5 月号(第 26 号)2004.5 東京大学 分子細胞生物学研究所 広報誌 IMCB University of Tokyo IMCB Institute of Molecular and Cellular Biosciences University Tokyo The of University of Tokyo 目 次 研究分野紹介(高次機能研究分野)…………………………………1 ∼ 3 所内レクレーション報告 …………………………………………………28 退官のご挨拶(大坪榮一)…………………………………………………4 お店探訪 ……………………………………………………………………28 転出のご挨拶(早川洋一、長澤和夫、野村博美、松尾美鶴)……5 ∼ 6 受賞者紹介 …………………………………………………………………29 着任のご挨拶(宮地弘幸、城地保昌)………………………………6 ∼ 7 平成 15 年度科学研究費補助金採択一覧 …………………………29 ∼ 31 Welcome to IMCB −新人紹介 ………………………………………7 ∼ 9 平成 15 年度未来開拓学術研究推進事業補助金採択者 ………………31 国際会議に出席してみて …………………………………………10 ∼ 12 平成 15 年度受託研究・共同研究一覧 …………………………………32 平成 15 年(2003 年)各研究分野業績発行物一覧 ………………13 ∼ 21 知ってネット ………………………………………………………………33 おめでとう!大学院博士・修士課程修了 ………………………22 ∼ 23 Tea Time-編集後記(梅田正明、川崎善博)……………………………33 次代のホープ達―分生研卒業生進路紹介 ………………………………24 研究紹介(佐藤清敏、高田伊知郎) ……………………………………34 2003 年分生研セミナー一覧 ………………………………………25 ∼ 26 研究最前線(分子遺伝研究分野、情報伝達研究分野、機能形成研究分 研究室名物行事(高次構造研究分野) …………………………………27 野、活性分子創生研究分野)………………………………………35 ∼ 36 研究分野紹介 高次機能研究分野 研究テーマ 細胞死制御タンパク質の機能解析とがん治療への応用 細胞の生死は細胞内外の多くの因子により巧妙に制御されています。その制御機構に異常が起こると、がんや自己免疫疾 患、神経変性疾患などさまざまな病気になってしまうことが知られています。例えばがん細胞では細胞死を起こすタンパク 質が欠損していたり、逆に細胞死を阻害するタンパク質が過剰に発現したりして細胞死が起こりにくくなり、これが細胞の がん化やがん細胞が治療に対する抵抗性を示す大きな要因になっていることがわかってきました。私たちの研究室では、が ん細胞等で過剰に発現して細胞死を阻害しているタンパク質の機能解析をしています。将来的には細胞死阻害タンパク質の 発現量や機能を低下させることにより癌細胞を効率よく死滅 させ、がんの治療に貢献することをめざしています。 1.新しい IAP ファミリータンパク質 Apollon の機能解析 IAP(Inhibitor of Apoptosis Protein)は BIR ドメインを持 つ一群のタンパク質で、ヒトでは今までに8種類の IAP タン パク質が見つかっています(図1)。IAP はもともとウィル スから見つかった細胞死阻害タンパクで、ウィルスが感染し た細胞が細胞死(アポトーシス)を起こすのを防いで、ウィ ルス粒子が細胞内で増殖する時間的猶予をもたらすと考えら 図1 2 れています。その後ヒトやマウスに 図2 もウィルスの IAP と似た構造を持つタ ンパク質があることがわかり、ウィ ルスの IAP と同様にアポトーシスを阻 害することが明らかになってきまし た。私たちは IAP に共通してみられる BIR ドメインの類似性を利用して新し いヒト IAP である Apollon を発見しま した。Apollon はアミノ末端に BIR ド メイン、カルボキシ末端にユビキチ ン結合に関わる UBC ドメインを持つ、 分子量 500K の巨大なタンパク質で す。全長の cDNA が約 15kb もあり、 そのサイズのせいで研究は難航しま したが、さまざまな工夫を重ねて Apollon の機能解析を行ってきました。 これまでに明らかになったことを簡単にまとめると、以下のようになります。 (1)Apollon は脳腫瘍や乳がんなどで過剰発現している。 (2)Apollon を過剰発現させた細胞はさまざまな刺激によるアポトーシスに抵抗性を示す。 (3)Apollon はアポトーシスの実行因子である Caspase9 や SMAC、HtrA2 と結合し、UBC ドメインの活性により Caspase9、 SMAC をユビキチン化して、プロテアソームによる分解を促進する事によりアポトーシスを阻害する。 (図2) (4)Apollon の遺伝子を破壊したマウスは胎生期または出生直後に死亡し、胎児の約半数で血管形成に異常が見られる。 (5)Apollon の遺伝子を破壊したマウスの胎児繊維芽細胞は、さまざまな刺激によるアポトーシスを起こしやすい。 これらの結果から、Apollon は正常細胞でもアポトーシスを制御する重要なタンパク質であり、がん細胞で過剰発現して いる Apollon は細胞のがん化や治療抵抗性の原因となっている可能性が考えられます。Apollon にはアポトーシス制御以外に も重要な機能があり、現在その解析を進めています。 2.FLIP による Wnt シグナルの増強 FLIP は Caspase8(アポトーシスの実行因子であるタンパク質分解酵素)とよく似た構造を持つタンパク質ですが、 Caspase8 とは異なりタンパク質分解酵素活性がありません。Fas などの細胞死受容体を刺激すると、FADD を介して Fas 複 合体に結合し、アポトーシスのシグナルを遮断すると考えられています。しかし FLIP の遺伝子破壊マウスは心筋の発達不全 で胎生致死となり、よく似た表現型が Caspase8 や FADD の遺伝子破壊マウスでも見られるが Fas の遺伝子破壊マウスでは見 られないこと等から、FLIP にはアポトーシスシグナル阻害とは異なる機能があることが予想されています。私たちの研究室 では、FLIP の新しい機能を解析して以下のことを明らかにしました。 (1)FLIP 遺伝子を細胞に導入してタンパク質を発現させると、細胞内のβ-catenin 量が増加する。 (2)β-catenin は通常細胞質でユビキチン化されプロテアソームにより分解されているが、FLIP はβ-catenin のユビキチ ン化を阻害する。 (3)FLIP により増加したβ-catenin は核に移行し、転写活性化を起こす。 (4)FLIP を発現した細胞は、細胞外からの Wnt 刺激に強く反応する。 これらの結果から、FLIP は Wnt シグナルのメディエーターであるβ-catenin のユビキチン化(と分解)を阻害することに より、Wnt シグナルを増強していることが明らかになりました。 APC、Axin などβ-catenin のユビキチン化に関与する遺伝子に変異が起こると、β-catenin が蓄積して Wnt シグナルが異常 に亢進し、これが細胞のがん化において大変重要な役割を果たしていることはよく知られています。また一方で、FLIP はメ ラノーマなど多くのがんで過剰に発現していることが報告されています。従来、がん細胞に発現している FLIP は、アポトー シスシグナルを阻害することにより、がん細胞が宿主の抗腫瘍免疫反応から逃れ生き延びるのに役立っていると考えられて 3 きました。しかし私たちの研究から、FLIP は細胞の増殖シグナル(Wnt シグナル)を制御することにより、もっと積極的に 細胞のがん化に関与している可能性が示唆されました。 (図3) 図3 私たちの研究室は 10 人弱の小さな研究グループですが、メンバーの献身的な労力と努力、卓越した実験技術(?)をもと に、分生研内外の多くの先生方のご協力に支えられながら研究を進めています。この場を借りて御礼を申し上げるとともに、 今後ともますますのご支援をよろしくお願いいたします。 4 退官のご挨拶 前染色体動態研究分野 教授 大坪 榮一 ――定年退官にあたって―― 東大応微研(現分生研)教授として赴任してから 21 年たちましたが、ついに定年退官の日を迎え たという思いです。本当に長い間、お世話になりました。感謝申し上げます。 振り返れば、赴任したとたんに、かって応微研闘争に関わった人達からの洗礼を受け、何週間か にわたって押しかけられたことは、忘れられない思いになっています。 これまでに、微力ですがいくつかのことに貢献できたのではと考えています。中には、宿直制度 に最も苦痛に感じていた私が宿直検討委員会委員長にまつりあげられ、結果として宿直を廃止する ことができましたが、事務職員(平日宿直)、助教授(土曜宿直)、教授(日曜宿直)の皆様からは 感謝されたのではないかと思います。また、私が、放射線安全委員会委員長の時は、田中信夫先生(本研究所における唯一 の RI 主任者)の定年退官に伴って、RI 主任者の存続の必要性があり、多くの人達に主任者試験に受験していただいたことに は感謝致しております。ただし、40 才台で受験していただいた人達全員は残念にも試験に失敗したことは驚きで、中にはこ れまでの人生で試験で始めて失敗した人もおり、そのようなことを経験させてしまったことに申し訳ない思いでいっぱいで ありました。今後も若い人達の協力をお願いします。 研究を始めたころには、教室には前から残っていた人達がいましたが、この人達とはうまくやっていきたいという思いで 一杯でした。赴任後には一つの部屋しか使えませんでしたが、若かったこともあり何の焦りもなく、誰もがハッピーに感ず るように行動したと思っております。また、多くの院生、及び幾人かの研究生、学部生と共に研究が進められたことに感謝 致します。各人が楽しく研究を進められたと信じておりますがどうでしょうか。今後もいい仕事をなされることを祈ってお ります。 アメリカ時代がそうであったように、分生研でも科研費のみで研究を進めてきました。これからは、そういう時代ではな さそうで、科研費のみで研究を進める最後の人間となるのかも知れませんが、ある種のこだわりというか気概をもって研究 をすることは重要ではないかと考えています。 行政法人化で大変でしょうが、常に人間を中心に考え物事を進めていかれるよう願っております。最近知りましたが、院 生間での横の交流が活発になされています。全ての教職員、院生が共に楽しく生活ができる場が構築されることを祈って止 みません。 5 転出のご挨拶 前活性分子創生研究分野 助教授 早川 洋一 昭和 63 年9月に当時の応微研6研の助教授に就任して以来、15 年間分生研にお世話になりまし た。大学院生時代の5年間を加えると、実に 20 年もこの研究所に通ったことになります。その間に 研究室名も6研(抗生物質)から生理活性物質、活性分子創生と変遷してきましたが、今でもつい 6研と言ってしまいます。ふり返ってみると、テニスやソフトボールに燃えた時期もありましたが、 やはり趣味と実益を兼ねる「研究」を思う存分やれたということが一番でした。それを支えてくれ た研究所には感謝しなければなりません。しかし、分生研(応微研)の印象は一貫して「狭い、ボ ロい、寒い(暑い)」で、企業(キリンビール)の研究所から戻ってきた身としては、劣悪な研究 環境に目眩がするほどでした。そんな中で頑張って研究成果を積み上げてくれた歴代研究室メンバ ーには本当に頭が下がる思いです。そのボロい研究所にも新棟が立ち、第3期工事が目前という時期に来ています。新しい 建物、最新の設備、日本で最優秀の学生達と、言い訳のできない環境が成立する前に研究所を去るのは残念ではありますが、 少しほっとしているというのも本音です。残った皆様のお力で今後の分生研がますます発展することを期待しています。 今度赴任するところは千葉県野田市にある東京理科大学薬学部です。ずっと農芸化学の世界を歩んできた自分にとっては 未知の分野になりますが、分生研で薬学系の先生方から親しくしていただいたこともあって、それほど違和感なく溶け込め そうです。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。 分生研の皆様とは研究領域が重なりますから、ご指導いただく機会も多いことと思います。あらためて長年のご厚情に心 より御礼申しあげますとともに、なお一層のご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申しあげます。 前生体有機化学研究分野 助教授 長澤 和夫 4月1日より東京農工大学工学部生命工学科へ転任致しました。分生研には 2001 年1月に赴任し、 3年3ヶ月の間在籍させて頂きました。この間、諸先生事務の皆様を含め、本当に多くの方々にお 世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 これまでの研究生活を振り返り、私は研究場所を変わる度に素晴らしい先生方と出会う機会に恵 まれ、またそこで新たな刺激を頂くことにより、少しずつ自分の研究の幅を広げてこれたように思 います。分生研では研究の幅に加え、21 世紀のモノ作り(有機合成化学)の哲学についても直接的 または間接的に学ぶことができました。これはおそらく私の専門外の方々とお話する機会が多々あ ったからだと思います。今後の研究生活において貴重な財産を頂くことが出来、本当に充実した3 年3ヶ月でした。 4月より新しく研究室を興すこととなりました。分生研で培った貴重な財産を糧に、更にいろいろなことにチャレンジし ていこうと考えております。新たな場所での、新しい出会いも楽しみです。 最後になりましたが、分生研の益々のご発展を祈念致しております。 前生体超高分子研究分野 技官 野村 博美 4月1日付けで、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構(旧:岡崎国立共同研究機構)生理学 研究所へ異動になりました。 平成8年に豊島研に技官として採用になり、当時それまで全くタンパク質というものに触れたこ との無かった私ですが、豊島先生には温かいご指導を賜り、膜タンパク質の結晶化というとてもや りがいのある仕事に携わる事が出来ました。また、豊島研は総合研究棟にあるため分生研の本棟か らは離れており、研究室以外の人と接する機会はあまり多くありませんでしたが、豊島研のメンバ ーを始め分生研の人は皆さんとても温かい人ばかりで、居心地良く8年間を過ごさせて頂きました。 6 本当にお世話になりました。そして、この分生研ニュースの編集委員もさせて頂き、大変良い経験をさせて頂きました。 新しい勤務先の生理研では、技官の組織化が進んでおり、技官が研究室に派遣されるという形を取っています。また、仕 事の仕方も技官が研究の一端を担うというやり方とは大きく異なり、どちらかといえば研究のサポート的な役割がメインの 様です。分生研とは大きく異なる環境の中、とまどうことばかりですが、早く新しい環境に慣れ頑張りたいと思っています。 岡崎の研究所に来られる際は、山手地区におりますので(かなり離れた所にある建物ですが)是非お立ち寄り下さい。 分生研のますますのご発展と皆様のご活躍を御祈念申し上げます。今まで本当にありがとうございました。また、私の異 動に関わって下さった皆様にこの場をお借りしてあつく御礼申し上げます。 前事務部 研究助成係主任 松尾 美鶴 平成 16 年4月1日付けをもちまして、工学部・工学系研究科・情報理工学系等事務部学術協力課 研究協力係へ異動しました松尾です。 国立婦人教育会館から平成 12 年4月に分子細胞生物学研究所へ赴任して以来4年に亘って皆様に はたいへんお世話になりました。前任者が9年間築き上げてきた研究協力の仕事を引き継ぐにはあ まりにも何も知らない私でしたが、皆様のおかげで何とか4年間を過ごすことができました。規模 が小さくアットホームな雰囲気が私には合っていたようです。 異動先の工学部は規模があまりにも大きく、まだまだ全体を見渡すこともできない状況です。同 じ研究協力の仕事ではありますが、事務量が膨大なため人員増を要求しているところです。以前会 計主任であった真弓さんは共同利用係、用度掛にいた三浦さんは経理係にいますので、何かと心強く思っています。 私が所属する研究協力係は工学部列品館という建物の中にあり、なかなか趣のある建物です。正門を入ってすぐ左側にあ りますので、お近くにお寄りの際は覗いてみてください。書類に埋もれた私がいるかもしれません。 着任のご挨拶 生体有機化学研究分野 助教授 宮地 弘幸 本年 4 月 1 日付けで生体有機化学研究分野助教授に就任致しました宮地弘幸と申します。宜しく お願い致します。国内外に高名な分生研スタッフに加えて頂きましたことは光栄の限りであり、ま たその重責を考えますと改めて身の引き締まる思いで一杯です。 私は東京都立大学大学院理学研究科修士課程(生物化学専攻;奥山典生名誉教授)を修了後杏林 製薬株式会社に入社し、以来約 20 年一貫して企業において、新薬創製の根幹である医薬品化学研究 (メディシナルケミストリー)に従事してまいりました。これまでにニューロトランスミッターの ムスカリン受容体リガンドの研究ならびに近年代謝性疾患領域において注目されております核内受 容体 PPAR(ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体)リガンドの研究に従事し、前者の研究からは 天然物の活性を遥かに凌駕するサブタイプ選択的ムスカリンアンタゴニストの創製に成功致しました。この化合物は現在小 野薬品工業(株)との共同開発が進められ、一般名イミダフェナシン、商品名ステイブラとして排尿障害治療薬で現在申請 段階にあります。また、後者の研究からは高活性かつαサブタイプ選択的 PPAR リガンドの創製に成功致しました。この化 合物は現在海外において臨床第二相試験が実施されております。 また 1996 年より二年間現教室主任の橋本祐一教授の下で研鑽を積む機会に恵まれ、“フタルイミド構造を有する新規生物 応答調節剤の創製”研究で学位を取得させて頂きました。 これまで新薬創製を目指した研究開発に従事してまいりましたが、今後は広い意味での有機化学を基礎に、生命現象解明 の一助たることを目指したバイオツールの創製や、生活習慣病や癌、痴呆等の医薬への応用を思考した“化合物に焦点をあ てた”基礎分子医薬化学の研究にその方向をシフトさせようと考えております。分生研の皆様には種々の機会にご指導やご 協力をお願いすることも多々あるかと存じますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 7 創生研究分野 助手 城地 保昌 平成 16 年4月より創生研究分野(北尾彰朗助教授)の助手に着任しました城地です。私は、平成 14 年3月に京都大学大学院理学研究科(郷信広教授)にて学位を取得し、その後平成 16 年3月まで の2年間、日本原子力研究所関西研究所にて博士研究員をしていました。博士課程の時に横浜市立 大学大学院総合理学研究科(木寺詔紀教授)にて1年間、特別研究生として過ごしたことを除けば、 高校を卒業してからこれまで十数年間、京都で生活をおくってきました。東京での研究生活は初め てであり、いろいろ戸惑うことも多いですが、徐々に慣れていければと考えています。 さて私の専門に関してですが、分子シミュレーションなどの計算科学的手法を用いて、生体分子 の機能や物性を理解することを目指して研究をおこなっています。特に生体分子の実験データを理 論的に解析することに興味があり、これまでは X 線結晶回折データ(博士課程)や中性子散乱データ(博士研究員)を、分 子シミュレーションを援用して解析する研究をおこなってきました。大量で複雑な実験データから、生体分子の機能と関わ る情報を抽出するのに、分子シミュレーションを含めた理論的解析が有効です。今後も、さまざまな生体分子実験に興味を 持ち続けながら、分子シミュレーションなどを用いて、生体分子の機能発現メカニズムを物理化学的に理解する研究をおこ なっていきたいと考えています。分生研の皆様には今後いろいろと御指導いただく機会があるかと思います。よろしくお願 いいたします。 < Welcome to IMCB > −新人紹介− <分子遺伝> 関 麻子 今清水 正彦 塩沢 美紀 前田 英樹 平沢 雄介 寺島 優 <核内情報> 農学生命科学研究科博士課程 1 年 農学生命科学研究科博士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 目々澤 愛 落合 鋭士 越田 伊織 三木 ひろみ 大矢 博之 武政 さゆり 佐藤 裕子 神津 円 岡田 麻衣子 農学生命科学研究科博士課程2年 共同研究員 農学生命科学研究科修士課程1年 農学生命科学研究科博士課程1年 農学生命科学研究科修士課程1年 医学系研究科博士課程1年 技官 医学系研究科博士課程1年 農学生命科学研究科修士課程1年 写真:後列左から関、今清水、塩沢 前列左から前田、平沢、寺島 <染色体動態> マルシア ユリ コンドウ 農学生命科学研究科修士課程1年 写真:マルシア ユリ コンドウ 写真:後列左から目々澤、落合、越田、三木、大矢 前列左から武政、佐藤、神津、岡田 8 <分子情報> <情報伝達> 石山 加奈子 山角 祐介 相良 将樹 大野 陽子 西原 順子 岩井 謙一 桑原 篤 川口 大地 森永 光一郎 事務補佐員 農学生命科学研究科修士課程1年 理学系研究科修士課程1年 農学生命科学研究科修士課程1年 学振特別研究員PD 工学系研究科修士課程1年 工学系研究科修士課程1年 新領域創成科学研究科修士課程1年 新領域創成科学研究科修士課程1年 写真:後列左から石山、山角、相良 前列左から大野、西原 <細胞機能> 高橋 陽子 坂口 法洋 渡辺 綾子 保里 善太 小島 祥子 技術補佐員 研究生 理学系研究科修士課程1年 新領域創成科学研究科修士課程1年 新領域創成科学研究科修士課程1年 写真:左から岩井、桑原、川口、森永 写真:左から高橋、坂口、渡辺、保 里、小島 <形態形成> <細胞増殖> 中村 鑑斗 長岡 宏実 菊池 亮 高島 あさみ 田井 美也子 北田 祐介 薬学部4年 薬学部4年 新領域修士1年 新領域修士1年 理学系研究科生物化学専攻修士課程 1 年 理学系研究科生物化学専攻修士課程 1 年 写真:左上 中村、左下 長岡 右上 菊池、右下 高島 <細胞形成> 飛田 邪馬人 田中 慎哉 鶴水 良次 坂本 ちひろ 小野 朝美 農学生命科学研究科修士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 農学生命科学研究科修士課程 1 年 研究生 写真:左から田井、北田 <機能形成> 西條 栄子 内木 隆寛 岡崎 有羽子 宮岡 佑一郎 伊藤 暢 王 岩 技官 学振特別研究員PD 理学系研究科修士課程1年 理学系研究科修士課程1年 PD 中国政府派遣研究員 写真:左から西條、内木、岡崎、宮岡、 伊藤、王 <生体超高分子1> 写真:左から飛田、田中、鶴水、坂本、小野 <発生分化構造> 岡江 寛明 林 陽平 佐野 徳彦 小川 祐司 大根陽一郎 水越 栄一 高原 照直 佐藤 純子 関 勝之 農学生命科学博士課程1年 学術研究支援員 学術研究支援員 農学生命科学修士課程1年 農学生命科学修士課程1年 理学系研究科生物化学専攻修士1年 薬学部薬学科4年 理学部生物化学科3年 薬学部薬学科4年 写真:左上 岡江、右上 林 左下 佐野、右下 小川 写真:後列左から大根、水越、高原 前列左から佐藤、関 9 <生体超高分子2> 杖田 淳子 高橋 美穂子 小林 大介 写真:左から杖田、高橋、小林 技官 理学系研究科修士課程1年 CCS 社、ネットワークサポート <生体有機化学> 宮地 弘幸 野口 友美 日下 智聖 進士 千尋 細田 信之介 春日 淳一 篠原 孝幸 稲月 俊介 中村 尚徳 樺沢 直朗 <活性分子創生> 助教授 技術補佐員 薬学系研究科博士課程1年 薬学系研究科修士課程1年 薬学系研究科修士課程1年 薬学部4年 薬学部4年 共立薬大4年 共立薬大4年 理科大4年 大森幸枝 農学生命科学研究科修士課程1年 写真:大森 写真:前列左から 野口、春日、 進士、篠原 後列左から 宮地、日下、 細田、樺沢、中村 枠内 稲月 <高次構造> 新道 真代 巽 良子 科学技術振興機構研究員 科学技術振興機構技術員 <創生> 城地 保昌 北吉 睦 助手 事務補佐員 写真:左から新道、巽 <事務部> 写真:左から北吉、城地 <バイオリソーシス> Vernans Vestil Bautista 肖 恬 安 善榮 李 冰 農学生命科学研究科外国人研究生 農学生命科学研究科修士課程1年 農学生命科学研究科博士課程1年 農学生命科学研究科修士課程1年 写真:左から Vernans Vestil Bautista 、肖、安、李 白石 慈 久保田 幸子 關本 美代子 竹中 真理花 土田 淳美 酒井 恵美 写真:左下から白石、久保田、關本 左上から竹中、土田、酒井 研究助成係員 研究助成係員 庶務係長 事務補佐員 会計係主任 用度係員 10 −国際会議に出席してみて− <核内情報研究分野 博士課程1年 伊藤 紗弥> <形態形成研究分野 助手 吉田 章子> 会議の名称:Keystone Symposia, Nuclear Receptors 会議の名称:第 45 回ショウジョウバエ研究会議年会 開 催 地:米国、Colorado, Keystone Resort 開 催 地:米国、ワシントン D.C. 会 期:2004 年 2 月 28 日∼ 3 月 4 日 会 期:2004 年 3 月 24 日∼ 2004 年 3 月 28 日 発 表 演 題:Genetic identification in transgenic Drosophila 発 表 演 題:PKA-RI spatially restricts Oskar expression for of kinases that enhance hERα transactivation Drosophila embryonic patterning(PKA-RI は function(ポスター発表) ショウジョウバエ卵において Oskar 発現の後 極への限定し、胚のパターン形成を制御する) アメリカのコロラド州デンバーで開催された Keystone (ポスター発表) Symposia は、核内レセプターの転写をテーマとした学会で した。学会参加人数が 1000 人を超える大規模な学会で、核 今回私は、財団法人応用微生物学研究奨励会からのご援 内レセプターに着目する研究者が世界中に大勢いることを 助によりショウジョウバエ研究会議年会に参加する機会を 実感し、驚きました。私は国際学会に参加することだけで いただきました。心より感謝いたします。 なく、アメリカを訪れることも初めてだったので、なにも この会議は毎年一度アメリカ合衆国で開催され、世界中 かも新鮮でしたが、学会の形式や参加者の服装等が日本の よりショウジョウバエ研究者が集まり最新の結果を発表し 学会に比べ堅苦しさがないことが一番印象的でした。その あう大変規模の大きいものです。この学会に出席すること ような開放的な雰囲気の中でポスター発表をさせていただ で最新の実験結果、技術についての情報、またショウジョ いたのですが、同じ分野に興味を持つ多くの専門家、研究 ウバエ研究の全体的な動向などを知ることができます。ま 者と討論する機会ができて、たくさんの斬新な意見を受け た非常に多数の研究者が参加するため、関連した分野の研 ることができました。国際学会に限らないとは思うのです 究者に直接会って話し合うことのできる貴重な機会でもあ が、全く異なる環境で研究をしている方は、自分とは違う ります。 切り口から物事をとらえていることが多く、そのような人 私は昨年秋までヨーロッパ分子生物学研究所に在籍して 達の意見を聞くことはすごく刺激的だと感じました。日ご いたため今回はそこで行っていたショウジョウバエ胚の後 ろから、自分の研究の意義や価値を自分で評価することは 部構造の形成に中心的な役割を果たす oskar 遺伝子の活性 難しいと考えていたのですが、今回の学会で多くの研究者 制御についての研究を発表しました。oskarRNA は卵形成 の方が興味をもって意見してくれ、うれしく思いましたし、 の過程で卵細胞後極に運搬されますが、局在する前の RNA 少し自信がつきました。 は翻訳制御機構によって抑制されており、タンパク質は ポスター発表及び口頭発表全般を見て、2年前の同じ学 RNA が後極に局在した後初めて発現します。この機構によ 会の内容を見返してみると、世界中の研究スピードが早い り Oskar の卵後部に限局した発現が保証されています。今 ことに驚きました。先生方が常々おっしゃられていること 回私たちは、プロテインキナーゼ A の突然変異体の解析な なのですが、その時その時の実験手法や概念に流行があり、 どから、卵内におけるプロテインキナーゼ A の活性の調節 常に先々を見据えて何をするべきか考えなくては世界の研 が oskarRNA の翻訳の制御、その後の発生における前後軸 究スピードについていけないということを実感しました。 のパターン形成に必須であることを示し、関連する分野の 今回の国際学会に参加するにあたり応微研奨励会から補 研究者と話し合う機会を得ました。また、現在行っている 助していただきました。とても勉強になり、いい経験をさ ショウジョウバエの視覚中枢の発生に関する研究につい せていただき、感謝しています。ありがとうございました。 て、最新の結果に触れることにより大きな収穫を得ること ができました。 このような機会を与えていただいた財団法人応用微生物 学研究奨励会と関係者の方々に深くお礼を申し上げますと ともに、この経験を今後に生かしてゆきたいと考えており 11 ます。ほんとうにありがとうございました。 彼らのプレゼンテーションから現在ホットな分野の最先端 の話を聞けたのは有意義なことだったと思います。 <機能形成研究分野 博士研究員 江指 永二> さて、私は今回、大腸菌のトランスポゾン IS1 のコード するトランスポゼースが有する配列特異的認識機構に関す 会議の名称: 『第 45 回アメリカ血液学会総会』 (45th American Society of Hematology) る研究を発表しました。これまでにトランスポゼースが因 子の末端を認識する機構として、Cro やリプレッサーが持 開 催 地:米国、California 州 San Diego つへリックス−ターン−へリックスが存在し、それが唯一 会 期:2003 年 12 月 6 日∼ 9 日 の末端認識ドメインであるとされてきました。今回私が発 発 表 演 題:CD4 Macrophages Are Professional Scaven- 表したものは、このへリックス−ターン−へリックスに加 gers of Apoptotic Thymocytes and Are Derived えこれとは異なるドメインが存在し 2 つあって初めて自身 from Intrathymic Lymphoid Progenitors(ポス の末端を認識できるといったことが多くのトランスポゼー ター発表) スに存在することを示唆するものでした。 + 日本国内の学会においては、DNA 型のトランスポゾンの この度の第 45 回アメリカ血液学会総会に出席するにあた 転移メカニズムを研究しているグループは少ないのです り、財団法人応用微生物学研究奨励会から格別の援助を賜 が、本会議には多数のグループがそのテーマについての発 り、心より感謝いたします。 表を行っていました。従って、自分の研究分野についての 会議では、マウス胸腺内に CD 4陽性のマクロファージ 理解を深める場としても、私にとっては、大変有意義な会 細胞集団が存在しアポトーシスにより死滅した T 細胞を特 議でした。また、海外にはそういったトランスポゾンの転 異的に除去すること、さらにこの細胞集団は胸腺上皮との 移メカニズムに関する研究を行っているグループが多いた 細胞間接着により未分化 T 前駆細胞から分化すること等の め、それらのグループ間での交流、共同研究が盛んで彼ら 研究成果を発表いたしました。 にはその点の重要性についていろいろと説かれました。 本学会はアメリカを中心に世界中から血液研究をしてい 最後になりましたが、こういった国際会議に出席する機 る研究者が非常に多く参加しており、最新の動向を知るの 会を与えて下さった応用微生物学研究奨励会とその関係者 に大変良い機会になりました。また、研究者だけではなく の方々に深く感謝します。 臨床医も多く参加しており、骨髄移植、癌細胞に対する免 疫療法、再生医療等の医療への応用を視野に入れた議論が <形態形成研究分野 博士課程3年 武井 ゆき> 活発になされていた点が非常に印象深く残りました。 今回の貴重な経験を今後の研究に役立てていきたいと思 います。 会議の名称: 45th Annual Drosophila Research Conference 開 催 地:米国、Washington, D. C. 会 期: 2004 年 3 月 24 日∼ 3 月 28 日 <染色体動態研究分野 博士課程1年 太田 信哉> 発 表 演 題:Three Drosophila EXT genes shape morphogen gradients through synthesis of 会議の名称: KEYSTONE SYMPOSIA Bacteria Chromosome Heparan Sulfate Proteoglycans(ポスター発表) 開 催 地:米国、Santa Fe 会 期:2004 年 2 月 7 日∼ 12 日 Drosophila Research Conference に参加するにあたり、応 発 表 演 題:Involvement of two domains with helix-turn- 用微生物学研究奨励会からの援助を賜り、心より感謝いた helix and zinc finger motifs in the binding of します。この会議ではショウジョウバエというツールを共 IS1 transposase to terminal inverted repeats 有する世界中の研究者が一堂に会しました。内容は形態形 (ポスター発表) 成から行動学まで多岐にわたり、最新の研究内容を学んで ディスカッションを行うことができました。私はショウジ 今回、私は、KEYSTONE SYMPOSIA Bacteria Chromo- ョウバエのヘパラン硫酸プロテオグリカンが拡散性のシグ some に出席する機会を頂きました。本会議に出席すること ナル因子(モルフォゲン)の濃度勾配形成に与える影響に により、多くの世界的に有名な研究者と直接ディスカッシ ついて発表しましたが、この分野に造詣の深い他のグルー ョンをする機会が出来ました。もちろん、その与えられた プの人達と詳細な議論が交わせたことが非常に大きな収穫 機会を最大限に生かせたと自分では思っています。また、 でした。また他の分野の発表にも興味深いものが多く、特 12 に今年の年会では行動学分野に目を引くものが多かったよ ありがとうございました。 うに思います。その一つとして、ハエの同性同士の攻撃行 動に関する発表は内容の独創性が高く、非常に刺激的でし <情報伝達研究分野 博士課程 3 年 小川原 陽子> た。一方で各セッションの聴衆人口がその分野の注目度を 如実に表しており、良くも悪くも分野のはやりすたりの早 会議の名称:Keystone Symposia, Cell Cycle and Development さを肌で感じたことも、学会ならではの貴重な体験でした。 開 催 地:米国、ユタ州、スノーバード 学会を終えて私自身のことを振り返ると、英語でのコミュ 会 期:2004 年 1 月 6 日∼ 1 月 11 日 ニケーション能力の未熟さと日頃の不勉強を改めて痛感し 発 表 演 題:Akt activates ubiquitin ligase activity of Mdm2 for E2F1 (ポスター発表) た機会だったように思いますが、その反省点を含めて、非 常に多くのものを得られたとも思います。このような機会 を与えて頂いたことに深く感謝いたします。ありがとうご この度、私の研究に理解を示し、キーストンシンポジウ ムに出席することをサポートしてくださった財団法人応用 ざいました。 微生物学研究奨励会に、心より感謝申し上げます。 <染色体動態研究分野 非常勤研究員 峰松 寛> 本会議では、細胞周期および発生の制御に関する最近の 進展についての発表および議論がなされました。植物から 会議の名称: Keystone Symposia, Bacterial Chromosome 酵母、ハエ、哺乳類まで、様々な系を扱っている研究者が 開 催 地:アメリカ、ニューメキシコ、サンタフェ 一同に会したため、普段哺乳類のみを扱っている私には細 会 期: 2004 年 2 月 7 日∼ 2004 年 2 月 12 日 胞周期制御の普遍性および多様性を知ることができて非常 発 表 演 題:In vitro formation of the figure-8 molecules by に興味深かったです。この業界をリードする研究者達によ IS3 (ポスター発表) る最新の知見を数多く得ることができ、また国内の学会に 比べて非常に活発に質議応答がなされることに強く感銘を この度はキーストンシンポジウムに参加するにあたり、 財団法人応用微生物学研究奨励会からの格別のご援助を賜 り、心より感謝いたします。 この会議ではバクテリアの染色体の複製、維持、組換え 受けました。 私は、ユビキチンリガーゼ Mdm2 による転写因子 E2F1 の制御に関する研究成果を発表しました。ポスターセッシ ョンはワインやビールを飲みながらの自由な雰囲気の中で 等について幅広く議論されました。私は大腸菌のゲノムや 行われ、海外の多くの研究者の方々に話を聞いていただき、 プラスミド上に存在する転移性遺伝因子 IS3 が転移中間体 ディスカッションをして頂いたことは貴重な経験でした。 として IS 部分が一本鎖だけ環状化した8の字形分子を形成 また、若手の研究者達とも沢山交流することができたこと することについて発表しました。国内には転移機構につい は大変有意義でした。 ての研究者は少なく、海外の研究者と自分の研究について 国際会議への参加は初めての経験だったのですが、自分 議論することができたことは論文を読むことでは決して得 の英語力が足りないことを度々痛感いたしました。発表も られない貴重な経験となりました。また、彼らと知りあい ところどころ聞き取れないところがあったり、また議論に 最新の研究進行を知ることができたことはとても有意義な おいても自分の言いたいことを正確に表現出来ない場合の ことでした。さらに、有志で行われた転移性遺伝因子の特 あったことが心残りです。今後、研究者として活躍するう 別ミーティングに招待され、今最先端で議論されているこ えで、自分の研究により邁進するとともに、語学力を磨く とを知ることができたのは大きな収穫でした。 ことの大切さも実感いたしました。本会議に参加したこと 転移性遺伝因子以外の話題についても非常に興味深く、 バクテリアの染色体という研究分野の現在の研究の動向を 大きくとらえることができました。 初めての海外のミーティングへの参加で英語はまだまだ 未熟な部分も多かったのですが、それでも海外の研究者達 とコミュニケーションをとり充実した議論をすることがで きたことは自分でも驚きであったのと同時に大きな自信と なりました。また、それは純粋にとても楽しい経験でした。 この経験を今後に生かしていきたいと思います。どうも は今後の私の研究者生活の糧になっていくはずであり、こ の機会を与えて下さった当奨励会に深く感謝致します。 13 平成 15 年(2003 年)各研究分野業績発行物一覧 分子遺伝研究分野(Laboratory of Molecular Genetics) 「原著論文」 Molecular genetic analysis of chloroplast gene promoters dependent on K. Tamura, K. Oguchi and H. Takahashi:「 Genomic and genetic analysis of plant parasitism and defense 」(J. Leach et al. ed.), pp227236, APS Press, 2003. SIG2, a nucleus-encoded sigma factor for the plastid-encoded RNA polymerase, in Arabidopsis thaliana. 光と色素体分化プログラム. Mitsumasa Hanaoka, Kengo Kanamaru, Hideo Takahashi and Kan 華岡光正、田中 寛:「植物の環境応答と形態形成のクロスト Tanaka : Nucleic Acids Res. 31, 7090-7098, 2003 ーク」(岡穆宏・岡田清孝・篠崎一雄編)、pp35-44,シュプリンガ ー・フェアラーク, 2003 Antagonistic dark/light-induced SigB/SigD, group 2 sigma factors, expression through redox potential and their roles in cyanobacteria. Sousuke Imamura, Munehiko Asayama, Hiroyuki Takahashi, Kan 染色体動態研究分野(Laboratory of Chromosome Dynamics) 「原著論文」 Tanaka, Hideo Takahashi and Makoto Shirai : FEBS Lett. 554, 357- Isolation and expression analysis of petunia CURLY LEAF-like genes. 362, 2003 T. Mayama, E. Ohtsubo, and S. Tsuchimoto.: Plant Cell Physiol. 44: 811-819. 2003 Identification and expression analysis of cDNA encoding a chloroplast recombination protein REC1, the chloroplast RecA homologue in Polyphyletic origin of cultivated rice: based on the interspersion pat- Chlamydomonas reinhardtii. tern of SINEs.C. Cheng,, R. Motohashi,, S. Tsuchimoto, Y. Fukuta, H. Emi Nakazato, Hideya Fukuzawa, Satoshi Tabata, Hideo Takahashi Ohtsubo, and E. Ohtsubo. : Mol. Biol. Evol. 20:67-75. 2003 and Kan Tanaka : Biosci. Biotechnol. Biochem. 67, 2608-2613, 2003 New insertion sequence elements in the upstream region of cfiA in Thymine at-5 is crucial for cpc promoter activity of Synechocystis sp. imipenem-resistant Bacteroides fragilis strains. strain PCC 6714. N. Kato, K. Yamazoe, C.-G., Han, and E. Ohtsubo,.: Antimicrob. Masahiko Imashimizu, Shoko Fujiwara, Ryohei Tanigawa, Kan Agents Chemother. 47: 979-985. 2003 Tanaka, Takatsugu Hirokawa, Yuji Nakajima, Junichi Higo and Mikio Tsuzuki : J. Bacteriol. 185, 6477-6480, 2003 A novel IS element, IS621, of the IS110/IS492 family transposes to a specific site in repetitive extragenic palindromic sequences in Effects of antibiotics that inhibit the bacterial peptidoglycan synthesis Escherichia coli. pathway on moss chloroplast division. S. Choi, S. Ohta, and E. Ohtsubo.: J. Bacteriol. 185: 4891-4900. 2003 Nami Katayama, Hiroyoshi Takano, Motoji Sugiyama, Susumu Takio, Atsushi Sakai, Kan Tanaka, Haruko Kuroiwa and Kanji Ono : Plant Cell Physiol. 44, 776-781, 2003 核内情報研究分野(Laboratory of Nuclear Signaling) 「原著論文」 The chromatin remodeling complex WINAC targets a nuclear receptor Complete sequence and analysis of the plastid genome of the unicellu- to promoters and is impaired in Williams Syndrome. lar red alga Cyanodioschyzon merolae. Kitagawa, H., Fujiki, R., Yoshimura, K., Mezaki, Y., Uematsu, Y., Niji Ohta, Motomichi Matsuzaki, Osami Misumi, Shin-ya Matsui, D., Ogawa, S., Unno, K., Okubo, M., Tokita, A., Nakagawa, Miyagishima, Hisayoshi Nozaki, Kan Tanaka, Tadasu Shin-I, Yuji T., Ito, T., Ishimi, Y., Nagasawa, H., Matsumoto, T., Yanagisawa, J., Kohara and Tsuneyoshi Kuroiwa : DNA Res. 10, 67-77, 2003 Kato, S.: Cell, 113, 905-917, 2003. Purification, characterization, and gene expression of all sigma factors Modulation of estrogen receptor signalin by association with the acti- of RNA polymerase in a cyanobacterium. vated dioxin receptor. Sousuke Imamura, Satoshi Yoshihara, Serina Nakano, Noriko Ohtake, F., Takeyama, K., Matsumoto, T., Kitagawa, H., Yamamoto, Shiozaki, Akiko Yamada, Kan Tanaka, Hideo Takahashi, Munehiko Y., Nohara, K., Tohyama, C., Krust, A., Mimura, J., Chambon, P., Asayama and Makoto Shirai : J. Mol. Biol. 325, 857-872, 2003 Yanagisawa, J., Fujii-Kuriyama, Y., Kato, S.: Nature, 423, 545-550, 2003. 「総説」 葉緑体の転写調節系−葉緑体分化を支える転写カスケード− Cytokines suppress adipogenesis and PPAR-gamma function through 田中 寛:蛋白質核酸酵素増刊号「植物の代謝コミュニケーシ the TAK1/TAB1/NIK cascade. ョン 植物分子生理学の新展開」(編集:杉山達夫・水野猛・長 Suzawa, M., Takada, I., Yanagisawa, J., Ohtake, F., Ogawa, S., 谷俊治・斉藤和季)、48, pp2161-2167, 共立出版, 2003 Yamauchi, T., Kadowaki, T., Takeuchi, Y., Shibuya, H., Gotoh, Y., Matsumoto, K., Kato, S.: Nature Cell Biol., 5, 224-230, 2003. 「出版本」 Telomerase functions in plant pathogenesis. Suppressive function of androgen receptor in bone resorption. 14 Kawano, H., Sato, T., Yamada, T., Matsumoto, T., Sekine, K., Cells. Watanabe, T., Nakamura, T., Fukuda, T., Yoshimura, K., Yoshizawa, Y. Kawasaki, R. Sato and T. Akiyama: Nature Cell Biology, 5, 211- T., Aihara, K., Yamamoto, Y., Nakamichi, Y., Metzger, D., Chambon, 215, 2003 P., Nakamura, K., Kawaguchi, H., Kato, S.: Proc. Natl. Acad. Sci. RICS, a novel GTPase-Activating Protein for Cdc42 and Rac1, is USA, 100, 9416-9421, 2003. involved in the β-catenin-N-cadherin and NMDA receptor signaling. p54nrb acts as a transcriptional coactivator for activation function 1 of T. Okabe, T. Nakamura, Y. Nasu. Nishimura, K. Kohu, S. Ohwada, Y. the human androgen receptor. Morishita, and T. Akiyama: J. Biol. Chem., 278, 9920-9927, 2003 Ishitani, K., Yoshida, T., Kitagawa, H., Ohta H., Nozawa, S., Kato, S.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 306, 660-665, 2003. Identification of PSD-93 as a substrate for the Src family tyrosine kinase Fyn. Chondromodulin-I (ChM-I) is a bone remodeling factor. S. Nada, T. Shima, H. Yanai, H. Husi, S. G.N. Grant, M. Okada, and T. Nakamichi, Y., Shukunami, C., Yamada, T., Aihara, K., Kawano, H., Akiyama: J. Biol. Chem., 278, 47610-47621, 2003 Sato, T., Nishizaki, Y., Yamamoto, Y., Shindo, M., Yoshimura, K., Kawaguchi, H., Hiraki, Y., Kato, S.: Mol. Cell. Biol., 23, 636-644, Incorporation of DUF/FACT into chromatin enhances the accessibility 2003. of nucleosomal DNA. H. Seo, K. Okuhara, H. Kurumizaka, T. Yamada, T. Shibata, K. Ohta, Late onset of obesity in male androgen receptor-deficient (ARKO) T. Akiyama and H. Murofushi: Biochem. Biophys. Res. Commun., mice. 303, 8-13, 2003 Sato, T., Matsumoto, T., Yamada, T., Watanabe, T., Kawano, H., Kato, S.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 300, 167-171, 2003. Identification of BMP and Activin Membrane-bound Inhibitor (BAMBI), an Inhibitor of Transforming Growth Factor-βSignaling, as Androgen receptor functions from reverse genetic models. a Target of the β-Catenin Pathway in Colorectal Tumor Cells. Matsumoto, T., Takeyama, K., Sato, T., Kato, S.: J. Steroid Biochem. T. Sekiya, S. Adachi, K. Kohu, T. Yamada, O. Higuchi, Y. Furukawa, Mol. Biol., 85, 95-99, 2003. Y. Nakamura, T. Nakamura, K. Tashiro, S. Kuhara, S. Ohwada, T. Akiyama: J. Biol Chem., 279, 6840-6846, 2004 Deletion of vitamin D receptor gene in mice results in abnormal skeletal muscle development with deregulated expression of myoregulatory Candidate Regions of Tumor Supressor Locus on Chromosome 9q31.1 transcription factors. in Gastric Cancer. Endo, I., Inoue, D., Mitsui, T., Umaki, Y., Akaike, M., Yoshizawa, T., N. Kakinuma, K. Kofu, H. Sato, K. Yamada, M. Nakajima, T. Kato, S., Matsumoto, T.: Endocrinology, 144, 5138-5144, 2003. Akiyama, S. Ohwada and Y. Shibanaka: Int. J. Cancer. 109, 71-75, 2004 Increase in IP3 and intracellular Ca induced by phosphate depletion in 2+ LLC-PK1 cells. PDZ domain-binding motif of human T-cell leukemia virus type 1 Tax Taketani, Y., Nomoto, M., Yamamoto, H., Isshiki M., Morita, K., Arai, oncoprotein augments the transforming activity in a rat fibroblast cell H., Miyamoto, K., Kato, S., Takeda E.: Biochem. Biophys. Res. line. Commun, 305, 287-291, 2003. A. Hirata, M. Higuchi, A. Niinuma, M. Ohashi, M. Fukushi, M. Oie, T. Akiyama, Y. Tanaka, F. Gejyo, M. Fujii: Virology, 318, 327-336, 2004 A-ring structural motif that modulates interactions of vitamin D receptor with transcriptional coactivators. Activation of beta-catenin-TCF-mediated transcription by non-receptor Fujishima, T., Kittaka, A., Yamaoka, K., Takeyama, K., Kato, S., tyrosine kinase v-Src. Takayama, H.: Synthesis of 2, 2-dimethyl-1, 25-dihydroxyvitamin D3: K. Haraguchi, A. Nishida, T. Ishidate, T. Akiyama: Biochem. Biophys. Org. Biomol. Chem., 1, 1863-1869, 2003. Res. Commun., 313, 841-844, 2004 Dietary calcium and phosphorus ratio regulates bone mineralizaiton DREG, a developmentally regulated G protein-coupled receptor con- and turnover in vitamin D receptor knokckout mice by affecting intesti- taining two conserved proteolytic cleavage sites. nal calcium and phosphorus absorption. T. Moriguchi, K. Haraguchi, N. Ueda, M. Okada, T. Furuya and T. Masuyama, R., Nakaya, Y., Katsumata, S., Kajita, Y., Uehara, M., Akiyama: Genes Cells, in press. Tanaka, S., Sakai, A., Kato, S., Nakamura, T., Suzuki, K.: J. Bone Miner. Res., 18, 1217-1226, 2003. The Wnt-b-catenin pathway directs neuronal differentiation of cortical neural precursor cells. 分子情報研究分野 (Laboratory of Molecular and Genetic Information) Y. Hirabayashi, Y. Itoh, H. Tabata, K. Nakajima, T. Akiyama, N. Masuyama, Y. Gotoh: Development, in press. 「原著論文」 Mutated APC and Asef are Involved in Migration of Colorectal Tumor Improved In-Gel Competitive Reassociation technique can detect 15 Epstein-Barr virus genome in gastric cancer. 実験医学 21 pp.2499-2504, 羊土社 2003 N. Kakinuma, H. Sato, K. Yamada, K. Kofu, M. Nakajima, T. Akiyama, S. Ohwada and Y. Shibanaka: J. Electrophoresis, in press. 神経系細胞の生存シグナル 増山典久、後藤由季子 情報伝達研究分野(Laboratory of Cell Signaling) 「原著論文」 実験医学 増刊 シグナル伝達研究 2003 21 pp.258-264, 羊土 社 2003 The phosphatidylinositol-3 kinase (PI3K)-Akt pathway suppresses neurite branch formation in NGF-treated PC12 cells. 矢部 勇、黒田照夫、中西洋一: M. Higuchi, K. Onishi, N. Masuyama and Y. Gotoh: Genes Cells. 8, 巨大化微生物細胞であらゆるイオン輸送体を解析する 657-669, 2003 細胞工学別冊、植物細胞工学シリーズ 18 巻、pp.206-210, 秀潤社, 2003 Use of RNA interference-mediated gene silencing and adenoviral overexpression to elucidate the roles of AKT/protein kinase B isoforms in 「学会賞」 insulin actions 日本分子生物学会三菱化学奨励賞 後藤由季子 「細胞死と細 T. Katome, T. Obata, R. Matsushima, N. Masuyama, L. C. Cantley, Y. 胞分化を制御するシグナル伝達」 Gotoh, K. Kishi, H. Shiota and Y. Ebina: J. Biol. Chem. 278, 2831228323, 2003 細胞機能研究分野(Laboratory of Cellular Functions) 「原著論文」 Differing roles of Akt and serum- and glucocorticoid-regulated kinase Over-expression of Arabidopsis CAP causes decreased cell expansion in glucose metabolism, DNA synthesis, and oncogenic activity. leading to organ size reduction in transgenic tobacco plants. H. Sakoda, Y. Gotoh, H. Katagiri, M. Kurokawa, H. Ono. Y. Onishi, R. A. Barrero, M. Umeda, S. Yamamura and H.Uchimiya : Annals of M. Anai, T. Ogihara, M. Fujishiro, Y. Fukushima, M. Abe, N. Botany, 91, 599-603, 2003 Shojima, M. Kikuchi, Y. Oka, H. Hirai and T. Asano: J. Biol. Chem. 278, 25802-25807, 2003 Differential phosphorylation activities of CDK-activating kinases in Arabidopsis thaliana. Essential role of the transcription factor Ets-2 in Xenopus early devel- A. Shimotohno, S. Matsubayashi, M. Yamaguchi,H.Uchimiya and M. opment. Umeda : FEBS Letters, 534, 69-74, 2003 K. Kawachi, N. Masuyama and E. Nishida; J. Biol. Chem. 278, 54735477, 2003 Cell cycle function of a rice B2-type cyclin interacting with a B-type cyclin-dependent kinase. Cytokines suppress adipogenesis and PPAR-gamma function through J. k. Lee, A. Das, M. Yamaguchi, J. Hashimoto, N. Tsutsumi, H. the TAK1/TAB1/NIK cascade. Uchimiya and M. Umeda : The Plant Journal, 34, 417-425, 2003 M.Suzawa, I.Takada, J.Yanagisawa, F.Ohtake, S.Ogawa, T.Yamauchi, T.Kadowaki, Y.Takeuchi, H.Shibuya, Y.Gotoh, K.Matsumoto and Control of in vitro organogenesis by cyclin-dependent kinase activities S.Kato: Nat. Cell Biol. 5, 224-230, 2003 in plants. M. Yamaguchi, H.Kato, S.Yoshida, Saburo Yamamura, H.Uchimiya Three mitogen-activated protein kinases inhibit insulin signaling by and M. Umeda : Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 100, 8019-8023, 2003 different mechanisms in 3T3-L1 adipocytes. 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Morjani, Jean-Louis Mergny and Jean-François Riou : K. Goto, K. Mochida, M. Asahara, M. Suzuki, H. Kasai, and A. Journal of Biological Chemistry, 278, 50554-50562, 2003 Yokota: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 53, 1537-1544, 2003 Telomestatin-induced stabilization of the human telomeric DNA Identification of pathogenic and non-pathogenic Vibrio strains from quadruplex monitored by electrospray mass spectrometry. shrimp and shrimp farm in the Philippines. F. Rosu, V. Gabelica, K. Shin-ya and Edwin De Pauw : Chemical R.G. Monsalud, F.O. Magbanua, L.M. Tapay, C.T. Hedreyda, M.S.D. Communications, 21, 2702-2703, 2003 Olympia, V.P. Migo, M. Kusahashi and A. Yokota : J. Gen. Appl. Microbiol., 49, 309-314, 2003 日本農芸化学会奨励賞、新家一男「新たな分子標的機序を有す る特異的な生理活性物質による生命現象解明研究」 Phylogenetic analysis of the genus Lampropedia. C.-H. Xie and A. Yokota: J. Gen. Appl. Microbiol., 49, 345-349, 2003 創生研究分野(Laboratory of Molecular Design) 「原著論文」 Cloning and characterization of a jasmonic acid-responsive gene How can free energy component analysis explain the difference in pro- encoding 12-oxophytodienoic acid reductase in suspension-cultured tein stability caused by amino acid substatutions? Effect of three rice cells. hydrophobic mutations at the 56th residue on the stability of human H. Sobajima, M. Takeda, M. Sugimori, N. Kobashi, K. Kiribuchi, E.M. lysozyme. Cho, C. Akimoto, T. Yamaguchi, E. Minami, N. Shibuya, F. Schaller, Jun Funahashi, Yuji Sugita, Akio Kitao, Katsuhide Yutani: Protein W. Weiler, T. Yoshihara, H. Nishida, H. Nojiri, T. Omori, M. Engineering, 16, 665-671 (2003). Nishiyama, and H. Yamane: Planta. 216, 692-8, 2003 Molecular simulation study to examine the possibility of detecting col- 「出版本」 lective motion in protein by inelastic neutron scattering. 放線菌の系統分類. 横田 明.「農芸化学の事典」(鈴木昭憲、荒 Yasumasa Joti, Akio Kitao and Nobuhiro Go: Physica B, in press 井綜一編)、pp. 458-463、朝倉書店、2003 高次構造研究分野(Laboratory of Structural Information) 進化.西田洋巳.「農芸化学の事典」(鈴木昭憲、荒井綜一編)、 「原著論文」 Cautionary observations on preparing and interpreting brain images using molecular biology-based staining techniques. Ito, K., Okada, R., Tanaka, N. K., and Awasaki, T. : Microsc Res Tech 62, 170-186. (2003). Developmental origin of wiring specificity in the olfactory system of Drosophila. Jefferis, G. S., Vyas, R. M., Berdnik, D., Ramaekers, A., Stocker, R. F., Tanaka, N. K., Ito, K., and Luo, L. : Development 131,117-130. (2004). バイオリソーシス研究分野 「原著論文」 "Green-like" and "red-like" RubisCO cbbL genes in Rhodobacter azotoformans. Y. Uchino and A. Yokota: J. Mol. Evol., 20, 821-830, 2003 Molecular evolution of adenylating domain of aminoadipate reductase. K.D. An, H. Nishida, Y. Miura, and A. Yokota: BMC Evol. Biol., 3, 9, 2003 pp. 490-493、朝倉書店、2003 22 おめでとう!大学院博士・修士課程修了 平成 16 年 3 月をもって大学院博士課程および修士課程を修了さ れる方々と論文タイトルは、以下の通りです(かっこ内は所属 小川 文昭 (農学生命科学、分子情報) 「統合失調症候補遺伝子 DISC1 の機能解析」 大学院研究科、研究分野)。 長い間の研究活動の結実、おめでとうございます。分生研での 研究生活を糧として、さらに各界でご活躍されることを期待し 大石 康二 (工学系、情報伝達) 「発生における細胞生死制御機構の解析」 ています。 小川原 陽子 〈博士課程〉 古賀 恵子 (工学系、情報伝達) 「原癌遺伝子 Akt による DNA 損傷依存的アポトーシスの抑制機 (農学生命科学、分子遺伝) 構」 「大腸菌増殖定常期の開始機構に関する研究」 砂山 潤 簑田 歩 (農学生命科学、分子遺伝) 「単細胞紅藻シアニディオシゾンにおける光合成遺伝子群の転 (工学系、情報伝達) 「BH3-Only タンパク質とキナーゼによる細胞死誘導機構の解 析」 写制御系の解明」 下遠野 明恵 浦崎 明宏 (農学生命科学、染色体動態) (理学系、細胞機能) 「シロイヌナズナ CDK 活性化キナーゼの機能解析」 「シアノバクテリアの転移性遺伝因子 ISY100 の転移機構の解 析」 佐藤 沙織 (薬学系、細胞増殖) 「抗癌剤の分子標的としての PDK1-Akt 経路の解析」 崔 先柱 (農学生命科学、染色体動態) 「バクテリア染色体におけるゲノム再編成に関する研究」 張 華鳳 (薬学系、細胞増殖) 「Cullin 3 Promotes Proteasomal Degradation of Topoisomerase I 渡辺 資之 (農学生命科学、核内情報) 「前立腺における男性ホルモン受容体の高次機能の解析」 山本 陽子 (農学生命科学、核内情報) 「ビタミン D 受容体の骨組織における高次機能の解析」 (Cullin 3 によるプロテアソーム依存的なトポイソメラーゼ I 分 解の促進)」 武井 ゆき (理学系、形態形成) 「ショウジョウバエ EXT 遺伝子群によるモルフォゲン勾配制 御」 盛 真友 (農学生命科学、核内情報) 「Y 染色体性差関連遺伝子群の分子機能解析」 宮台英典 (農学生命科学、細胞形成) 「ペリプラズムプロテアーゼ DegP の発現を誘導する大腸菌リ 西田 歩 (理学系、分子情報) ポ蛋白質に関する研究」 「新規 Armadillo 結合蛋白質 Sunspot による細胞周期制御遺伝子 の転写の制御」 佐藤 直人 (理学系、生体超高分子) 「His-Asp リン酸基転移機系の新規な制御機構の同定と解析」 松浦 憲 (薬学系、分子情報) 「低分子量 G タンパク質 Rap 特異的 GTP アーゼ活性化タンパク 質 SPAL の高次脳機能における機能解析」 阿部 友照 (農学生命科学、生体超高分子) 「プロテインホスファターゼ PP2CβX と相互作用するアンキリ ンリピートタンパク質の機能解析」 関谷 高史 (農学生命科学、分子情報) 「大腸癌発症初期段階における Wnt シグナル伝達経路活性化の 意義」 西村 教子 田中 暢明 (新領域創成科学、高次構造) 「ショウジョウバエ嗅覚系神経回路の遺伝学的解析」 (農学生命科学、分子情報) 「新規 RhoGAP 蛋白質 RICS の脳神経系における機能解析」 丁 林賢 (農学生命科学、バイオリソーシス) 「難培養性細菌株の分離の試みおよび難培養性 Aquaspirillum 属 細菌の系統分類に関する研究」 井出 寛子 (農学生命科学、分子情報) 「TGF-β標的遺伝子 MAFbx の単離および機能解析」 安 光得 (農学生命科学、バイオリソーシス) 23 「アミノアジピン酸還元酵素に基づく菌類の系統進化に関する 研究」 川畑 篤史 (薬学系、細胞増殖) 「IAP ファミリータンパク質 Apollon による cyclin A の分解制 御」 〈修士課程〉 小山内 崇 (農学生命科学、分子遺伝) 「シアノバクテリアにおける新規 PII 結合膜蛋白質 PamA の発 渋谷 桂子 (薬学系、細胞増殖) 「アポトーシスを阻害する Apollon の結合蛋白質探索」 見と窒素ストレス下における炭素・窒素代謝の協調的制御」 村上 智史 小林 正典 (農学生命科学、分子遺伝) 「シロイヌナズナにおける葉緑体 RNA ポリメラーゼシグマ因 (理学系、形態形成) 「ショウジョウバエ視覚中枢形成における免疫グロブリン様ド メインをコードする新規遺伝子の機能解析」 子 SIG4 の機能解析」 溪口 直弘 薄井 俊樹 (農学生命科学、染色体動態) 「エピジェネテイックな発現制御を受けるイネ遺伝子の解析」 園田 陽 (農学生命科学、染色体動態) 「イネの DNA 型トランスポゾン Tnr1 の自律性因子の構造と機 (農学生命科学、細胞形成) 「大腸菌リポ蛋白質特異的キャリアー LolA のリポ蛋白質結合 機能の解析」 和田 理恵子 (農学生命科学、細胞形成) 「大腸菌リポ蛋白質の外膜局在化因子 LolB の機能解析」 能に関する研究」 渡辺 夏巳 清水 崇史 (農学生命科学、核内情報) 「グルココルチコイドによる抗炎症作用機序の解明」 田中 佐依子 (農学生命科学、核内情報) 「骨格パターニングにおける性差形成因子の同定」 (理学系、機能形成) 「マウス肝分化マーカーの探索と同定された Tim2 遺伝子の機 能解析」 福田 紘己 (薬学系、発生分化構造) 「出芽酵母接合型遺伝子座における染色体機能領域と境界領域 形成機構」 瀬戸川 健 (理学系、分子情報) 「Peutz-Jeghers 症候群の原因遺伝子 LKB1 の機能解析」 羽鳥 勇太 (理学系、生体超高分子) 「重金属ポンプ ZntA の精製」 新井田 厚司 (理学系、分子情報) 「新規β-catenin/TCF 標的遺伝子 DKK1 の解析」 神谷 昌男 (農学生命科学、生体超高分子) 「酵母 TOR 経路制御因子 Lst8p と協調的に機能する因子の同定 林 寛敦 (農学生命科学、分子情報) と解析」 「RhoGAP protein RICS の生理的機能の探索」 福澤 孝昭 笠井 真菜 (農学生命科学、分子情報) 「ICAT ノックアウトマウスの解析」 伊藤靖浩 「塩ストレスに応答する酵母 Cpl1p-Rim101p 経路の恒常的活性 化変異株の単離と解析」 (新領域創成科学、情報伝達) 「大脳皮質発生における分化と細胞移動の解析」 大西啓介 (農学生命科学、生体超高分子) (工学系、情報伝達) 「Akt の活性化及び細胞運動制御機構の解析」 加藤優子 (薬学系、生体有機) 「新規ビタミン D アンタゴニストの創製研究」 佐々木 佳穂里 (農学生命科学、活性分子創生) 「アデノウィルス癌遺伝子導入細胞に対して選択的細胞死を誘 導する抗腫瘍抗生物質 FL29 の研究」 堀田 雄司 (新領域創成科学、細胞機能) 「OsHCTR 高発現イネの機能解析」 三浦 真一 (農学生命科学、バイオリソーシス) 「地衣類共生シアノバクテリアの分離と同定に関する研究」 小川 太郎 (理学系、細胞機能) 「シロイヌナズナ AtEBP 遺伝子の機能解析」 和田 紀子 (農学生命科学、バイオリソーシス) 「糸状性シアノバクテリアの系統分類に関する研究」 齋藤 裕介 (理学系、細胞機能) 「酵母の細胞死を誘導するシロイヌナズナ遺伝子の機能解析」 24 次代のホープ達 −分生研卒業生進路紹介− 平成 16 年 3 月に博士・修士課程を修了された方々の進路を 紹介します。 (ただし、同一研究科進学者を除く) <分子遺伝研究分野> 博士卒 古賀恵子(農学生命科学研究科) :分生研博士研究員 修士卒 小林正典(農学生命科学研究科) :クミアイ化学株式会社 <染色体動態研究分野> 博士卒 浦崎明宏(農学生命科学研究科) :国立遺伝学研究所 崔 先柱(農学生命科学研究科) :イリノイ州立大学 修士卒 薄井俊樹(農学生命科学研究科) :興和株会社 園田 陽(農学生命科学研究科) :科研化学株式会社 <核内情報研究分野> 博士卒 渡辺資之(農学生命科学研究科) :中外製薬株式会社 山本陽子(農学生命科学研究科) :分 生 研 非 常 勤 職 員 ( リ サーチフェロー) 盛 真友(農学生命科学研究科) :分生研博士研究員 修士卒 清水崇史(農学生命科学研究科) :グ ラ ク ソ ・ ス ミ ス ク ラ イン株式会社 田中佐依子(農学生命科学研究科) :中外製薬株式会社 <分子情報研究分野> 博士卒 西田 歩(理学系研究科):分生研学術研究支援員 松浦 憲(薬学系研究科):分生研学術研究支援員 関谷高史(農学生命科学研究科) :日 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究員 西村教子(農学生命科学研究科) :分生研博士研究員 井出寛子(農学生命科学研究科) :藤沢薬品工業株式会社 小川文昭(農学生命科学研究科) :日 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究員 <情報伝達研究分野> 博士卒 大石康二(工学系研究科):日本学術振興会特別研究員 小川原陽子(工学系研究科):日本学術振興会特別研究員 砂山 潤(工学系研究科):分生研博士研究員 <細胞機能研究分野> 博士卒 下遠野明恵(理学系研究科):日本学術振興会未来開拓学 術研究推進事業日本学術振 興会研究員 修士卒 齋藤裕介(理学系研究科) :日本 IBM 株式会社 <細胞増殖研究分野> 博士卒 佐藤沙織(薬学系研究科):三共株式会社 張 華鳳(薬学系研究科): National Cancer Institute. 修士卒 川畑篤史(薬学系研究科):佐藤製薬株式会社 渋谷桂子(薬学系研究科):住友製薬株式会社 <形態形成研究分野> 博士卒 武井ゆき(理学系研究科) :分生研学術研究支援員 <細胞形成研究分野> 博士卒 宮台英典(農学生命科学研究科) :共立製薬株式会社 修士卒 和田理恵子(農学生命科学研究科) :株式会社なとり <生体超高分子研究分野> 博士卒 佐藤直人(理学系研究科) :東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科・科学技術振興特任研究員 阿部友照(農学生命科学研究科) :ソニー株式会社 修士卒 福澤孝昭(農学生命科学研究科) :興和株式会社 <生体有機化学研究分野> 修士卒 加藤優子(薬学系研究科) :帝人ファーマ <活性分子創生研究分野> 修士卒 佐々木佳穂里(農学生命科学研究科):東 京 大 学 医 科 学 研 究所・技術員 <高次構造研究分野> 博士卒 田中暢明(新領域創成研究科) :NIH ポスドク(アメリカ 合衆国) <バイオリソーシス研究分野> 博士卒 丁 林賢(農学生命科学研究科) :分生研博士研究員 安 光得(農学生命科学研究科) :株 式 会 社 エ ヌ ・ シ ー ・ アイ・エム・ビー ジ ャパン 修士卒 和田紀子(農学生命科学研究科) :株式会社日経BP社 25 2003 年分生研セミナー一覧 03.2.3 03.3.28 Dr.Tapas K.Kundu 上田 泰己 先生 (Jawaharlal Nehru 先端科学研究センター) 「Regulation of p53 function by nonhistone chromosomal (山之内製薬(株)創薬研究本部分子医学研究所) 「システムバイオロジーによる概日時計の分子機構の解明」 proteins」 03.3.31 03.2.19 Dr.David J.Mangelsdorf, Ph. D. (Department of Pharmacology, Howard Hughes Medical Institute, University of Texas, Southwestern Medical Center, USA) Avraham Raz 博士 (Director,Tumor Progression &Metastasis,Karmanos Cancer Institute) 「On the role of galectin-3, a 'SWEET' adhesion molecule in cancer metastasis: From angiogenesis to apoptosis」 「Nuclear Receptors as Lipid Sensors」 03.5.8 03.2.25 後藤 聡 博士(三菱化学生命科学研究所)、三浦 正幸 Kenneth S. Korach, Ph. D. 教授(東京大学大学院薬学系研究科) (Program Director, Environ Disease Med Program Chief, Lab Reprod Develop Tox NIEHS/NIH) 後藤博士「ゴルジ体の多様性による翻訳後修飾の制御」 三浦教授「神経細胞死のシグナル伝達機構」 「Phenotypes and Gene Expression Analyses in ERKO Mice」 03.5.28 03.3.5 吉田 章子 博士 (ヨーロッパ分子生物学研究所、発生生物学プログラム) 「ショウジョウバエ胚後部軸決定因子 oskar の活性を制御す Dr.John Allan Eisman,PhD. (Director Bone and Mineral Research Program Garvan Institute of Medical Research Professor of Medicine, University of NSW) 「Genetics and Animal Models of Bone Biology」 る新規突然変異体の単離と解析」 03.6.9 03.3.13 西田 栄介 教授 (京都大学大学院 生命科学研究科) 「MAP キナーゼ及び関連シグナル伝達経路の制御機構と機 中原 潔 先生 (東京大学医学系研究科統合生理学教室特任講師) 「霊長類を用いた脳高次機能研究の展開:シングルユニッ トレコーディングからファンクショナル MRI まで」 能」 03.6.27 03.3.14 津田 正明 教授 (富山医科薬科大学 薬学部) 「活動依存的なニューロトロフィン遺伝子発現調節と神経 広瀬 進 教授 (国立遺伝学研究所) 「サイレンシングに対する防波堤としてのクロマチンリモ デリング」 変性疾患」 03.6.30 03.3.20 奥田 晶彦 博士 (埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター) 「ES 細胞と神経幹細胞の両者で機能するエンハンサーの同 濡木 理 教授 (東京工業大学大学院生命理工学研究科生命情報専攻) 「基質・リガンドの認識に伴うタンパク質・核酸のダイナ ミックな構造変化とその生物学的意義」 定」 03.7.10 03.3.20 畠山 昌則 先生 (北海道大学遺伝子病制御研究所) 「ヘリコバクター・ピロリと胃発癌分子機構」 千田 俊哉 先生 (産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター) 「芳香族化合物分解に関与する蛋白質群の構造解析− extradiol 型 dioxygenase と LysR 型転写因子を中心に−」 26 03.7.10 Dr.Thomas Bureau (McGill University, Dept. of Biology Montreal, Canada) (Laboratory of Metabolism, Center for Cancer Research, National Cancer Institute) 「"Role of PPARbeta in chemical carcinogenesis"」 「The Intimate Association of Transposable Elements and Genes」 03.11.19 03.7.17 Tim Hunt 博士 (Cancer Research UK, Clare Hall Laboratories) 「Controlling the events of the cell cycle」 西田 栄介 教授 (京都大学大学院生命科学研究科 多細胞体構築学講座 シグナル伝達分野) 「MAP キナーゼおよび関連シグナル伝達の制御機構と機能」 03.7.18 03.11.19 紙谷 聡英 博士 門脇 孝 教授 (Laboratory of Metabolism National Cancer Institute, NIH, U.S.A) (東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科) 「脂肪細胞機能の転写調節と生活習慣病のメカニズム」 「Role of the hepatocyte nuclear factor 4 alpha in control of the Xenobiotic responses during fetal liver development」 03.11.20 村松 正實 教授 03.7.22 (埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター) Ronald McKay 博士 「ゲノム医学の現状と将来」 (National Institute of Neurological Disorders and Stroke, NIH) 「Generating specific neurons from embryonic stem cells」 03.12.4 山中 伸弥 教授 03.9.4 西村 善文 先生 (横浜市立大学大学院総合理学研究科) (奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター動 物分子工学部門) 「ES 細胞における分化全能性と類腫瘍性増殖の分子機構」 「基本転写因子、転写因子、テロメアの構造生物学」 03.12.15 03.9.24 久保 義弘 教授 (東京医科歯科大学大学院機能協関システム医学分野) 「自身の発現密度に依存する ATP 受容体チャネル P2X2 の性 Prof. H.Ronald Kaback (Howard Hughes Medical Institute,University of California, LosAngeles) 「X-ray structure and mechanism of lactose permease, a paradigm 質の変化」 for membrane transport proteins」 03.10.10 03.12.16 金出 武雄 先生 Prof. Robert Martienssen (カーネギーメロン大学ロボティクス研究所、産業技術総 合研究所デジタルヒューマン研究センター) 「おもしろい研究、大きな研究:ロボット技術と人の接点」 (Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y., U.S.A) 「Transposable elements,RNA interference and origin of heterochromatin」 03.10.22 高森 茂雄 博士 (マックスプラン生物物理化学研究所・神経生物部門 研 究員) 「"How do neurons release glutamate?"」 03.10.23 宮地 弘幸 博士 (杏林製薬株式会社 創薬研究所 合成三研究室室長) 「サブタイプ及び種選択的 PPARαアゴニストの創製」 03.11.6 Dr.Frank Gonzalez 27 研究室名物行事 高次構造研究分野 静かな秋の昼下がりのことです、セミナー中に 突然舞い込んだ「所内ソフトボール大会の締め切 りは今日まで」の告知に、「研究室で参加しよう」 という意見が知らず知らずの間に体制を占めてし まいました。今にして思えば、分生研の雰囲気に 馴染みきれないでいる各人の心のどこかで、「早 くこの研究所の一員として認めてもらいたい」と いう思いが働いたのではないでしょうか?しか し、これが足かけ2ヶ月にも及ぶ、研究室の歴史 的行事のはじまりであったとは、その時は誰も想 像だにしませんでした。 私たち高次構造研究部門は、4000 系統、約 60 万匹のショウジョウバエと一緒に昨年4月末に愛 知県岡崎市の基礎生物学研究所から引っ越してき た、新しい研究室です。岡崎ではソフトボール大会どころ か?などは本番までに克服しなければいけない我がチーム かゲートボール大会にさえ出場したことのない研究室でし の課題でした。しかし、無理は禁物です、この時点でわれ た。研究室の構成員は、男性6名と女性6名であり、強者 われの疲労もピークに達していたため、無理に練習をする が出場するという噂の分生研ソフトボール大会に出場する よりは、イメージトレーニングにより試合に勝った後の打 には、多少の不安もありました。しかし、女性陣をみわた ち上げを想像するという戦略をとりました。 してみると、過去にソフトボール大会でエースとしてマウ いよいよ本番です、言うまでもなく、われわれの戦略は ンドを踏んだことがある K さん、元・大学のゴルフ同好会 的中しました。ただし誤算もありました、相手であった細 所属でひょっとしたらバッティングが得意かもしれないS 胞増殖チームは本年度の大会で決勝まで進んだ強豪だった さん、実はマイグローブ(しかもソフトボール専用)を持 のです。この誤算は過酷なトレーニングにより「勝利する」 っていて高浜の実家から取り寄せたKさん、熱狂的な阪神 ことだけをイメージしてきた私たちに大きくのしかかりま ファンで監督次第では強くなれると信じ込んでいる関西出 した、そうです、よもやの敗北を喫したのです。スコアー 身の S さんとYさんと、戦力としては申し分ないものでし 的には、オーバーシンプリファイすると、我々の得点を1 た。 とすれば敵の得点は 2.57、我々の失点を1とすれば彼らの 石の橋でさえ渡らない慎重な我々です、本番前の条件検 失点は 0.39 という、まさに接戦でした。あえてこの試合を 討とパイロットテストは怠りません。練習を重ねて各人に 言葉で表すならば、「内容で勝って勝負に負けた」という あったポジションと打順を決めた後、優勝を目指している ことでしょうか。 と公言する形態形成チームと練習試合を行ったのです。実 さて、来年もこの大会に出場するかはその時の戦力次第 はその前に合同練習を申し込んだのですが、キャプテンと なので明言は避けますが、この大会への参加が私たちの研 名乗る大学院生から「日本シリーズの直前にタイガースと 究室にとって歴史的な行事であったことは間違いありませ ホークスは一緒に練習すると思いますか?」とつれなく断 ん。最後に言い訳するわけでありませんが、最も戦力とし られてしまいました。私たちをどこぞのリーグの覇者に例 て期待していた、元高校球児(しかもキャプテン)で、大 えてくれたことはうれしく思いましたが、分生研ソフトボ 学時代には体育会の硬式野球部に所属し(一年で退部)一 ール大会とはそれほどまで勝負に徹したものなのかと、彼 度はプロ野球選手も志したという研究員の O 君が、大会直 の一言から悟りました。で、実際に練習試合を行った訳で 前にドイツに留学したのは痛い限りでした。彼は、近い将 すが、結果はともかく、「我々は優勝を目指すチームとで 来、ドイツ野球の神髄を学んで日本の地に戻って来ること さえ互角に試合ができる」という確かな手応えを得ました。 でしょう。 ただし、練習から学ぶべきことも多かったです、例えば、 練習で一点もとれないチームがいかにして本番で得点する 文責・粟崎 28 所内レクレーション報告 バ ド ミ ン ト ン 平成 16 年3月5日(金)御殿下ジムナジウムにて分生研バドミントン大会が開催されました。総勢 22 名の方が参 加され、とてもレベルの高い大会となりましたが、1回戦の負けチームを集めて行われる裏トーナメントもあり、 参加者はいい汗を流していました。結果は以下のとおり。 優勝:芳賀・片山ペア(細胞増殖) 準優勝:笠井・安井ペア(分子情報) 第 3 位:津田・小原ペア(生体超高分子) 裏トーナメント優勝:陳・鬼塚ペア(機能形成) ソ フ ト ボ ー ル 農学部グランドにおいて分生研ソフトボール大会が 11 月から 5 ヶ月間もの長期に渡り、参 加 15 チームによる熱戦が繰り広げられました。上位入賞チームには所長よりトロフィ ー・賞品が贈られました。結果は以下のとおり。 優勝:核内情報 A 準優勝:細胞増殖 第 3 位:分子情報 第 3 位:形態形成 3 月 16 日(火)後楽園ボーリング場にてボーリン ボ ー リ ン グ グ大会が開催されました。 6回連続でストライクを出す方もおり、多数の参 加者で大いに盛り上がりました。 お店探訪 みどりや 竹工芸「翠屋」 ある日の電車内で バイオリソーシス研究分野 秋本由香 ぬくもりが感じられる店を構えているのが、竹工芸「翠屋」 の事だが、若い女の だ。 子達が数人乗ってき 現在は3代目が活躍され、代々の作風を守っている。 た。揃いも揃って、 落ち着ける店内には、品のよいデザインの花器やバッグ、 皆ブランドバッグを かわいい小物類が所狭しと並べられていて見ていてあきない。 持っている。グッチ、 洒落た竹細工の花器にちょっと花をいけて飾るもよし、海 ヴィトン、シャネル 外からのお客様にプレゼントしてもよし、どれも味わいが etc …。 ありお薦め品ばかりである。 ついでに皆茶髪で、俗にいうギャル言葉を話している。維 なんとここ翠屋はルクセンブルク皇太子や米国モンデー 新の欧化主義者や舶来品崇拝主義者ではあるまいし、日本 ル大使がお忍びで買い物されたお店でもあるのだ。 人の黒髪、正しい日本語はいずこへ、それにそんなブラン 電車内の若い女の子達を連れてきて「こういう物だって、 ドを持つには 10 年早い!と思うのは、私がおばさんになっ れっきとしたブランド品ぞよ」と教えたい。 てきている証拠だろう。 初夏の風に誘われながらふらっとのぞいて頂きたいお店であ 日本が海外に誇れるものは「自動車」「アニメ」「電化機 器」「分生研の先生方の研究」等々、数多くあるが、忘れ てはならないものの一つに日本の「美術、工芸品」がある と思う。 前置きが長くなってしまったが、今回は正に世界に誇れ る竹細工のお店をご紹介したい。 「千駄木」の駅から「だんだん坂」への途中に気取らずに、 る。 ここで一句 「幾とせも 月日を重ね 翠屋の 技ぞ誇れし 和芸の美」 ……おそまつ。 翠屋・東京都荒川区西日暮里 3-13-5 29 受賞者紹介 平成 16 年1月以降で、新たに下記の先生が賞を受賞されま したので、ご紹介致します。(①受賞された賞名、②受賞 年月日、③受賞題目) ☆川崎善博 助手(分子情報研究分野) ①井上科学振興財団:第 20 回井上研究奨励賞 ②平成 16 年2月4日 ③癌抑制遺伝子産物 APC による G 蛋白質の制御 平成 15 年度科学研究費補助金等採択一覧 以下は平成 15 年度科学研究費補助金の分生研における採択 者(代表者氏名と研究題目、本年度配分額)です。 内藤幹彦助教授 高次機能研究分野 Caspase 非依存性細胞死の誘導剤探索とその分子機構 10,100 千円 ●学術創成研究費(2) 冨田章弘助手 細胞増殖研究分野 豊島 近教授 生体超高分子研究分野 P型イオンポンプによる能動輸送機構の構造的解明 71,000 千円 ●特定領域研究(1) 9,100 千円 橋本祐一教授 生体有機化学研究分野 がん増悪因子を阻害する医薬リードの創製 鶴尾 隆教授 細胞増殖研究分野 がん研究の総合的推進に関する研究 プロテアソーム蛋白分解系を標的としたストレス誘導性 薬剤耐性の克服 8,100 千円 756,300 千円 増山典久助手 情報伝達研究分野 PI3 キナーゼ− Akt 経路による p53 調節機構の解析 大坪榮一教授 染色体動態研究分野 2,400 千円 遺伝的組換えの新展開: DNA の切断と再結合 1,500 千円 ●特定領域研究(2) 松山伸一助教授 細胞形成研究分野 (代表者交替 徳田 元) 秋山 徹教授 分子情報研究分野 細胞周期の制御異常 63,000 千円 大腸菌細胞表層におけるリポタンパク質の選択的膜局在 化と品質管理の分子機構 30,000 千円 後藤由季子助教授 情報伝達研究分野 PI3K-Akt 経路による癌化メカニズムの解析 13,600 千円 武山健一助手 核内情報研究分野 内分泌撹乱物質による性ステロイドホルモン撹乱作用メ カニズムの解明 早川洋一助教授 活性分子創生研究分野 2,000 千円 がん細胞のアポトーシス抵抗性を標的とする抗がん物質 の探索 7,300 千円 前田達哉助教授 生体超高分子研究分野 浸透圧ストレス情報伝達経路の解析 16,000 千円 加藤茂明教授 核内情報研究分野 核内レセプター転写制御の分子メカニズムの解明 27,600 千円 多羽田哲也教授 形態形成研究分野 ショウジョウバエのパターン形成遺伝子の網羅的探索 4,800 千円 30 秋山 徹教授 分子情報研究分野 大坪榮一教授 染色体動態研究分野 新規 RNA 結合タンパク質によるアポトーシス誘導の分子 バクテリアの挿入因子によるゲノム再編の解析 5,400 千円 機構 11,200 千円 北尾彰朗助教授 創生研究分野 中村 勉助手 分子情報研究分野 β-カテニンとそのパートナー分子 ICAT および RICS によ る神経発生の制御機構 大規模分子動力学法で探るバイオナノマシンの作動原理 5,300 千円 6,300 千円 ●基盤研究(C)(2) 葛山智久助手 活性分子創生研究分野 新規一次代謝経路、非メバロン酸経路を標的とした抗菌 剤開発のための探索研究 3,300 千円 梅田正明助教授 細胞機能研究分野 植物のメリステム構築とサイクリン依存性キナーゼの活 性制御機構 1,000 千円 藤田直也助手 細胞増殖研究分野 生存シグナル伝達を阻害する新規物質の探索 8,100 千円 土本 卓助手 染色体動態研究分野 花のホメオティック遺伝子の重複による機能の多様性の 獲得 宮島 篤教授 機能形成研究分野 肝細胞の発生・増殖・分化の分子機構 29,500 千円 1,600 千円 大坪久子講師 染色体動態研究分野 シロイヌナズナの LINE、ATLN の発現制御とコードされ る機能に関する研究 粟崎 健助手 高次構造研究分野 2,100 千円 変態期のショウジョウバエにおける神経回路崩壊を制御 する遺伝的プログラム 3,300 千円 ●萌芽研究 前田達哉助教授 生体超高分子研究分野 真核生物型低温ストレス検知機構の解析 梅田正明助教授 細胞機能研究分野 3,400 千円 植物発生の基盤となる細胞増殖を制御するシグナル伝達 機構 2,800 千円 橋本祐一教授 生体有機化学研究分野 サリドマイドの抗糖尿病薬への展開 1,000 千円 ●基盤研究(S) ●若手研究(A) 橋本祐一教授 生体有機化学研究分野 後藤由季子助教授 情報伝達研究分野 再生医療を支援する生物応答調節剤の創製研究 28,100 千円 JNK 経路による細胞死誘導メカニズムの解析 ●基盤研究(A) (2) ●若手研究(B) 徳田 元教授 細胞形成研究分野 中村 勉助手 分子情報研究分野 大腸菌におけるリポ蛋白質の選別輸送と膜局在化の分子 機構 12,500 千円 ●基盤研究(B)(2) Wnt シグナルの抑制因子 ICAT を利用した新規 Wnt 標的 遺伝子の同定 1,300 千円 増山典久助手 情報伝達研究分野 ミトコンドリアを介したアポトーシス制御機構の解析 田中 寛助教授 分子遺伝研究分野 1,300 千円 核コードシグマ因子群によるシロイヌナズナ色素体 DNA 転写制御 8,400 千円 7,100 千円 山田真紀助手 細胞機能研究分野 植物における細胞死制御機構の解明 加藤茂明教授 核内情報研究分野 染色体構造調節因子複合体の機能解析 1,300 千円 6,800 千円 西田洋巳助手 バイオリソーシス研究分野 菌類特異的遺伝子を指標にした菌類多様性に関する研究 宮島 篤教授 機能形成研究分野 胸腺上皮細胞の機能と遺伝子発現の解析 2,400 千円 6,700 千円 津田岳夫助手 生体超高分子研究分野 多羽田哲也教授 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視覚中枢形成メカニズムの解明 重金属イオンポンプの結晶化 2,600 千円 9,500 千円 杉田有治講師 生体超高分子研究分野 巨大膜蛋白質・脂質二重複合体の高精度分子動力学計算 31 システムの開発 2,300 千円 西田 歩 特別研究員(DC2) 分子情報研究分野 Armadillo と直接相互作用する新規癌抑制遺伝子産物 D6 の解析 佐藤 純助手 形態形成研究分野 1,000 千円 ショウジョウバエ気管形成における細胞仮足の機能およ び脱分化の分子機構の解析 3,000 千円 西村(那須)教子 特別研究員(DC2) 分子情報研究分 野 カドヘリン−β-カテニン複合体に結合する新規蛋白質 粟崎 健助手 高次構造研究分野 ショウジョウバエにおける細胞系譜依存的な脳神経回路 の発生機構の解明 IRAC の機能解析 1,000 千円 1,700 千円 平林祐介 特別研究員(DC1)情報伝達研究分野 神経系前駆細胞における Wnt シグナルの機能の解析 葛山智久助手 活性分子創生研究分野 900 千円 未解明一次代謝経路、非メバロン酸経路に関与する遺伝 子の機能解析 1,500 千円 石岡 利康 特別研究員(DC2)細胞増殖研究分野 新規ヒト IAP ファミリータンパク Apollon の機能解析 森口徹生助手 分子情報研究分野 900 千円 長鎖細胞外領域を有する新規 Secretin 様受容体の機能解 析 2,200 千円 大石康二 特別研究員(DC2)情報伝達研究分野 ●特別研究員奨励費 川崎善博 特別研究員(PD) 神経幹細胞における生存維持機構の解析 900 千円 分子情報研究分野 癌抑制遺伝子 APC の機能解析 1,200 千円 小川文昭 特別研究員(DC2)分子情報研究分野 形態形成および癌化における DLG 蛋白質の機能的役割に 加藤健太郎 特別研究員(PD) 高次構造研究分野 関する研究 900 千円 ショウジョウバエ成熟神経系幹細胞の増殖・増殖停止・ 分化を制御する微小環境の解析 1,200 千円 小川原陽子 特別研究員(DC2)情報伝達研究分野 Akt による Mdm2 機能制御メカニズムの解析 松井 等 特別研究員(PD) 機能形成研究分野 肝芽細胞の増殖・分化を制御する分子機構の解析 1,200 千円 松本高広 特別研究員(PD) 900 千円 核内情報研究分野 脳の性分化を規定する分子機構の解析 1,200 千円 佐藤沙織 特別研究員(DC2) 細胞増殖研究分野 生存シグナル伝達分子 Akt 並びに PDK1 の活性制御機構 の解析と治療への応用 1,000 千円 片山和浩 特別研究員(DC2)細胞増殖研究分野 Akt 経路を介した細胞周期制御機構の解明 関谷高史 特別研究員(DC2)分子情報研究分野 大腸癌発症機構の解明 BISOVA Katerina 内宮博文教授 細胞機能研究分野 植物細胞死および増殖制御因子の高次発現機構の解明 75,000 千円 900 千円 外国人特別研究員 (受入教官:梅田正明助教授)細胞機能研究分野 植物の細胞周期の制御機構に関する研究 平成 15 年度未来開拓学術研究推進事業補助金採択者 (代表者氏名と研究題目、本年度配分予算額) 900 千円 400 千円 32 平成 15 年度受託研究・共同研究一覧(平成 15 年 6 月 4 日現在) 〈受託研究〉 ◆分子情報・秋山 徹・教授 株式会社サイメディア モノクローナル抗体による癌の診 断と治療の研究 1,000 千円 〈民間等との共同研究〉 ◆機能形成・宮島 篤・教授 財団法人 千葉県産業振興センター 細胞の増殖分化に係 る遺伝子並びに遺伝子産物の解析 ◆分子情報・秋山 徹・教授 独立行政法人産業技術総合研究所 環境ホルモン評価のた めのデータベース作成に利用する癌細胞株のプレスクリー ニング 1,000 千円 ◆核内情報・加藤茂明・教授 帝人株式会社 創薬研究所 核内レセプターに関する研究 2,420 千円 ◆機能形成・宮島 篤・教授 科学技術振興事業団(戦略的創造研究推進事業) 肝臓における造血・免疫機構の解明と肝疾患治療への応用 に関する研究 7,150 千円 ◆核内情報・加藤茂明・教授 科学技術振興事業団(戦略的創造研究推進事業) 遺伝情報制御分子としてのステロイドレセプター 9,010 千円 ◆生体超高分子・前田達哉・助教授 科学技術振興事業団(戦略的創造研究推進事業) 酵母の塩・アルカリ応答系におけるカルパイン生理機能の 解析 910 千円 ◆情報伝達・後藤由季子・助教授 科学技術振興事業団(戦略的創造研究推進事業) 大脳神経系前駆細胞の生死の制御とその生理的意義 1,300 千円 ◆高次構造・粟崎 健・助手 科学技術振興事業団(戦略的創造研究推進事業) 昆虫の変態時に見られる神経回路網の再編成機構 650 千円 ◆機能形成・宮島 篤・教授 株式会社医学生物学研究所(経済産業省再委託) ヘマンジオブラストの分離に関する技術指導 3,150 千円 ◆情報伝達・後藤由季子・助教授 科学技術振興事業団(戦略的創造研究推進事業) 生のシグナル伝達機構の解析 780 千円 ◆バイオリソーシス・横田 明・助教授 独立行政法人国立環境研究所(文部科学省再委託) 微細藻類の標準化と情報整備 800 千円 ◆情報伝達・後藤由季子・助教授 国立精神・神経センター(精神・神経疾患研究委託事業) 神経疾患の分子機構の解明と治療法開発に関する研究−シ グナル伝達と神経細胞死 1,200 千円 ◆核内情報・加藤茂明・教授 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構生物系特 定産業技術研究支援センター 核内受容体を利用した骨増強食品素材評価系の構築に関す る研究 13,500 千円 ◆核内情報・加藤茂明・教授 中外製薬株式会社 活性型ビタミン D 誘導体の骨形成作用メカニズムの解明 4,000 千円 ◆機能形成・宮島 篤・教授 株式会社医学生物学研究所 ヘマンジオブラスト分離培養 法の確立 840 千円 ◆高次構造・伊藤 啓・助教授 科学技術振興事業団(バイオインフォマティクス推進事業) ショウジョウバエ脳神経回路の徹底解析にもとづく感覚情 報処理モデル構築 8,700 千円 ◆機能形成・宮島 篤・教授 株式会社医学生物学研究所 マウス樹状細胞の cDNA ライ ブラリー作製 420 千円 ◆発生分化構造・堀越正美・助教授 理化学研究所 CCGI および CIA の相互作用因子と Yeast histone-like TAF のタンパク質高次構造の解析 6.3 千円 ◆活性分子創生・早川洋一・助教授 山之内製薬株式会社 新規生理活性物質の探索 2,000 千円 ◆生体超高分子・前田達哉・助教授 味の素株式会社医薬カンパニー医薬研究所 アミノ酸セン シングメカニズムに関する共同研究 1,000 千円 ◆活性分子創生・新家一男・助手 第一製薬株式会社 創薬第三研究所 微生物抽出液からの テロメレース阻害物質の獲得 1,000 千円 ◆生体超高分子・豊島 近・教授 社団法人バイオ産業情報化コンソーシアム 会長 平田 正 電子線及びX線による蛋白質の構造と分子 機構解析技術の開発 9,240 千円 ◆活性分子創生・早川洋一・助教授 株式会社海洋バイオテクノロジー研究所 新規触媒機能の効率的抽出系の構築と有用機能解析 1,365 千円 ◆分子情報・秋山 徹・教授 第一製薬株式会社 創薬第三研究所長 Asef を中心とした癌細胞における APC シグナル系の役割 2,100 千円 ◆分子情報・秋山 徹・教授 株式会社カン研究所 癌抑制遺伝子 APC と APC 結合タンパク質の機能解析 ◆分子情報・秋山 徹・教授 理化学研究所 LDOC1、p53、および MDM2 によって形成される複合体の 機能及び立体構造解析 63 千円 ◆細胞増殖・鶴尾 隆・教授 第一製薬株式会社 PDK1 蛋白質阻害剤に関する研究 1,300 千円 33 〈転入〉關本 美代子 庶務係長(事務部) 掲示板 〈知ってネット〉 土田 淳美 会計係主任(事務部) 白石 慈 研究助成係員(図書室) (事務部) 久保田 幸子 研究助成係員(事務部) 〈新規採用〉宮地 弘幸 助教授(生体有機化学研究分野) 職員の異動について 以下のとおり異動がありましたのでお知らせします。 城地 保昌 助手 (創生研究分野) ○平成 16 年2月1日 佐藤 裕子 技術職員(核内情報研究分野) 〈昇任〉葛山 智久 助手(活性分子創生研究分野) :東京大学農学部 助教授 西條 栄子 技術職員(機能形成研究分野) 杖田 淳子 技術職員(生体超高分子研究分野) ○平成 16 年2月4日 〈昇任〉西山 賢一 助手(細胞形成研究分野) 研究助成等公募(2004.4.1 現在) 詳細は分生研研究助成係へお問い合わせ下さい。 :同研究分野 助教授 TEL:03-5841-7803 / E-mail:[email protected] ○平成 16 年3月 31 日 〈定年退官〉大坪 榮一 教授(染色体動態研究分野) 最新の情報は、ホームページで公開しております。 〈辞職〉早川 洋一 助教授(活性分子創生研究分野) http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/office/keijiban.html :東京理科大学薬学部 教授 〈転出〉長澤 和夫 助教授(生体有機化学研究分野) :東京農工大学工学部 助教授 教官公募(2004.4.1 現在) 詳細は分生研研究助成係へお問い合わせ下さい。 野村 博美 技官(生体超高分子研究分野) TEL:03-5841-7803 / E-mail:[email protected] :岡崎国立共同研究機構 生理学研究所 最新の情報は、ホームページで公開しております。 http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/office/keijiban.html ○平成 16 年4月1日 〈転出〉小俣 圭助 庶務掛長(事務部):附属病院医事課 松尾 美鶴 研究助成掛主任(事務部) :工学部学術協力課 姫野 深雪 会計掛主任(事務部) :人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 坂牧 一博 研究助成掛員(図書室)(事務部) :東京外国語大学 Tea Time−編集後記 以前、ケルンのマックス・プランク研究所にいた時に、食堂 今年2月に研究室が本館から生命科学総合研究棟へ引越しし、 でワインの試飲会が開かれました。ポスドクの一人がライン川 ようやく新しい部屋での生活にも慣れて参りました。以前の実 沿いのワイナリーの息子だったので、彼の家のワインがたくさ 験室は1階で現在は4階ですが、実験室への行き来は毎回エレ ん運ばれてきて、フランスパンとハムとパプリカをおつまみに ベーターではなく階段を使うように心がけています。1日に本 して延々と夜中まで続きました。また、若手のプロの音楽家が 館と生命科学総合研究棟を何度も往復することがあり、比較的 研究所に招かれて小コンサートが開かれたこともありました。 良い運動になっているのではないかと思っています。 驚いたことに、前座としてチームディレクターによる弦楽四重 奏もプログラムに組まれていました。ヨーロッパならでは、と 言ったらそれまでですが、日本の研究現場でもこういった文化 的な催しが少しはあっても良いのでは? (細胞機能研究分野 梅田正明) (分子情報研究分野 川崎善博) 34 研究紹介 Wnt シグナルの阻害因子 ICAT の機能解析 生直後に腸の膨張と破裂などにより死亡した。一方、Wnt シグ ナルの負の制御因子 Dkk-1、Six3 のノックアウトマウスにおい 分子情報研究分野 佐藤 清敏(PD) ても ICAT ノックアウトマウスと同様に大脳の形成不全が起こる ことが報告されている。ICAT ノックアウトマウスにおいて in Wnt シグナルは線虫からヒトに至るまで situ ハイブリダイゼーションを行った結果、神経系全般の誘導 広く保存され、発生過程で重要な役割を担 は正常であるが、将来大脳になる神経板の前方の領域が後方の っている。また、このシグナルの異常な活 特性を獲得していることが明らかとなった。つまり ICAT ノック 性化は癌の発症の原因となる。分泌性タン アウトマウスにおいて Wnt シグナルの活性化により大脳になる パクの Wnt が7回膜貫通型受容体 Frizzled べき細胞が後方の領域の特性をもった細胞に運命転換したこと に結合すると細胞内タンパクβ-catenin の で大脳の形成不全がおこることが明らかとなった。 安定化が誘導される。蓄積したβ-catenin は転写因子 TCF/LEF と結合することにより、CyclinD1 などのターゲット遺伝子の転 現在、神経系の後方化を担う Wnt シグナルのターゲット遺伝 子の解析を行っている。 写を活性化する。 我々は Wnt シグナルを負に制御する新規分子 ICAT を見出し、 その機能を解析している。ICAT は発生過程で ubiquitous に発現 しており、β-catenin に結合し TCF とβ-catenin の結合を阻害する ことでターゲット遺伝子の転写を抑制する。 ICAT ノックアウトマウスは発生過程でさまざまな異常を示し た。神経管に由来する大脳と目の形成不全、neural crest に由来 する頭蓋骨と上顎骨の形成不全、腎臓の欠失を引き起こし、出 骨髄由来間葉系細胞における核内受容体と他 シグナルのクロストーク DNA 結合能を阻害する事等を見出した。更に新たなシグナルと して細胞内カルシウム濃度の上昇が脂肪細胞分化抑制に作用す る事も見出した。興味深い事にこの場合は MAP キナーゼファミ 核内情報研究分野 高田 伊知郎(助手) リーである NLK の活性化が PPARγ活性の抑制に作用する事を 見出した。またこの分子機構は DNA 結合阻害よりもむしろ、 骨髄由来の間葉系細胞は骨芽細胞や軟骨 細胞、脂肪細胞等への多分化能を持つため、 PPARγ結合配列周辺にあるヒストン修飾の変化によって抑制さ れる事を発見した。 ES 細胞と同様、再生治療への応用が期待 このように間葉系細胞において PPARγが種々の機構によって される幹細胞である。しかしながら特定へ 制御される事を見出した。今後、これらシグナル依存的な PPAR の細胞に分化させる技術はまだ確立されて γ標的遺伝子の同定や関連する転写共役因子群の同定等を行い、 ない部分が多い。また生体内においてこれ 間葉系細胞における細胞運命の更なる調節機構の解明を目指し ら幹細胞は種々のシグナルを受け脂肪や骨量の増加・減少を引 き起こす訳だが、これらシグナルのバランスがどの様な分子機 構で分化・未分化の維持に関わるかについても不明な点が多い。 そこで脂肪細胞分化促進の鍵因子の一つで核内受容体型転写因 子である PPARγに着目し、この転写活性化能を制御するシグナ ル因子とその分子機構の解明を目的として研究を行っている。 PPARγはプロスタグランジン派生物と直接結合する事で標的遺 伝子の発現を制御するが、骨髄由来間葉系細胞においてこの活 性を抑制し、PPARγ依存的な脂肪細胞分化を阻害する因子とし てサイトカインシグナル IL1、TNFαを見出した。更にこれらサ イトカインシグナルで活性化される下流シグナルの中でも NFκ B の活性化が重要である事、サイトカインシグナル依存的に NFκ B が PPARγやその転写共役因子である PGC2 と複合体形成し ている。 35 研究 究最 最前 前線 線 研 始原真核細胞の解析から真核細胞の構築原理 を探る の解析により解明したものであるが [1]、オルガネラの統合原理の解明の目 的には、一般的に原始紅藻の利用が有効であると考えている。最近、立教大 学黒岩研究室など、幾つかの研究室との協力により C. merolae の核ゲノムの (分子遺伝研究分野) 全構造を決定した [2]。このような基盤情報を基に、バクテリアのコンソー シアムとして真核細胞が形成された原理を解明していきたいと考えている。 真核細胞とは、核の起源となった原真核細胞に、ミトコンドリアの起源と なったαプロテオバクテリア、植物では更にシアノバクテリアが内部共生し て生じた複合システムである。そしてミトコンドリアや葉緑体は現在でも固 有のゲノム系を維持しており、祖先バクテリアの性質を引き継いでいる。し かし、共生後の長い進化により、多くの真核細胞では成立当初の姿を想像す ることは難しい。生命の起源やその後の初期の細胞進化は、高温や強酸など の極限環境で起こったと考えられている。そして温泉のような極限環境は、 地球史的にも永続的に一定の環境が保たれ、共生初期の姿を保つ原始紅藻類 が生息している。本研究で用いている Cyanidioshyzon merolae の細胞は、核、 ミトコンドリア、葉緑体を各一個ずつ含み、これらオルガネラは完全に細胞 周期と同調的に増殖・分裂する。また、特に葉緑体は自立的な環境応答系を 維持しており、共生以前のバクテリアの性質を多く残している。葉緑体ゲノ ムの転写は、共生バクテリア由来のバクテリア型 RNA ポリメラーゼによりな 原始紅藻 Cyanidioshyzon merolae において3種ゲノム(核、ミトコンドリア、葉緑体) の全構造が解明された(図中、遺伝子数は蛋白質遺伝子の概数)。これら、もともと 別個の細胞であったオルガネラは、いかにして一個の細胞として統合されていったの であろうか。その謎を解くには原始的な姿をとどめる真核細胞の研究が重要である。 される。この転写開始に関わるシグマ因子は核ゲノムにコードされており、 [1] Tanaka, K. et al. Science, 272, 1932-1935 (1996) 核による葉緑体転写の支配構造を形成している。このような構造は原始紅藻 [2] Matsuzaki, M. et al. Nature, 428, 653-657 (2004) JNK による細胞死誘導機構の解析 鶴田文憲、砂山潤、後藤由季子(情報伝達研究分野) Tsuruta, F. et al. EMBO J. (2004) in press 神経系前駆細胞における Wnt シグナルの役割 平林 祐介、伊藤 靖浩、増山 典久、後藤 由季子 (情報伝達研究分野) Hirabayashi, Y. et al. Development (2004) in press 広範なストレス刺激で活性化する JNK は、ミトコンドリア上流において細 胞死制御に重要な役割を果たすことが示されてきた。しかし、JNK による細 大脳において、神経系前駆細胞はまず胎生早期にある程度自己複製(未分 胞死誘導の機構は未だその大部分が不明であった。一方、ミトコンドリアを 化なまま増殖)し、その後一部が胎生後期にニューロンへと分化する。この 介した細胞死に重要な役割を担う Bax は、通常 14-3-3 などの細胞質アンカー 自己複製から分化へと運命変換するタイミングの調節は、適正な数のニュー と結合し細胞質に局在しているが、ストレス刺激により、細胞質アンカーか ロンを産み出すのに非常に重要であるが、その制御メカニズムは殆ど明らか ら解離し、ミトコンドリアへと移行して細胞死を誘導する。本研究により になっていない。今回我々はマウス胎児終脳由来神経系前駆細胞を用いた in 我々は、JNK が 14-3-3 を直接リン酸化することで Bax と 14-3-3 の解離、並びに vitro の実験、及びマウス胎児脳に遺伝子を導入する in vivo の実験により、 Bax のミトコンドリア移行を引き起こすことを見いだした。また、細胞に 14- Wnt シグナルが神経系前駆細胞の運命決定に及ぼす効果を検討した。その結 3-3 のリン酸化部位変異体を発現しておくと、JNK による Bax のミトコンドリ 果、Wnt シグナルが神経系前駆細胞の自己複製を阻害し、また bHLH 型転写 ア移行や細胞死が抑制されることがわかった。以上の結果から、14-3-3 が細 因子 neurogenin-1 の発現を介してニューロン分化を促進することを見いだした。 胞死誘導時における JNK の主要なターゲットであることが示唆された。 本研究は、発生早期においては神経系前駆細胞の自己複製を促進すること が知られる Wnt シグナルが、発生後期においてはむしろ自己複製を阻害し、 ニューロンへの分化を促進することを明らかにしたものである。このことは、 神経系前駆細胞が時期依 存的に同じシグナルに対 して全く異なった応答を 示し、その応答性のスイ ッチがニューロン分化の タイミングの決定に貢献 していることを示唆して いる。 36 研究 究最 最前 前線 線 研 DLK/Pref-1 の発現による肝芽細胞の単離 胞には Notch2 が発現することから、Jagged1 発現細胞に接する肝芽細胞が胆 管に分化する可能性が示唆された。そこで、DLK 陽性の肝芽細胞を分離し 谷水直樹、西川光郎、斎藤弘樹、辻村亨、宮島篤 (機能形成研究分野) Tanimizu, N. et al. J. Cell Sci. 116, 1775-86 (2003) Notch の恒常的活性型分子(NICD)を発現したところ、HNF4 など肝細胞分 化に必要な転写因子の発現が抑制され、逆に HNF1b のような胆管上皮細胞 への分化に重要な転写因子の発現が誘導されたことから、肝芽細胞の胆管上 皮細胞への運命決定には Notch シグナルが重要であることが示された。 Notch シグナルは肝芽細胞分化を制御する 谷水直樹、宮島篤(機能形成研究分野) Tanimizu, N. and Miyajima, A. J. Cell Sci. (2004) in press 胎児期の肝臓における肝芽細胞や障害を与えた成体肝臓に現れるオーバル 細胞は、肝細胞と胆管上皮細胞の二方向に分化できることから肝臓の幹細胞 (Hepatic Stem Cell)と考えられている。しかしながら、それらの性状につい てはよく分かっていなかった。マウス胎仔肝臓細胞からシグナル配列を有す るタンパク質を網羅的に探索した結果、I 型膜タンパク質である Delta like protein (DLK)が胎仔肝臓に高発現しており、肝分化に従いその発現が消失す ることが分かった。DLK 抗体を使って胎生 14 日の肝臓から DLK 陽性細胞を 分離することができ、それらは肝細胞マーカー(アルブミン)と胆管上皮細 胞マーカー(CK19)陽性の2種類の細胞を含むコロニーを形成した。従って、 DLK は肝幹細胞を同定・分離するのに有効なマーカーであることが明らかと なった。 肝芽細胞の胆管上皮細胞への運命決定についても検討した。胆管は門脈周 囲に形成される。門脈の間質細胞層に Jagged1 が発現していること、肝芽細 新規テロメラーゼ阻害剤 telomestatin に関す る研究 (活性分子創生研究分野) テロメラーゼは真核生物の染色体末端テロメア長を維持する酵素である が、ヒトを含めたほ乳類では一部の組織を除き癌細胞のみに選択的に発現が 見られる。テロメアが短縮すると、細胞増殖の停止あるいは細胞死が誘導さ れる。したがって、テロメラーゼ阻害物質は優れた抗腫瘍剤となることが期 待されている。微生物代謝産物由来のテロメラーゼ阻害物質を探索した結果、 我々の研究室において世界で初めてのテロメラーゼ阻害物質である新規物質 telomestatin を見出した[1]。本物質は、世界中で合成展開されたどのテロメ ラーゼ阻害剤よりも強力かつ特異的な活性を有する。本物質は、テロメラー ゼそのものではなく、テロメア配列に特異的に作用し、G-quadruplex と呼ば れる特殊な DNA 三次元構造を構築することを明らかにしている[2]。 Telomestatin は、世界中でテロメラーゼ阻害物質の基準物質として用いら れており、多くのレビゥー紙に紹介されているばかりでなく[3]、新たなテロ メラーゼ・テロメアの生物における役割を見出すツールとしても汎用されて いる[4]。現在、本化合物の臨床開発および誘導体の調製を進めており、新た な分子標的を機序とする抗癌剤となることが期待されている。 [1] Shin-ya, K. et al. J. Am. Chem. Soc. 123, 1262-1263 (2001) [2] Kim, M.-Y. et al. J. Am. Chem. Soc. 124, 2089-2099 (2002) [3] Neidle, S. et al. Nature Review Drug Discovery, 1, 383-393 (2002) [4] Tauchi, T. et al. Oncogene, 22, 5338-5347 (2003)
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