酵素から抗体まで様々なタンパクが導入可能!

■Research Chemical Products
INFORMATION
Vol. 250
タンパク質導入試薬 Profect
試薬と混ぜてそのまま細胞に添加するだけ!
酵素から抗体まで様々なタンパクが導入可能!
特 長
●Profectは、
細胞内に導入するタンパク質の共有結合等による修飾の必要がなく目的タン
パク質を試薬と混ぜてそのまま細胞に添加するだけでタンパク質の導入ができます。
●Profectは、
酵素から抗体に至るまでの様々な大きさのタンパク質を細胞内に導入するこ
とが可能です。
●細胞毒性は、
低いものとなっています。
●生細胞におけるタンパク質相互作用等の研究に。
はじめに
Profectは、酵素や抗体といった様々なタンパク質を細胞内に直接導入する事が可能です。
従って、転写因子の調節、タンパク質の局在化や半減期に関する研究、酵素や抗体等、様々
なタンパク質の機能解析及び性質に関する研究に利用できます。Targeting Systems社
はタンパク質導入関連試薬として2種類ご用意しています。
使 用 例
GST-EGFPタンパク質の神経芽腫由来SH-SY5Y細胞への導入
大腸菌から精製したGST-EGFPを Profect P-2を用いて神経芽腫由来SH-SY5Y細胞に導入しました。蛍光顕微
鏡にて細胞に取り込まれたGST-EGFPの蛍光を観察した結果、導入効率は、50-70%を示しました。
【写真ご提供】理化学研究所・脳科学総合研究センター運動系神経変性研究チーム 今居 譲先生
−1−
使用方法
①タンパク質導入前にコンフルエントが75-80%になるようにディシュに細胞を調製します。
②複合体を調製する為に2mlのtest tubeを用意します。
③100ngの複合体調製時には、0.1mlの無血清培地に1μgあるいは5μgの目的タンパク質を添加
し5μlのProfect P-1もしくは、Profect P-2を添加し30秒間最高速度でボルテックスにかけます。
その後、室温で20-25分インキュベーションします。
④無血清培地で1mlに希釈し再び20秒間最高速度でボルテックスにかけます。細胞を無血清培
地で二度洗浄しアスピレーターで完全に除去した後インキュベーションします。
※無血清培地はDMEM、endothelial basal medium等が該当します。無血清培地の代わりのPBSの使用は、毒
性を示す事があります。
(注)詳細なプロトコールは、添付文書をご参照下さい。
目的タンパク質
推奨インキュベーション時間
酵 素
2時間
抗 体
5時間、24時間
ヒストン
3時間、12時間
低分子量タンパク質
2∼3時間
※抗体、
ヒストンの場合は、2点の異なる時間で、検討して頂くことをご推奨致し
ます。
β−galactosidaseの各種細胞への導入
①
②
③
④
β-galactosidaseを用いた各種細胞へのタンパク質導入
写真は①NIH3T3 ②Hep 3B ③Retinal pigmented epithelial cells ④human lens epithelial cellsの細胞に500ng
のβ-galactosidaseと5μlのProfect P-1、P-2により複合体を形成させたものを導入した結果です。
−2−
β−galactosidaseの導入量の調節
①
②
β-galactosidaseを用いたHeLa細胞へのタンパク質導入;①はHeLa細胞にProfect P-2試薬を用いて0.6μgのβ
-galactosidaseを導入したもの、②は同じくHeLa細胞に3μgのβ-galactosidaseを導入したものです。図から分
かるように本試薬は、細胞内に導入するタンパク質量をコントロールできます。
出典:Dr Frank Stenlie and Dr Juan Zepata,Dr J Reed's lab,The Burnham Institute, La Jolla, CA
ヒストン及び蛍光標識抗体の導入
①Profect P-2を用いてAlexa 488とHistonの複合体を
Cos7細胞へ導入した結果を示しています。
−3−
②Profect P-1を用いてAlexa 488とウサギ抗マウ
スIgGの複合体をHela細胞に導入した結果を示し
ています。
核へのタンパク質の特異的導入①
Profect P-1とenhancer reagentによりアルカリホスファターゼと抗体の複合体をCV1に導入したもの(左側の写真)
とProfect P-1のみを用いてアルカリホスファターゼと抗体の複合体を細胞に導入したもの(右側の写真)。左側
の写真を見ると分かるようにenhancer reagentを添加しタンパク質を細胞内に導入した場合は、添加しなかった
場合に比べて導入した抗体が明らかに核へと特異的に移行していることがわかります。このようにenhancer
reagentを用いた場合、核へ特異的に導入する事が可能です。
核へのタンパク質の特異的導入②
Panel ①:
Panel ②:
FITC-BSA及びnuclear-localizing FITC-BSA(核局在化シグナルを共有結合修飾したもの)を導入したRPE細胞
(retinal pigmented epithelial cells)の共焦点電子顕微鏡図:Panel①;FITC-BSAを導入したRPE細胞:Panel②;
nuclear-localizing FITC-BSAを導入したRPE細胞
FITC-BSAを導入したもの(Panel①)は細胞内に均一に導入されており、nuclear-localizing FITC-BSAを導入し
たもの(Panel②)は核に特異的に導入されている事がわかります。
−4−
タンパク質―Profect複合体のアガロースゲル電気泳動による確認
1
2
3
4
5
6
レーン1;4μgのFITC-BSA、
レーン2;1μlのProfect P-2と4μgのFITC-BSA、
レーン3;5μlのProfect P-1と4μgの
FITC-BSA、
レーン4;3μgのnuclear-localizing FITC-BSA、
レーン5;1μlのProfect P-2と3μgのnuclear-localizing
FITC-BSA、
レーン6;5μlのProfect P-1と3μgのnuclear-localizing FITC-BSA。目的タンパク質とProfectが相互作
用し複合体を形成しているものは、タンパク質のみを泳動したものより移動度が遅いことがわかります。また、1
μlのProfect P-2は、4μgのFITC- BSA、3μgのnuclear-localizing FITC-BSAと複合体を形成することができ、一方、
Profect P-1は、Profect-タンパク質複合体を形成していないことがわかります。
Caspase 3の導入によるアポトーシス誘導
核のDAPI染色
細胞のphase-contrast image
活性型Caspase 3を導入したCV1細胞
β-galactosidaseを導入したCV1細胞
5μlのProfect P-2を用いてCV1細胞に50ngの活性型Caspase 3(写真上段)及びコントロールとしてβgalactosidase(写真下段)を導入しました。左側の写真は、核をDAPI 染色したもので右側の写真は、タンパク質
導入した細胞のphase-contrast imageを示しています。DAPI 染色及びphase-contrast imageの結果が示すよう
にCaspase 3を導入したものは核の凝縮、断片化が生じアポトーシスを起していることがわかります。一方、コン
トロールであるβ-galactosidaseを導入したものは核にも細胞にも変化はなくアポトーシスを起こしていないこ
とがわかります。
−5−
FACSにより解析した抗β−アクチン抗体の導入
Untreated
Anti-β-Actin
mAb-FITC
Transduction
efficiency
Profectを用い抗β-アクチン抗体を導入した細胞のFACS解析
(A)コントロール:未処理の細胞(最上のパネル)及び抗体のみとインキュベーションした細胞(中
央のパネル)の免疫蛍光強度がドットブロットで示されています。
(最下のパネル;灰色の部分:
導入されなかった細胞を示している。白色の部分:抗体が細胞内に取り込まれ蛍光を発して
いる細胞を示している)
(B)P1:Profect P-1で処理した細胞(最上のパネル)、抗β-アクチン抗体とProfect P-1でインキ
ュベーションした細胞(中央のパネル)。Bの最下のパネルは、Profect P-1により蛍光のシフ
トが起こったことを示しています。
(灰色の部分:導入されなかった細胞を示している。白色
の部分:抗体が細胞内に取り込まれ蛍光を発している細胞を示している)
(C)P2:Profect P-2で処理した場合。その他の条件は(B)と同一である。
Bの最下のパネルからProfect P-1は、卵巣ガン細胞であるOVCAR-3に対して84%の効率で
抗β-アクチン抗体を導入できたことが示されています。又、Profect P-2は、94%の効率で
導入できたことがわかります。
(Cの最下のパネル)
−6−
細胞種と導入効率
Profect試薬によりタンパク質導入できる細胞とその導入効率について示します。
Cell type
参考文献
Transfection efficiency
primary human keratinocytes
90%
primary human umbilical vein endothelial cells
80%
primary human ovarian cancer cells
90%
HeLa cells
100%
CV1 cells
100%
Cos7 cells
100%
Hep 3B cells
40%
NIH3T3 cells
90%
Retinal pigmented epithelial cell line
100%
Human lens epithelial cells
100%
RAW cells(macrophage cell line)
90%
Primary rat hepatocytes
50%
MCF-7 cells
80%
AJR6(pancreatic carcinoma)
80%
B lymphocytes
90%
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−7−
価 格 表
製 品 名
貯法 製品番号 商品コード
容 量
価 格
PROFECT PROTEIN DELIVERY SYSTEM −20℃
#0046
02458-12
25 reactions
60,000
Profect P-1
−20℃
#0041
02187-04
50 reactions
60,000
Profect P-1
−20℃
#0043
150 reactions
140,000
Profect P-2
−20℃
#0042
50 reactions
60,000
Profect P-2
4℃
#0044
150 reactions
140,000
Targefect F-1
−20℃
#001
200-1000 reactions(1mg)
50,000
Targefect F-1
−20℃
#002
(4 X 1mg)
180,000
Targefect F-2
4℃
#003
Targefect F-2
4℃
#004
(4 X 0.5mg)
180,000
Targefect F-3
4℃
#005
200 reactions(1mg)
50,000
Targefect F-4
4℃
#006
200 reactions(1mg)
50,000
−20℃
#007
75-100 reactions(1mg)
40,000
Enhancer(Virofect)
02190-44
02952-51
02953-54 200-400 reactions(0.5mg)
50,000
Targeting Systems社は、タンパク質導入試薬Profect P-1、Profect P-2以外に初代培養細胞や様々な細胞に対し
高効率で遺伝子導入が可能なTargefect F-1、Targefect F-2、Targefect F-3、Targefect F-4やEnhancer(Virofect)
,
Peptide enhancerも取り揃えております。
ご注意 試験・研究用以外には使用しないで下さい。
* 価格には消費税は含まれておりません。
■販売取扱店
〒604-0855 京都市中京区二条通烏丸西入東玉屋町498
ウ
ェ
ブ
サ
イ ト
試 薬 は こ こ に
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製品に関する技術的なご照会
0307N