Savills World Research Japan スポットライト 日本不動産投資市場: 2012年の総括および 2013年の見通し 2013年2月 savills.com.jp/research スポットライト | 日本不動産投資市場:2012年の総括および2013年の見通し 2013年2月 Savills World Research Japan スポットライト 日本不動産投資市場: 2012年の総括および 2013年の見通し “2012年の日本不動産市場では、投資家の強 い購入意欲に対し売主側の資産売却意欲が希 薄であったため、売買動向は停滞気味であっ た。一方で、資本および負債両サイドでの資金 調達環境が市場のセンチメントと共に回復し、 また、アジアにおける重要拠点である点を考慮 した際の日本不動産市場の賃料水準の低さが クロスボーダー取引の増加へと繋がった。” イントロダクション っており、当該物件群への投資家の 2012年の日本不動産市場では、購 注目度合いの高まりを確認すること 入機会の乏しいオフィス物件の代替 が出来る。 資産として、主に商業施設や倉庫 等の地方都市の物件が注目を集め 対前年比では、2012年の不動産市 た。J-REIT市場では実に数年振り 場の取引額は約10%減少した。主因 の新規組成が4件実施され、またゴ は、対前年比25%下落したオフィ ールドマンサックスや三菱商事とい ス物件である。対して、J-REITが った優良企業と提携した私募REIT 2012年に獲得した資産総額は7,360 の創設も行われ、資本市場の流動性 億円(92億ドル、取引額ベース) 向上を確認できた。REIT市場の拡 で、対前年比8%の上昇を示してい 大に加え、海外の投資ファンドが、 る。これは不動産投資市場全体の約 安定的かつ長期的な収益を見込める 36%を占める数値で、2009年およ 不動産として東京および他の地方都 び2010年の12%、2011年の30%と 市の物件を投資対象として再検討し 比較すると、一貫した上昇傾向を確 始めていることも、高品質物件のキ 認することができる。 スポットライト 日本不動産投資市場: 2012年の総括および 2013年の見通し savills.com.jp/research サマリー 2012年の不動産取引の総額は2.1兆円(261億米 ドル、開示情報ベース)、対前年比10%の下落と なった。主因は、オフィス市場での取引数減少で ある。 J-REITによる物件購入額は約7,360億円(92億 米ドル)、対前年比約8%の上昇となった。IPOに伴 う物件取得が、主な要因である。 2012年中に、J-REIT市場で4件の新規公開が実 施された。REITのIPOは実に数年振りであるが、こ れは物件取得に際して市場での資金調達が易しくな ったことを示唆している。 負債側の資金調達環境でも貸出要件の緩和を確 認でき、コアアセットを物色する投資家の購入意欲 を後押しする要因となった。 海外投資家の動向は非常に活発で、名立たるグ ローバルプレイヤーが大型物件を取得する事例が全 国各地で見られた。 2013年の日本不動産市場では、J-REIT市場の成 長持続および投資家のセンチメント改善が市場を下 支えし、取引量の増加が見込まれる。 キームを通して得られた資産であ るという特徴も確認できた。スポン ャップレートを低位安定的に推移さ J-REITによるオフィス物件の獲得 サー以外からの購入資産が約45% 額は対前年比26%の下落(購入額ベ であったにも関わらず、J-REITは ース)で、市場全体の数値に比較す 市場におけるメインプレイヤーでも RCAが纏めた暫定値によると、2012 ると大幅な減少を示している。これ あった。 年に実施された日本不動産市場の取 は、商業および倉庫関連の取引が多 引総額は2.1兆円(261億ドル)で かったためである。J-REITの購入 投資活動の原動力 あった。この内、77%が東京圏内 総額に占める商業関連の物件の占め 2012年の不動産投資市場は、資本 で行われた取引である。また資産タ る割合は2011年の13%から約27% および負債、両サイドの資金調達環 イプによる内訳では、オフィス関連 へと上昇、倉庫に関しては対前年比 境の改善に支えられた。 が約43%、続いて商業が約20%、 2%弱の上昇で19%となった。 せることに繋がった。 不動産市場の取引量 ᖺ➨᭶ REITの新規上場 そして住宅が16%超との結果であ った。倉庫関連の取引が占める割合 物件取引の観点からは、J-REITが 2012年に実施された日本銀行の資 は約13%で前年と同水準であった 購入する資産の半分以上が関係企 産買入等の基金による不動産投資法 が、対2010年では約2倍の数値とな 業、主にスポンサー企業の運用ス 人の投資口購入額は406億円(5億 savills.com.jp/research 02 スポットライト | 日本不動産投資市場:2012年の総括および2013年の見通し 2013年2月 900万ドル)に達し、J-REIT市場の GRAPH 1 成長を支えた。市場の成長は、J- 日本不動産投資市場での取引量 ‒ 推計値vs J-REITによるサブセクター毎 の物件取得額(2009年−2012年) REIT各社が保有していた固定化し た資産の市場への放出を促し、ひい オフィス ては優良企業や大手デベロッパーの 倉庫 商業 住宅 ホテル その他 その 他 3,500 資産獲得へと繋がった。 3,000 新規上場REITの資金調達が資本市 場で容易に受け容れられたことは、 2,500 資規模の拡大へと繋がった。2012 年中に東京証券取引所に新規上場し たJ-REITは、4件である。市場にと 単位:10 単位: 10億円 億円 特に商業および倉庫関連物件への投 2,000 1,500 っても約4.5年ぶりのIPO案件とな ったのがケネディクスレジデンシャ 1,000 ル投資法人で、総額304億円(3億 6,000万ドル)で購入した日本全国 500 の住宅20件を伴って4月に新規公開 を果たした。 0 Total J--REIT Total 2009 その後に続くのがアクティビア・プ J--REIT 2010 Total J--REIT 2011 Total J--REIT 2012* 出所:RCAおよびJ-REIT開示資料より、サヴィルズ リサーチ&コンサルティング部作成(2012年は暫定値) ロパティーズ投資法人で、約1,700 億円(21億ドル)でスポンサー企 私募REITの創設 入環境の緩やかな改善を確認するこ 業から18物件を買い受け、6月に上 非上場REIT市場が活発化している とができる。これもまた、国内企業 場を果たした。主に東京圏に存す 好例として、ゴールドマン・サック および海外投資家が伝統的な代替資 る郊外型商業、オフィス、借地権等 ス・アセット・マネジメント株式会 産である不動産を購入する際の後押 を投資対象物件としており、中でも 社が、当初3物件(東京)、資産規模 し要因になったと考えることが出来 4,500億円(5億6,400万ドル)で取 約250億円(3億1,250万ドル)の私募 る。 得した4月に開業したばかりの東急 REITを新規組成した事例を挙げるこ プラザ表参道原宿はNOI 3.9%を見 とが出来る。これは、日本で初めて 活発化する海外投資家の動向 込む最優良物件である。 行われた外資による私募REITの組成 金融危機後、金融引き締め政策を嫌 で、当ファンドの中長期的な運用目 った海外投資家が日本から逃避して 3件目のIPOは、大和ハウスリート 標規模は約3,000億円(37.5億ドル) 他市場へ流出したため、日本の不動 投資法人である。12月の新規公開で 超とされている。 産市場は国内投資家が牽引してき た。しかし、2012年にはグローバル 得た資金を、スポンサーである大和 ハウス工業および関連企業の物流、 また、三菱商事系のダイヤモンド・ プレイヤーによる大型物件の取引が ショッピングモールを含む計19物 リアルティ・マネジメント株式会社 国内随所で見られ、市場の取引デー 件の共同購入資金(950.1億円(12 は、当初3物件(東京)、資産規模 タからも海外投資家による取引量増 億ドル))に充てた。なお、当投 317億円(4億200万ドル)で運用開始 加を確認することが出来る。 資法人には、2008年6月に予定して するDREAMプライベートリート投資法 いた上場を経済環境を鑑みて断念し たという経緯がある。また、12月 に行われたGLP投資法人の新規上場 は、4件のIPOの内、2番目に大きな 規模の新規公開であった。当投資法 人に対し、シンガポール拠点のGLプ ロパティーズ株式会社は、保有資産 の中から30件の物流施設を2,087億 円(26億ドル)で売却した(2013 年1月)。 人を新規組成した。主に商業系およ 海外投資家の関わった大型案件の一 び倉庫関連の優良物件を対象とする つに、米系ファンドのアンジェロ・ 商社系初の私募REITで、今後5年間で ゴードンがオリックス不動産株式会 2,500億円(31億ドル)の資産規模ま 社と共に紀尾井町ビルの所有権を購 で拡大することを目標としている。 入した事案を挙げることが出来る。 また、セキュアード・キャピタル・ 借入環境の改善 インベストメント・マネジメント・ 不動産投資における資本市場での ジャパン株式会社と英アビバ・イン 資金調達環境の改善を確認できる ベスターズが組成したオフィス物件 一方、日銀短観(Graph2、参照)の を対象としたコアプラス型ファンド 金融機関の貸出態度判断DIからも借 の東京リカバリー・ファンドが、初 savills.com.jp/research 03 スポットライト | 日本不動産投資市場:2012年の総括および2013年の見通し 2013年2月 の投資案件として2件のオフィス物件 GRAPH 2 を約150億円(1億8,600万ドル、未確 金融機関の貸出態度判断D.I.【不動産業】,2005年9月∼2012年12月 認)で購入した事例も挙げることが 出来る。 大企業 中堅企業 中小企業 40 MGPA,RREEF,CapitaMalls 30 Loose 20 Hospitality Trust, US-REIT W. P. 10 -20 20 Tight (6,300億ドル)を超えた。 DecDec -12 SepSep -12 JunJun -12 MarMar -12 DecDec -11 SepSep -11 JunJun -11 MarMar -11 DecDec -10 SepSep -10 JunJun -10 MarMar -10 DecDec -09 SepSep -09 JunJun -09 MarMar -09 DecDec -08 SepSep -08 JunJun -08 MarMar -08 DecDec -07 SepSep -07 ヤーの日本市場への一連の回帰現象 JunJun -07 -40 40 流動性の改善が、グローバルプレイ MarMar -07 -30 30 DecDec -06 おり、2012年の取引総額は50億円 -10 10 SepSep -06 倉庫等の幅広い物件を対象にして JunJun -06 引は、オフィス、商業、ホテル、 0 MarMar -06 等のグローバルプレイヤーによる取 DecDec -05 Carey and CBRE Global Investors 景気動向指数 Management, S-REIT Ascendas SepSep -05 Asia,Credit Suisse,SEB Asset の原因の一つであることは、想像に 難くない。また別の側面として、近 出所:日本銀行短期経済観測調査、サヴィルズ リサーチ&コンサルティング部作成 年の不動産価格は周期的に見ても低 位にある。したがって、オフィス市 場の回復に伴う資本増強が中長期的 に見られると考えられる。 GRAPH 3 グレードAオフィス 賃料指数 ‒ 東京主要5区、2003年 ∼ 2012年 110 オフィス市場の回復期待による取引量 100 の増加はもたらされなかった 2008年から2009年にかけて起こった 90 急激な賃料下落とキャップレートの のオフィス物件の市場での取引価格 は、歴史的に見ても極めて低水準で ある。2012年のグレードAオフィスの 資産価値は、2007年(交渉後賃料で 算出したNOIベース)のピークから実 に約60%下落している。 80 グレードA グレード Aオフィス賃料 水準悪化によって、現在の東京現状 70 60 50 40 30 20 東京マーケットは値頃感があるとの 大方の思惑を受け、更に2012年のデ ータからオフィス賃料が回復すると 10 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 の期待感が醸造されたことが、投資 家の投資意欲を刺激することに繋が 出所:サヴィルズ リサーチ&コンサルティング部作成 った。グレードAオフィスビルの大 量供給が行われた後も、安定的な需 要を受けてグレードAオフィスの空 室率は第2・四半期の7.0%から第4 ・四半期の5.9%まで回復した。特 た。その結果、2012年のグレードA ら、前述した通り、オフィス市場の オフィスの募集賃料は、2011年の 取引量は増加しなかった。これは主 平均募集賃料と比較すると1.2%上 に、代替投資機会の欠如と保守的な 昇した。 姿勢に支配された公開市場での取引 定の市場で供給可能な物件が少な を厭う国内の供給主体が物件を市場 くなることは好条件の物件に対する 東京オフィス市場に対するセンチメ 期待値を高めることにも繋がり、 ントの改善は、投資家の関心をコ また高品質物件の新規供給がプラ アもしくはコアプラス物件の購入機 イム物件全体の賃料上昇にも繋がっ 会を探す方向へ導いた。しかしなが に放出しなかったためで、投資家の 期待に沿う物件が市場でほとんど見 受けられなかったためである。 savills.com.jp/research 04 スポットライト | 日本不動産投資市場:2012年の総括および2013年の見通し 2013年2月 TABLE 1 2012年の主要取引事例 四半期 物件 住所 価格(約) 売買主体 使途 備考 Q1 15物件 東京圏、大阪、その他. 1,226億円 (US$1.6 bil) GLプロパティーズ、 中国投資有限責任会社 倉庫 ラサールインベストメントより、JVが購入。 Q1 福岡Yahoo!ドーム 福岡市中央区地行浜 870億円 (US$1.06 bil) ソフトバンク スポーツスタジ アム スポンサーであるソフトバンクが、福岡ソフトバンクホーク スのホームスタジアム(38,651席)を購入。売主は、シンガ ポール政府系ファンドGIC。 405億円 (US$500 mil) サッポロホールディ ングス 多目的 モルガンスタンレーキャピタルの持ち分15%を筆頭株 主が再取得。 Q1 恵比寿ガーデンプレイス (区分所有権15%) 東京都渋谷区恵比寿 Q1 6物件 東京圏 373億円 (US$471 mil) 産業ファンド投資法人 工業/倉庫 倉庫、研究施設、データセンター等の工業施設。売 主は、グッドマンジャパンやメープルツリー等の企 業体。 Q1 大手町1-6計画 東京都千代田区大手町 360億円 (US$430 mil) 日本プライムリアルティ 投資法人 賃借権-土地、 商業施設 70年間使用を前提条件にした地役権付き開発用地11,000 ㎡。オフィスおよびホテルの高層複合施設を建設される 予定。 Q2 18物件 東京圏、大阪、その他 1,703.7億円 (US$2.13 bil) アクティビアプロパティ ーズ投資法人 オフィス/商業/ 借地 スポンサーの東京建物が、18物件を新規組成したREIT、 アクティビアプロパティーズへ譲渡。優良物件は、東 急プラザ表参道原宿と新橋プレイス。 Q2 愛宕グリーンヒルズ (区分所有権) 東京都港区愛宕 256億円 (US$320 mil) 森ヒルズ投資法人 オフィス/住居/ 商業 森ヒルズ投資法人およびスポンサーである森ビル株式会 社間の取引。 Q2 六本木ファーストビル & アークフォレストテラス 東京都港区六本木 256億円 (US$320 mil) 森ビル オフィス/商業/ 住居 森ヒルズ投資法人およびスポンサーである森ビル株式会 社間の取引。 Q2 テックスタワー上野 (区分所有権 東京都台東区東上野 220億円 (US$275.0 mil) ジャパンリアルエステイ ト投資法人 オフィス 伊藤忠都市開発、東京建物、東京開発K(SPC)からオフ ィスおよび商業施設の多用途タワー物件の購入。 Q2 銀座テアトルビル 東京都中央区銀座 179億円 (US$223.6 mil) 国内企業 商業/ホテル ホテル西洋銀座、劇場、映画館、レストラン、商業ス ペースを含む、1987年完成の商業施設18,951㎡。売主 は、東京テアトル。 Q3 東新ビル 東京都港区新橋 250.5億円 (US$320.4 mil) NTT都市開発 オフィス 売主は、東京電力。 Q3 3物件 東京都心部 約250億円 (US$316.2 mil) ゴールドマン・サック ス・アセット・マネジ メント オフィス/住居 オフィス2物件および住宅1物件は、日本で初の外資に よる私募REIT設立のため獲得。 Q3 錦糸町オリナス (オリナスモール、 オリナスコア) 東京都墨田区太平 228億円 (US$288.4 mil) キャピタ・モールズ 店舗 インベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフ ィックのSPCから東京の多目的施設オリナスの店舗部分 を購入。 Q3 24物件 東京圏、名古屋、大阪他 140.4億円 (US$179.6 mil) インヴィンシブル投 資法人 住居 取得物件の所在地は、東京、愛知、大阪、兵庫、滋賀、 等。売主は、REITのスポンサーであるカリオープの関 係会社であるファンドを通して匿名出資を受けるロデ ィア合同会社。 Q3 薬院ビジネスガーデン 福岡市中央区薬院 109.9億円 (US$139.7 mil) 日本プライムリアルティ 投資法人 オフィス 福岡市中心部のオフィスおよび商業施設、22,286㎡。 買主は薬院ホールディングスTMKで、資本関係等のな いSPC。 Q4 20物件 国内全域 951億円 (US$1.2 bil) 大和ハウス投資法人 倉庫/商業 大和ハウス工業および関連会社から19倉庫および1商業 施設を買い受け、新規REITを上場・組成。 Q4 旧新生銀行本社 東京都千代田区内幸町 510億円 (US$609.8 mil) ケネディクス、東急不動 産、日本政策投資銀行 オフィス 売主は、モルガンスタンレー系列のファンド。ケネデ ィクス、東急不動産、日本政策投資銀行は、当物件を レンタルオフィスに再開発予定。 Q4 3物件 東京圏 317億円 (US$402.0 mil) DREAM 私募REIT 倉庫/商業 三菱商事グループのダイヤモンド・リアルティ・マネ ジメントが、新規組成した私募REITのため購入。 Q4 Mozoワンダーシティ 名古屋市西区二方町 268億円 (US$342.1 mil) 日本リテールファンド 投資法人 商業 233,606㎡のショッピングセンターの50%の共同所有 権。三菱商事とUBSがスポンサーであるJ-REITによる 7物件の内の一部(522億円、US$1.7 million) Q4 アークヒルズ仙石山森タワ ー(41-47F) 東京都港区六本木 253億円 (US$312.5 mil) 明治安田生命 オフィス 新築の多目的施設内の7オフィスフロアー(専有面積 11,850㎡)の区分所有権 出所:サヴィルズ リサーチ&コンサルティング部 savills.com.jp/research 05 スポットライト | 日本不動産投資市場:2012年の総括および2013年の見通し 2013年2月 2013年の見通し 2013年は、REIT市場の成長持続と 東京のプライムオフィスの賃貸市場 資家の注目を集めたシンガポールや 投資家のセンチメント改善による の回復は、経済情勢の回復基調と オーストラリアのようなハイイール 波及効果によって、全てのサブセ 新規供給の大幅減によって、2013年 ドの市場から離れて日本市場に資産 クターにおいて取引量の増加が見 を通して僅かな賃料上昇を通して確 の再配分を行うと見込まれる。この 込まれる。直近、短期間に4件も 認できると弊社では考えている。ま ため、1)2013年も各セクターのコア のJ-REITが上場承認されたことは た、東京のオフィスマーケットにお アセットのキャップレートは適正水 世間の耳目を集めた。内、日本プ ける比較的大きな規模の物件獲得 準で推移すると考えられる。2)ま ロロジスリート投資法人およびコ は、国内企業がキャッシュ創出のた た、機関投資家たちは顧客の要求リ ンフォリアレジデンシャル投資法 めに自身のノンコアアセットを放出 ターンに応えるため東京圏以外の投 人は、今2月に新規上場を果たし する際に新たな機会がもたらされる 資物件へと活動範囲を広めている。 た。また、小売大手のイオンおよ かもしれない。その様な事例は、ソ このため、日本の主要都市等に位置 び不動産会社のヒューリックがス ニー、パナソニック、シャープ等の する立地に恵まれた物流や住宅以外 ポンサーとなるREITの上場も予定 電気機器メーカーや業界最大手のキ の物件でも、例えば関西の商業、オ されている。加えて、私募REIT市 リンビールの本社機能の一部売却や フィス物件や福岡の市街地に位置す 場も更に拡大することが見込まれ 移転に伴う売却等の動向に見ること る商業物件等もまた、投資家の注目 る。2013年3月からの運用開始を が出来る。 を集める存在となっている。 予定している、大和リアル・エス テート・アセット・マネジメント 利潤追及型の取引事例は、2012年か 株式会社による日本初のオープン ら僅かながらも増加しているよう エンド型非上場住宅系REITが好例 だ。また、2013年は、欧州のオープ である。 ンエンド型ファンドが過去3年間で投 詳しいお問合せ先: サヴィルズ・ジャパン サヴィルズ・リサーチ クリスチャン・マンシーニ ウィル・ジョンソン サイモン・スミス +81 3 5562 1717 [email protected] +81 3 5562 1736 [email protected] +852 2842 4573 [email protected] 代表取締役 兼 チーフ・エグゼ クティブ・オフィサー、ジャパン ヘッド・オブ・リサーチ&コンサル ティング シニア・ディレクター、 アジア・パシフィック Savills plc Savills is a leading global real estate service provider listed on the London Stock Exchange. The company established in 1855, has a rich heritage with unrivalled growth. It is a company that leads rather than follows, and now has over 500 offices and associates throughout the Americas, Europe, Asia Pacific, Africa and the Middle East. This report is for general informative purposes only. It may not be published, reproduced or quoted in part or in whole, nor may it be used as a basis for any contract, prospectus, agreement or other document without prior consent. Whilst every effort has been made to ensure its accuracy, Savills accepts no liability whatsoever for any direct or consequential loss arising from its use. The content is strictly copyright and reproduction of the whole or part of it in any form is prohibited without written permission from Savills Research. savills.com.jp/research 06
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