないかと感じたセミナーでした。 講演1:金子哲大氏「常設プレーパークのかたち ~世田谷公園プレーパークの事例~」 ◆入口に配置された小さいブランコ「ちびんこ」 。プレーパークの目印になり、入口で迷っている初体験の 親子を引きこみます◆「テトリス」のようなカタチの椅子「テトリイス」 。好きな場所に運んで好きなカタ チに並べて遊具になったり、お気に入りの場所をつくったり。片付けるときはうまく組み合わせて正方形に。 いろいろなカタチと可動性がいろいろな遊びと憩いの可能性を広げています◆虹色に塗られた小さなシー ソー「ニジーソー」 。板や棒があれば子どもはシーソーをつくるという観察から考えた遊具。安全性と楽し さを両立した絶妙なカタチにプレーワーカーの知恵が詰まっています◆向かい合わせた滑り台は平坦な場 所にすり鉢状の形態と遊びの連動性を生み出します◆鯉が描かれた身長計「誰でも鯉のぼり」 。みんなが背 比べをして印を残していきます。知らない子の名前と背の印を見て「でかい」 「すごい」などのコミュニケ ーションが生まれます。 など、世田谷公園プレーパークのユニークな名前の遊具たちを例に「遊び場づく りの視点、力点、作用点」という切り口で、遊び場や遊具づくりの際に、大切にしたいこと、配慮したこと、 そこから生まれる遊びと可能性、生まれてくる課題への対応などについてお話いただきました。 講演2:大垣内弘美氏「いつもの公園をプレーパークに~二子玉川公園プレーパーク プレーカーの事例~」 場所の観察、子どもの観察から常に変わり続けるプレーパークでは地形や植物など既にある遊びの要素や、 「もちこみ」 、 「もちより」した遊び道具とアイデアをいかに活かすかで、遊びと遊びの連動、入りやすさ、 安心感、安全性などの遊び場、憩いの場としての魅力が大きく変わってきます。◆利用の配置の工夫、領域 性への配慮:人目を引くシンボル設置◆憩いの場に必要なこと:日除け、囲われ感、気兼ねの要らない自由 さ◆事故防止:救急対応、火の使用エリアの配置◆遊びの魅力を増すしつらえ:でこぼこ、自由に使える自 然素材、木登りできる木◆遊びの可能性を広げる要素、工夫:創って壊せること◆多世代交流・集団遊びな ど魅力の発信と入りやすさ、 など、子どもの安全性と大人にとっての安心感、子どもと大人それぞれ関係 づくり、遊びの多様性などを「静」と「動」のレイアウト、遊びと憩いの場のしつらえ、知恵の持ち寄りと 工夫など、プレーカー活動により得られた視点と知恵をお話いただきました。
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