各 論

第2章
各 論
(総合的な子ども・若者支援)
■基本目標1:地域における子育て力の向上
P.44
■基本目標2:親と子の心とからだの健康づくり
P.47
■基本目標3:子どもを育む教育の充実
P.51
■基本目標4:子育てを支援する生活環境の整備
P.54
■基本目標5:仕事と生活・子育ての調和
P.56
■基本目標6:子どもの安全の確保
P.58
■基本目標7:きめ細かな支援体制の強化
P.60
43
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標1:
1 地域における子育て力向上
地域における子育て力の向上
近年の経済情勢や生活様式の変化に伴い、就労形態が多様化し、育児不安や悩みを抱え
る子育て世帯が増加する中、育児不安の解消や地域の中で安心して子育てできる環境を整
備するため、地域で子どもを見守り育てる意識を醸成するなど、地域子育て力の向上に努
めます。
(1) ボランティア活動などへの参加促進と支援【男女いきいき推進課】
育児不安や悩みを抱える子育て世帯が増加する中、身近な地域で子育てを支えられるよ
う、市民が主体となったボランティア活動やNPO活動を促進するため、ボランティア講
座の開催、支援を受けたい人とのマッチングなど、市民ボランティアの育成・支援を図り
ます。
(2)地域における子育て支援拠点の充実【こども政策課】
在宅で保育している親の子育てに対する不安や育児ストレスの軽減を図るとともに、地
域で子どもを見守り育てるという地域子育て力の向上を図るため、子育て支援拠点として
子育て支援センターを設置します。子育て支援センターでは、地域住民と親子の交流や子
育てサークル活動の支援、相談対応、子育て講座の開催などの支援事業を展開し、地域に
おける子どもの健やかな成長を促進します。
(3)保育園等の地域交流の推進【子育て推進課】
市内の保育園等を地域に密着した子育て支援拠点と位置付け、妊婦の育児体験や子育て
家庭への育児支援・育児相談などの実施施設として地域に開放することにより、育児不安
の解消を図り、地域の中で安心して子育てできる環境を整備します。
(4)一時保育事業の促進【子育て推進課】
近年の経済情勢の変化や就労形態の多様化が進むなか、ゆとりをもった子育てができる
環境を提供するために、緊急又は一時的に家庭での保育が困難になった子どもを、保育園
などで預かって保育を行う一時保育事業を促進します。
(5)認可外保育施設の適切な保育環境の確保【子育て推進課】
認可外保育施設は、認可保育園にはできない柔軟な対応やサービスを提供する役割を担
っています。適切な保育環境を確保するため、認可外保育施設に対し薬品・衛生材料及び
保育材料調達費用の助成を行い、園児の安全・衛生対策を推進します。
また、認可保育園等への移行を支援します。
44
子ども・子育て支援事業計画<各論>
1 地域における子育て力向上
(6)幼稚園の地域交流の推進【こども政策課】
地域における子育て支援として、幼稚園を未就園児の遊び場、園児との交流や親同士の
交流の場として開放するとともに、地域の子育て世帯を対象とした育児相談を実施するな
ど、安心して子育てができる環境を整備します。
(7)小中学校施設の地域開放【教育総務課】
子どもの安全な遊びの場や市民スポーツなど、地域活動の拠点施設として市内小中学校
の体育施設を開放することにより、社会体育や地域活動等の促進を図ります。
(8)子ども会の育成支援【社会教育課】
子どもたちは地域の異年齢の集団の中で様々なことを学び、社会性を身に付けていきま
す。子どもたち自身の手で工夫して創っていく楽しさを知り、自分から積極的に活動する
自主性を養う子ども会活動を支援していきます。
(9)青少年の健全育成支援【社会教育課】
青少年が規範意識を高め、社会の一員としての自覚を持つとともに、地域への愛着を持
てるよう、
「ココロねっこ運動」を推進しながら青少年の健全育成を支援します。
(10)放課後子ども教室の推進【社会教育課】
放課後や週末等に子どもの安心・安全な活動拠点を確保するため、学校の空き教室など
で文化・芸術などに触れる体験活動や学習活動の場となる放課後子ども教室を推進します。
(11)学びの場の提供と体験・交流活動の推進【社会教育課】
子どもを対象とした生涯学習の振興を図り、心豊かな人間性や社会性の育成のため、芸
術・文化・スポーツ・遊び・ものづくりなどの各種講座や子ども美術展の開催など、学校
以外での子どもの学びの場を提供します。
また、高齢者から経験や知恵を学ぶ世代間交流を推進します。
(12)地域子育て人材の活用【こども政策課】
地域のコミュニケーション不足を背景に、異なる年齢の子どもが集団で様々な遊びを創
造する機会が減少していることから、地域や家庭での遊びを支援する人材を募集又は育成
し、学校や放課後児童クラブ、子ども会など地域での活動の場における地域子育て人材の
活用に努めます。
また、生きがいづくりの観点から、経験豊富な高齢者の積極的な活用を推進します。
45
子ども・子育て支援事業計画<各論>
1 地域における子育て力向上
≪取組指標≫
[目標値]
現状(H25 年度)
目標(H31 年度)
ボランティア登録者数
4,214人
4,500人
[目標値]
現状(H26 年度)
目標(H31 年度)
子育て支援サポーター登
23人
50人
録者数(人)
46
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標2:
1 地域における子育て力向上
親と子の心とからだの健康づくり
乳幼児の発達に、家庭における子育て環境のあり方が密接に関係するといわれています。
特に乳幼児期における母親の担う役割は重要であり、健全な母性を発揮することが、その
後の子どもの健やかな発育に大きな影響を与えます。
また、健全な母性を育むためには、母子の健康増進、父親をはじめとした家族の理解と
協力が不可欠です。
家族ぐるみの育児支援により子育てしやすい家庭環境を整えるとともに、心身ともに健
やかな子どもの成長を支援するため、健康づくりや食育、子どもの発達に応じた育児支援
に努めます。
(1)妊産婦・新生児に対する訪問指導【こども家庭課】
産後の母親の体調の管理や新生児・乳幼児の順調な発育を促すため、乳幼児家庭の全戸
訪問を実施し、育児の状況等の実態把握に努めるとともに、継続的な支援が必要な子育て
家庭の早期発見と適切な支援に取り組みます。
(2)乳幼児・妊婦の健康診査の推進【こども家庭課】
乳幼児や妊婦を対象とした健康診査を通じて、病気や障害の早期発見と早期治療に努め
るとともに、子育てのアドバイスや育児に関する情報を提供することにより、子どもの健
やかな成長と親の育児不安の解消を図ります。
(3)乳幼児の健康相談【こども家庭課】
保健師、助産師、管理栄養士及び歯科衛生士など専門職による相談員が乳幼児の発育に
関する適切な指導を行うことにより、育児不安の軽減、育児支援及び家庭における育児環
境の改善を図ります。
(4)子どもの発達に関する専門的支援【こども政策課】
子どものことばや運動機能の発達に関して、専門スタッフの指導・助言などを行います。
また、育児不安の解消を図るとともに、専門機関との連携を行いながら子どもの発達に
応じた支援に努めます。
(5)子どもの豊かなこころを育む親子の絆づくりの推進【こども家庭課】
子どもの健やかな発達と親子関係の育成を図るため、乳幼児期の親子に対して絵本や童
謡などを通して、豊かなこころを育む親子の絆づくりに取り組みます。
47
子ども・子育て支援事業計画<各論>
1 地域における子育て力向上
(6)家族ぐるみで出産・育児を支える意識づくりの推進【こども家庭課】
育児経験のない初産婦を対象に、出産から育児に関する正しい知識の習得を推進すると
ともに、父親の育児参加を促し、夫婦が親となる心構えを育むなど家族ぐるみで出産や育
児を支える意識づくりを推進します。
(7)
「生」と「性」を守る取り組みの推進【こども家庭課】
急速な情報化の進展に伴い、子どもを取り巻く「性」に関する情報の氾濫が社会問題化
するなか、子どもの性の低年齢化が進んでいます。急激に変化する思春期の心や身体の不
安を受け止め、命や性に関する正しい知識を習得させるため、健康づくり講話の実施や子
ども専用相談窓口を設置するなど、小学生・中学生を対象とする「生」と「性」を守る取
り組みを推進します。
(8)子どものむし歯予防対策【こども家庭課】
生涯を通じた歯の健康づくりに対する市民意識の高揚を図るため、フッ化物洗口や塗布
の実施、講話の開催などによる子どものむし歯予防対策を推進します。
(9)新「のびのびファイル」の作成 【こども家庭課】
妊婦に交付している母子健康手帳は妊娠・出産・育児に関する健康や発育、予防接種等
の記録として重要な役割を果たしています。
また、出生から義務教育終了まで切れ目のない支援を目指し、中学生までを対象として
生活の様子や幼稚園・小中学校などへの相談の記録ができる「のびのびファイル」を作成
しています。
今後は、
「のびのびファイル」を母子健康手帳に同封できる形式に改良し、一体的な活用
を進めます。
(10)夜間初期診療センターの運営【国保けんこう課】
夜間における子どもの急病に対応するため、夜間初期診療センターの円滑な運営を図り
ます。
(11)健康づくり推進員の養成【国保けんこう課】
子どもから高齢者までを対象とし、運動による市民の健康づくりを推進する中、健康運
動指導を通して母親と子どもがスキンシップを深めることは母子保健の推進に大きな効果
が期待されます。
このため、市民を対象に健康づくりに関する知識と技術の習得を目的とした健康づくり
推進員の養成研修を実施し、地域における市民の健康づくり活動の活性化に努めます。
48
子ども・子育て支援事業計画<各論>
1 地域における子育て力向上
(12)食育活動の推進【国保けんこう課、こども政策課】
大村市食育推進計画に基づき、子どもから大人までのすべての市民が「食」に関する知
識と「食」を選択する力を習得し、食生活の改善を実践することで心身の健康を増進させ
る食育活動の推進を図ります。
高齢者の経験と知恵を生かし、伝統食などを学ぶ世代間食育交流を推進します。
(13)乳幼児医療費等の助成【福祉総務課】
小学校就学前の子どもを対象に医療費の一部を助成し、乳幼児の保健の向上に寄与する
とともに福祉の増進を図ります。
今後は、小学校まで対象範囲の拡大を進めます。
(14)予防接種の推進【こども家庭課】
定期接種の対象年齢に該当する子どもに対し、ポリオや三種混合などの法定予防接種を
実施することにより、子どもの感染症の感染又は罹患後の重症化の予防に努めます。
(15)不妊治療対策等の推進【こども家庭課】
不妊治療のうち医療保険が適用されない特定不妊治療について、県が実施する不妊治療
費助成制度の活用や相談を行うなど、不妊治療対策の推進に取り組みます。
今後は、不育症8治療への助成範囲の拡大を進めます。
(16)薬物乱用防止の啓発事業
インターネットによる薬物の情報の氾濫などを背景に、薬物使用の低年齢化が社会問題
となっています。保護者や子どもが薬物乱用防止に対する正しい知識を身につけるための
啓発事業を実施し、薬物乱用を許さない環境づくりを推進します。
8
妊娠はするけれども、流産、死産や新生児死亡などを繰り返して結果的に子供を持てない場合のこと。
一般的には、2 回連続した流産・死産があれば不育症と診断している。
(出典:厚生労働省研究班 HP)
49
子ども・子育て支援事業計画<各論>
2 親と子の心とからだの健康づくり
≪取組指標≫
[目標値]
1歳6か月児及び
現状(H25 年度)
目標(H31 年度)
94.8%
98%
3歳児健診受診率
[目標値]
少年期医療助成支
現状(H25 年度)
89,282件
目標(H31 年度)
*160,238件
給件数
*平成 31 年度は小学校卒業までの乳幼児、児童を対象とした件数となっています。
50
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標3:
2 親と子の心とからだの健康づくり
子どもを育む教育の充実
将来を担う子どもたちが、生まれ育った郷土を愛するとともに、自然と人間、人間と人
間が共に生きていくための共生の精神を培うことで、心豊かで創造性あふれる人材に育つ
よう「教育のまち大村」の実現を目指します。
(1)幼児教育環境の整備【こども政策課】
市立幼稚園及び市立認定こども園を本市の幼児教育の核と位置づけ、多年保育の拡大や
保育園・小学校等との連携による教育内容の充実など、質の高いきめ細かな幼児教育の提
供と子どもの育ちを支える幼児教育環境の整備を目指します。
(2)私立幼稚園就園世帯の支援【こども政策課】
私立幼稚園に就園している世帯を対象に、入園料及び保育料の一部助成などを行い、経
済的負担の軽減を図ります。
(3)校内研修体制の充実【学校教育課】
授業改善の工夫や不登校対策等、各小・中学校が自校の研究テーマに沿って計画的・継
続的に研究を進める校内研修の充実に努めます。
(4)教職員研修の推進【学校教育課】
小・中学校の管理職及び教職員が掲げる課題等について、計画的かつ継続的な研究を推
進し、学校教育の向上を図るため、教育研究会を計画的に実施します。
(5)人権教育の推進【学校教育課】
近年、社会全体として人権に対する意識の希薄化が懸念される中、学校現場における人
権教育の積極的な取組みが重要となっています。
このため、幼稚園、小学校及び中学校の教職員を対象に人権教育講演会、人権教育研修
会を継続的に開催するなど教職員の指導力向上に努め、人権教育を推進します。
(6)支援を要する児童・生徒の教育の充実校教育課】
支援を要する児童・生徒が、望ましい学校生活を送るため、在籍する学級または学校に
補助員を配置することで、より良い教育環境の提供に努めます。
51
子ども・子育て支援事業計画<各論>
2 親と子の心とからだの健康づくり
(7)就学時健康診断及び就学相談の実施【学校教育課】
市の学校区域に住所を有する次年度の就学予定児の心身の発達の状況を把握するため、
小学校区ごとに就学時健康診断を実施します。
また、近年、発達障害など何らかの支援が必要な子どもが増加する中、それぞれの子ど
もの心身の発達状況に応じた適正な就学を図るため、医療・教育・福祉等の関係機関が連
携し、就学児童の障害の種類や程度の実態把握に努めるとともに、保護者の悩みや不安、
要望等について就学相談を実施します。
(8)ICT教育の基盤整備【学校教育課】
インターネットや携帯電話など情報通信技術(ICT)が急速に普及する中、小中学生
に対するモラル教育を核とした情報教育を推進するため、ICT機器の効果的な活用方法
を習得させるなど、児童生徒の情報活用能力の向上を図るため、ICT教育の基盤整備に
努めます。
(9)英語力向上対策の推進
コミュニケーション能力の向上を図るため、市内の小・中学校に外国語指導助手(
ALT9)を計画的に派遣し、英会話を中心にした授業の実施に努めます。
(10)遠距離通学対策の推進
自宅から学校までの通学距離が長く、徒歩や自転車による通学が困難な児童・生徒に対
し、路線バスを利用した通学費用の一部を助成するなど、遠距離通学児童及び保護者の負
担軽減を図ります。
(11)青少年の健全育成
青少年を取り巻く社会環境は、その人格形成に強い影響を及ぼします。ゲームセンター、
カラオケボックス、各種店舗の立入調査を行い、状況を把握するとともに関係者へも深い
理解と協力を求めます。
(12)市立図書館等の利用促進
子どもの人間形成に大きな役割を果たす読書活動を推進するため、児童図書の充実に努
めます。また、本を通して親子の絆を深めるため、読み聞かせの会などのイベントを開催
します。
さらに、新図書館の開館に向けて、利用者の拡大を図ります。
9
Assistant Language Teacher(外国語指導助手)の略。主に公立の小中学校における外国語授業の補助
や、地域における国際交流活動への協力を職務としている。
52
子ども・子育て支援事業計画<各論>
3 子どもを育む教育の充実
(13)科学に対する知識の普及啓発【社会教育課】
子どもたちの科学的な事象の考察や調査研究する力を育むため、子ども科学館において
科学に関する各種資料の展示や体験教室などを開催し、子どもの科学に対する知識の普及
啓発を図ります。
(14)郷土を誇りに思う子ども育成支援【文化振興課】
小・中学生が、大村の歴史や人物について独自に調査・研究し、成果を発表する機会を
作り、郷土大村の歴史を学ぶことによって、伝統や文化を誇りに思う心を養い、郷土を愛
する人づくりを目指します。
(15)環境学習の推進【環境保全課】
近年、地球温暖化が深刻な問題となる中、市民一人ひとりが身近な課題として環境対策
に取り組むためには、幼少期からの環境に対する意識の定着を図ることが重要となります。
このため、小学生や保護者を対象に「リバー(大村湾)ウォッチング」や環境出前講座
を開催するなど、環境学習や環境を守る活動に関する広報啓発の推進に取り組みます。
(16)地域福祉を担う人材の育成会教育課など】
少子高齢社会の到来に伴い、 年齢や障害の有無などに関わらず、誰もが安心して住み慣
れた地域で暮らせる社会環境を整備するためには、地域福祉を担う人材の育成が必要不可
欠です。
地域のつながりを深める講座や地域の担い手育成のための講座を開催するなど、地域福
祉に関する理解を深める取組みを推進します。
≪取組指標≫
[目標値]
学級補助員の配置数
現状(H25 年度)
25人
目標(H31 年度)
34人
(年間)
[目標値]
市民一人当たりの
現状(H25 年度)
4.95冊
貸出冊数
53
目標(H31 年度)
6.64冊
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標4:
4 子育てを支援する生活環境の整備
子育てを支援する生活環境の整備
すべての子育て家庭が安心して暮らせるよう、雇用対策や子育て家庭への経済的支援に
取り組むほか、住宅や公園等の社会資本の整備に努めます。
(1)公園や子どもの遊び場の維持管理【河川公園課】
子どもが地域で安全に楽しく遊べ、親が安心して見守ることができる場を確保するため、
都市公園10施設の適切な維持管理と計画的な補修及び更新に努めます。
計画的な維持管理を行うことで、公園施設11の劣化や損傷などによる事故を未然に防止し、
安全・安心に遊ぶことができる公園の確保に努めます。
(2)親子のふれあいの場の確保
親と子どもがコミュニケーションを図り、健全な親子関係を形成するためには、遊びや
学習を通して親子が一緒に過ごせる機会を設けることが大切です。
このため、地域の公園や学校の校庭など身近な施設の利用促進に努めるほか、時間や天
候に左右されない遊び場の確保に関する市民のニーズに応えるため、親子が気軽に楽しく
利用することができる親子ふれあいの場の整備を進めます。
(3)子育てしやすい住宅環境の整備
住宅のバリアフリー12化など、子育てしやすい快適な居住環境を提供するため、市営住宅
の計画的な整備を推進します。
また、母子世帯の市営住宅入居の優遇や多子世帯向け住宅(部屋)の建設など、多子・
母子世帯への入居率の維持向上に努めます。
(4)インターネットを活用した子育て情報の提供
市ホームページ、子育てメールマガジン等多様なメディアを活用し、子育てに関する様々
な情報を広く提供することで、教育・保育サービス、子育て講座等の円滑な利用を促進す
るとともに、子育て世帯の孤立化防止や育児不安の解消などを図ります。
(5)すべての子育て家庭への経済的支援
次代の社会を担う子どもたちが健やかに育つことを目的とした児童手当の適切な支給に
努め、子どもたち一人ひとりの成長を社会全体で応援する環境をつくります。
10
11
12
都市公園法により定められた公園のこと。
公園内にある園路、遊具、ベンチ、フェンスなど。
障害者や高齢者などの生活の支障となる障壁を取り除くための施策で、段差の解消や手すりの設置など。
54
子ども・子育て支援事業計画<各論>
4 子育てを支援する生活環境の整備
(6)職業意識の定着【商工振興課】
近年の経済・雇用情勢を背景に若年求職者や市内中小企業を取り巻く環境が未だ厳しい
状況の中、若年者の実情にあった就職促進を目的として県が実施するフレッシュワーク大
村13の活動を積極的に支援します。
(7)雇用対策の推進【商工振興課】
長引く経済不況を背景に雇用不安が懸念される中、子育て世帯を含む失業者に対する新
たな雇用の場の確保と生活基盤の安定を図るため、企業誘致や地場産業の活性化など、雇
用や就業機会の創出に取り組みます。
≪取組指標≫
[目標値]
現状(H25 年度)
(※実施 H27 年度)
親子のふれあう機会が増えた
と考える市民の割合
目標(H31 年度)
-%
85%
(アンケート調査による)
[目標値]
子育てメルマガ
現状(H25 年度)
340人
目標(H31 年度)
490人
の登録者数
13
長崎県が実施する中小企業雇用情勢対応人材支援事業で、フレッシュワーク長崎のサテライトとして大
村市本町に設置され、主に若年層の就業意識を向上させるための個別相談や各種セミナー、適職診断、
情報検索を行っている。
55
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標5:
5 仕事と生活・子育ての調和
仕事と生活・子育ての調和
子育て世代が、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)を考え、働きながら子育て
に生きがいや充実感が持てるよう、教育・保育サービスや地域コミュニティなどの地域資
源を効率よく活用し、仕事と子育てが両立できる環境の整備を進めます。
(1)保育園における保育環境の充実
保護者の就労などにより家庭で保育できない子どもを預かる保育園は、保護者の就労支
援として大きな役割を担っていることから、保育園定員の適正な見直しや保育施設の計画
的な整備を進めることにより、待機児童の発生を防止するとともに、安全な保育環境の充
実を図ります。
(2)保育園における多様な保育サービスの提供課】
保護者の就労形態の多様化や通勤圏の広域化などの変化に対応し、安心して就労できる
環境を整備するため、私立保育園が実施する延長保育や休日保育に必要な保育士の配置に
対して助成を行うなど、市民のニーズに応じた多様な保育サービスの提供を支援します。
(3)病児保育の推進
病気療養中の子どもを、保護者の就労などのやむを得ない理由により家庭で看護するこ
とができない時に、保護者に代わって医療施設等で保育を行う病児保育事業について周知
を徹底するとともに、利用しやすい環境の整備に努めます。
(4)放課後児童クラブの充実【子育て推進課】
児童の健全な育成を図るとともに、保護者が安心して就労できる環境を整えるため、放
課後の保育に欠ける小学生を対象に、適切な遊びや生活の場を提供する放課後児童クラブ
の保育の質の向上や保育環境の整備を図ります。
(5)女性の再就職の支援【男女いきいき推進課】
育児や介護から手が離れた母親などを対象として、再就職にあたって必要となる情報の
提供や、基礎知識を学ぶための各種講座を開催するなど、再就職を支援します。
56
子ども・子育て支援事業計画<各論>
5 仕事と生活・子育ての調和
(6)男女共同参画社会の推進【男女いきいき推進課】
男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、性別に関わりなくその個性と能
力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指し、講演会や各種講座な
どを開催します。
特に、働き方の見直しや男性の育児参加促進に関する研修会などを実施し、男女が共に
子育てと仕事を両立することができる環境づくりに努めます。
≪取組指標≫
[目標値]
保育園の平均入所率
[目標値]
現状(H25 年度)
目標(H31 年度)
117.0%
*110.0%
現状(H25 年度)
目標(H31 年度)
放課後児童
クラブ数
29クラブ
49クラブ
57
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標6:
6 子どもの安全の確保
子どもの安全の確保
子どもを交通事故や犯罪、災害から守り、子どもの安全と保護者の安心を確保したまち
づくりを進めるため、通学路の整備や青少年の防犯対策、防災対策の推進に努めます。
(1)通学路等の安全確保【安全対策課、道路課】
登下校時の交通事故防止のため、歩道の整備や通学路における交通危険箇所にカーブミ
ラーを計画的に設置するなど、通学路等の安全確保に努めます。
(2)歩道段差解消事業【道路課】
ユニバーサルデザイン14に基づき、人口が密集した区域等の歩道と車道の段差解消を図る
など、自転車や徒歩の子どもたちが安全に通行できる歩道を計画的に整備します。
(3)交通安全活動の推進【安全対策課】
子どもを交通事故から守るため交通指導員による立哨活動を推進するとともに、子ども
やドライバーを対象とした交通安全教育を通して、交通ルールや交通マナーの意識の向上
を図ります。
(4)青少年の防犯対策の推進【安全対策課、社会教育課】
子どもたちを犯罪から守るため、地域ボランティアによる防犯パトロール(「わんわんパ
トロール」
「スクールガード」等)や、防犯協会による防犯灯の設置など関係団体が連携し、
市民の防犯意識の向上と犯罪のないまちづくりを目指します。
また、学校、警察及び関係機関が連携した巡回補導など、青少年の非行防止活動に取り
組みます。
(5)子どもの防災対策の推進【安全対策課、福祉総務課、こども政策課、社会教育課、
近年頻発する大規模災害を教訓として、子どもたちを災害から守るため、防災機関・学
校・施設・地域などが連携し、防災訓練や防災教育などに取り組みます。
14
年齢や性別、身体的状況に関わらず、すべての人が使いこなすことのできる製品や環境のデザインを目
指す概念のこと。
58
子ども・子育て支援事業計画<各論>
6 子どもの安全の確保
≪取組指標≫
[目標値]
歩道の段差解消率
[目標値]
子どもの交通事故発生件数
現状(H25 年度)
10.1%
現状(H25 年度)
30件
59
目標(H31 年度)
23.9%
目標(H31 年度)
7件
子ども・子育て支援事業計画<各論>
基本目標7:
7 きめ細かな支援体制の強化
きめ細かな支援体制の強化
家庭環境や子どもの発育状況に合わせた適切な支援を図るため、個々の状態に応じた
様々な取組みを推進します。
なかでも特別な支援を必要とする子どもや家庭については、保育所、幼稚園、認定こど
も園、小学校等との情報共有を適切に行うとともに、医療機関、療育支援等の専門機関と
のネットワーク化を進めるなど、きめ細かな支援体制の強化を図ります。
(1)要保護児童対策の強化【こども家庭課】
近年、社会問題化している児童虐待について、発生予防から早期発見、早期対応の体制
を整備します。
また、支援や保護を必要とする子ども・家庭に対する関係機関と連携した支援の実施、
関係機関への研修、市民への啓発などを行う要保護児童対策を強化し、子どもの心身の安
全と健やかな成長及び健全な親子関係の形成を図ります。
(2)子育て短期支援(ショートステイ)事業【こども家庭課】
保護者の就労や社会的理由などにより家庭での生活が困難となった子どもや、保護が必
要となった母子を緊急避難的に児童養護施設で一定期間預かり、子どもたちの心身の安心
と安全を確保します。
(3)ひとり親家庭等への経済的支援【子育て推進課】
母子家庭や父子家庭などの養育者に対し、児童扶養手当の支給による経済的支援を行う
ことで、生活の安定と自立を促進するとともに、子どもの福祉の増進を図ります。
(4)母子家庭の自立支援【こども家庭課】
母子自立支援員による自立のための助言・指導や生活全般に関する相談の対応、公共職
業訓練校や母子自立促進センターと連携した資格取得のための支援など、多様な取り組み
により、母子家庭の生活の安定、自立促進を図ります。
(5)障害児等の保育園への受入れの推進【子育て推進課】
障害児や特別な支援が必要な子どもの保育園への受入れを推進し、それぞれの子どもに
配慮した保育環境を整備するとともに、適切な保育を提供することにより、保護者の仕事
と子育ての両立を支援します。
60
子ども・子育て支援事業計画<各論>
7 きめ細かな支援体制の強化
(6)療育支援サービスの提供【障害福祉課、こども政策課】
療育支援センターにおいて、障害の種類や程度に応じた機能訓練や療育指導を行い、機
能回復を図ります。
また、保護者が機能訓練の方法や障害への正しい対処方法などの知識を得るための支援
や相談支援員の配置など、相談支援機能の充実を図ります。
(7)障害児福祉サービスの充実【障害福祉課】
児童発達支援事業や放課後等デイサービス事業など障害児福祉サービスの充実を図り、
障害児への適切な保育及び自立に向けた支援を行うとともに、保護者の就労の機会や一時
的な休息の機会の確保に努めます。
(8)障害児家庭への経済的支援【障害福祉課】
常時介護を必要とする重度の障害児世帯へ障害児福祉手当を支給し、経済的な支援を図
ります。
(9)発達障害に関する理解の促進【障害福祉課、こども政策課】
発達障害など特別な支援が必要な子どもが、いきいきと生活できる環境づくりを推進す
るため、発達障害などに関する研修や講座を開催し、発達障害に関する理解の促進に努め
ます。
(10)障害児家庭への育児支援【こども政策課】
障害児を持つ親の育児不安やストレスの軽減を図るため、障害児を対象とした一時保育
を実施するとともに、人形劇観賞や運動遊びなど親子交流事業を開催するなどの育児支援
を推進します。
(11)特別支援教育の充実【学校教育課】
研修会の実施等を通して、特別支援学級担当教員の指導力向上を図るとともに、在籍児
童・生徒同士の交流や行事等の教育活動を支援し、特別支援教育の充実を図ります。
(12)小中学校における心のケアの充実【学校教育課】
近年の児童・生徒が抱える様々なストレスは、不登校等の形となって現れる場合が多い
ことから、児童・生徒や保護者、教職員の相談やカウンセリングを行うスクール・ソーシ
ャル・ワーカー(SSW)を教育委員会に配置するとともに、子どもの相談相手となる心
の教室相談員を全小・中学校に配置し、心のケアを充実させます。
61
子ども・子育て支援事業計画<各論>
7 きめ細かな支援体制の強化
(13)不登校適応指導教室の運営【学校教育課】
近年の不登校児童・生徒が増加傾向を示す中、適応指導教室において不登校の児童・生
徒を受け入れ、その原因や学校、家庭での様子を把握し、適切な支援を行なうことにより、
規則正しい生活リズムの確立やコミュニケーション能力の向上等社会性の育成を図り、不
登校児童・生徒の学校復帰を目指します。
(14)子ども・若者相談体制の充実【地域げんき課(市民110番室)
、こども政策課】
「市民110番」を子ども・若者総合窓口と位置付けるとともに、広報紙や市HPを通
して子ども・若者に関する各種相談窓口の周知を行います。
また、各窓口は相談内容に応じて各担当部局や県の相談機関につなぎ、子ども・若者か
らの相談に適切に対応します。
(15)子ども・若者相談ガイドブックの作成【こども政策課】
現在、子育て支援に関するガイドとして、子育てハンドブックを作成していますが、未
成年者までの支援情報が主体となっているため、ニートやひきこもりなど、子ども・若者
が抱える問題への支援情報を加えた、子ども・若者支援のための総合的なガイドブックを
作成します。
(16)子どもの貧困に関する取組
子どもが、生まれ育った環境にかかわらず、夢と希望を持って成長していけるよう、
子どもの生活の実態を把握するとともに、子どもの学習支援、生活支援や保護者への就
労支援など、様々な子どもの貧困対策に取り組みます。
≪取組指標≫
[目標値]
現状(H25 年度)
目標(H31 年度)
要保護児童の早期解決
ケースの割合
71.5%
80%
ケースに占める割合
[目標値]
新子育てハンドブック
現状(H25 年度)
目標(H31 年度)
―
100%
部
配布率
62