CAC REPORT 2015 01 About CAC Group CACグループについて おかげさまで50周年 IT & ヘルスケアサービスで 世界を変える、 未来を変える。 02 1966年8月8日。 日本の独立系ソフトウェア専門会社の先陣を切って、 私たちは誕生しました。 それ以来今日に至るまで、時代の要請や環境を先取りし、カタチを変えながら 私たちは進化してきました。 既存の環境に満足することなく、 失敗を恐れずに挑み続け、 何度も何度も生まれ 変わりながら成長して行く様が、 私たちCACグループです。 私たちは、 決して進化を止めない。 生まれ変わり続けることで、 次の機会をつかみに行きます。 CONTENTS 01 CACグループについて 19 価値創造の道すじ 35 見えない資産 11 CEOメッセージ 21 成長のフロンティア 39 財務データ 15 財務戦略 23 事業概要 44 株式情報 17 中期経営戦略 29 コーポレート・ガバナンス 45 会社情報 CAC Report 2015 About CAC Group 03 CACグループについて 私たちは様々な挑戦を繰り返しながら、 50年間、成長し続けてきました。 CACグループの成長の軌跡は、50年間の「挑戦の歴史」でもあります。 失敗を恐れず、私たちは誰も手掛けていない領域に挑んできました。 これからの50年、私たちはステージを本格的にグローバルへ移し、更なる企業価値創造に挑みます。 売上高 (億円) 600 1994 3社合併により シーエーシー誕生 500 1974 400 技術レポート誌 「SOFTECHS」創刊 (現在も発刊中) 1990 欧州法人設立 1986 技術研究所設立 1971 300 AIなど先端技術研究開始 アウトソーシング専門会社 (SSK)発足 1989 米国法人設立 1978 200 台湾法人設立 日本のソフトウエア会社 として初の海外資本進出 1966 100 他社に先駆けて独立系 ソフトウェア 専 門 会 社 としてコンピュータ アプリケーションズ ( CAC )設立 創業者 大久保茂氏 0 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 創業期 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 成 長期 1988 1989 1990 04 2006 ∼ 2010 2014 2015 CRO会社複数をグループ化 ・持株会社体制に移行 ・インドのIT企業を子会社化 IT企業を子会社化 シンガポールの 2000 ∼ 2006 事業拡大のため複数の会社を子会社化、合弁会社設立 1991 1992 売上高 2002 2005 2012 オフショア事業の 開発体制拡充のため 中国のIT企業を子会社化 非コア事業売却 ・一般財団法人年金綜合研究所 設立を支援 (医薬BTO) 事業を会社分割 ・CRO 1993 2000 2010 ・東証一部上場 ・中国法人設立 インド法人設立 1994 1995 1996 1997 転 換期 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 拡大 期 2010 2011 BPO / BTO 進 出 期 521 億円 2015年12月期 2012 2013 2014 2015 海外本格展開 CAC Report 2015 05 About CAC Group CACグループについて CACグループ3つのポイント CACグループを知って頂くために、私たちのユニークポイントを3つにまとめました。 ポイント 1 金融・信託・医薬に強いIT&ヘルスケアサービス企業 日本のソフトウエア業界の黎明期に設立された独立系のパイオニア プライムコントラクタ(元請)としてユーザーに最適なシステムを開発・提供 大手信託銀行向け年金管理システム開発で高いシェア 医薬向けは、ITからCRO(医薬BTO)領域へ進出。近年はCROが成長エンジンに。 プライム契約比率 約 90 CROの5年間成長率 200 % % ※シーエーシーにおいて CRO業務とは? 参加 説明&同意 被験者さん 医療機関 臨床試験 臨床試験を行う契約 製薬企業 サポート CRO ・安全性情報管理 ・モニタリング業務 ・データマネジメント/統計解析業務 など CROとは、Contract Research Organizationの略です。 製薬企業が医薬品開発時に行う治験業務(臨床開発)や製造販売後の業務を受託・代行する業務および企業のことを言い 「 モニタリング」 「 データマネジメント/統計解析業務」などをはじめ、 ます。私たちCAC グループは「安全性情報管理」 全てのCROソリューションを提供しています。CACグループでは、BPO/BTOサービスとして区分しています。 06 ポイント 2 早くからM&Aで成長 4 海 外 3 BPO/BTO 2 ITシステム 1 3社合併 1 システム構築のコンピュータ アプリケーションズ(CAC)、 CAC のグループ会社の日本 システムサービス(SSK)、 システムユティリティ(SUC) 2 マルハニチロ、ユアサ商事 など、企業のシステム部門 であるIT関連会社を買収、 3 成 長 分 野 で ある C R O で 出資、事業買収、統合 子会社化 4 海外IT企業に投資 を合併 ポイント 3 海外と新規事業がフロンティア 新規領域 1 BPO付加価値増 社会保障・ヘルスケアなど 新規分野 1 金融・信託と医薬分野での強みを 生かして「社会保障・ヘルスケア」 分野へ事業領域を拡張 3 2 アジア新興エリアへの領域拡大 国内ITサービス・ BPO/BTO 2 海外 3 上記をミックスさせることで さらなる成長の可能性があります。 海外展開 CAC Report 2015 07 About CAC Group CACグループについて 事業ポートフォリオを変化させながら、 成長してきました。 セグメント別売上高構成比 この50 年で、 セグメント構成比は大きく変化しました。 システム構築専業でスタートしたCACグループですが、現在ではシステム構築は セグメントポートフォリオがバランスされてきています。 半分以下になりました。 「運用管理」、 「 BPO/BTO 」領域が増加し、 ※BPO/BTOセグメントは、主にCRO(医薬BTOサービス)を提供しています。 ■構築 ■運用管理 ■BPO/BTO 21% 9% 2015 2007 創業期 12百万円 521 億円 409 億円 45% 43% 100% 48% 34% 業種別売上高構成比 これらの中でも 顧客の業種別構成比も大きく変化してきています。CACグループが金融、信託、医薬に強いのは変わりありませんが、 「医薬」領域が大きく伸びました。専門性が高く、参入障壁が比較的高い顧客領域で、当社グループの強みが発揮されていることが分 かります。 ■金融 ■信託 ■医薬 ■食品 ■製造 ■サービス他 16% 18% 31% 2007 32% 2015 10% 9% 521 億円 409 億円 7% 22% 12% 6% 8% 29% 08 私たち CAC グループは創業以来、お客様のニーズと時代の要請に応えていくために Dynamic に変化しながら成長して きました。業種の幅を広げると共に、国内から海外へ成長のフィールドも広げてきました。ここでは、長期に変化し続けて きたCACグループについてご説明します。 グループ売上高分布 CACグループ内の売上高分布は、近年大きく変化しています。ITは、海外での売上高が大きく伸長しています。1990年頃から事業開始 (医薬BTO) も順調に伸び、ITに次ぐ事業の柱となりました。 したCRO ■国内IT ■CRO (医薬BTO) ■海外IT 29 億円 16 億円 105億円 2015 2007 521 億円 409 億円 315億円 100億円 364 億円 ※国内ITは人事BPOサービス含む 事業拡大の軌跡 1966年当時たった34人だった従業員は、50年の時を経て5,200人を超えるグループにまで成長しました。 そのうち海外子会社の従業員が3,200人を超えています。今後も世界で戦う企業グループとして、挑戦し続けていきます。 海外売上高比率 グループ会社数 ※1 グループ従業員数 ※2 (うち海外子会社従業員数 ) 1966/創業時 2007年 2015/50周年 0% 4% 20 % 1社 15 社 27 社 34 人 1 , 881 人 5 , 202 人 0人 203 人 3 , 214 人 ※1 持分法適用会社は除く ※2 日本人も含む CAC Report 2015 09 About CAC Group CACグループについて 国内外のM&Aにより 成長のスピードを加速させています。 海外 ※点線枠のついている企業は出資・買収企業 中国進出 オフショアに加え、現地企業へのシステムソリューション サービスも開始 高達計算機技術 CAC上海 (蘇州) 海外展開開始 CRO分野拡充 他社に先駆けて現地法人を設立 CAC EUROPE CRO会社に出資・経営統合 CAC AMERICA モスインスティテュート CACクリニット シーエーシーとして新たな出発 ITサービス 事業拡大 創業期に設立・出資した3社を1994年に合併 CAC アークシステム システム構築 SSK CACオルビス SUC システム運用 ファシリティマネジメント (東洋ゴム工業) 創業 社でアウトソーシング専門会社の日 本システムサービス(SSK) 、同じく グループ会社でファシリティマネジメ ントを行うシステムユティリティ (SUC) の3社が合併して、1994年 シーエーシーが発足しました。 顧客の海外進出に伴い、現地での 顧客サポート需要に対応するため、 1989 年米国ニューヨークに現地 法人(CAC AMERICA)を設立、 翌年には英国ロンドンに現地法人 (CAC EUROPE) を設立しました。 IT サービス事業拡大 展開するCAC、CACのグループ会 海外展開開始 シーエーシーとして 新たな出発 創業時からシステム構築サービスを 顧客基盤獲得や事業拡大のため、 2000年から2003年にかけてマルハ ニチロ、ユアサ商事、東洋ゴム工業 といった大企業の IT 関連会社を グループ化しました。 また、きざしカンパニーが社内ベン チャー第 1 号として分離、独立しま した。 10 私たちの成長戦略の一つは、積極的なM&Aです。より効率的で、より効果的なM&Aが私たちの成長を加速させます。 異なった文化を融合させ、新しいステージに向かっていくことができるのは、私たちの強みかもしれません。 インド進出 東南アジア進出(シンガポール) インドのIT企業を買収 社会保障・ヘルスケア領域へ事業拡大の足掛り Accel Frontline Limited CAC India アームシステックス Sierra Solutions アーム 分割 CACクロア CACエクシケア シーエーシー クリニカルトラスト 大企業のIT関連会社を買収 CACナレッジ (ユアサ商事) CACマルハニチロシステムズ きざしカンパニー (社内ベンチャー) (マルハニチロ) CEN ソリューションズ 現在 上海を設立しました。 2002 年には オフショア拠点の拡充を目的に高 達計算機技術(蘇州) を子会社化 しました。 2015 年には、中国 2 拠 C R O 子会社化しました。シーエーシーへ 機能集約後、 CRO事業を会社分割 し、CACエクシケアを設立しました。 その後、クリニカルトラストとCACエ 点で350 名規模となり、現地企業 クシケアが合併し、CAC クロアが 向けビジネスにも注力しています。 誕生しました。 インド・東 南アジア進 出 CRO(医薬BTOサービス)拡大の ため、クリニカルトラスト他数社を 分野拡充 中国進出 顧客企業の中国進出対応やオフシ ョア開発のため、2000 年に CAC 顧 客 企 業のグローバル化に伴う 海外での開発・運用サービス提供 (デリバリー)体制構築のため CAC Indiaを設立、Accel Frontline Limitedを子会社化しました。2015 年には医療機関向けにITサービスを 提供しているシンガポールの Sierra Solutionsを子会社化しました。 CAC Report 2015 11 CEO Message CEOメッセージ 現状に満足することなく、 私たちは生まれ変わります。 代表取締役社長 酒匂 明彦 12 利益は同 86 %増の 22 . 5 億円、親会社株主に帰属する当期 Rebirth(生まれ変わり)にコミットします は56 . 0 円の 純利益は11 億円、1 株当たり当期純利益( EPS ) 社長の酒匂(さこう)明彦です。CACグループは、今年で50 黒字化を見込んでいます。 AFL 関連の一過性の費用・損失 周年を迎えます。これまで支えていただいたステークホルダーの が無くなることに加えて、海外でのI Tサービス案件の受注拡大と 皆様に心より感謝をいたします。 当社が発足した 1966 年は、 共に、CRO(医薬BTO)事業におけるサービス体制を充実させ ソフトウエアはハードウエア(コンピューター機器)の付属のよう て更なる需要を取り込み、 目標を達成したいと考えています。 に考えられており、ソフトウエアを生業としている独立系企業は Tサービス企業で、2014年に子会社 AFLはインドを拠点とするI ほぼ皆無でした。当社は、創業以来、 「 独立・中立」 「ユーザー 化しました。買収後1年が経過したところで、監査法人グループ 指向」 「成果物責任」を基本理念とし、 お客様の業種・業務に の統一と当社から派遣していた取締役によるガバナンス強化を 関する知識を蓄積し活かす「知識集約型企業」として、最適な 実施したところ、回収可能性の低い売掛金が判明しました。 システム構築・運用管理を提供してきました。 さらに、主にCRO これを受け、CAC Holdingsとして2015年度決算で処理すべき (医薬 BTO )分野において IT のみならず業務を請負うアウト 貸倒引当金等を販売管理費として6.6億円、事業損失とのれん ソーシング(業務受託)事業を拡大しています。加えて、1980 減損損失を特別損失として合計13.9億円計上しました。当社 年代に他社に先駆け始めた海外展開においても、M&Aなどに においては、第三者からなる諮問委員会を発足させて再発防止 より拡大を続けており、現在は国内外に従業員 5 , 000 名以上 策を検討しており、経営管理体制の強化を図って参ります。 を有する企業グループに成長しました。 AFLは、インドを中心に米国、英国、中東、シンガポールに拠点 経営トップとしての私の役割は、持続的な企業価値の向上です。 を持ち、他の CACグループ企業が手掛けていない領域でも幅 現在、Rebirth Beyondというキャッチフレーズを掲げ、経営改革 広く事業を行っております。2015年度に損失を計上しましたが、 を進めています。 逆説的ですが、私は、社会・技術の変化が 事業そのものの問題ではないため、今後もCACグループの事業 加速する中で、過去の成功要因に固執していては、未来は切り 展開に資するべき企業であるとの位置づけは変わりません。 拓けないという危機感を持っています。そのため、過去の延長 線上でなく、全く新しく生まれ変わる覚悟で経営をしています。 新しい技術への投資や異なる事業領域を持つ企業の買収を 行う背景は、今ある社内のリソースだけで将来の姿を描くのでは なく、外部からの刺激を入れて融合し、変化しなければならない と考えているためです。市場を切り開いてきたチャレンジ精神は 独立・中立 引き継いでいきますが、 「独立・中立」 「ユーザー指向」 「成果 物責任」の創業理念も含めて、例外なく、見直していきます。 インド子会社の損失は2015年度に一括計上、 2016年度には業績回復へ 創業理念 2015 年度の売上高は、金融・信託向けのシステム開発の 伸長と円安による海外売上の増加で、前年度比4%増の521億 円でした。 一方、営業利益は海外子会社 Accel Frontline ユーザー指向 成果物責任 (請負) Limited(AFL)におけるコスト増加やCRO(医薬BTOサービス) の回復の遅れにより前年度比62%減の12億円、当期純利益 は AFL にかかわる特別損失により1億円の損失、1 株当たり は7.2円の赤字となりました。 当期純利益( EPS ) 2016 年度の売上高は前年度比 8 %増の 560 億円、営業 CAC Report 2015 13 CEO Message CEOメッセージ の技術を日本の介護領域にも展開し、ヘルスケア領域での 中期経営戦略のチャレンジを進めています 新ビジネス開拓を目指していきます。 2015 年初に策定した「 2015 -17 年度中期経営戦略」では、 「新主流技術の追求」 「新事業領域へのチャレンジ」などの6 社会保障(年金)とヘルスケア分野に成長機会 つを基本戦略とし、知識集約によって提供するサービスの生 CACグループは、歴史的に金融・信託業界と医薬業界に 産性と品質を高めるとともに、グローバルでの対応力を拡充し 強いつながりと実績があります。 金融向けでは、1980 年代の て多様化するお客様のニーズに応えて受注を拡大することを 勘定系システムである第三次オンラインの時代から30 年以上 目指しています。 1 年目の 2015 年度は、AFL の損失計上と にわたって数多くの開発プロジェクトに携わり、2000年頃には、 いう大きな反省材料がありましたが、中期戦略は前進できたと 国内大手信託銀行の年金管理システムに携わるようになりまし 自己評価しています。 た。独自に開発した年金管理パッケージ「 Micmari(みくまり)」 は企業年金管理に関するノウハウの集大成とも言えるもので、 2015-17中期経営戦略概要 信託銀行はもとより企業年金基金や厚生年金基金などの各種 団体への展開によるビジネス拡大を計画しています。 2012 年 新主流技術の追求 BPO 付加価値増大 に設立された産学官連携の研究機関である年金綜合研究所 の設立・運営も支援し、年金制度の正しいあり方に関する研 究活動の一端を支えています。 医薬業界向けについては、 シーエーシーの前身である3 社の うちの1社が大手製薬企業のシステム運用を一括請負し、製薬 All in AZAREA 業界の業務知識を蓄積していた経緯もあって、早くから多くの 製薬企業のお客様にシステム構築や運用管理サービスを提供 アジア軸でのグローバル支援体制活用 (医薬BTOサービス) については、 してきました。製薬企業向けCRO 各国政府による医療費の抑制や新薬開発の成功確率低下 新事業領域へのチャレンジ などの課題を抱える製薬企業のお客様から、コスト削減などを 目的としたアウトソーシングの活用ニーズが年々高まっていること グループ横断的戦略による企業力の強化 を受けて、サービスのラインアップを拡充しています。国際共同 治験の増加や臨床試験の多様化、安全対策への対応強化など により、CRO には、グローバルでの対応力や、広範なサービス 例えば、 「 新主流技術の追求」、 「 新事業領域へのチャレンジ」 では、2015 年 10月にシリコンバレーのベンチャーキャピタルと 共同でコーポレートベンチャーファンド(出資上限は20 . 2 百万 米ドル)を設立しました。このファンドを新しい事業領域開拓 の足掛かりに、有望なベンチャー企業への出資や業務提携を 推進していきます。ファンドを通じて、11 月には米国を拠点と するソーシャルロボット開発のスタートアップ企業 Jibo 社(本 社ボストン)への出資を行いました。同社が開発した家庭用ロ ボット「 Jibo(ジーボ)」には音声・感情認識や感情表現ディ スプレイ・動作などの最先端技術が投入され、多様なタスク の理解と実行ができるなど、家庭向けソーシャルロボットとして は世界初の高度な機能を備えています。 CAC グループはこ Jiboと開発者ブリージール氏 14 提供力も求められてきている環境を鑑みて、2016 年 4月には、 この分野の主力子会社である CAC エクシケアとクリニカルト ラストを合併し、CACクロアとしてスタートしました。お客様の ソリューションニーズに対応した提供サービスメニューの多様化 とワンストップサービスの実現を目指して参ります。 金融・信託と医薬分野でのこれらの実績や顧客基盤を強み に、将来的には国内外の社会保障やヘルスケアの分野で新しい 事業を展開していきたいと考えています。Jiboへ出資したこと もその取り組みの一つで、将来的には、Jibo の技術を活かし た介護ロボットなども視野にいれています。また、2015 年 11 月には、アジアの医療機関向けにITサービスを提供するシンガ ポールの S i e r r a S o l u t i o n s を買 収しました。 S i e r r a Solutionsは現在、シンガポール、インド、タイ、スペインに拠点 があり、米 Apple 社とも提携関係にあります。現在は病院向け システムパッケージ導入が中心ですが、今後 IoT ( Internet of Things )などの次世代技術を応用して社会保障領域や ヘルスケア領域における新たなビジネス拡大の可能性を探って いく計画です。 株主の皆様に CACグループでは、将来のための投資とのバランスを鑑みな コーポレート・ ガバナンスも進化し続けます がら、持続性のある株主還元を重視しています。 2015 年度は CACグループは、株式公開前後から経営の透明性を重視し 6月までに25万株(発行済株式の1.26%)の自己株式取得を た「開かれた経営」 を目指し、2003年には「経営アドバイザリー 行いました。年間の当期純利益は、引当金やのれんの減損計 ボード」を導入し、社外の有識者からの助言を得てきました。 上により赤字となりましたが、 キャッシュへの影響は僅少だったこと、 2005年からは社外取締役を加えた経営体制とし、現在は10名 財務体質は健全な状態を維持していることを考慮し、年間の1株 の取締役のうち 2 名が外国人、4 名が社外取締役です。 社外 当たり配当金は前年と同額の 32 円とさせていただきました。 取締役は全員が独立取締役であり、各自が専門分野を持って 2016 年度は創立 50 周年の記念配当として年間 8 円を含む います。他社の取締役を兼任している人もおり、多角的な観点 40円を予定しています。今後も株主への還元に関しては、継続 からの知見が経営に生かされています。 的かつ安定的な配当と機動的な自社株買いを基本方針としたい 2014 年 4月には持株会社体制に移行し、CAC Holdings 。 と考えています (財務戦略についてはP15-16をご参照ください) のもとで、国内外のグループ企業がITサービス、アウトソーシング CACグループは歴史のある企業である一方、IT企業としては サービスを展開する企業グループとなりました。 年々増加する 課題があると認識しています。当社グループがこれからも長期的、 海外の子会社も含めて、持株会社によるガバナンスをしっかり 継続的に成長していくには、新しい事業の種を撒くための投資 効かせていきたいと考えています。 2015 年度の損失計上の を行い、生まれ変わっていくことが不可欠だと思っています。これ 反省を踏まえ、事業投資や買収を行う際の管理体制も整えて参 までの成功や常識にとらわれることなく事業領域を広げていく ります。これまでも、投資額はもちろんのこと、事業環境や現状 ことで、次の50年も成長し続けていきたいと願っています。株主 事業とのシナジー、成長性、安定性、投資先の経営陣などを の皆様にはご理解と共にご期待いただきますよう、お願い申し 精査して決断をしてきましたが、今後はこれまで以上に外部の 上げます。 目を生かし、投資規律を強化していきます。 代表取締役社長 酒匂 明彦 CAC Report 2015 15 Financial strategy 財務戦略 成長と安定配当を実現します 私たちCACグループの財務戦略は、成長に向けた投資と安定的な株主還元の両立です。 ここでは、私たちの財務に対する考え方についてまとめました。 資本政策の原則 CACグループの資本政策の原則 成長に必要な投資を積極的に 安定的な配当に加えて、 行いながら、 安定的かつ継続的な 自社株取得などの施策を含む 利益創出 総合的な株主還元を図る キャッシュ・フロー(CF)について 2015年度の営業CFは、7.7億円の支出となりました (2014 過去5年間平均のCFと株主還元(億円) 年度は23.3 億円の収入) 。税金等調整前当期純利益 7.6 億 円、減価償却費 7 . 8 億円の収入に対して、売上債権の増加 14.3億円、法人税等13.5億円の支出などがありました。投資 投資CF CFは、27.6億円の支出となりました(2014年度は4.3億円の 4 収入)。 投資有価証券売却 12 . 7 億円の収入に対して、連結 範囲の変更を伴う子会社株式取得14.8億円、投資有価証券 取得 14 . 6 億円、無形固定資産取得 9 . 4 億円の支出がありま した。 財務 CF は、8 億円の支出となりました( 2014 年度は 13.9億円の支出)。配当金の支払6.3億円、社債償還3億円 などによるものです。以上の結果、2015年度末においては、現 金および現金同等物は2014年度末に対して、43.6億円減少 し、91.1億円となりました。 営業CFは比較的安定していますが、買収や事業売却により フリーCF(営業CF投資CFは年度によって大きく変わるため、 投資CFと定義)も変動します。過去5年間の平均で見ると、営 業 CF 約 10 億円、投資 CF 約 4 億円、フリーCF 約 6 億円に対し て、株主還元約7億円を実行してきました。 営業CF 10 フリーCF 6 株主還元 7 16 投資について 当社は、東証一部に上場した2000年頃から積極的なM&A 会社、2002 年、2014 年および 2015 年に海外展開加速の による成長を展開、2005 年に一部子会社の売却をしましたが、 ために中国、 インド、 シンガポールのIT企業を買収しています。 その後も M&A を進めています。 主な投資分野は、2000 - (当社グループのM&Aの展開についてはP9-10をご参照ください) 2006 年頃はシステム関連会社、2006 - 2010 年頃は CRO 投資CFの推移 過去3年の主な投資 (百万円) 1,419 1,500 2014年度 1,076 1,000 Accel Frontline Limited(インド) 投資額16億円 海外IT 432 500 0 ※キャッシュ・フローへの影響は2013年度 500 2015年度 -1,000 Sierra Solutions(シンガポール) 投資額17億円 海外IT -1,500 -2 ,000 コーポレートベンチャーファンド設立 家庭向けロボット開発のJiboに出資 -2 ,312 -2 ,500 投資額2億円 -2 ,760 - 3,000 2011 2012 2013 2014 2015 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と位置付 2015年度は25万株(発行済株式の1.26%/約2.7億円) けており、収益力強化と健全な財務体質の構築に努めながら、 の自己株式取得を行いました。 年間の当期純利益は、引当金 連結配当性向に留意した安定的な配当を継続することを基本 やのれんの減損計上を背景に赤字となりましたが、キャッシュ・ 方針としています。これに加えて、機動的な資本政策および総 フローへの影響は僅少だったこと、財務体質は健全な状態を 合的な株主還元策の一環としての自己株式の取得についても、 維持していることを考慮し、年間の 1 株当たり配当金は前年と 適宜検討し実施してまいります。内部留保資金については、財 とさせていただきました。2016年度は 同額の32円(約6.3億円) 務体質強化のほか、グループ成長のための M&A 、事業開発、 創立 50 周年の記念配当として年間 8 円を加え、年間の 1 株 人材の育成、中長期的視点での研究開発、および生産力・品 当たり配当金は40 円を予定しています。今後も株主への還元 質力向上などに投資し、継続的な成長に向けて企業総合力と に関しては、継続的かつ安定的な配当と機動的な自社株買い グループ事業基盤の強化に努めてまいります。 を基本方針としたいと考えています。 株主還元の推移 ■支払配当金 ■自社株取得 (百万円) 1,171 1,200 1,134 1,026 1,000 812 800 852 765 600 619 457 904 803 630 641 644 163 637 637 400 200 0 137 2000 210 2001 243 2002 238 2003 260 2004 261 320 355 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 708 633 640 505 271 2013 2014 2015 2016 (予想) CAC Report 2015 17 Medium-term strategy 中期経営戦略 中期経営戦略 基本戦略と内容 新主流技術の追求 新事業領域へのチャレンジ IoT などによる新市場形成を想定し、海 外グループ会社と共同して研究開発と マーケティングに取り組む。 内部留保資金を活用してベンチャーな ど外部経営資源への投資を行い、CAC グループにとって未開拓領域への進出 に挑戦する。 BPO付加価値増大 既存事業〔CRO(医薬BTO)と人事BPO〕 における高付加価値化を進めると共に、 信託向け年金管理などITサービスのみを 提 供して い る 分 野 で BPO へ の 展 開 を 目指す。 2015年度の進捗 コーポレートベンチャーファンド設立、 ロボット開発企業 (Jibo) に投資 システム開発の効率化・品質向上進む 2016年度以降の取り組み 次の50年に向けて「生まれ変わる」ために新分野への挑戦に特に注力 新主流技術の追求 新事業領域へのチャレンジ BPO付加価値増大 All in AZAREA アジア軸でのグローバル支援体制活用 グループ横断的戦略による企業力の強化 ● 新技術・新事業への継続的な投資 ● 社会保障領域への進出 ● エクシケアとクリニカルトラスト合併による CACクロア発足でCROの事業拡大 ● システム開発の品質向上 ● グループ内での技術蓄積 ● グループ連携強化 ● グローバル営業体制の強化 ● 次世代グローバル人材の育成 18 2015-17年度の中期経営戦略では、6つの基本戦略を掲げています。既存分野では、知識集約によりサービスの質と生産性の 向上を図ります。あわせて、新規事業の開拓と、グローバルでの対応力を充実させて受注の拡大を図ることで、企業価値の 向上を目指しています。 オ ー ル イ ン ア ザ レ ア All in AZAREA グループの知財を集約した独自の開発 アジア軸での グローバル支援体制活用 インドの AFL や中国の CAC 上海、高達 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で あ る「AZAREA」 計算機技術を軸にグローバル支援体制 上を実現し、他社との差別化につなげる。 する。 の機能拡大により、コスト削減と品質向 グループ横断的戦略による 企業力の強化 グループ各社の連携を強めると共に、共 同で次世代人材育成に取り組み、長期 を確立し、既存顧客の海外IT需要を獲得 的発展の基盤を構築する。 Sierra Solutions(シンガポール)子会社化 グループアカデミーを通して幹部候補生育成、人的交流も 社会保障・ヘルスケア分野への事業拡大でBPO付加価値増大を目指す ■既存の領域 ■今後成長が見込まれる領域 事業領域拡大 医 療 メンタルヘルス研修 疾病予測 企業健康診断 介 護 買い物支援 給食改革・投薬管理 医療との包括連携 年 金 個別 SI 受託・運用 Micmari 業務受託 人事業務 業務受託 (年金管理パッケージ) 業務受託 + システム運用 人材育成 付加価値(利益率) CAC Report 2015 19 Creating value 価値創造の道すじ 価値創造の道すじ 当社の価値創造は、創業来培ってきた非財務資産(組織資産、人的資産、顧客資産)と成長投資を可能にする財務資産を活かし、 国内・海外で、強みのあるビジネス領域に絞り込んだ展開をすることで、社会的価値と経済的価値を生み出すことにより 実現します。 1 経営資産と強み 資産 組織資産 創業からの理念 「独立・中立」 「ユーザー指向」 「成果物責任」 強み 独立系の老舗というポジショニング 特有の業界知識・ノウハウ・ 関連法規に知見 非財務資産 人的資産 顧客資産 グローバル人材 (社員の50%以上、 取締役2名が外国人) 金融・信託・製薬企業との 歴史的なつながり システム開発基盤「AZAREA」 結果 労働集約型から、 知識集約型サービスへ 先行的な世界展開 プライム (元請) 比率90% 年金分野などで高いシェア 差別化 2 ビジネス領域 ITサービス 3 生み出される価値 社会的価値 システム ・コンサルティングサービス 構 築 ・システム開発・保守 サービス ・パッケージインテグレーション システム ・システム運用サービス 運 用 ・アプリケーション運用サービス サービス ・ヘルプデスクサービス 業務受託サービス(BPO/BTO) CRO(医薬BTOサービス) 人事BPOサービス 顧客の ビジネス革新に 貢献 医薬品開発を 効率的に支援 20 1 経営資産と強み 当社グループは、ナレッジを軸とする事業展開をしています。 したがって、経営資産は、財務諸表に記載されている物的資産 財務資産 や金融資産よりも、財務諸表に記載されていない組織資産、 人 的 資 産、顧 客 資 産などの非 財 務 資 産が中 心となります。 創業理念、独立系のパイオニアというポジショニング、様々な ノウハウ・知的財産、 グローバル人材、お客様との長期の信頼 + 関係を強みに、差別化を実現しています。 さらに、必要に応じて、 健全な財務体質 健全な財務体質を活かして積極的なM&Aなどの成長投資と 安定的な株主還元をバランスよく実行することで、株主との 長期的な関係を構築しています。 積極的なM&Aによる高成長 2 安定的な株主還元 ビジネス領域 当 社グループは、ITサービスと業 務 受 託サービス (BPO/ を中心に、国内、海外で事業展開しています。ITサービス BTO) では金融・信託向け、業務受託サービスでは製薬企業向けに コンサルティングサービスやシステム 強みがあります。ITサービスは、 開発・保守、パッケージインテグレーションなどのシステム構築サ ービス、 システム運用やアプリケーション運用、 ヘルプデスクサー ビスなどのシステム運用サービスを展開しています。業務受託 経済的価値 再投資 (円) (医薬BTOサービス) 、人事BPOサービス サービスでは、CRO を展開しています。 安定配当 1株当たり配当金 40.0 3 30.0 生み出される価値 当社グループが、事業を通じて生み出している価値は、社会 20.0 的 価 値と経 済 的 価 値があります。社 会 的な価 値は、雇 用や 10.0 のは、事業を通じた顧客のビジネス革新への貢献です。経済 納税、地域社会への貢献などもありますが、最も重視している 的価値は、持続的な成長、 キャッシュ・フローの創出により実現 します。将来の成長のための再投資をした上で、2000 年代前 0 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (予定) 半から増加した配当を継続することで株主に還元します。 CAC Report 2015 21 Growth frontiers 成長のフロンティア 海外が成長のフロンティア 当社グループは、他社に先駆けて1970年代に海外に進出しました。近年は、グローバル需要に応えるため、M&A を積極的 に行うなどし、海外比率を高めています。 今後も成長分野としてグループ一体となってグローバル対応を加速させます。 海外売上高(連結) 外国人取締役 105億円 20 グループ(連結) 外国人従業員 CAC Holdings 2人 20 % 日本人 415億円 8人 中核事業会社 (シーエーシー)の 外国人新卒社員 3,214人 62 % 12人 50 % 日本人 % 日本人 1,988人 12人 ※CAC Holdings外国人取締役のみ2016年の数値で、その他は2015年の数値です。 海外拠点 イギリス 2 スペイン 1 中国 2 アメリカ 4 シンガポール 2 UAE 1 インド 4 ■海外グループ会社数 16社 海外展開の歴史 1989年 アメリカ進出 現地法人設立 1990年 ヨーロッパ進出 現地法人設立 2000年∼ 中国進出 現地法人設立、 オフショア会社子会社化 2010年∼ インド進出 現地法人設立、IT企業買収 2015年 シンガポール進出 IT企業買収 22 CAC AMERICA CORPORATION Director & President CAC EUROPE LIMITED Managing Director 小原 亮一 三谷 敏之 希亜思(上海)信息技術有限公司 董事/総経理 高達計算機技術(蘇州)有限公司 董事長 Bin Cheng CAC AMERICA で は、日 系 企 業 の 米 国 当グループの強みである金融・医薬系の 現在、ITサービス分野では金融・医薬領域に 拠 点 へのITサービス提供や、TAKUMI job 顧客基盤、業界・業務知識を活かしつつ、 おけるサービス提供力の強化や非日系企 という IT 専門人材の派遣・紹介サービス グループ企業間で密に連携し、日本本社や 業の顧客開拓に取り組んでいます。また、 提供を米国内で行っています。今後は世界 アメリカ拠点などを巻き込んで点では BPO/BTOサービスの提供および中国企業 に拡がっているCACグループのリソース なく面でアプローチしています。また現地 の日本におけるビジネス展開のサポート を活用したアウトソーシングサービスを パートナー企業の開拓・連携強化により、 も開始しました。今後は中国市場向けの 展開し、グローバルビジネス拡大に貢献 提供できるサービスとアプローチできる CRO事業(CACクロアと協業)やIoT事業 していきたいと考えています。 顧客の幅を広げています。 の展開を計画しています。 Accel Frontline Limited Executive Director Sierra Solutions Pte. Ltd. CEO Accel Systems & Technologies Pte. Ltd. CEO Malcolm F Mehta Ranjan Vaswani Tammie Tham 私は入社以来、グローバル事業の拡大に 医療機関へのSAPソリューション導入を 当社はこれまでセキュリティ分野で確かな 取り組んできました。その成果の一つが、 中心に、医療のあらゆる局面でITサービス 実績を蓄積してきました。 世界水準のセキュリ 2013年12月のインド企業AFLの買収です。 そして、2015年9月にはAFLの全オペレー を提供しています。最近では、高齢化社会 ティベンダーと連携して提供するサイバー・ という世界的な課題に向け、高齢者を自 セキュリティに関するソリューションやサー ションの責任者となり、 グローバルに拡がる 宅介護する家族のためのモバイルアプリ ビスは、 金融・製薬業界を中心としたお客様に CACグループ各社やパートナーと連携し ながら、 AFLのビジネス拡大に向けた取り ケーションを自社開発しました。人材確保 とても適していると思います。 CACグループ や顧客との関係構築など様々な戦略によ とのつながりを活かし、 日本を皮切りにシン 組みを進めています。 りグローバル事業拡大を図っていきます。 ガポール外への進出を進めていきます。 CAC Report 2015 23 Business overview summary 事業概要 事業概要 事業概況 「システム運用サービス」、ITと業務機能を合わせた CACグループの事業は、ITサービス分野として「システム構築サービス」 業務受託サービス分野として「BPO/BTOサービス」を展開しています。 2015 年度の通期連結業績は、売上高は前年度比 4 . 1 %増加の 521 億円、営業利益は前年度比 62 . 1 %減少の 12 億円、経常 利益は前年度比64.0%減少の10億円、当期純利益は1億円の純損失(前年度は23億円の純利益)となりました。 業務受託サービス分野 システム構築 サービス BPO/BTO サービス 44.8% 20.9% サービス分野別 売上高構成比 (2015年度) 521億円 システム運用 サービス 34.3% ITサービス分野 リスク要因 ●各地域の政治・経済、為替、法的規制、社会的混乱など ●開発工数の超過 ●災害などでのサービス中断 ●特定顧客への依存度 ●機密情報の漏えいなど 24 売上高構成比 IT サービス分野 44.8% システム構築サービス 国内外で、企業情報システムに関するコンサルティング、システム開発および保守、 事業概要 パッケージインテグレーションなどのサービスを提供しています。 強みと特徴 売上高 215 164 (2015年度) 150 233億円 金融機関向けに強み メガバンク向けの市場系、海外系システムや、信託銀行向け の年金関連システムに強みを持っています。 144 海外比率が高い 売上全体の約 32%は海外売上。インド、 シンガポール、中国、 2011 2012 2013 2014 2015 (年度) アメリカ、 イギリスでサービスを展開。今後は、更に海外比率が 高まると予想しています。 業績について 2015 年度は、メガバンク向けの大型案件や信託銀行向け 2016 年度は、2015 年度に売上増加に貢献したメガバンク システム構築案件が拡大。また、円安による円換算額の影響 向け案件は収束するものの、アジアを中心とした医療機関向け で前年度比 8.4%の増収となりましたが、海外子会社 AFLでの に IT サービスを提供しているシンガポールの Sierra Solutions コスト増加により営業利益は前年度比 40.6%減と大幅に減少 の新規連結や海外グループ会社の伸長、社会保障領域・ となりました。 ヘルスケア領域でのビジネス拡大などにより増収増益を見込ん でいます。 価値創造に向けて ●グローバル案件の拡大 ●医療機関へのサービス提供 顧客企業のグローバル化に伴うIT投資の海外シフトを取り込み、 Sierra Solutionsを子会社化したことにより、医療機関への グローバル案件の拡大を図ります。 サービス提供を拡大させます。 ●「AZAREA」の活用による差別化 ●ノウハウを活用したパッケージビジネスの強化 独自の開発プラットフォーム「 AZAREA 」 を活用し、開発品質 受託開発型ビジネスの将来的な需要減を見越し、蓄積した の向上および効率化による差別化、高採算化を図ります。 業務ノウハウを活かしたパッケージソフトの開発・提供を強化し ます。既に年金管理パッケージ「 Micmari 」や製薬企業向け ●社会保障領域でのサービス拡大 営業支援システム「 MR-Navi 」 などを開発・提供しています。 これまでの年金 介護分野におけるITサービスの提供に着手し、 領域とともに「社会保障領域」のサービスを拡大させます。 CAC Report 2015 25 Business overview 事業概要 売上高構成比 IT サービス分野 34.3% システム運用サービス 運用アウトソーシングサービスのほか、データセンター、ヘルプデスク/コールセンター、セキュリティ関連、 事業概要 製品保証などのサービスを提供しています。 強みと特徴 売上高 181 154 (2015年度) 151 162 178億円 大手製薬企業向けに提供 創業期に子会社だったアウトソーシング専門会社が当サービス の起源です。 大手製薬企業もその会社へ出資しており、製薬 企業へ総合的にサービスを提供しながらノウハウを蓄積してきました。 M&Aで拡大 2011 2012 2013 2014 2015 (年度) グループ会社であるCACマルハニチロシステムズ、CACオル ビス、 シーエーシーナレッジ、 アークシステムは、 全てM&Aでグループ 化してきました。 業績について 2015年度は、国内主要顧客向けの売上高が減少した影響で、 2016 年度は売上高については微増にとどまるものの、利益 前年度比1.3%の減収となりました。利益面については、海外子 面については、前年の一時的な費用の計上がなくなることから、 会社AFLの貸倒引当金等の計上が大きく影響し、1億87百万円 黒字回復すると見込んでいます。 の営業損失となりました。 価値創造に向けて ●運用ツールの整備による品質向上 ●安定的なサービス提供に向けて 今までは、ITIL などのグローバルスタンダードに準拠した運用 お客様に安心して、安定的なサービスを利用いただけるよう、 を行うことにより、運用品質の向上を目指してきましたが、今後 当社グループでは、情報セキュリティ国際規格(ISMS)JIS Q 改めて運用ツールを整備し、高水準、 かつ均一的な品質の提供 を取得しています。 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013) を目指します。 ●新しい運用サービス、メニューの開発 ●価格競争力を向上 次々と登場する新技術への対応や、 お客様の運用負荷・コスト 運用ツールによる自動化の促進およびオフショアの活用 軽減などを目指し、 クラウドを活用した運用・管理サービスの開発 を推進することで原価低減を図り、価格競争力を向上させます。 など、新しい運用サービスやメニューの開発を強化しています。 26 IT サービス分野の業界構造 ITサービス業界の動向 日本のITサービス市場は、金融分野のシステム更新やマイナンバー制度の導入などの大型案件がけん引し、2014/15年度 ともに成長(IDC調べ※「年率3%」)。2016年度以降はこれら大型案件の収束で成長率は鈍化するも、クラウド、モビリティ、 ビッグデータ、IoTなど「第3のプラットフォーム」関連の支出が原動力となり、2020年までに緩やかな成長が続くと予測(IDC 調べ※「年率1.7%」)。産業別では、オムニチャネル化やFintech時代の決算ソリューション拡充といったサービス強化を目的 に金融機関、特にメガバンクのIT支出の高い伸びが予想されています。 ※IDCジャパン 「国内ITサービス市場 産業分野別予測、2016年~2020年」 国内情報サービス産業の変遷 (兆円) 28 第 3 のプラット フォーム クラウド、モビリティ、 Big Data、IoT… ■ 売上高 ー 従業員数 (万人) 金融 Fintech、 オムニチャネル 24 140 120 20 100 16 80 12 60 8 40 4 コンピューター利用の拡大 社会インフラとしてIT浸透の時代 20 0 0 1973 1980 情報処理の時代 ソフトウェア 開発拡大の 時代 1990 急成長とSIの時代 分散型 システムへの 転換の時代 2000 ネットワーク化と アウトソーシング化の 時代 2010 インターネットの時代 2015 クラウド コンピューティングと ビッグデータの時代 (出所:情報サービス産業協会(JISA) 「情報サービス産業発展の経緯」http://itjobgate.jisa.or.jp/trend/index.html(参照:2016年5月) 経済産業省 特定サービス産業実態調査) 世界の地域別市場成長率 ITサービスの世界市場は、 企業活動のグローバル化と情報通信 地域別市場成長率(2017/2012年) システムの普及・拡大を背景に、年平均成長率(2012-2017 年) 5.2%のプラス成長で推移すると予測(総務省)。地域別では、 アジア太平洋地域が8∼11%前後、北米が4∼7%の高い成長 アジア太平洋 その他地域 率が見込まれています。 CACグループは、金融・信託など特定分野に強い独立系と して、国内における成長分野の需要を取り込むと共に、インドや 北米 日本 アジアへの展開を梃に、海外における事業機会を開拓して いきます。 ■ ITサービス ■ ソフトウェア ■ データセンター 西欧 0.0 2 .0 4 .0 6 .0 8 .0 10.0 12 .0(%) (出所:総務省 平成25年版情報通信白書「ICTサービス市場規模の地域別比較および 市場成長率(2017/2012年)」) CAC Report 2015 27 Business overview 事業概要 売上高構成比 業務受託サービス分野 20.9% BPO/BTOサービス (2015年度) ITと業務機能を併せた業務受託サービスの提供を行っています。 現在当社グループでは、CRO(医薬BTOサービス)と、人事BPOサービスを提供しています。 事業概要 強みと特徴 売上高 93 103 103 108億円 CROは安全性情報管理に強み CRO(医薬BTOサービス)では、医薬品開発の支援に必要 な全てのメニューをラインナップしていますが、中でも、副作用に 70 関する情報を管理する安全性情報管理に強いのが特徴です。 あらゆる人事業務を請け負える 2011 2012 2013 2014 2015 (年度) 人事 BPO サービスは一般的な給与計算などの業務受託に 加え、人事制度の運用や労務管理、福利厚生管理、その他人 事業務の受託を行っています。 業績について 2015年度は、CRO (医薬BTOサービス) は増収であったもの 2016年度は、人事BPOサービス、CRO (医薬BTOサービス) の、人事BPOサービスが減収となったため、全体では前年度比 ともに拡大を見込んでいます。また、CRO(医薬BTOサービス) 4.8%増にとどまりました。利益面においては、CRO(医薬BTO においては、連結子会社合併による要員の適性配置を含め、 サービス)でプロジェクト開始の遅れに伴う不稼働損により、前年 効率化、高採算化を図ってまいります。 度比62.8%減となりました。 価値創造に向けて ●M&Aとアライアンスでグローバル化対応を加速 ●グループ再編によりサービス提供力を強化 CRO (医薬BTOサービス) においては、国際共同治験が全体 2016年4月、 当社グループでCRO (医薬BTO) 事業を行う2社 の治験数の約3割※になり、今後も増加すると見込まれているた が合併し、 CACクロアが誕生しました。 め、グローバル水準に即した品質標準の提供が必須です。 非臨床から製造販売後調査、安全性情報管理までIT を駆使 M&Aとアライアンスでグローバル化対応を加速させます。 したデータ関連の支援サービスと、高度なノウハウを有するモニタ (医薬BTOサービス) の全 リングサービスが合わさることで、CRO ●新たな事業開発と品質向上に取り組む メニューをカバーすることになります。これにより、多様化する顧客 多様化する顧客のニーズに対応すべく、新たなる事業の開発 ニーズへの対応強化を図ります。また、IT の更なる活用、人材 や、ITを活用した更なる品質の向上および効率化に取り組みます。 育成の強化などにより、更なる品質・効率・安全性の向上、グロ ※厚生労働省 医薬品等の審査及び治験に関する最近の動向について(平成 27 年度) 「薬物 の国際共同治験の届出推移」 より ーバル治験への対応などを加速させ、 業務拡大を図ります。 28 業務受託サービス分野の業界構造 CRO業界とCACグループのポジション CRO(Contract Research Organization :医薬品開発支援:当社では医薬BTOサービスとして提供)は、医薬品の 開発効率を高め、より早く新しい薬を生み出すために臨床試験、製造販売後調査における様々な業務を代行・サポートす る事業です。CACグループでは、1990年頃からCRO事業を開始し、現在では、2016年4月に発足したCACクロアが中心 となり展開しています。 CRO事業のフロー 製薬企業 での業務 創薬研究 非臨床試験 臨床試験 承認申請 モニタリング CTD/ eCTD※ (治験) 臨床試験(治験)の サポート CRO事業 製 造 製造販売後 製造販売後調査 市販直後調査 編纂業務 製造販売後 臨床試験 承認申請の ために必要な 書類などを 作成 DM・統計解析 治験のデータを 処理・解析 製造販売後に おける調査、 臨床試験 安全性情報管理 医薬品の副作用についての評価・報告 ITサポート コンサルティング、システム構築、運用、インフラ導入など ※CTD:日米EU3極共通の医薬品承認申請様式(Common Technical Document) CRO市場動向 CRO市場動向は、製薬企業が治験コストの削減、効率化の 推進のため業務のアウトソーシングを促進していることから、 年率 + 5% 日本CRO協会 会員総売上高推移 成長へ (億円) 今後も年率+5%程度の成長が見込まれています。 1,500 世界的にも、製薬企業やバイオ医薬品企業が研究開発業 1,200 務を外部に委託する傾向が高まっており、グローバル CRO 市 900 場は年率10%程度での拡大が予測されています。 600 1,435 1,130 1,132 1,192 2009 2010 2011 1,330 1,368 2012 2013 1,025 955 300 0 2007 2008 2014 (出所:日本CRO協会「2014年(1月~12月)年次業績報告」) CRO国内業界と当社グループのポジション CRO 専業から発展した企業が業界の大半を占める中、CAC 最大手グループを追う国内準大手に位置しています。近年は、 クロアは、IT起源の特色あるサービスベンダーとして顧客のシス 国際共同治験の増加に伴い、外資系 CRO 企業の日本参入も テム構築・運用と共に医薬品開発プロセスの業務受託を提供 増えているため、 グローバル企業との提携なども模索しながら拡大 しています。シミック株式会社やイーピーエス株式会社などの業界 を目指します。 CAC Report 2015 29 Corporate governance コーポレート・ガバナンス コーポレート・ガバナンス コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 CAC グループの経営理念の根幹は「お客様の企業価値 ステークホルダーの満足度を最大限に高める経営を進めてまい 向上への持続的な貢献」です。この理念の実現に向けて、 ります。このために、意思決定の透明性を高めるとともに、監視 成長への基礎を固め、収益向上のためにグループの力を結集 ・監督機能が適切に組み込まれたコーポレート・ガバナンス体 します。 「お客様の信頼を勝ち得ること」、 「 市場の変化を先取り 制を構築しています。 すること」、 「社員ひとりひとりの活力を高めること」 を基本方針とし、 ガバナンスの基本構造と経営執行体制 CACグループは、経営の透明性を重視した「開かれた経営」 4 名(男性 3 名、女性 1 名)で構成しています。社外取締役は を目指し、ガバナンスの強化を行ってきました。2003 年には すべて独立取締役です。 また、 グローバルビジネスの拡大に伴い、 「経営アドバイザリーボード」を設置して社外の有識者からの 外国籍の取締役が2名おります。なお、2014年には純粋持株 コーポレート・ガバナンスに関する助言や提言を得る取り組み 会社体制に移行し、グループ全体の経営戦略の立案、および を開始しました。2005年には社外取締役を加えた経営体制とし、 グループ各社の経営管理をより迅速に行う体制を構築しています。 は、取締役10名、 うち社外取締役 現在(2016年3月24日時点) 取締役会 監査役会 毎月 1 回定期に、必要に応じて臨時に開催されています。 監査役会は、監査役 4 名、うち社外監査役が 2 名で構成さ 重要事項は全て付議され業務執行状況についても随時報告 れています。毎月1 回定期に、必要に応じて臨時に開催されて、 されています。また、連結および関係会社に関する重要な経営 取締役会の意思決定および各取締役の業務執行の妥当性・ 事項を審議・決裁する場として経営会議を設けています。 適正性を確保するための協議を行っています。監査役は、取締 役会はもとより経営会議へも積極的に参加し、取締役の業務 執行を充分に監視できる体制となっています。 ガバナンス体制の進化 ●CAC Holdings発足 取締役9名(うち社外4名) ※外国籍役員2名(現任) ●社外取締役選出 取締役8名(うち社外1名) ●社外取締役1名増加 取締役9名(うち社外2名) ●社内取締役増加 取締役9名(うち社外4名) ●「経営アドバイザリーボード」を導入 ●社内取締役増加 ●社外取締役2名増加 取締役10名(うち社外4名) 取締役8名(うち社外4名) ※女性役員(社外)1名(現任) 2003 2005 2007 2011 2013 2014 2016 30 コーポレート・ガバナンス体制図 株 主 総 会 選任・解任 選任・解任 連携 選任・解任 取締役会 監査役会 取 締 役 監 査 役 選定・解職 連携 会計監査人 監督 監査役監査(業務監査・会計監査) 会計監査人による外部監査(会計監査) 内部統制室 諮問 代表取締役社長 報酬委員会 答申 経営会議 各部門 報告 経営管理・指導 グループコンプライアンスマニュアルの策定 グループ会社 報酬委員会 取締役の報酬等については、株主総会で決議された報酬限 監査業務の分担の状況を総合的に勘案し決定しています。 度額の範囲内で、取締役会にて各取締役の役割や貢献度を 取締役等の報酬に関する妥当性を審議するため、社外取締 総合的に評価し、各取締役の報酬等を決定しています。 監査 役(花田光世氏)を委員長とする報酬委員会を設置しており、 役の報酬などについても株主総会で決議された報酬限度額の 諮問を経ることとしています。 範囲内で、監査役の協議により各監査役の常勤・非常勤の別、 2015年度の役員報酬実績 役員区分 人員数(名) 支給総額(百万円) 取締役(うち社外取締役) 9 (4) 151 (18) 監査役(うち社外監査役) 5(3) 44 (9) 14 (7) 195 (27) 合計 ※ 内訳 報酬限度額 基本報酬 126 百万円 賞与 24 百万円 年額 240 百万円以内 基本報酬のみ 月額 4 百万円以内 (社外取締役は基本報酬のみ) (注) 1. 取締役の報酬限度額は、2006 年3月30日開催の第 40 回定時株主総会において年額 240 百万円以内 (ただし、使用人分給与は含まない。) とご承認をいただいております。 2. 監査役の報酬限度額は、1997 年 12月11日開催の臨時株主総会において月額4百万円以内とご承認をいただいております。 3. また、贈呈の時期は、各取締役および各監査役の退任時とする 2008年3月27日開催の第42回定時株主総会において、役員退職慰労金制度を廃止し、制度廃止時の要支給額を打切り支給すること、 旨、併せてご承認をいただいております。 となっています。 ※ 2015 年 3月に社外監査役1名の退任および1名の選任があったため、合計で5名(社外監査役合計3名) CAC Report 2015 31 Corporate governance コーポレート・ガバナンス マネジメントチーム (2016年3月24日現在) 取締役 島田 俊夫 取締役会長 酒匂 明彦 1997年 11月 2002年 3月 2004年 3月 2011年 1月 2011年 6月 当社入社 当社取締役経営企画本部長 当社代表取締役社長 当社代表取締役会長 一般社団法人情報サービス 産業協会副会長(現任) 2015年 3月 当社取締役会長(現任) 1983年 4月 当社入社 2000年 3月 当社執行役員SI事業本部金融 髙橋 久 チェン・ビン 取締役(中国担当) 取締役(医薬BTO担当) 1979年 4月 当社入社 2000年 4月 当社執行役員SI推進本部 副本部長 2012年 4月 株式会社CAC エクシケア(現CAC クロア)代表取締役 社長(現任) 2014年 4月 当社取締役(現任) 代表取締役社長 システム第一事業部長 2005年 3月 当社取締役兼執行役員 経営統括本部長 2011年 1月 当社代表取締役社長(現任) 2014年 4月 株式会社シーエーシー 代表取締役社長(現任) 2000年 4月 当社入社 2000年 5月 CAC PACIFIC CORPORATION Director & President 2000年 7月 希亜思(上海)信息技術 有限公司董事兼 総経理(現任) 2014年 4月 当社取締役(現任) メヘタ・マルコム 取締役(インド担当) 取締役(経営管理部、 西森 良太 経営企画部、 未来企画部担当) 2010年 6月 当社入社 2010年 10月 CAC India Private Limited President(現任) 2014年 4月 当社取締役(現任) 2014年 7月 Accel Frontline Limited Executive Director(現任) 1994年 4月 当社入社 2011年 1月 CAC AMERICA CORPORATION Director & President 2016年 3月 株式会社シーエーシー 同 上 取締役(現任) 当社取締役(現任) 32 社外取締役 花田 光世 社外取締役 1977年 9月 カリフォルニア州立大学 ロサンゼルス分校 社会学部講師 1990年 3月 慶應義塾大学 総合政策学部教授 2005年 3月 当社取締役(現任) 2014年 4月 慶應義塾大学 名誉教授(現任) ※当社は花田光世氏を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しています。 廣瀬 通孝 社外取締役 2006年 4月 東京大学大学院 情報理工学系研究科知能 機械情報学専攻教授(現任) 2011年 3月 当社取締役(現任) 2011年 4月 独立行政法人情報通信 研究機構R&D アドバイザー (現任) 2014年 4月 日本バーチャルリアリティ 学会監事(現任) ※当社は廣瀬通孝氏を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しています。 松島 茂 社外取締役 1973年 4月 通商産業省 (現経済産業省)入省 2001年 4月 法政大学経営学部教授 2007年 3月 当社取締役(現任) 2011年 4月 東京理科大学大学院 イノベーション研究科 技術経営専攻教授(現任) ※当社は松島茂氏を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しています。 黒田 由貴子 社外取締役 1991年 1月 株式会社ピープルフォーカス・ コンサルティング代表取締役 1996年 8月 株式会社サイコム・ ブレインズ取締役(現任) 2011年 3月 当社取締役(現任) 2012年 4月 株式会社ピープルフォーカス・ コンサルティング ファウンダー・取締役(現任) ※当社は黒田由貴子氏を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しています。 監査役 松村 晶信 常勤監査役 大須賀 正之 常勤監査役 2000年 10月 当社入社 2001年 4月 当社執行役員COE 2005年 2月 当社入社 2005年 4月 株式会社カティエント出向 統括本部インターネット ビジネス推進本部長 2005年 3月 当社取締役兼執行役員 アウトソーシング ビジネスユニット長 2011年 3月 当社常勤監査役(現任) 同社取締役 2006年 8月 当社執行役員金融 コラボレーション本部長 2013年 3月 当社常勤監査役(現任) 藤谷 護人 社外監査役 石井 光太郎 社外監査役 1992年 4月 弁護士開業 1994年 11月 藤谷護人法律事務所 1984年 4月 株式会社ボストンコンサル (現弁護士法人エルティ 総合法律事務所)開設 1998年 3月 当社監査役(現任) 2002年 4月 弁護士法人エルティ 総合法律事務所 所長弁護士(現任) ※当社は藤谷護人氏を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しています。 ティンググループ入社 1986年 1月 株式会社コーポレイト ディレクション設立に参加 2003年 3月 株式会社コーポレイト ディレクション 代表取締役(現任) 2015年 3月 当社監査役(現任) ※当社は石井光太郎氏を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しています。 CAC Report 2015 33 Corporate governance コーポレート・ガバナンス 社外取締役の声 社内にはない視点を活かして 経営をより良い方向へ。 花田 光世 社外取締役 2005年3月 就任 慶應義塾大学名誉教授 私が社外取締役に就任したのは 2005 年ですが、CAC グ 他社のケースでは、執行役員出身の取締役が、社長に対する ループの経営には、2003 年に「経営アドバイザリーボード」が 遠慮があったり、日常の業務執行にかかわるしがらみを考えて 導入されたときから参加しています。これは、まだ社外取締役 発言を控える力が働くことがあるようです。社外取締役は、社 制度が一般的になる前に、経営判断の合理性や専門的視点 内のダイナミズムや特定の事業部門に関すること全てに精通 にたった助言を社外の有識者から得るためのものです。 当時、 はしていませんが、 それ故に遠慮やしがらみなく、言うべきことを 私はアウトソーシング業界の協議会に関わっていた縁でアドバイ 言い、 トップマネジメントに対しても時には異を唱えることがで ザリーボードに就任しました。当社は、 コンピューターソフトウェア きます。またそれが社外取締役の重要な役割のひとつである 業界において歴史のある老舗でありながら、 役員人事や社長人事 と考えています。 では常に積極的に若い人材を登用して積極的に新しいガバ CAC Holdings の取締役会で私が現在感じている課題は、 ナンスを追求してきた会社で、アドバイザリーボートの導入や、 議題として上がってくる情報の量と質のバランスです。取締役会 早くからの社外取締役採用もその一端と言えるでしょう。 現在 での議論は、基本的にそこに提供される情報を基になされますが、 は取締役 10 名のうち 4 名が私を含めた社外取締役です。 系 社内で暗黙知となっている背景などが議論の前提として必要 列企業や銀行からの社外取締役によってある種の仲良しクラ なこともあります。一方で、取締役会に上げられる議題は多岐 ブを構成するものではなく、全て独立取締役であり、経営の体 に渡りますので、情報量が多すぎても議論が進みません。適切 制に必要な要素として機能させることでユニークなガバナンス な情報量を勘案しながら、議題の背景情報も含めて必要なもの 体制を構築しているのです。 取締役会は、和気藹々とした を選び、取締役会に上げていくことで、取締役会における議論 雰囲気ながら、ノーというべき議題に対しては流されることなく の質も、更に良いものになると考えます。 ノーと言って議論をする体制が、 ごく当然のものとして確立され 私は組織・人事などが専門ですが、他の社外取締役は、 ています。 ベンチャー経営に精通した方、ダイバーシティに強い方、 I Tの 私自身は2005年に社外取締役に就任以来、大学の最重要 専門家などそれぞれに強みがあります。各自がその経験と知見 業務である入試と重なった時を除いて取締役会にはほぼ出席 を生かし、社内には無い視点を生かして経営をより良い方向に しています。取締役会で発言する際は、少数株主の意見を代弁 変革していくことが、社外取締役が企業価値の拡大に貢献する するというだけでなく、従業員を含めた社会全体、 という広い意味 ということだと信じています。 でのステークホルダーズ代表という意識で発言しています。 34 M&Aの精度向上で 更なる企業価値の拡大を 黒田 由貴子 社外取締役 2011年3月 就任 株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング ファウンダー・取締役 ITサービス業界の企業といえば一般的にドライなイメージがあ 議案に時間が割かれていましたが、持株会社体制になってか りますが、CACグループは、社員同士の仲が良く、和気あいあい らは、グループ各社における問題がより早いタイミングで取締役 とした企業です。取締役会でも、堅苦しい雰囲気はなく、とても 会に上がって来るようになりました。 今後の CACグループにと 活発な議論が行われています。 社外取締役は私を含めて 4 名 って、グループ経営の確立、グローバルでのバリューチェーンに おり、各自がその専門性を生かして積極的に発言しています。まだ 亘っての最適な経営資源の配分が重要になってくるでしょうから、 社外取締役が1, 2名しかいない会社が多い中、当社では10名 CAC Holdingsが担う役割は更に大きくなると思われます。関 中 4 名という半分近い人数が社外なので発言しやすいというこ 連しますが、CACグループが将来に向けて企業価値を向上させ ともあると思います。 て行くためには、持株会社が主導してM&A のノウハウを蓄積し 私自身は組織開発のコンサルタントであり、他の上場会社 ていくことが今後の経営課題の一つと考えています。 潤沢な の社外取締役も務めていて、会社の経営を見る機会は多い 手元キャッシュを持つ CACグループは「攻めの成長戦略」と のですが、CAC Holdings 取締役会における意思決定の してM&Aを活発化させています。買収を成功させてグループの スピードは比較的速いと感じています。スピードが速いのは一般 価値拡大に繋げるには、買収前の事業評価(デューディリジェ 的には良いことですが、性急と思われる経営判断に対しては、 ンス)の精度を上げ、買収後の事業統合(ポスト・マージャー・ 社外取締役としてブレーキをかける役割を担わなければなりま インテグレーション)を担う経営力と人材を充実させることが せん。 一方、例えば社内の人材育成などに関して、内容が ますます必要となってくるでしょう。 不十分と感じた場合には意見し、より一層の加速化や強化を CACグループは“ Birth!BEYOND ”のかけ声と共に今、 お願いしたというケースもあります。いずれにしても、社長を含む 生まれ変わろうとしています。中核の事業会社であるシーエーシー 社内の経営陣が、社外取締役の声に耳を傾け、取り入れようと 単体の業績は安定していますが、現状維持だけでは変化の する姿勢があると言えるでしょう。 私自身は、社外取締役は 激しいI T業界では生き残れないという危機感が経営陣には強く、 「煙たい存在」であるべきと考えており、株主を含めた全ての 先を見据えて新しいチャレンジをしているステージと認識して ステークホルダーの代表として、社会から見て客観的な視点 います。その中で、社外取締役としてリスクを冷静に指摘しつつ、 で物申すことを心がけています。 事 業と企 業 価 値の成 長につながる関わり方をしてきたいと 2014 年 4 月に持株会社体制になってから、取締役会にも 思っています。 変化が生じました。それまでは、 シーエーシー単体の事業に関する CAC Report 2015 35 Invisible assets 技術 見えない資産 CACグループは、他社との差別化を実現し、 競争力のある「知識集約型企業」となることを目指して、 技術力・品質向上への取り組みを行っています。 ア ザ レ ア システム開発・運用管理支援ツール群「AZAREA」 現在のITサービス企業には、 スピード感、品質、価格競争力、 さらに最新技術への対応が求められています。このようなニーズ に対応すべく開発したのがシステム開発・運用管理のための です。 支援ツール群「 AZAREA 」 AZAREAを活用することにより、 まず生産性向上が実現され AZAREA-Gene Webアプリケーションの 開発支援ツール AZAREA-Workflow ワークフローシステムの 開発支援ツール AZAREA-Cluster ます。一部開発ツールは、既にグループ会社で活用されており、 CACTUS 生産性が30%改善したケースもあります。 このように、開 発や運 用 管 理における知 識やノウハウを ビッグデータにも対応可能な バッチ処理※の作成支援ツール 各種管理支援ツール その他各種ツール AZAREA に集約・蓄積し、サービス品質向上や次世代への 継承につなげていく取り組みが、中期経営戦略の一つでもある AZAREA-XXXX 今後も必要なツールを開発予定 「 All in AZAREA 」構想です。 ※バッチ処理:一定の期間や量で集めたデータをまとめて一定処理する方法 システム開発・運用における国際標準への対応 「 All in AZAREA 」と並行して取り組んでいるのが CMMI ※ トがあります。今後はより高いレベル5の取得を目指しています。 などの国際標準への対応です。 システム運用サービスについては、情報セキュリティ国際規格 開発プロセスの国際標準であるCMMI は、ある程度のレベル 「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013) 」 を (ISMS) を持っていない IT ベンダーはグローバルでのベンダー選定に 取得しております。 加わることもできません。シーエーシーは、約 12 年前に金融 このような国際標準を 「 All in AZAREA 」にも取り込むことに 部門が先行してレベル 3を達成し、現在は全社でレベル 3 と より、高品質と高生産性の両立に加えグローバルスタンダード なっています。グローバル案件での選定基準の範疇に入れる への準拠が確立され、競争優位が実現できると考えています。 こと、開発プロセスや品質に関する信頼を得られるというメリッ 開発プロセスの国際標準規的モデル「CMMI」 レベル1 初期 日本企業における取得社数 (対象:2013年~2016年) レベル2 管理された レベル3 定義された レベル4 定量的に管理された レベル5 最適化している 5社 37社 11社 6社 (出所:CMMI Institute“Published Appraisal Results”https://sas.cmmiinstitute.com/pars/pars.aspx (参照:2016年 7月) ) ※ CMMI (Capacity Maturity Model Integration): 開発プロセスの国際標準モデル 36 人材 CACグループは、事業のグローバル化と共に、 グローバルでの人材採用・育成に取り組み、ダイバーシティを推進しています。 グローバルでの人材強化取り組み グローバル対応を進めるため、2008年から積極的に外国人を 外国籍社員の出身国 採用しています。 中核事業会社のシーエーシーでは、2015 年 シーエーシー 2015年12月末時点 ヨーロッパ 12月現在で20か国 52 名の外国籍社員が在籍。新入社員に 3人 中東 占める外国籍社員の比率は、アジア国籍を中心に 50%を占め 2人 アジア るまでになりました。 優秀な人材を確保するため、2013 年から 39人 は春採用に加え、秋採用も実施しています。 持株会社の経営においても、2 名の外国人取締役を登用し 中南米 オセアニア ています。 5人 2人 このほか、 日本人社員の英語力強化にも取り組んでいます。 外国籍新入社員の割合 北米 1人 海外子会社従業員数 シーエーシー (%) (人) 50.0 46.2 50.0 3,000 40.7 40.0 3,500 2,919 3,214 2,500 30.0 2,000 1,500 20.0 14.7 10.0 9.5 8.8 1,000 12.5 0.0 500 0 1.9 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 330 212 210 213 212 260 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 経営戦略の一環としてのワークスタイル変革への取り組み 2012 年より営業部門、管理部門のフロアを対象にフリーアド レス制を進めています。 「いつでもどこでも誰とでも」仕事ができる 「テレワーク」 環境を構築。週1∼2日を目安に在宅勤務が可能な も同時に進めています。シーエーシーではこれらワークスタイル 変革への取り組みの中からそのノウハウをITソリューションとして 「フリキタスソリューション」 体系化・商品化し、2013年10月から として提供しています。 このような取り組みについて 2015 年 1 月には一般社団法人 日本テレワーク協会主催の第 15 回「テレワーク推進賞」の優 秀賞・会長特別賞をシーエーシーが受賞しました。 CAC Report 2015 37 Invisible assets 見えない資産 社会との関わり 国内大手優良企業と長年の取引 最大顧客であるアステラス製薬(旧山之内製薬)様とは創業 CACグループは、これらの業界大手の顧客とのコミュニケー 間もないころからお取引いただいています。 1970 年代から情報 ションを通じて、技術だけでなく、業務上で重要な知識やノウハウ システムの全面的なアウトソーシングを請け負い、生産や会計、 を蓄積してきました。 物流などの本社系システムや営業系システム、研究開発系シス 銀行業務や年金関連業務に関しては、シーエーシーとして テムの構築、運用を担ってきました。 業務ノウハウについての書籍を出版するまでになりました。 みずほ銀行様とは旧日本興業銀行時代の 1969 年からのお また、業務知識や経験を活かしたサービス提供が認められ、 取引。 95年のデリバティブ系プロジェクトなど、海外を含む大規 お客様より感謝状などをいただくこともあります。 模なプロジェクトに参画してきました。 その他、様々な国内トップクラスの企業と長く関係を築いており、 大型顧客(売上上位 10 社)との取引は、平均で25 年以上と なっています。 シーエーシー技術者が執筆した 『図解で学ぶ SE のための銀行三大業務入門(第 2 版)』 (金融財政事情研究会) 年金綜合研究所の設立・運営を支援 2012 年 10月、年金制度に関する研究を行うことを目的と が産学 した研究機関として「一般社団法人 年金綜合研究所」 年金綜合研究所のビジョン 官の連携により設立されました。 企業年金システムの分野で 国民の年金制度への信頼度向上を図るとともに、 年金制度の長期的な安定に寄与する 30 年以上にわたって数多くの開発プロジェクトに携わってきた 研究テーマ 中で、将来の年金制度の安定のためには、解決すべき課題が 多く存在する認識を深めていた当社は、 「 国民の年金制度への 年金制度論 社会保障論 国家財政論 比較制度 研究 制度 インフラ 年金財政論 将来推計 信頼度向上を図るとともに、年金制度の長期的な安定に寄与 する」ことをビジョンとする同研究所の設立趣旨に賛同し、設立 の準備段階から支援を開始し、現在もその運営をサポートして います。 産学官共同による学際的な研究・検証 産 学 国 年金運用 38 CACグループは、年金綜合研究所や障がい者スポーツへの支援など、社会貢献活動を通じて、 社会的な問題の解決に貢献していきたいと考えています。 ボッチャへの普及・支援活動を開始 CACグループは、IT&ヘルスケアサービスの提供を通じてよ ボッチャとは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは り良い社会の実現を目指すほか、社会の一員として環境保全、 同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツで、 地域社会活動への参加などの社会貢献活動をしています。 パラリンピックの正式種目です。ジャックボール(目標球) と呼ば 日本障害者クロスカントリースキー協会への支援や地域行事 れる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、 への支援、 日本赤十字社の献血活動協力、 エコキャップ運動など 転がしたり、他のボールに当てたりしていかに近づけるかを競い に取り組んでいますが、創業50周年を機に、障がい者スポーツ ます。障害によりボールを投げることが出来なくても勾配具 (ランプ) である 「ボッチャ」の普及・支援活動を開始しました。 を使い、 自分の意思を介助者に伝えることが出来れば参加できます。 ボッチャへの当社グループの取り組み 当社グループは、ボッチャが健常者から重度障がい者まで幅 広く楽しめるスポーツであり、 また、緻密な戦略と駆け引きが詰ま った奥深いスポーツであることに大きな魅力を感じ、 ボッチャが誰 もが知っているスポーツとなること、障がい者の方々がボッチャ に参加できる機会が拡大することを活動目標としながら、今後も 全面的に支援していきます。 ・ 一般社団法人日本ボッチャ協会のスペシャルパートナー として支援 ・各種大会での社員ボランティアによる運営サポート、応援 ・当社グループの特色を活かし IT 技術を使った支援ツール の開発などによる観戦環境整備 社員ボランティアによる運営サポート 支援広告 CAC Report 2015 39 Financial data 財務データ 11 年間の主要財務データ 第 40 期 第 41 期 第 42 期 第 43 期 52,423 37,387 40,924 43,701 営業利益(百万円) 3,693 1,944 2,512 3,260 経常利益(百万円) 3,746 2,185 2,846 3,491 当期純利益(百万円) 4,309 1,209 1,168 1,844 純資産(百万円) 17,955 18,065 18,574 18,708 総資産(百万円) 32,382 27,225 29,516 29,713 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) 2,203 △ 3,043 3,279 2,666 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) 7,021 △ 789 △ 694 △ 1,084 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) △ 2,531 △ 1,579 △ 870 △ 1,144 1株当たり純資産<BPS>(円) 835.14 857.39 886.06 915.93 1株当たり当期純利益<EPS>(円) 197.86 56.79 55.89 91.12 自己資本当期純利益率<ROE>(%) 27.1 6.8 6.5 10.1 総資産経常利益率<ROA>(%) 11.5 7.3 10.0 11.8 自己資本比率(%) 55.5 65.7 61.8 61.6 7.4 17.5 12.9 8.5 14.00 14.00 20.00 30.00 配当性向(%) 7.1 24.7 35.8 32.9 従業員数(人) 1,862 1,882 1,881 1,998 2005 年度 売上高(百万円) 株価収益率<PER>(倍) ※株価は、年度末終値を使用 1株当たり配当額(円) 売上高構成 (百万円) 60,000 2006 年度 当期純利益 / ROE ■ システム構築サービス ■ システム運用サービス ■ BPO/BTOサービス (百万円) 2,500 10,368 ■ 純利益(左軸) ー ROE(右軸) (%) 10.0 2,343 9.1 7,013 6,000 15,446 15,145 16,221 ■ 総資産(左軸) ー ROA(右軸) 4,500 1,000 4.0 500 2.0 10.0 8.8 8.0 7.7 37,020 6.0 1,514 (%) 53,387 51,783 9.1 1,194 18,127 17,895 20,000 7.2 6.2 1,500 9,382 10,331 (百万円) 8.0 10,870 2008 年度 総資産 / ROA 2,000 40,000 2007 年度 3,000 6.6 31,363 32,233 6.0 1,500 0 0.2 39 △0.5 16,422 15,017 14,410 21,535 23,339 △142 △500 0 2011 2012 2013 2014 2015 △ 2.0 2011 2012 2013 2014 2015 4.0 0 0 2.1 2011 2012 2013 2014 2015 2.0 40 第 44 期 第 45 期 第 46 期 第 47 期 第 48 期 第 49 期 39,842 36,614 38,882 39,545 40,963 50,031 52,105 1,733 1,822 2,610 2,694 2,528 3,191 1,209 1,884 2,035 2,776 2,887 2,664 3,000 1,080 929 1,026 39 1,194 1,514 2,343 △ 142 19,773 20,316 19,294 20,200 22,833 30,310 29,293 31,004 31,781 31,363 32,233 37,020 53,387 51,783 687 2,319 △ 1,509 3,077 2,100 2,331 △ 770 △ 2,300 488 1,076 1,419 △ 2,312 432 △ 2,760 705 △ 908 △ 407 △ 1,248 989 △ 1,388 △ 796 960.61 979.73 940.20 993.35 1,124.81 1,455.06 1,439.40 46.49 51.09 1.98 59.99 76.07 117.69 △ 7.21 5.0 5.3 0.2 6.2 7.2 9.1 △ 0.5 6.2 6.5 8.8 9.1 7.7 6.6 2.1 62.0 62.0 60.3 61.4 60.5 54.3 54.6 14.3 12.3 317.9 11.4 12.1 10.0 ー 32.00 32.00 32.00 32.00 32.00 32.00 32.00 68.8 62.6 1,614.7 53.3 42.1 27.2 ー 2,150 2,070 2,057 2,166 2,239 4,833 5,202 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 営業利益 / 営業利益率 (百万円) 4,000 ■ 営業利益(左軸) ー 営業利益率(右軸) 2013 年度 EPS / BPS (%) 8.0 (円) 120 第 50 期 2014 年度 2015 年度 資本的支出 / 減価償却費 ー EPS(左軸) ー BPS(右軸) (円) 1,800 (百万円) 1,500 ー 資本的支出 ー 減価償却費 1,479 118 6.7 6.8 6.2 3,000 2,610 2,694 6.4 3,191 6.0 1,455 1,439 80 2,528 60 76 940 2.3 1,209 1,000 2.0 2011 2012 2013 2014 2015 1,125 1,200 1,177 1,000 900 40 600 20 300 805 778 677 500 587 517 545 323 0 0 993 60 4.0 2,000 0 1,500 100 △ 20 0 2 △7 2011 2012 2013 2014 2015 134 △300 0 2011 2012 2013 2014 2015 CAC Report 2015 41 Financial data 財務データ 連結貸借対照表(百万円) 資産の部 前連結会計年度 2014 年 12 月 31 日 当連結会計年度 2015 年 12 月 31 日 流動資産 現金及び預金 9,881 8,983 10,612 12,081 5,107 1,108 商品 731 779 仕掛品 606 1,051 貯蔵品 34 52 前払費用 822 892 繰延税金資産 260 284 1,828 847 △ 69 △ 780 29,815 25,300 343 745 98 63 土地 182 182 建設仮勘定 396 1 その他 908 890 1,928 1,883 ソフトウエア 1,580 2,163 のれん 2,570 3,064 その他 85 87 4,236 5,315 投資有価証券 14,667 15,777 長期前払費用 80 162 695 823 1,709 1,623 273 918 △ 20 △ 21 17,406 19,284 23,571 26,483 53,387 51,783 受取手形及び売掛金 有価証券 その他 貸倒引当金 流動資産合計 固定資産 有形固定資産 建物及び構築物 機械装置及び運搬具 有形固定資産合計 無形固定資産 無形固定資産合計 投資その他の資産 差入保証金 繰延税金資産 その他 貸倒引当金 投資その他の資産合計 固定資産合計 資産合計 42 負債の部 前連結会計年度 2014 年 12 月 31 日 当連結会計年度 2015 年 12 月 31 日 流動資産 支払手形及び買掛金 3,841 3,907 短期借入金 2,165 2,705 300 300 ー 2,065 178 193 1,430 1,469 未払法人税等 935 953 未払消費税等 983 440 賞与引当金 287 315 1 81 1,439 2,001 11,563 14,434 300 ー 2,598 463 260 265 役員退職慰労引当金 13 32 退職給付に係る負債 4,537 3,895 繰延税金負債 3,699 3,278 102 119 11,513 8,055 23,077 22,489 資本金 3,702 3,702 資本剰余金 3,969 3,969 利益剰余金 15,944 15,306 △ 1,637 △ 1,909 21,978 21,069 6,829 6,861 227 128 △ 69 236 6,988 7,225 1,343 998 純資産合計 30,310 29,293 負債純資産合計 53,387 51,783 1 年内償還予定の社債 1 年内返済予定の長期借入金 リース債務 未払費用 受注損失引当金 その他 流動負債合計 固定資産 社債 長期借入金 リース債務 その他 固定負債合計 負債合計 純資産の部 株主資本 自己株式 株主資本合計 その他の包括利益累計額 その他有価証券評価差額金 為替換算調整勘定 退職給付に係る調整累計額 その他の包括利益累計額合計 少数株主持分 CAC Report 2015 43 Financial data 財務データ 連結損益計算書(百万円) 前連結会計年度 2014年1月1日 ~2014年12月31日 当連結会計年度 2015年1月1日 ~2015年12月31日 売上高 50,031 52,105 売上原価 39,963 42,315 売上総利益 10,067 9,790 販売費及び一般管理費 6,876 8,581 営業利益 3,191 1,209 営業外収益 308 321 営業外費用 499 450 経常利益 3,000 1,080 特別利益 1,220 1,086 特別損失 20 1,406 税金等調整前当期純利益 4,199 761 法人税、住民税及び事業税 1,467 1,401 202 △ 65 法人税等合計 1,669 1,335 少数株主損益調整前当期純利益(△は損失) 2,529 △ 574 当期純利益(△は損失) 2,343 △ 142 法人税等調整額 連結キャッシュ・フロー計算書 (百万円) 前連結会計年度 2014年1月1日 ~2014年12月31日 当連結会計年度 2015年1月1日 ~2015年12月31日 2,331 △ 770 投資活動によるキャッシュ・フロー 432 △ 2,760 財務活動によるキャッシュ・フロー △ 1,388 △ 796 1,506 △ 4,355 現金及び現金同等物の期首残高 11,949 13,456 現金及び現金同等物の期末残高 13,456 9,101 営業活動によるキャッシュ・フロー 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) Stock information 44 株式情報 株式概要(2015年12月31日現在) 発行可能株式総数 86 , 284 , 000 株 発行済株式総数 21 , 541 , 400 株 単元株式数 100 株 株主数 5 , 197 名 事業年度 毎年 1 月 1 日から 12 月 31 日まで 定時株主総会 毎年 3 月下旬 基準日 定時株主総会・期末配当 : 12 月 31 日 中間配当 : 6 月 30 日 株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目 4 番 5 号 三菱 UFJ 信託銀行株式会社 東京証券取引所 市場第一部 上場証券取引所 ( 2000 年 10 月上場/証券コード:4725 ) 大株主の状況(2015年12月31日現在) 所有株式数 発行済株式総数に対する 所有株式数の割合 株式会社小学館 3,512 千株 16.30% アステラス製薬株式会社 1,077 千株 5.00% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 959 千株 4.45% 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 764 千株 3.54% CAC社員持株会 693 千株 3.22% キリンホールディングス株式会社 531 千株 2.46% 株式会社三井住友銀行 484 千株 2.24% 東洋ゴム工業株式会社 289 千株 1.34% STATE STREET LONDON CARE OF STATE STREET BANK AND TRUST, BOSTON SSBTC A/C UK LONDON BRANCH CLIENTS UNITED KINGDOM 260 千株 1.21% BNYML - NON TREATY ACCOUNT 244 千株 1.13% 株主名 ※上記のほか、2015年12月31日現在の自己株式が1,884千株あります。 所有者別状況(2015年12月31日現在) 株主数 所有株式数 発行済株式総数に対する 所有株式数の割合 金融機関 25 名 3,894 千株 18.08% 金融商品取引業者 26 名 280 千株 1.30% その他の法人 43 名 6,590 千株 30.60% 外国法人等 70 名 2,670 千株 12.40% 個人・その他 5,033 名 8,105 千株 37.62% 計 5,197 名 21,541 千株 100.00% 区分 ※2015年12月31日現在の自己株式1,884千株は「個人・その他」に含めています。 CAC Report 2015 45 Corporate information 会社情報 会社概要 名 称 英 文 名 称 株式会社CAC Holdings CAC Holdings Corporation 〒103-0015 本社所在地 東京都中央区日本橋箱崎町 24 番 1 号 TEL.(03)6667-8001(代表) 代 表 設 者 立 資 本 金 連 結 売 上 高 521億5百万円(2015年12月期) グ ループ 従 業 員 数 5,202名 事 グループの経営戦略策定および経営 管理 (2015年12月31日現在) 業 内 容 代表取締役社長 酒匂 明彦 1966年(昭和41年) 8月8日 37億2百万円 主 要 取 引 銀 行 三 井 住 友 銀 行、三 菱 東 京 UFJ 銀 行、 み ず ほ 銀 行、三 菱 UFJ 信 託 銀 行、 三井住友信託銀行 関係会社 株式会社シーエーシー CAC AMERICA CORPORATION[CACアメリカ] 所 所 在 地 主要事業 東京都中央区 シス テム 構 築、シス テム 運 用 管 理、BPO/ BTOサービス 株式会社CACクロア 東京都中央区 主 要 事 業 CRO(医薬 BTOサービス)、ITサービス 所 在 地 在 地 主要事業 CAC EUROPE LIMITED[CACヨーロッパ] 所 在 地 主要事業 株式会社アークシステム 所 在 地 主要事業 東京都中央区 システムの企画・構築・運用管理 株式会社シーエーシーナレッジ 所 在 地 主要事業 東京都中央区 システム開発・保守・運用管理、パッケージ ソフト開発・販売 株式会社CACオルビス 所 在 地 主要事業 大阪府大阪市西区 システム・コンサルティング、ソフトウェア 企画・開発、システム運用・保守 株式会社CACマルハニチロシステムズ 所 在 地 主要事業 東京都中央区 システムの開発・保守・運用 株式会社ハイテックシステムズ 所 在 地 主要事業 山口県下関市 システム開発・保守・運用、パッケージソフト 開発・販売 株式会社きざしカンパニー 東京都中央区 主 要 事 業 インターネット基盤技術開発・提供 所 在 地 米国 ニューヨーク市 システム構築、システム運用管理、BPO/BTO サービス 英国 ロンドン市 システム・コンサルティング、システム・イン テグレーション 希亜思(上海)信息技術有限公司[CAC上海] 所 在 地 主要事業 中国 上海市 システム・インテグレーション、ソフトウェア開発 高達計算機技術(蘇州)有限公司 所 在 地 主要事業 中国 蘇州市 システム開発、ソフトウェア開発 CAC India Private Limited[CACインド] 所 在 地 主要事業 インド ムンバイ市 システムの開発・運用管理、BPOサービス Accel Frontline Limited 所 在 地 主要事業 インド チェンナイ市 ITインフラストラクチャサービス、 ソフトウェアサービス、製品保証サービス Sierra Solutions Pte. Ltd. 所 在 地 主要事業 シンガポール 医療機関を中心とするヘルスケア産業向け コンサルティングおよび ITサービス 46 会社沿革 他社に先駆けて独立系ソフトウェア企業と して、 (株)コンピュータアプリケーションズ (昭和41年) (CAC)を設立。 1966年 高達計算機技術(蘇州)有限公司の株式を取得 し、子会社とする。 2002年 (株)湯浅ナレッジインダストリの株式を取得 (平成14年) して子会社とし、社名を(株)シーエーシー ナレッジに変更。 1971年 日本システムサービス(株) (SSK)に出資 し、アウトソーシング・サービス専門会社とし て事業開始。 1973年 ファシリティマネジメント会社、 (株)システム ユティリティ(SUC)を100 %出資により設 立。 1986年 システム・コンサルティング事業を本格的に 開始。 (平成17年) 通産省による「システムインテグレータ登録・ 認定制度」の第1回の認定企業となる。 (平成18年) (昭和46年) (昭和48年) (昭和61年) 1988年 (昭和63年) 1989年 (平成元年) 米 国 ニ ュ ー ヨ ー ク 市 に CAC AMERICA CORPORATION を 100 % 出 資 に よ り 設立。 1990年 (平成2年) 英国ロンドン市にCAC EUROPE LIMITED を100%出資により設立。 1994年 CAC、SSK、SUCのグループ3社が合併し、 1995年 通産省による「特定システムオペレーション 企業等認定」の第1回の認定企業となる。 (平成6年) (平成7年) 1996年 (平成8年) 1999年 (平成11年) 社名を(株)シーエーシーに変更。 分 散 型システムの 統 合 運 用 管 理 サービス 事業に着手。 当社株式を店頭登録銘柄として公開。 (株)アークシステムの全株式を取得し、子 会社とする。 2000年 中 国・上 海 市に、希 亜 思( 上 海 )信 息 技 術 (平成12年) 有 限 公 司を設立。 東 京 証 券 取引所市場第一部に上場。 (株)オルビス(現(株)CACオルビス)の 株式を取得し、子会社とする。 2003年 株 )マルハシステムズ(現(株)CACマルハ ( (平成15年) ニチロシステムズ)の株式を取得し、子会社 とする。 2005年 東京都中央区日本橋箱崎町に本社を移転。 2006年 (株)アームシステックスの株式を取得し、 同社および(株)アームを子会社とする。 (株)きざしカンパニーを設立 2007年 (株)メディカル・エコロジー(後に(株)CAC (平成19年) クリニットと改称)の全株式を取得し、 子会社 とする。 2009年 (株)クリニカルトラストの株式を取得し、子 会社とする。 (平成21年) (株)CACクリニット、 (株)アームシステック ス、 (株)アームを合併。 (平成22年) インド・ムン バ イ市 に CAC India Private Limitedを設立。 2010年 2012年 (平成24年) 会社分割により(株)CACエクシケアを設立。 Accel Frontline Limitedの株式を取得し、 2014年 (平成26年) 2015年 (平成27年) 子会社とする。 持株会社体制に移行。商号を株式会社CAC Holdingsに変更するとともに、会社分割によ り株式会社シーエーシーを新設し事業を承継。 Sierra Solutions Pte. Ltd. の株式を取得し、 子会社とする。 2016年 (株)CACエクシケアと(株)クリニカルトラ ストが合併し、社名を(株)CACクロアに変更。 (平成28年) 編集方針 「CAC Report」を初めて作成いたしました。本報告書は、長期的な視点に基づく投資家を中心とした CACグループではこのたび、 幅広いステークホルダーの皆様に、CACグループの価値創造に向けた取り組みをご理解いただくことを目的としています。 報告対象範囲 • 対象期間:2015年1月1日~2015年12月31日(一部、2016年1月以降の活動内容を含みます) • 対象組織:CAC HoldingsおよびCACグループ26社 将来の見通しについての注意事項 本報告書には、CAC Holdingsをはじめ関係会社の将来についての計画や戦略、業績に関する予想および見通しの記述が含まれ ています。これらの記述は、現時点で入手可能な情報から判断した見通しによるものです。このため実際の業績は、様々な外部環境 要因により、当初の見込みとは異なる結果となる可能性がありますことをご了承ください。 CAC Report 2015 〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町24-1 TEL : 03-6667-8010(広報IR) http://www.cac-holdings.com/
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