光学機器(3) 顕微鏡 2016年5月12日 関 皓月 顕微鏡とは • 微細な物体を手軽に拡大観察できる光学機械 • 医学・生物・工業等あらゆる分野で用いられる 顕微鏡の光学系 • 対物レンズ • 接眼レンズ • 開口絞り • 視野絞り 対物レンズ・接眼レンズ • • 接眼レンズ • 拡大倍率(約10倍) • レンズを取り替えることで様々な用途に用いられる 対物レンズ • 拡大倍率(約4倍∼100倍) • 顕微鏡の性能評価を行う 上で最も重要な部分 対物レンズ・接眼レンズ • 対物レンズ • 高い分解能の実現 → 無収差に近づける ↓ 色収差を小さくする • 光学系において理想的な結像からのズレ • 点状物体は点像を作る • 光軸に垂直な平面物体は平面の像を作る • 光軸に垂直な平面上の図形はそれと相似な像の図形を作る 対物レンズの多くは低分散ガラスが用いられている 絞り • 光学系の光束や光量を制限する • 開口絞り - サンプルに照射する範囲を制限する →分解能、コントラストを調整する • 視野絞り - サンプルへの照明を調整する 分解能と開口数 • • 分解能 • 微小な2点を見分けることのできる最小の距離 開口数 (NA = n * sinθ) 物体側空間の媒質の屈折率(n) : 空気中の光の伝播速度 / 物質中の光の伝播速度 開口角(θ) : 対物レンズに入る光のうち一番外側になる角度 • • 対物レンズが光を集められる範囲 大きいほど広範囲の光を集められる 分解能と開口数 • • 分解能 • 微小な2点を見分けることのできる最小の距離 開口数 (NA = n * sinθ) 物体側空間の媒質の屈折率(n) : 空気中の光の伝播速度 / 物質中の光の伝播速度 開口角(θ) : 対物レンズに入る光のうち一番外側になる角度 • • 対物レンズが光を集められる範囲 大きいほど広範囲の光を集められる 開口数が大きいと… ・作動距離(レンズと標本間の距離)が短い ・収差が大きくなる たとえば… ・コマ収差は(NA)^2に比例(視野の広さに比例) ・球面収差は(NA)^3に比例(視野の広さとは無関係) など コンデンサレンズ • 照明光を有効に試料面に集光するための装置 アクロマート 名称 アッベコンデンサ アプラナート スウィングアウトコンデンサ コンデンサ レンズ構成 対物レンズ適用倍率 4∼100倍 • 概要・用途 • 先玉in : 2∼4倍 10∼100倍 収差が大きいため、 高倍対物レンズでの 撮影には適さない • 観察を主とする実習 や検査に適している • 先玉out : 10∼100倍 色収差、球面収差、 コマ収差が補正され ている • 高倍での観察や撮影 に適している • • • 先玉…顕微鏡用対物レンズの先端の構成レンズ 先玉はねのけ式 低倍対物レンズでの観 察が可能 対物レンズを低倍・高 倍に切り替えた時に先 玉レンズを光路に出し 入れする 観察や撮影に適してい る 照明光学系 • クリティカル照明 • • • • 標本面上に直接結合させる照明法 標本を最も明るく照明できる ランプ形状が疎なコイル状になっているため均一な照明ができない ケーラー照明 • • 顕微鏡で用いられる照明法 光を観察範囲にムラなく照明できる 光学顕微鏡の種類 • 位相差顕微鏡 • 微分干渉顕微鏡 • 明(暗)視野顕微鏡 位相差顕微鏡 • 内部を透かして観察する場合に用いられる • サンプル中を通過して直進する光だけを位相板に通す 微分干渉顕微鏡 • 透明なサンプルの像にコントラストを付ける • 照明光を振動方向が直行する2つの偏光に分けてサン プルに通す 明(暗)視野顕微鏡 • 透明なサンプルや可視光の波長より小さな物体の観察 や検出に適している • サンプルに斜めから光を当てて、サンプルからの散乱 光や反射光等のみにより観察する まとめ • 顕微鏡の光学系 - 対物レンズ - 接眼レンズ - 開口絞り - 視野絞り • 照明光学系 - クリティカル照明 - ケーラー照明 • 光学顕微鏡の種類 - 位相差顕微鏡 - 微分干渉顕微鏡 - 明(暗)視野顕微鏡 参考文献 • “光学のすすめ”.「光学のすすめ」編集委員会.オ プトロニクス社.2002. pp.174-184 • “顕微鏡の基礎”.日本顕微鏡工業会.http:// www.microscope.jp/knowledge/02.html , (参照 2016-04-22). • “顕微鏡を学ぶ”.OLYMPUS.http://bioimaging.jp/ learn/ ,(参照 2016-04-22).
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