インタビューフォーム - 川澄化学工業株式会社

2012 年 3 月改訂(第 6 版)
日本標準商品分類番号
87
3311
日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成
処方せん医薬品注)
日本薬局方 生理食塩液
カーミパック生理食塩液
カーミパック生理食塩液 L
Isotonic
剤 形
Chloride
Solution
水性注射剤
規 格・含 量
一 般 名
薬価基準収載・発売年月日
輸
Sodium
開 発・製 造・
入・発 売・提 携・
販 売 会 社 名
担当者の連絡先・
電話番号・FAX 番号
500 mL 中
塩化ナトリウム
4.5g 含有
1000mL 中
塩化ナトリウム
9.0g 含有
1300mL 中
塩化ナトリウム
11.7g 含有
1500mL 中
塩化ナトリウム
13.5g 含有
和名: 生理食塩液
洋名: Isotonic Sodium Chloride Solution
製品
薬価収載
発売開始
500 mL
1987 年 10 月 1 日
1988 年 1 月 9 日
1000mL
1987 年 10 月 1 日
1987 年 12 月 29 日
1300mL
2003 年 7 月 4 日
2003 年 7 月 15 日
1500mL
2004 年 11 月 2 日
2005 年 1 月 11 日
製造販売元:川澄化学工業株式会社
TEL
FAX
本 IF は 2011 年 1 月改訂の添付文書の記載に基づき作成した。
注)処方せん医薬品:注意-医師等の処方せんにより使用すること
IF 利用の手引きの概要-日本病院薬剤師会-
1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MR と略す)等にインタビューし、
当該医薬品の評価を行なうのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォ
ームを、昭和 63 年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品
インタビューフォーム」(以下、IF と略す)として位置付けを明確化し、その記載様式を
策定した。そして、平成 10 年日病薬学術第 3 小委員会によって新たな位置付けと IF 記載
要領が策定された。
2. IF とは
IF とは「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業
務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情
報等が集約された総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤師等の
ための当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。
しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反した情
報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。
3. IF の様式・作成・発行
規格は A4 判、横書きとし、原則として 9 ポイント以上の字体で記載し、印刷は一色刷りと
する。表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。IF は日病薬が
策定した「IF 記載要領」に従って記載するが、本 IF 記載要領は、平成 11 年 1 月以降に承
認された新医薬品から適用となり、既発売品については「IF 記載要領」による作成・提供
が強制されるものではない。また、再審査及び再評価(臨床試験実施による)がなされた
時点並びに適応症の拡大等がなされ、記載内容が大きく異なる場合には IF が改訂・発行さ
れる。
4. IF の利用にあたって
IF 策定の原点を踏まえ、MR へのインタビュー、自己調査のデータを加えて IF の内容を充
実させ、IF の利用性を高めておく必要がある。
MR へのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特長。薬理作用、
臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改訂される使用上の注意等に関
する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用医薬品添付文書、お知
らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤
師自らが加筆、整備する。そのための参考として、表紙の下段に IF 作成の基となった添付
文書の作成又は改訂年月日を記載している。なお、適正使用や安全確保の点から記載され
ている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に関する項目等は承認外の用法・用量、
効能・効果が記載されている場合があり、その取扱いには慎重を要する。
目 次
Ⅰ. 概要に関する項目
1. 開発の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 製品の特徴及び有用性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1
Ⅱ. 名称に関する項目
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
販売名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一般名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
構造式または示性式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
分子式および分子量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
化学名(命名法)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
慣用名、別名、略号、記号番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
CAS 登録番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2
2
2
2
2
2
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.
2.
3.
4.
5.
有効成分の規制区分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
物理化学的性質・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有効成分の各種条件下における安定性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有効成分の確認試験法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有効成分の定量法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
3
3
3
3
Ⅳ.製剤に関する項目
1. 剤形 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 製剤の組成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. 注射剤の調整法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4. 懸濁剤、乳剤の分散性に対する注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5. 製剤の各条件下における安定性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6. 溶解後の安定性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7. 他剤との配合変化(物理化学的変化)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8. 電解質の濃度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9. 混入する可能性のある夾雑物 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10. 生物学的試験法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11. 製剤中の有効成分の確認試験法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12. 製剤中の有効成分の定量法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13. 力価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14. 容器の材質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15. その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
Ⅴ.治療に関する項目
1. 効能または効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 用法および用量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. 臨床成績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
6
6
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1. 薬理学的に関連ある化合物または化合物群・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 薬理作用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
7
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
血中濃度の推移・測定法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薬物速度論的パラメータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
吸収・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
分布・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
代謝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
排泄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
透析等による除去率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
8
8
8
9
9
9
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1. 警告内容とその理由・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 禁忌内容とその理由・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. 効能・効果に関連する使用上の注意とその理由・・・・・・・・・・・・・・・・
4. 用法・用量に関連する使用上の注意とその理由・・・・・・・・・・・・・・・
5. 慎重投与内容とその理由・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6. 重要な基本的注意とその理由および処置方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7. 相互作用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8. 副作用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9. 高齢者への投与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11. 小児等への投与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12. 臨床検査結果に及ぼす影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13. 過量投与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14. 適用上および薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
・・・・・・・
15. その他の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16. その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
10
10
10
10
10
10
11
11
11
11
11
11
12
12
12
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1. 一般薬理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 毒性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
13
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
1. 有効期間又は使用期限・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 貯法・保存条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. 薬剤取扱い上の注意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4. 承認条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5. 包装・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6. 同一成分、同効薬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7. 国際誕生年月日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8. 製造販売承認年月日および承認番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9. 薬価基準収載年月日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10. 効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日およびその内容・・・・・・・・
11. 再審査結果、再評価結果公表年月日およびその内容 ・・・・・・・・・・・・
12. 再審査期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13. 長期投与の可否・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14. 薬価基準収載医薬品コード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15. 保険給付上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
14
14
14
14
14
14
15
15
15
15
15
15
15
15
ⅩⅠ.文献
1. 引用文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. その他の参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
16
ⅩⅡ.参考資料
主な外国での発売状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
ⅩⅢ.備考
その他の関連資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18
Ⅰ.概要に関する項目
本剤は「生理食塩液」として日本薬局方に収載されており、水分・
電解質の補給、注射用医薬品の溶解、皮膚・粘膜等の洗浄又は医
療器具の洗浄等に広く使用されている。
弊社では、1987 年よりソフトバッグによる生理食塩液の製造・販
売を開始し、2003 年 7 月より大容量生理食塩液「カーミパック生
理食塩液 L(1300mL)」、2005 年 1 月からは「カーミパック生理食
塩液 L(1500mL)」の販売を開始した。
1.
開発の経緯
2.
製品の特徴及び有用 Kolliker がカエルの筋肉について、蒸留水中では速やかに死ぬ
が、0.5~1%食塩液では長く興奮性を保つことを見出してから、
性
広く動物細胞の媒体として用いられるようになった。
本剤は「生理食塩液」として日本薬局方に収載されており、水分・
電解質の補給、注射用医薬品の溶解、皮膚・粘膜等の洗浄又は医
療器具の洗浄等に広く使用されている。
弊社では、1987 年より生理食塩液の製造・販売を開始し各種容量
の製品を提供している。
本剤は、ソフトバッグに充填した生理食塩液である。
-1-
Ⅱ.名称に関する項目
1. 販売名
(1)和名
カーミパック生理食塩液
カーミパック生理食塩液 L
(500mL、1000mL)
(1300mL、1500mL)
(2)洋名
Isotonic Sodium Chloride Solution
(3)名称の由来
弊社ソフトバッグ(カーミパック)に充填された生理食塩液に由来す
る。
2.
一般名(和名・洋名)
塩化ナトリウム(Sodium Chloride)
3.
構造式または示性式
NaCl
4.
分子式および分子量
NaCl 58.44
5.
化学名(命名法)
Sodium Chloride
6.
慣用名、別名、略号、 生食
生理食塩液
記号番号
0.9%塩化ナトリウム注射液
等張食塩液
等張塩化ナトリウム注射液
7. CAS 登録番号
塩化ナトリウム:CAS-7647-14-5
-2-
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.
有効成分の規制区分
2. 物理化学的性
(1)外観・性状
該当しない
無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は塩
辛い。
(2)溶解性
水に溶けやすく、エタノールに極めて溶けにくく、エーテルにほ
とんど溶けない。
(3)吸湿性
純品は吸湿性ではないが、マグネシウム、カルシウムの塩化物あ
るいは硫酸塩が混在すると吸湿性である。
(4)融点(分解点)
、
沸点、凝固点
融点 804℃
沸点 1413℃
(5)酸塩基解離定数
該当しない
(6)分配係数
該当しない
(7)その他の主な示性値
乾燥減量:0.5%以下(1g、130℃、2 時間)
3.
有効成分の各種条件 該当資料なし
における安定性
4.
有効成分の確認試験 日本薬局方の医薬品各条「生理食塩液」の確認試験法による。
法
5.
有効成分の定量法
日本薬局方の医薬品各条「生理食塩液」の定量法による。
-3-
Ⅳ.製剤に関する項目
1. 剤形
(1) 剤形の区別、規格及 注射剤の種類:水性注射剤
び性状
包装:500mL ソフトバッグ入り
500mL ソフトバッグ入り (エアーレスタイプ)
1000mL ソフトバッグ入り
1000mL ソフトバッグ入り (エアーレスタイプ)
1300mL ソフトバッグ入り
1500mL ソフトバッグ入り
性状:本品は無色澄明の液で、弱い塩味がある。
(2)
溶液及び溶解時の
pH、浸透圧比、
粘度、
比重、安定なpH 域
等
(3)
酸価、ヨウ素価等
(4)
注射剤の容器中の
特殊な気体の有無
および種類
pH
比重(20℃)
4.5~8.0
1.006
該当しない
なし
本剤は 1000mL 中に塩化ナトリウム 9g を含有する。
2. 製剤の組成
(1) 有効成分(活性成
分)の含量
なし
(2) 添加物
該当しない
(3) 添加溶解液の組成
及び容量
該当しない
3.
注射剤の調製法
4.
懸濁剤、乳剤の分散性
に対する注意
該当しない
5.
室温保存 3 年および加速試験(40℃・75%RH・6 か月)保存で安
製剤の各種条件下に 定である。
おける安定性
-4-
該当しない
6.
溶解後の安定性
7.
他 剤 と の 配 合 変 化 pH 変動試験
(物理化学的変化)
資料
資料 pH
20mL
6.26
0.1mol/L HCl
0.1mol/L NaOH
HCl:20mL
NaOH:20mL
8.
電解質の濃度
9.
混入する可能性のあ なし
る夾雑物
10. 生物学的試験法
最終pH
移動指数
変化所見
1.32
12.50
4.94
6.24
なし
なし
電解質組成(mEq/L)
Na+
Cl154
154
該当しない
11.
製剤中の有効成分の 日本薬局方の医薬品各条「生理食塩液」の確認試験法による。
確認試験法
12.
製剤の有効成分の定 日本薬局方の医薬品各条「生理食塩液」の定量法による。
量法
13. 力価
該当しない
14. 容器の材質
ポリエチレンのソフトバッグ
15. その他
該当しない
-5-
Ⅴ.治療に関する項目
1.
効能または効果
2. 用法および用量
(1) 用法・用量
注射:細胞外液欠乏時、ナトリウム欠乏時、クロール欠乏時、注
射剤の溶解希釈剤
外用:皮膚・創傷面・粘膜の洗浄・湿布、含そう・噴霧吸入剤と
して気管支粘膜洗浄・喀痰排出促進
その他:医療用器具の洗浄
注 射:1)通常 20~1000mL を皮下、静脈内注射又は点滴静注する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
2)適量をとり、注射用医薬品の希釈、溶解に用いる。
外 用:1)皮膚、創傷面、粘膜の洗浄、湿布に用いる。
2)含そう、噴霧に用いる。
その他:医療用器具の洗浄に用いる。
(2)
最大使用投与量・投 資料なし
与期間
(3)
小児用量
資料なし
(4)
高齢者用量
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐
にし、減量するなど注意すること。
「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目」を参照。
(5)
臓 器 障 害 時 の 投 与 心臓、循環器系機能傷害のある患者、腎障害のある患者には慎重
投与すること。
量
「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目」を参照。
(6)
透 析 時 の 補 正 投 与 資料なし
量
(7)
特 殊 患 者 群 に 対 す 資料なし
る注意
(8)
特別な投与方法
3. 臨床成績
(1) 臨床効果
資料なし
本剤は日本薬局方収載品であり、その有用性については確認され
ている。
-6-
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.
薬理学的に関連ある 特になし
化合物または化合物
群
2.
薬理作用
(1) 作用部位
(2) 作用機序
全身
塩化ナトリウムは生体内に最も普遍的に存在する無機物質で、血
清無機成分の 90%以上を占める。主として細胞外液にあって体液
浸透圧維持の主体をなすとともに生体水分分布の重要因子とな
っている。Na+には特有のイオン作用はほとんどないが、Na+は K
+
とともに神経の興奮の維持と伝達と必要である。塩化ナトリウ
ムは塩類作用を呈し、その吸収によって体液の浸透圧は上昇し、
組織水分は体液中に吸収され、組織代謝が亢進し、利尿作用を示
す。塩化ナトリウムの欠乏はアルカローシス、痙攣、ときに筋肉
の興奮を伴う嘔吐、異常発汗に基づく熱痙攣などの原因となり、
また、アジソン病に似た脱力症状を示すことがある。
(3) 効 力 を 裏 付 け 資料なし
る試験成績
-7-
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.
血中濃度の推移・測定
法
(1) 治療上有効な血中 135~150mEq/L(血清 Na の正常域)
濃度
(2)
最高血中濃度到達 静注のため該当しない
時間
(3)
通常用量での血中 資料なし
濃度
(4)
中毒症状を発現す 資料なし
る血中濃度
2.
薬物速度論的パラメ
ータ
静注のため該当しない
(1) 吸収速度定数
(2)
バイオアベイラビ 静注のため該当しない
リティ
(3)
消失速度定数
資料なし
(4)
クリアランス
資料なし
(5)
分布容積
資料なし
(6)
血漿蛋白結合率
資料なし
3. 吸収
静注のため該当しない
4. 分布
(1) 血液-脳関門通過性 通過する
(2)
胎児への移行性
移行する
(3)
乳汁中への移行性
移行する
(4)
髄液への移行性
資料なし
(5)
その他の組織への 資料なし
移行性
-8-
5. 代謝
(1) 代謝部位および代 資料なし
謝経路
(2)
代謝に関与する酵 資料なし
素(CYP450 等)の
分子種
(3)
初回通過効果の有 該当しない
無およびその割合
(4)
代謝物の活性の有 該当しない
無および比率
(5)
活性代謝物の速度 該当しない
論的パラメータ
6. 排泄
(1) 排泄部位
腎臓
(2)
排泄率
資料なし
(3)
排泄速度
資料なし
7. 透析等による除去率
(1) 腹膜透析
資料なし
(2)
血液透析
除去される
(3)
直接血液灌流
資料なし
-9-
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.
警告とその理由
該当しない
2.
禁忌内容とその理由
該当しない
3.
効能・効果に関連する 該当しない
使用上の注意とその
理由
4.
用法・用量に関連する 該当しない
使用上の注意とその
理由
5.
慎重投与とその理由
(1)
心臓、循環器系機能障害のある患者[循環血液量を増
すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれ
がある。]
(解説)
これらの患者では、本剤投与により循環血液量を増すことから心
臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがあるので慎重に投与す
ること。
(2)
腎障害のある患者[水分、塩化ナトリウムの過剰投与
に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。]
(解説)
腎障害の有る患者は、水分やナトリウム調節能力が低下している
ことから、このような患者に本剤を投与する場合には、水分・電
解質代謝等の調節能力を十分に考慮し、慎重に投与することが必
要である。
6.
重要な基本的注意と 該当しない
その理由および処置
方法
7. 相互作用
(1) 併用禁忌とその理 該当しない
由
(2)
併用注意とその理 該当しない
由
-10-
8. 副作用
(1) 副作用の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となるよう
な調査を実施していない。
副作用が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行
うこと。
1) 重大な副作用と初 該当しない
期症状
2) その他の副作用
大量・急速投与
(2)
項目別副作用出現 資料なし
頻度および臨床検
査値異常一覧
(3)
基礎疾患、合併症、 資料なし
重症度および手術
の有無等背景別の
副作用発現頻度
(4)
薬物アレルギーに 該当しない
対する注意および
試験法
9. 高齢者への投与
頻度不明
血清電解質、うっ血性心不全、浮腫、
アシドーシス
一般に高齢者では生理機能が低下している 1)ので、投与速度
を緩徐にし、減量するなど注意すること。
10. 妊婦、産婦、授乳婦 該当しない
等への投与
11. 小児等への投与
該当しない
12. 臨床検査結果に及ぼ 該当しない
す影響
13. 過量投与
該当しない
-11-
14.
適用上および薬剤交
付時の注意(患者等
に留意すべき必須事
項等)
(1) 投与前
1) 輸注に際しては、感染に対する配慮をすること(患者
の皮膚や器具消毒)。
2) 寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
3) 開封後直ちに使用し、残液は決して使用しないこと。
(2) 投与時:ゆっくり静脈内投与すること。
(解説)
1) 輸注は清潔操作で行うこと 2)。
2) 輸液の温度が低いと投与部位の血管障害を起こしたり、大
量を急速投与すると患者の体温は低下する。体温が 31℃以
下になると、チアノーゼ、筋硬直、振戦等の症状があらわ
れ、心室細動に至る 3) 。輸液を 35℃前後に加温すると、
体温低下が防止できる 4、5)
3) 開封後の残液は原則的に「汚染」されているものとして取
り扱うこと 6)。
15. その他の注意
該当しない
16. その他
該当しない
-12-
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
2.毒性
(1) 単回投与毒性試験
資料なし
塩化ナトリウムの LD50(mg/kg)7)
動物
静脈内
経口
マウス
645
-
ラット
-
3000
(2)
反復投与毒性試験
ウサギに生理食塩液 100mL/kg/day を1ヶ月間静脈内投与した
結果、食餌量、血液・生化学的検査、尿検査等の所見において、
毒性学的影響はみられなかった 8)。
(3)
生殖発生毒性試験
妊娠 10 日目又は 11 日目のマウスに 25%塩化ナトリウム液を 2500
又は 1900mg/kg 皮下注射した。その結果、胎児血液の浸透圧上
昇によると考えられる胎児毒性作成用(死亡、成長抑制、催奇形
成)が認められ、奇形として四肢短縮、関節変形、指趾異常等を
認めた 9)。
(4)
その他の特殊毒性
資料なし
-13-
X.取扱い上の注意等に関する項目
1.
2.
3.
有効期間または使用
期限
製
品
500mL ソフトバッグ
500mL ソフトバッグ
(エアーレスタイプ)
1000mL ソフトバッグ
1000mL ソフトバッグ
(エアーレスタイプ)
1300mL ソフトバッグ
1500mL ソフトバッグ
貯法、保存条件
薬剤取扱い上の注意
点
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
4.
承認条件
貯法
使用期限
3年
3年
室温
3年
3年
3年
3年
通気針は不要である。
連結管による連続投与は行わないこと。
内溶液に混濁や浮遊物などの異常が認められたときは使
用しないこと。
ゴム栓のカバーフィルムが万一はがれているときは使用
しないこと。
ゴム栓への針刺は、ゴム栓の刺針部(凹部)に垂直にゆっ
くり刺し入れること。また同一箇所に繰り返し刺さないこ
と。
薬剤添加後はよく転倒混和して使用すること。添加後の貯
蔵はさけること。
本品は軟らかいプラスチックバッグなので鋭利なもの等
で傷つけないこと。液漏れの原因となる。
容器の目盛はおよその目安として使用すること。
該当しない
5. 包装
500mL×20 袋
1000mL×10 袋
1300mL× 5 袋
1500mL× 5 袋
ソフトバッグ
ソフトバッグ
ソフトバッグ
ソフトバッグ
6.
同一成分、同効薬
同一成分:
大塚、扶桑、光、小林、テルモ、菱山など各社から発売
7.
国際誕生年月日
該当しない
-14-
8.
製造販売承認年月日 500mL、1000mL:
製造販売承認年月日:1985 年 9 月 26 日
および承認番号
承認番号:16000AMZ04198000
1300mL、1500mL:
製造販売承認年月日:2003 年 2 月 27 日
承認番号:21500AMZ00100000
9.
薬価基準収載年月日
500mL 及び 1000mL ソフトバッグ入り 1987 年 10 月 1 日
1300mL ソフトバッグ入り 2003 年 7 月 4 日
1500mL ソフトバッグ入り 2004 年 11 月 2 日
10.
効能・効果追加、用 該当しない
法・用量変更追加等
の年月日およびその
内容
11.
再審査結果、再評価 該当しない
結果公表年月日およ
びその内容
12. 再審査期間
該当しない
13. 長期投与の可否
該当しない
14.
薬価基準収載医薬品
コード
15. 保険給付上の注意
500mL
1000mL
1300mL
1500mL
ソフトバッグ入り
ソフトバッグ入り
ソフトバッグ入り
ソフトバッグ入り
該当しない
-15-
3311401A9012
3311401H1010
3311401H7018
3311401H8014
XI.文献
1.
引用文献
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
斉藤 昇:診断と治療,82(7),1173(1994)
戸倉康之編:エキスパートナース MOOK5 注射マニュアル,
昭林社,p.6,1988 年
越川昭三:輸液,中外医学社,p.108,1985 年
河野克彬:輸液療法入門,金芳堂,p.297,1985 年
戸倉康之編:エキスパートナース MOOK5 注射マニュアル,
照林社,p.50,1988 年
堀岡正義ほか監修:注射剤-その基礎と調剤と適応-,南
山堂,p.151,1995 年
米国国立職業安全衛生研究所編:化学物質毒性データ総覧
第 11 版,Vol.Ⅲ,p.603,1983 年
小寺敬一ほか:応用薬理,6(3),541(1972)
Nishimura,H.et al.:Acta Anat.,74,121(1969)
文献請求先
川澄化学工業株式会社
東京都港区港南2丁目15番2号
品川インターシティB棟
2.
その他の参考文献
-16-
XⅡ.参考資料
1.
主な外国での発売状 USP、BP、EP など各国の公定書に記載されている。
況
-17-
XⅢ.備考
その他の関連資料
-18-