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フィリピン情 報 No.30
フ ィ リ ピ ン 国 土 の 形 状 は 人 間 が 地 面 に 膝 を 立 て 腕 を 前 に し た 横 姿 !? そ の 意 義 を 推 理 す る
Philippines land shape as if a man sitting on the ground with his legs
bent and arms stretching ahead
I think of what it means?
わ れ ら 人 間 は 、 地 図 を み て、 国 の 形 を 何 か に 例 える こと をよ くしま す。 一 番 馴 染 み の あ る 国 は 、「長
靴 の イタリ ア」です。ベ トナ ムは「S型 」とか。肝 心 のわれらのニ ッポ ン 列 島 は ?ですが、「タツノオ トシ
ゴ」とよく例 えられます。その理 由 は大 陸 に向 かって、地 球 の3枚 のプレートがマグマの上 でぶつかり
あっているために、今 の形 をつくっている大 きな原 因 です。そのため地 震 、火 山 、温 泉 などが多 く、特
異 な形 となっています。途 方 もない未 来 には、日 本 列 島 は、やがて朝 鮮 半 島 にぶつかり、ハワイ島 も
一 緒 になって、大 陸 の一 部 になる運 命 だとも言 われています。
さて、この国 フィリピン共 和 国 の国 土 の形 を 、今 一 度 世 界 地 図 か ら見 てくだ さい 。ひと昔 前 は 、私 が
若 いころに耳 にしたことがあることに、フィリピン国 土 の形 は 、「人 間 が座 った形 」を想 像 さす、というこ
とを聞 い たことがあります。たしか、人 間 の形 とされる国 は 、このフィリピンを除 い て耳 にしたことはあ
り ません。そ の国 を「終 の棲 家 」とすることに なろうとは、当 時 の私 にとって 、夢 想 だ に しなかった こと
ではあります。
じつは、この国 の国 土 の形 状 を 、人 間 の姿 に観 たてた自 説 を 、あるコラムに書 いています。「フィリピ
ン情 報 №11:「 貧 しくとも心 は豊 かなこの国 のひとたち その根 源 を探 る 」 (日 英 語 版 )の末 尾 の記
述 がそれです。以 下 、その個 所 を再 現 して論 を進 めます。
末 尾 に もう一 つ、私 が常 日 頃 からフィリピンの人 たち に語 っている ことを述 べ てみます。それ はフィリ
ピ ン とい う国 と地 形 とそ のことに 対 す ある 種 の 解 釈 と自 意 識 の 啓 蒙 です 。地 図 を広 げてみ てくださ
い。フィリピン国 の地 形 は人 間 が座 っている横 姿 に観 えませんか? じじつ、フィリピ ンの人 たちはこ
のことをよく口 にします。まずは、地 形 の説 明 から始 めます。
人 間 の頭 に当 たるのは最 北 端 のルソン島 です。後 頭 部 が大 きいところは頭 脳 のイイ人 間 のようです
ね。脳 の中 心 に位 置 するところがバギオというところで、第 二 次 大 戦 の激 戦 地 でした。多 数 の彼 我
の将 兵 が戦 死 しました。20世 紀 初 頭 に5千 人 の日 本 人 労 働 者 が道 路 工 事 や農 園 事 業 などで出 稼
ぎ に 来 たと ころです 。戦 争 が 始 ま っ て一 部 の 日 本 人 は 帰 国 できな いままでその 子 孫 が 現 存 し てい
ます。
上 に向 かって大 きく出 た感 じの鼻 にあたるのが 、アラミノスという地 名 。ず~と下 にきて 、人 間 の口 に
あたる部 分 が首 都 圏 マニラで、その下 の顎 に当 たるところが私 の 住 んでいるラグーナ州 です。人 間
の 背 中 に あ た る の が サ マー ル か ら レイ テ島 に 至 る 部 分 で、 背 中 を す こ し丸 く 屈 め た恰 好 です 。 前 に
突 き出 したような腕 は 、パラワ ン半 島 諸 島 に当 たります。少 しばかりお腹 の出 た格 好 の場 所 は、観
光 地 で有 名 なセブ 島 やネグ ロス島 。お尻 に 当 たるの が最 南 端 のミン ダナ オ島 。膝 を少 し曲 げて 、前
に伸 ばした格 好 の足 はパラワン半 島 諸 島 ・・・といったところです。
国 全 体 の 形 が人 間 全 体 の形 を呈 しているのは 、フィリピ ンだけと思 います。イタリアの「長 靴 」は 、つ
とに知 られていますが、人 間 さまの形 状 をしたのは 、他 に例 がないと思 います。
そこで、私 の論 理 と解 釈 が出 てくるのですが、こうしたことは偶 然 ではないような気 がすること。そのこ
とを、 フ ィリピンのひとたち に語 り伝 えることにしているのです。すなわちそれ は、キリスト教 でいう「神
は天 地 の創 造 主 」であるとしたら、フィリピンという国 の形 状 を 、人 間 のそれに観 たてたのも創 造 主 。
とすれば、そこには深 い意 味 があるに違 いない、という推 理 です。
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ひょっとして、創 造 主 はフィリピンという国 を人 類 の理 想 的 な棲 家 として創 造 し給 うたのではないか、
とい う冗 談 とも 本 気 とも つ か な い推 理 です。 また、その 露 払 いとして この 国 の 民 をロ ーマカ トリック 教
徒 として育 成 してこられた・・・というシナリオです。
長 文 の本 稿 の末 尾 がいささか推 理 小 説 的 な分 析 になりますが、私 はホンキでこのことを強 調 して語
り続 けていくつもりです。「フィリピンの人 たちは、創 造 主 から 名 実 、形 の上 でも何 かを託 された国 民
ではないか」ということです。かくいう私 自 身 がそんな夢 みたいなことを心 に留 めてこの国 を終 生 のパ
ラダイスと解 釈 して 生 きるとすれば、これに勝 る幸 せはないとすら考 えるのです。思 わぬ方 向 に向 か
った本 稿 ですが、本 稿 のタイトルに相 応 しい結 末 結 論 と解 釈 すれば、嬉 しい限 りです。
以 上 の記 述 は、それ自 体 で本 稿 の趣 旨 を代 弁 して充 分 なものがあると思 うのですが、この記 述 はあ
くまでも同 著 のテーマ「 貧 しくとも心 は豊 かなこの国 のひとたち その根 源 を探 る 」でありました。この
個 所 で私 が言 わんとしたことは、それ自 体 が主 要 テーマたり得 ることを考 えて、本 稿 を書 い たもので
す。
おりしも、母 国 ニッポン列 島 は、未 曽 有 の大 地 震 津 波 震 災 に直 面 して将 来 が危 ぶまれています。戦
後 の 高 度 成 長 に 浮 か れ て、 文 化 生 活 向 上 に取 り 組 み 実 現 し た までは ヨ カッ タも の の 、 そ れ だ け に、
此 処 に 来 てニ ッポ ン 人 の 悩 み は 、此 処 フ ィリ ピ ン の 貧 困 問 題 とは 全 く異 質 かつ 、一 線 を画 す問 題 と
してのしかかってきています。
原 発 の是 非 論 にも発 展 してきています。かくいう私 はヒバクシャの立 場 にあって、想 うことがあります。
今 まで通 りの文 化 生 活 を求 め期 待 する以 上 、原 発 は避 けられない近 代 的 不 可 欠 装 置 です。それを
否 定 する以 上 、ニッポン人 は、文 化 生 活 にブレーキをかける覚 悟 が求 められます。
そ れ は嫌 だ とい うならば、今 回 みた い なリスクは将 来 とも覚 悟 する必 要 が あるでしょ う。少 なくとも言
える ことは 、人 類 史 上 最 大 の震 災 記 録 を想 定 し、それを上 回 るほどの耐 久 性 のある施 設 の設 計 に
取 り組 むべきです。例 えそれが、膨 大 な費 用 を伴 うとも、です。受 益 者 負 担 の原 則 で、覚 悟 して処 す
べきです。
翻 って、末 尾 に私 の自 説 を披 歴 します。原 爆 ヒバクシャの立 場 にあって、真 の核 絶 滅 はふた つに一
つ で あ る と考 えま す 。そ の ひ とつ は 、 か ね て よ り の 自 説 です が 、核 戦 争 の 勃 発 と、 瞬 時 に 起 こる 「報
復 核 攻 撃 」です。あ っという間 に 、地 球 全 体 が核 汚 染 され、人 類 が死 滅 寸 前 に追 いや られる時 こそ
が、悲 しいかな、人 類 が核 廃 絶 へのコンセンサスを得 るときです。
一 方 、もう一 つの原 発 問 題 に絡 むリスクです。万 一 、世 界 に散 乱 する何 百 、何 千 もの原 発 で重 大 事
故 が 連 発 し、地 球 全 体 が 汚 染 され る 時 代 が 到 来 する 時 です。そ の 時 こそ が 、原 発 に 対 する人 類 ハ
ン タイへ のコン センサスが可 能 となるでしょう。但 し、そ の時 は世 界 人 口 が放 射 能 汚 染 で激 減 し、文
化 生 活 維 持 への断 念 を招 来 し、過 度 の電 力 需 要 や要 求 が激 減 する時 です。
ど う や ら 、 ふ た つ の 重 大 な テ ー マに 対 す る ピ リ オ ッ ドが 得 ら れ る の は 、 不 幸 なこ と です が 、 こ うし た 極
端 な将 来 像 の延 長 線 上 にあるような気 がしてなりません。人 類 って愚 かな動 物 です。
フィリピンという国 が人 間 (人 類 )の形 をし、そこに住 むフィリピン人 たちの80パーセント以 上 がローマ
カトリックを信 仰 し、あつさえ、貧 困 にも関 わらず明 るい表 情 で与 えられたものに満 足 しつつ、家 族 が
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援 け合 いつつ、生 きている姿 こそが人 類 の将 来 生 活 はかくあるべし、といった神 さまの示 唆 があるよ
うな気 がしてならないのです。
フ ィ リピ ン の 人 た ち を前 に、こんなことを語 っ た り 、英 語 を第 2国 語 として、1千 万 人 の フィ リピ ン の 人
た ち が 世 界 に 進 出 し てい る 事 実 。 さ ら に は 「 自 殺 率 の 国 際 比 較 」で 、フ ィ リ ピ ン が 極 め て 低 い 事 実 、
家 族 愛 の実 態 等 々に加 えて、一 連 のこうした国 土 の意 味 すること等 々を語 る時 に、私 が必 ず口 にす
る言 葉 は、「Your people should be proud of it! 」(このことって自 慢 すべきことだよ)と、エール
を送 ることを常 としています。
今 後 とも 、この 国 の人 たち に、こうした ことを伝 えていきた い 、と密 か に念 願 している のが、半 年 先 に
満 80歳 を迎 えるヨシダユウキの「人 生 四 毛 作 」である気 がしてなりません。
2011年 4月 5日
吉田祐起
(原 爆 生 存 証 言 執 筆 者 /健 康 ・生 きがいづくりアドバイザー)
[email protected]
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