No.3:前立腺がん

豊田厚生病院
診療科等のご案内トピックス
泌尿器科№3
前立腺がん
■どのような病気ですか?
前立腺は膀胱の出口で、尿道を包むように存在する臓器で、精液の一部を作り尿道に分泌する働きをしていま
す。前立腺がんはこの前立腺に発生する悪性腫瘍で白人や黒人に多く、アメリカでは男性のがんの中で罹患
率が最も高く、がんによる死亡率も 2 番目に位置します。一方、東洋人には前立腺がんは比較的少なく、これま
で日本ではあまりなじみのないがんでした。しかし、最近日本においても急速に前立腺がんが増加しています。
これは、日本人の生活、特に食事が欧米化した事と、高齢化が原因と言われています。前立腺がんは高齢者
に多いがんとされていますが、最近では若年化し、50 才代でも見つかる例が増加しています。
■症状は?
前立腺にがんが発生しても初期の段階ではほとんど症状はありません。したがって、早期がんをみつけるため
には定期的に健康診断や人間ドックを受けることが大切です。前立腺がんに特有な症状はありませんが、初期
症状としては夜間頻尿が特徴的です。進行すれぱ排尿困難、血尿などの症状がみられ、骨転移による腰背部
痛で発見されることもあります。
■検査法は?
前立腺特異抗原(PSA)という前立腺だけに存在する酵素があり、前立腺の病気、特に前立腺がんにかかると
この酵素が高値になります。前立腺がんの一次検診は、直腸診(肛門より指で前立腺を触診する)と、PSA検
査で行います。PSAの測定により早期前立腺がんの発見が可能になったと言われています。50 才以上の男性
は、定期的にこの検査を受けたほうが良いといわれています。PSAが高い場合や、排尿困難、頻尿などの症
状がある場合はさらに詳しい検査が必要です。前立腺がんが強く疑われた場合には、前立腺の組織検査が必
要です。
組織検査で前立腺がんと診断されたら、浸潤、転移などの病期診断のため、腹部超音波検査、CT検査、MRI
検査、骨シンチ検査などを行い治療方針を選択します。
■治療法は?
前立腺がんの治療には、前立腺の摘出手術だけでなく、内分泌療法、放射線療法などの治療法があり、病気
の進行具合や年齢など、様々な条件を考慮し最適な治療法を選択します。早期に発見し、適切な治療すると、
完治可能ながんと言えます。
内分泌療法:前立腺は男性ホルモンの影響を強く受けており、前立腺癌も男性ホルモンの影響をうけて悪化す
る可能性があります。そこで、男性ホルモンを分泌する精巣を手術的に摘出したり、男性ホルモンを抑制する
薬剤の注射(リュープリン、ゾラデックス)を行います。また、女性ホルモン剤(エストラサイト、ホンバン)や抗男
性ホルモン剤(カソデックス、オダイン、プロスタール)の投薬を行うこともあります。欠点としては男性機能が低
下する可能性があることです。
手術療法(根治的前立腺全摘除術):お腹を切って前立腺を摘出する手術ですが、比較的早期のがんが適応
となります。手術後の合併症として尿失禁や性機能障害をきたす事があります。手術前後で 3∼4 週間の入院
が必要で、手術時の出血に対して自己血輸血も可能です。
放射線療法:前立腺や転移部位に放射線を照射します。放射線照射による膀胱炎、直腸炎や皮膚炎を起すこ
とがまれにあります。
豊田厚生病院泌尿器科
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