湖周ごみ処理施設整備事業に係る環境影響評価の

湖周ごみ処理施設整備事業に係る環境影響評価の方法書(案)について
4
環境影響評価の対象とする環境要素
整備事業の実施により、様々な環境への影響の可能性が想定されることから、
「長野県環境影響評価条例」では、
以下の18項目の環境要素について検討するように示されています。
1
環境影響評価(環境アセスメント)とは
方法書の作成に当たっては、事前に文献等の調査を行うとともに、市民の方々のご意見や有識者で構成された
ごみ処理施設の建設に際し、あらかじめ環境に与える影響を事業者自らが調査・予測・評価し、その内容につい
県技術委員会からのご意見を伺う中で、実際に調査を行う環境要素や調査方法などを確定します。
て、住民や関係自治体などの意見を聴くことにより、さらに環境に配慮した事業にしていくための制度です。
表3
今回、本施設の建設に先立って行う環境影響評価は、
「長野県環境影響評価条例」に基づいて実施するものです。
方法書(案)で対象としている環境要素
環境要素(18項目)
2
大気質
環境影響評価の実施予定期間
【調査項目】二酸化いおう、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、塩化水素、カド
度にかけて方法書、準備書、評価書を作成する予定です。
ミウム及びその化合物、鉛及びその化合物、水銀、降下ばいじ
<方法書の作成>環境アセスメントの調査手法を記載したものです。現在、方法書(素案)をまとめているところ
ん、ダイオキシン類 以上9項目及び地上気象、上層気象等
であり、公告・縦覧等を経て、広くご意見を伺う中で調査手法を確定させていきます。
【調査方法】公定法や指針に基づき調査
<準備書の作成>方法書に基づき、1年間の現地調査を行った上で環境に与える影響を予測・評価し、影響の程度
を明らかにします。この準備書についても公告・縦覧により住民の方々からの意見を広く伺います。
目
4
方
7
低周波音
10
平成 24 年度
1
4
7
10
1
4
7
10
悪臭
公告・縦覧、意見聴取
処理方式検討結果を反映
【調査内容】煙の悪臭、施設からのごみの臭い
【予測方法】数値シミュレーションによる計算、類似事例
県技術委員会
(予測・評価)
準
水質
【調査内容】工事中の濁水
水象
【予測方法】調査結果を基に予測
土壌汚染
【調査内容】土壌汚染の発生、汚染土壌の持込み・持出しについて
公告・縦覧、住民意見聴取
【予測方法】調査結果を基に予測
●知事の意見書
公告・縦覧、意見聴取
地盤沈下
予備調査の結果、地盤沈下に係る影響はないと考えられるため、影響評価は
行わない予定です。
書
住民説明会
地形・地質
【調査内容】災害の可能性の増大について
【予測方法】調査結果を基に予測
事業者見解書
3
【調査項目】騒音、振動、低周波音
【調査方法】公定法に基づき調査
●知事の意見書
地元説明会
評
価
書
からの騒音・振動・低周波音
【予測方法】数値シミュレーションによる計算等
1
準備書作成(現地調査)
備
【調査内容】工事中の騒音・振動、ごみ収集車の騒音・振動、ごみ処理施設
【調査方法】公定法や指針に基づき調査
平成 25 年度
県技術委員会(月1回、3回程度開催)
方法書作成
法
書
振動
環境影響評価の実施予定期間
平成 23 年度
【予測方法】数値シミュレーションによる計算
騒音
<評価書の作成>準備書に対する意見について事業者の見解を示し、評価書として取りまとめます。
項
【調査内容】工事車両や建設機械による排ガスの影響、ごみ収集車の排ガス
の影響、ごみ処理施設からの排ガスの影響等
環境影響評価は、通常2年程度の期間を要し、本整備事業に係る環境影響評価は、平成23年度から平成25年
表1
影響評価の内容
評価書作成
植物
【調査内容】工事やごみ処理施設の稼働による影響
動物
【調査項目】植物相、植生、注目すべき植物、動物相(哺乳類、鳥類、両生
類、爬虫類、昆虫類、陸産貝類)
公告・縦覧
【予測方法】現状との比較や類似事例等により予測
施設の設計に反映
事業計画の概要
生態系
【予測方法】植物・動物への影響をもとに現状との比較や類似事例等により
岡谷市、諏訪市、下諏訪町の2市1町では、ごみ処理を共同で行うことにより、ごみ処理に関する施策の円滑な
実施を図り、循環型社会を構築することを目的として、新たなごみ処理施設を建設します。
表2 事業計画の概要
施設の種類
一般廃棄物(ごみ)処理施設
予測
景観
触れ合い活動の場
【調査内容】やまびこ公園の利用に対する影響について
【予測方法】交通量、騒音、振動の予測結果を基に予測
予備調査の結果、文化財に係る影響はないと考えられるため、影響評価は行
事業主体
湖周行政事務組合(平成23年9月設立)
場
岡谷市字内山4769番地(現岡谷市清掃工場敷地内)
文化財
処理対象物
処理方式
施設規模
可燃ごみ、可燃性粗大ごみ
(岡谷市、諏訪市及び下諏訪町の一般廃棄物)
わない予定です。
廃棄物等
120t/日(1日24時間連続運転)
【調査内容】工事やごみ処理施設の稼働に伴う廃棄物の発生
【予測方法】工事計画、事業計画から予測
焼却方式、焼却+灰溶融方式、ガス化溶融方式、炭化方式のいずれか
(本年度に検討し、決定)
【調査内容】新しいごみ処理施設の景観への影響
【予測方法】フォトモンタージュ、類似事例により予測
※
所
【調査内容】生態系に及ぶ影響
温室効果ガス等
【調査内容】ごみ処理施設からの CO2 などの温室効果ガスの発生について
【予測方法】温室効果ガスの増加の程度を予測
※触れ合い活動の場とは、野外レクリエーションや身近な自然との触れ合いなどに利用する場所を指します。
5
重点的に行う調査・予測について
あらかじめ市民の方々のご意見を伺うなか、新施設からの煙の影響を心配される意見をいただいていることか
ら、複雑な地形による影響を考慮して、特に大気質について重点的に調査や予測を行います。また、関係車両が走
行する地域についても、大気質に対する影響の程度について調査や予測を行います。
表4
影響要因と予測評価の内容
影響要因
工事中
実測値から推定
した風向風速
予測・評価内容
資材の運搬
車両の通行による排ガスの影響を予測、評価します。
ごみ収集車の走行
工事期間中は、諏訪市と下諏訪町にごみ処理を委託す
るため、この間のごみ収集車の走行による排ガスの影
調査地点で調
査した風向風
速の実測値
響を予測、評価します。
解体工事、建設工事
建設機械からの排ガスや粉じんの巻上げの影響を予測、
評価します。
施設稼働後
ごみ収集車の走行
ごみ収集車の走行による道路周辺の排ガスの影響を予
平面だけでなく、高さ方向でも
風向風速のモデル化を行い、三次
元で大気質の拡散シミュレーショ
ンを行います。
測、評価します。
施設からの排ガス
ごみ処理に伴う煙の影響を予測、評価します。
複雑地形の影響を考慮した拡散シミュレーションによ
拡散しながら薄
まる排ガスの範
囲
る予測を行います。
図2
大気質の拡散シミュレーションのイメージ
6.地域や事業の特性に応じて行う調査・予測について
表5
項
地域や事業の特性に応じて行う調査・予測の概要
目
解体工事に伴う影響
について
内
容
新しい施設を建設するのと並行して、現在の施設の解体を行うこととなりま
す。解体工事中に灰や洗浄排水などが周辺に飛散しないような対策が十分に取
られるかどうかについて、チェックを行います。
【調査項目】大気質、騒音、振動、水質、土壌汚染、動物、触れ合い活動の場、
廃棄物等
ごみの収集運搬の影
響について
岡谷市のごみに加えて、諏訪市と下諏訪町のごみが搬入されることになり、
ごみ収集車の走行台数が増えることとなります。
ごみ収集車の走行ルートの分散化対策を加味した上で、道路沿道の地域での
大気質や騒音、振動の状況を予測し、対策にフィードバックしていきます。
また、新しい施設の建設中は、諏訪市と下諏訪町に、岡谷市のごみの焼却を
お願いすることになります。この間、諏訪市清掃センターや下諏訪町清掃セン
ター周辺ではごみ収集車の走行台数が増えることから、その影響も予測し、大
きな影響が無いように配慮します。
【調査項目】大気質、騒音、振動
鳥居平やまびこ公園
計画地に隣接する鳥居平やまびこ公園は、重要なレクリエーション地(触れ
の利用への影響につ
合い活動の場)となっています。解体や建設工事、工事関係車両の通行が、利
いて
用者に与える影響の程度を予測し、
必要な対策にフィードバックしていきます。
【調査項目】触れ合い活動の場
既存敷地への建設に
ついて
新しい施設は、現在の清掃工場の敷地内に建設するため、周辺の自然環境に
与える影響は比較的小さいと考えられます。また、新しい施設は最新の施設と
なるため、環境に対する負荷が大きくなる可能性は少ないと考えられます。
しかし念のため、新しい施設における悪臭の発生や植物、動物、生態系及び
景観に対する影響を予測し、影響が小さいことを確認します。
【調査項目】悪臭、植物、動物、生態系、景観
図1 大気及び騒音・振動の調査地点(案)