腸炎と潰瘍性大腸炎/その2/腸炎の新しい分類

「病気のプロフィル」No.
39
腸炎と潰瘍性大腸炎
その2.
前報
腸炎の新しい分類―(A)
(「病気のプロフィル」No.
38)で述べたように、腸は外界に開放された長大
な臓器であるから、そのいずれかの部分に炎症が発生する機会は多く、食思不振、
嘔気、腹痛、腹部膨満、下痢などを主な症状とする腸炎
enteritis
が発現する。
炎症が小腸か、大腸のどちらかに主に発生することがあれば、小腸、大腸両方に
わたることもある。また病気によっては病巣が回盲部や直腸などの一部に限局して
発生することもある。炎症にもとづいて腸粘膜から粘膜下層にかけて特異な病変が
認められる腸炎にクローン病がある
近年、腸炎の様相は著しく変貌した
(図
1)。
(後述)。その推移を踏まえながら、内外の第
一線の消化器病学者の報文を参考にして、二十一世紀初頭における腸炎の分類とそ
の実態についてあらまし述べる。
腸炎と炎症性腸疾患の用語
1975年にKirsnerとShorterがその編著でinflammatory
「炎症性腸疾患」と邦訳されている)
症
(後述)
bowel
disease
(一般に
の語を用いて以来、この語は腸の非特異性炎
、そのなかの潰瘍性大腸炎とクローン病に限って用いられるかのごとき印
象を与えた。事実、それ以降にわが国で刊行された著書や報文ではそのように取り
扱われていることが多い
[2,
3]。
筆者は、このような取り扱いかたについて、長年この方面を専門にしてきた人た
ちにはそれ相応の理由があろうかと考え、調べてみたが、はっきりした根拠を掴み
得なかった。このプリントでは潰瘍性大腸炎およびクローン病、すなわち「炎症性
腸疾患」ではなく、非特異性腸炎の一つとして取り扱いたい。
もう一つ、筆者には「炎症性腸疾患」を「腸炎」として何故いけないかという考
えがある。また「非特異性炎症性腸疾患」の用語に「性」の文字が二つ挟まってい
る。医学界の長年の慣習で「性」や「的」の文字をまったく用いないわけにはいか
ないが、二文字以上になると、科学の具象性から逃避しているかのごとき感がある。
「性」や「的」の文字を付けるとすれば、一字にとどめたい。
このプリントでは、できるだけ炎症性腸疾患を腸炎で通すことにする。
1
このプリントで採用した外国語 必ずしもkey
wordではないが、外国語論文に
よく用いられている用語で、このプリントで採用したものを初めに記しておく。
水系感染
water-borne
enteritis,
市井感染
infection,
病原の迅速診断
community
下痢症
traveller's
保菌者
asymptomatic
transmitted
infection,
rapid
diarrhea,
acquired
infection,
identification
複数微生物感染
carrier,
enteritis,
分類のむずかしい腸炎
集団発生
院内感染
pathogen,
polymicrobial
mass
溶血性尿毒症症候群
of
indeterminate
epidemic,
hemolytic
nosocomial
海外旅行者
infection,
無症状
性行為関連腸炎
uremic
sex-
syndrome
腸炎分類の大・中・小項目
この分類はベッドサイドで用いられることを目的として作製されたもので、日常
の診療で腸炎または腸炎疑いの患者に接したときに、その原因を推定していく過程、
すなわち暫定診断
確定診断
provisional
definite
diagnosis
diagnosis
→
除外診断
diagnosis
by
exclusion
に役立つことを願っている。
例えば脳血管障害で長期療養中の高齢患者に、ある日突然、粘血便を見ることが
ある。糞便について微生物学的検査をしても特定の病原が検出されない。他方、患
者の心身の状態から、内視鏡などの精密検査を進めることがむずかしい。このよう
な場合、診断を「原因不明の粘血便」とするにとどめず、確定診断に至る努力をす
べきである。すなわち他の症状をも併せて参考にし、「腸炎の分類表」によって疑
わしい病気をピック・アップ、応急の治療措置を講ずる一方で、暫定診断から除外
診断を進めて確定診断に至る努力をすべきである。
私見では、この患者で暫定診断の候補になり得る病気として虚血性大腸炎、急性
出血直腸潰瘍、下痢原性大腸菌感染症、直腸粘膜脱症候群、薬物に起因する腸炎、
アフタ性大腸炎、....
(後述)
があげられよう。
分類の大項目 腸炎にはその原因が推定できる場合と、できない場合とある。前
者を特異性腸炎
specific
enteritis、後者を非特異性腸炎
non-specific
enteritis
と
いう。前者の例が腸管感染症、薬物に起因する腸炎、虚血性大腸炎などで、後者の
例が潰瘍性大腸炎、クローン病、好酸球性胃腸症などである
(表
1)。特異性・非特
異性という用語にもあいまいさがあって筆者は必ずしも良しとしていないが、原因
が「推定」できるか、できないかぐらいの意味に解している。
以上のほかに、特異性、非特異性のどちらにも分類しがたい病気の単位があり、
このようなものは分類困難な腸炎
indeterminate
enteritis
[3]
として将来の研究に
まったほうが良い。この種のものには成因が不可解で、腸炎としてよいかどうか困
却するものがいくつかある。
2
→
分類の2項目以上にわたる腸炎 腸炎によっては2項目以上にわたるものがある。
例えは食中毒には病原微生物によるものと食品にふくまれる有害な物質によるもの
とあるが、診療上の便宜を考えて、重複を避けずに分類した。
症状の始まりと経過による分類 腸炎の始まりと経過の状態から急性・亜急性と
慢性とに分けて、分類している人がいるが
[4]、この方法は、実際上、錯綜して分
類がむずかしい。このプリントでは取り上げなかった。
下痢患者の問診で留意すべき事項 表
2に腹痛と下痢を訴える患者を診たときに、
必ずチェックすべき事項を示す。この種の問診表によって数年NSAIDを常用してい
た患者でNSAIDによる消化性潰瘍と慢性下痢が疑われ、薬の中止によって症状が消
退した例がある。薬による腸炎と虚血性腸炎は近ごろとくに問題になる腸炎として
注意しておかねばならない。
腸炎の過去と現在
腸炎の様相はこの数十年間に著しく変ってきた。変換の時期はいつごろとは定め
がたいが、第二次大戦が終った1945年前後とするのが常識であろう。民族の興亡を
左右したと伝えられるペスト大流行の時代
表
[7]
までさかのぼることはむずかしい。
3にわが国における腸炎の様相変化と要因を任意に羅列する。そのうち、6項目
を取り上げて、あらまし解説しよう。
二類感染症とその推移 かつて強い感染力と重篤な症状によって市井の住民をお
びやかしていた「急性伝染病」、すなわちコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチ
フスなどは1999年に発効された「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に
関する法律」によって二類感染症に分類された
(「病気のプロフィル」No.35)。
これらはいずれも腸を主な病変の場とする感染症で、おそらく筆者と同年代かそ
の前後5年ぐらいの年代の医師で赤痢やチフスを経験しなかった人はほとんどいな
いであろう。ところが、これらの感染症は第二次大戦を境に急速に減少した。図
2
に、腸チフスを例にとって、その推移を示す。
これは主に上下水道の整備によって水系感染
ことによる
water-borne
infectionが減少した
[10]。しかし絶滅したわけではないことに注意すべきである。
腸炎に水系感染が重要な役割を果していた時代には、大量の飲用水摂取が下痢を
促進するのではないかと考えられたことがあった。しかし、飲用水に病原微生物や
有害な化学物質が含まれていないかぎり、大量の水を飲んでも下痢に至ることはな
い。それは腸の水に対する吸収能力が大きいからである。大腸などには5∼6ℓ/日
の水分吸収能力がある
[14]。
3
以前から、下痢に関連して、「裏急後重」というむずかしい漢字の医学用語があっ
た。これをしぶり
(tenesmus)
と同義に解する向きもあるが、筆者はしぶりとは若
干違う内容の下痢と解している。
裏急後重とは、排便痛をともなって排便の回数が異常に増加し、一回の排便量は
わずかで、排便ごとに排泄し終ったいう感覚がない。短い間隔でせき立てられるよ
うに排便する下痢で、純血性または粘血性であることが多い。
以前、このような下痢は細菌性赤痢、アメーバ赤痢、ときとして日本住血吸虫症
で見られ、これらの病気の有力な診断基準であったが、近ごろではほとんど見なく
なった。
新興・再興感染症の出現 二類感染症の減少と逆比例するかのように下痢原性大
腸菌感染症
(後述)、MRSA腸炎、性行為に関連する腸炎などが出現し、また過去の
感染症と考えられていた腸結核やアメーバ赤痢などが再び見られるようになり、増
加の傾向を示している
(「病気のプロフィル」No.35)。
人口の高齢化と免疫不全宿主の増加 人口が高齢化するとともに虚血性大腸炎や
免疫不全宿主に合併する腸炎が増加してきた。
市町村内の生活環境のなかで起る市井感染
第に病院内の療養生活中に起る院内感染
community
nosocomial
acquired
infection
の三つの要因が重要な役割を果している
は次
へシフトしつつあ
る。院内感染の場合には、日和見感染、手術後感染、および終末感染
infection
infection
terminal
(「病気のプロフィル」No.35)。
「薬氾濫の時代」と腸炎 年々分厚さを増す「日本医薬品集」を見れば分るとお
り、「薬氾濫の時代」と言われるようになって久しい。ヒトと家畜は日々多種多量
の薬を服用しているが、当然、薬物起因性腸炎、そのなかでも抗生物質起因性腸炎
と薬剤耐性菌感染症、とくにメチシリン耐性黄色ブドウ球菌
methicillin-resistant
Staphyrococcus aureus (MRSA) やバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌
vancomycin-resistant Staphyrococcus
ある
aureus (VRSA) の感染には注意すべきで
(後述)。
特異性腸炎/非特異性腸炎の比重の推移 以前に比べて特異性腸炎に対する非特
異性腸炎の比重が大きくなってきたことを指摘する専門家が多い
[3,
16,
18]。これ
には非特異性腸炎に関する臨床と研究が進展してきたことがあずかっていよう。
1970年ごろにはわが国に存在するかどうか疑問視されていたクローン病が1998
年にはわが国全土で14,016∼17,520人以上の患者がいる試算されていることからも
明らかである。さらに非特異性小腸潰瘍、直腸粘膜脱症候群、急性出血直腸潰瘍、
単純回盲部潰瘍
わってきた
(後述)などの新たな非特異性腸炎またはその疑いの病気の単位が加
(「病気のプロフィル」No.38
4
)。
腸炎に対する診断技術の進歩 診断技術の進歩も腸炎の様相を変えつつある要因
の一つであろう。微生物の迅速同定法や遺伝子診断などの開発はその代表的なもの
である
(後述)。
原因が推定できる腸炎―特異性腸炎
腸炎分類表
(表
1)のうち、はじめに原因が推定できる腸炎―特異性腸炎、そのな
かでも最も頻度の高い感染性腸炎と食中毒について述べる。
腸管感染症
病原微生物が消化管内に侵入すると、炎症性病変は上部消化管より大腸、小腸な
どの下部消化管に生ずることが多い。太古の昔から人類を最も苦めてきた疫病であっ
た。これを腸管感染症または感染性腸炎
表
infectious
enteritis
という
[10]。
4に示すように、病原の多くは細菌で、ウイルスがこれに次ぐが、ウイルス性
腸炎の実態はまだ十分に分っていない。そのほかに寄生虫や原虫がある。
上に述べたように、第二次大戦後、次第に様相が変り、最近における主な病原細
菌はカンピロバクター、腸炎ビブリオ、毒素原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、サル
モネラなどで、ウイルスとしてはロタウイルスや腸管アデノウイルスがある。また
まだ少数ながら、性行為関連腸炎
いている
[4-6,
8,
sex-transmitted
enteritis
も増加の気配をみせ
15]。
下痢原性大腸菌感染症 大腸菌 Escherichia
coli は、ヒトをはじめとして、ウマ、
ウシ、ヒツジなどの温血動物の腸管内常在菌で、健常な動物ではふつう病原性を示
さない。しかし、ある種の血清型にぞくする大腸菌は下痢の原因になる。このよう
な大腸菌は現在までに少なくとも5種類報告されている
これらのなかで腸管出血性大腸菌
(表
5)。
enterohemorrhagicEscherichia
腸炎については、欧米その他の先進国で死亡例をふくむ集団発生
coli による
mass
epidemic
の例があい次いで報告された。わが国でも1996年に学校給食に関連して腸管出血性
大腸菌O157による大規模な集団発生があちこちで発生し、少なくとも12人が死亡
している
[19]。
この腸管出血性大腸菌感染症は、重症化すると血便を排出し、罹患者の6∼8%に
おいて数日後に溶血性尿毒症症候群
hemolytic
uremic
syndrome
や脳症が発現し、
これが小児や高齢の患者の死亡率を高める。したがって、できるだけ早く診断して
適切な治療をしなければならない。発病後3日以内に抗菌療法を開始すれば、溶血
性尿毒症症候群へ進展する危険率が低くなる
5
[19,
20]。
この大腸菌の同定法には菌体表面に検出されるおよそ50余種のO抗原
04,
....)
(01,
のうちO157を検出する方法と、主要な病原因子であるベロ毒素
02,
(vero
toxin)を検出する方法があり、年々高感度化と迅速化に関する研究が進んでいる
[19]。
海外旅行者下痢症 海外渡航者病の一つとされる海外旅行者下痢症
diarrhea
である
traveller's
は一般に開発途上国に旅行、帰国して数日のうちに発症する消化管感染症
[25]。
1980年前後までは在外企業の海外駐在員や海外への長期出張者とその家族が罹る
重篤な二類感染症やアメーバ赤痢
(アメーバによる肝膿瘍をふくむ)
が多かったが、
その後、毒素原性大腸菌、サルモネラ、腸炎ビブリオが病原の主役になり、さらに
若者たちが開発途上国の田舎へ観光、視察旅行することが多くなるにしたがって赤
痢菌、カンピロバクター、ランブル鞭毛虫などの2∼3種類の病原が感染している複
数微生物感染
多くなった
polymicrobial
infection
や無症状保菌者
asymptomatic
[21-25]。この点でも腸炎の様相の変化がうかがわれる
複数微生物の保菌者が帰国後に感染源になることがある
中
6)。
[25]。もちろん旅行者下
痢症のなかには旅行中のストレスによる非感染性の下痢もある
食
(表
carrier
[25]。
毒
腸炎のなかで食中毒
food
poisoning
は独立に取り扱われることが多い
食中毒は家族、学校、職場などで集団発生
mass
epidemic
[26]。
をするのが特徴的で
[6]、その原因は細菌によるものが98.5%、メタノールなどの化学物質によるものが
0.5%、植物性・動物性の自然毒のよるものが1%で、食品のなかで魚介類が最も多
い
[27]。
食中毒は第二次大戦後に急激に増えたが、1960年ごろからさほど増減なく推移し、
1997年の時点ではわが国全土で697件
(罹患者
26,325人)であった
[27]。
かつてサルモネラ、腸炎ビブリオ、および黄色ブドウ球菌が食中毒の三大原因と
いわれていたが、最近ではこれにカンピロバクターや下痢原性大腸菌が加わって増
加しつつある
[6]。とくに、上に述べたように、腸管出血性大腸菌O157による集団
食中毒は大きな社会問題になった
[5]。
[謝辞] 立元貴博士の御協力に深謝する。
柳瀬 敏幸
6
(2001.6.17)
が
表
1.
腸炎分類の大・中・小項目
特異性腸炎 (私案)
全身疾患の部分症としての腸炎
腸管感染症 リウマチ・膠原病
海外旅行者下痢症 ベーチェット病
食中毒 アミロイドーシス
その他 その他
食中毒 腸管の異常に合併する腸炎
病原微生物感染による腸炎 憩室炎
食品による腸炎 その他
その他 上部消化管に原因がある腸炎
薬物に起因する腸炎 非特異性腸炎
虚血性腸炎 潰瘍性大腸炎 血管因子による虚血性腸炎 クローン病 腸管因子による虚血性腸炎 好酸球性胃腸病
その他 非特異性多発小腸潰瘍
その他
物理的エネルギーによる腸炎 分類困難な腸炎
放射線照射による腸炎 急性大腸擬性イレウス
寒冷環境などによる腸炎 その他
その他
坂牧:新津
(1997),
馬場・名主
(1997),
7
馬場・畑
(2000)
などを参考に編成
[4-6]。
表
2.
腸炎またはその疑いの患者に対する必要な質問事項
⃝ 日々の排便の状況
⃝ 1日2回以上の排便と便秘が交代しないか。
⃝ 排便した後も残便感があるが、再び排便を試みても出ない。
⃝ 緩下剤または浣腸剤を常用していないか。
⃝ 年来の持病
(腸管外症状の検索)。
⃝ 現在の病気と愁訴
(随伴腸症状の探索)。
⃝ 現在常用している薬。
⃝ 比較的近い過去に取った食事
(内食と外食)の内容。とくに生食品。
⃝ 一緒に食事を取った人たちの状態。
⃝ 比較的近い過去における海外旅行とその場所。
⃝ 腹部外科手術の既往歴。
⃝ 放射線療法を受けているかどうか。
⃝ 甲状腺に関連する病気に罹ったことはないか。
⃝ 過敏性腸症候群、脾彎曲部症候群、神経性下痢などと云われたことはないか。
瀬尾ら
(1997)
を参考に編成
[8]。
8
表
3.
腸炎の様相変化の要因−1945年以降
地球環境の変化 海外旅行の増加
ヒト・ヒト間距離の短縮 人口の高齢化
人口の都市集中と高密度化 免疫不全宿主の増加
人畜共通感染症 市井感染から院内感染へのシフト
その他 医原性要因
生活環境の変化 薬物の種類と服用量の増加
上下水道の整備 放射線療法の普及
ヒトの生活様式の変化 その他
食品の長期保存法の発達 医療技術の発達
外食産業の拡大 微生物の迅速診断と遺伝子診断
輸入食品の増加 画像診断
その他 その他
「発熱の原因再検討の表」(「病気のプロフィル」No.
を参考に編成。
9
35)と6篇の報文
[7-12]
表
4.
腸管感染症の主な病原
細 菌
⃝ カンピロバクター, サルモネラ, 下痢原性大腸菌 (表 5), 腸炎ビブリオ,
黄色ブドウ球菌, 連鎖球菌, エルシニア, セレウス菌, ボツリヌス菌,
ウェルシュ菌, その他
⃝ 細菌性赤痢菌,
⃝
結核菌,
腸チフス菌,
放線菌,
パラチフス菌,
コレラ菌,
その他
その他
ウイルス
ロタウイルス, 腸管アデノウイルス, エンテロウイルス,
ウイルス, ノーウォークウイルス, その他
サイトメガロ
真 菌
寄生虫
糞線虫,
アニサキス,
原 虫
アメーバ赤痢,
日本住血吸虫,
ランブル鞭毛虫,
その他
坂牧・新津 (1997), 馬場・名主 (1997),
(2000) を参考に編成 [4-6, 8, 15]。
10
その他
馬場・畑
(2000),
瀬尾ら
(1997),
朝倉
表
5.
下痢原性大腸菌
腸管原性大腸菌
enteropathogenicE.
coli
腸管侵入性大腸菌
enteroinvasiveE.
腸管毒素原性大腸菌
enterotoxigenicE.
腸管出血性大腸菌
enterohemorrhagicE.
腸管凝集性大腸菌
enteroaggregativeE.
coli
coli
coli
coli
E. coli E
: scherichia coli.山崎・竹田 (1998) による [19]。
11
表
6.
海外旅行者下痢症の主要な病原
腸管病原性大腸菌群 サルモネラ群
毒素原性大腸菌 組織侵入型大腸菌,
赤痢菌
(4群)
カンピロバクター・ジェジュニー/コリ
腸管出血性大腸菌,
エロモナス,
病原性(血清型)大腸菌など
腸管病原性ウイルス群
病原性ビブリオ群 コレラ菌
プレジオモナス菌
腸管病原性寄生虫・原虫
(O1型) ランブル鞭毛虫,
NAGビブリオ
赤痢アメーバ,
クリプトスポリジウム
その他
Gorbach
et
al
(1985)と青木
(1989)
12
を参考に編成
[23,
25]。