第 1 章 巣鴨地蔵通り商店街について - 生田情報メディアサービス

第1章
第 1節
巣鴨地蔵通り商店街について
日本の商店街が衰退する中での巣鴨地蔵通り商店街
現在の日本の多くの商店街は、大型ショッピングセンターやコン
ビニエンスストア、または大型小売店などに比べ、規模、利便性など
において劣っている状況下にある。経営不振や後継者不足の店舗が増
加 し た 、「 シ ャ ッ タ ー 商 店 街 」 1 ) と 呼 ば れ る 、 衰 退 が 顕 著 に 表 れ て い る
商店街も見られるようになってきた。こうした状況の中「おばあちゃ
んの原宿」と呼ばれている巣鴨地蔵通り商店街は「高齢者」というタ
ーゲットを明確に絞った商店街である。我々は、多くの高齢者で賑わ
いを見せる地蔵通り商店街は、東京ディズニーリゾートのようなテー
マパークと同系統の施設であり、高齢者にとってのテーマパークであ
るとの仮説を立てた。地蔵通り商店街はテーマパークであるという仮
説を、歴史的背景、定義、実証的調査などから検証し、他の商店街が
地蔵通り商店街からどのような点を学んでいくことが理想的なのかを
考察していく。
第 2節
商店街の定義
まず、巣鴨地蔵通り商店街について述べる前に、商店街の定義を明
確にする。商店街とは、商店が集まっている地区を言う。また、地域
の 商 店 为 の 集 ま り を 指 す 場 合 も あ る 。『 商 業 統 計 調 査 表 』 2 ) に よ る と 、
店 舗 が 20 店 舗 以 上 連 続 し て 集 積 し て い る と い う 定 義 づ け も あ る 。
ま た 、経 済 産 業 省 中 小 企 業 庁『 平 成 1 5 年 度 商 店 街 実 態 調 査 の 概 要 』
によると、商店街は以下の 4 つに分類することができる。
①近隣型・・・最寄り品中心で地元为婦が日用品などを徒歩または自
転車などにより日常性の買い物をする商店街
②地域型・・・最寄り品店及び買回り品店が混在し、近隣型商店街よ
りもやや広い範囲から、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街
~1~
③広域型・・・百貨店、量販店等を含む大型店があり、最寄り品店よ
り買回り品店が多い商店街
④ 超 広 域 型・・・百 貨 店 、量 販 店 等 を 含 む 大 型 店 が あ り 、有 名 専 門 店 、
高級専門店を中心に構成され、遠距離からの来街者が買い物をする商
店街
商店街の店舗の構成は立地により大きく異なる。近隣型では、日用
品や身回品を中心に食料品・衣料品・雑貨店、さらには食堂等の飲食
店が混じるなど多岐にわたる場合が多い。広域型になるにつれて、買
回品、飲食店等が増えてくる。巣鴨地蔵通り商店街は、地元の人が利
用する商店街でもあり、遠くから観光目的で来る人も多いことを考え
ると、近隣型、地域型、広域型、超広域型のすべてを網羅した商店街
と言えるが、このような商店街は類を見ないものである。そこで巣鴨
地蔵通り商店街はどのようなプロセスを辿って現在の形態に発展して
きたのか、その歴史を概観しておきたい。
第 3節
巣鴨地蔵通り商店街の歴史
①江戸時代
地蔵通りに現在は地蔵通り商店街に隣接している高岩寺
3)は 存 在 し
ていなかった。江戸時代の巣鴨は、中山道最初の宿場、板橋と日本橋
の中間という立地で馬の乗り継ぎや旅人の休憩のための茶屋が並んで
いた。当時、巣鴨の地蔵といえば真性寺
4)の こ と で あ っ た 。 江 戸 時 代
の真性寺界隈は交通の要として賑わっていた。巣鴨は江戸の中期から
商業や信仰の場となっていたのである。
②明治時代~戦前
1891 年 、 上 野 に あ っ た 高 岩 寺 が 「 東 京 市 区 改 正 計 画 」 5 ) に よ り 、 巣
鴨への移転を余儀なくされた。巣鴨にとげぬき地蔵が登場したのであ
る。巣鴨へ移転されたことによって、高岩寺は古くからの檀家と切り
離され、また、当時は中山道があったとはいえ、電車などは通ってお
~2~
らず交通の便は良くなかったため、著しい経営不振に陥った。そのた
め 、高 岩 寺 は 毎 月 4 の つ く 日 を 縁 日 の 日 と 定 め る な ど 経 営 努 力 し 、徐 々
に 参 拝 客 を 集 め る よ う に な っ た 。こ の「 4 の 市 」6 ) は 昔 か ら の 伝 統 と し
て現在でも行われている。
1902 年 、田 端 ~ 池 袋 間 で 鉄 道 が 開 通 さ れ 池 袋 駅 、大 塚 駅 と 同 時 に 巣
鴨 駅 が 開 設 さ れ た 。ま た 、1913 年 に は 現 在 の 都 電 荒 川 線 と な る 王 子 電
車が巣鴨二丁目まで開通した。交通機関の発達によって交通の便の悪
さが解消され、参拝客が増加した。
明治時代から戦前までの地蔵通り商店街の商品構成は、日用買回り
品が大半であった。そのため、生活必需品の十分なマーケットが存在
し、高岩寺と商店街のかかわりはほとんどなかった。参拝客相手の商
売はもっぱら露天商の仕事であった。しかし、4 の市などの縁日に多
くの人が訪れるようになるにつれ、通行の障害になるなどの理由で露
天商の姿は減少していった。
③戦後
戦災からの復興を経て、高岩寺・とげぬき地蔵の集客力は地蔵通り
商 店 街 の 発 展 に 欠 か せ な い 存 在 と な っ た 。し か し 、1969 年 の 西 友 巣 鴨
店のオープン、早時期の都営三田線の開通により高齢者重視の商店街
へと方向転換を行った。西友という大型スーパーの出現によって食料
などの生活必需品を扱うには不利な状況で、通りの特性を生かし、高
齢者向けの衣料への傾斜し、土産物屋・飲食店は名物の開発に腐心し
ていったのであった。また、マスコミが地蔵通り商店街をとり上げる
際に必ずといっていいほど「おばあちゃん」と結びつける手法をとっ
たことも高齢者を集める一因であったと言えるだろう。
第2章
第 1節
地蔵通り商店街はテーマパークか
テーマパーク・アトラクションの定義
~3~
我々は第 1 章第 1 節において、巣鴨地蔵通り商店街が、テーマパー
ク的要素を含んだものであるとの仮説を立てた。では、そもそもテー
マパークとはどういったものを言うのか、その定義をあげてみると以
下 の よ う に な る 。財 団 法 人 広 域 関 東 圏 産 業 活 性 化 セ ン タ ー 7 ) の『 地 域 再
生のためのテーマパークの位置づけと役割調査報告書』によると、テ
ーマパークとは以下の 3 つのうちのどれか、もしくは複数に該当する
ものであるとされる。
①入場料を取り、特定のテーマを元に施設全体の環境づくりを行い、
テーマに関するアトラクションを有し、パレードやイベントなどのソ
フトを組み込んで、空間全体を演出して娯楽を提供する事業所。
②あるテーマに基づいて、構成・演出がなされたレジャー施設。
③ あ る テ ー マ に 沿 っ て 、レ ジ ャ ー 施 設 の レ イ ア ウ ト 、建 築 様 式 、造 園 、
娯楽施設、従業員のサービス、販売する商品などゴミ箱に至るまで、
それぞれの要素のバランスが保たれ、調和のとれた世界を構築するも
の 。 8)
これらの条件に当てはまるかどうかがテーマパーク的要素を含んで
いるかどうかを決める。たとえば、東京ディズニーリゾートの場合、
ディズニーアニメーションというテーマ設定、料金設定、そしていく
つ か の テ ー マ に 沿 っ た 建 築 、レ イ ア ウ ト が な さ れ て お り 、上 の ① 、② 、
③のすべてが適用されることが分かる。
また、テーマパークを形成する上で、魅力となるアトラクションが
あるということは、それだけ人を引き付ける利点となるということで
あ る 。そ の ア ト ラ ク シ ョ ン の 定 義 と は 、
「 映 像・ラ イ ド・シ ョ ー な ど に
テーマに沿った演出をし、その施設ならではの独自性のある内容を持
ち 、 客 を 楽 し ま せ る 有 料 か つ 常 設 の 施 設 」 9)と い う こ と で あ る 。
第 2節
テーマパークの分類
テーマパークの中にも、その規模・対象・立地条件などによってさ
~4~
らに 3 つにわけることができる。
①「 地 域 密 着 型 」・・・テ ー マ パ ー ク が 立 地 す る 地 域 均 衡 の 住 民 が マ ー
ケットの対象となっている。
②「 観 光 立 地 型 」・・・ 周 辺 地 域 に 優 れ た 観 光 資 源 が あ り 、宿 泊 施 設 が
整備されているなど、すでに集客のための有利な条件が整っている携
帯であり、ターゲットは観光客団体客等一過性の客。
③ 「 広 域 集 客 型 」・ ・ ・ 施 設 そ の も の の 魅 力 で 市 場 を 開 拓 で き る 。
こ れ ら 3 つ に 分 け ら れ る 。 10)
第 3節
巣鴨地蔵通り商店街の場合
では、上記で述べたテーマパークの諸定義が巣鴨地蔵通り商店街に
適用可能かどうか検討してみよう。まず、①の「入場料を取り」とい
うところには当てはまらないが、①、②、③の「特定のテーマ」もし
くは「あるテーマ」を「高齢者の習性・生活に適応させる」というテ
ーマと仮定すると、巣鴨地蔵通り商店街は高齢者向けの衣服や海鮮系
の食品販売店など高齢者の必要とする種類の店・施設が多く存在し、
ま た 高 齢 者 の 移 動 に よ る 疲 労 を 軽 減 す る た め の 「 座 り ス ペ ー ス 」 11 ) も
豊富に存在する。ここから①の「特定のテーマを元に施設全体の環境
づ く り を 行 い 」や 、② の「 構 成・演 出 が な さ れ た レ ジ ャ ー 施 設 」、さ ら
に③の「レジャー施設のレイアウト、建築様式、造園、娯楽施設、従
業員のサービス、販売する商品などゴミ箱に至るまで、それぞれの要
素 の バ ラ ン ス が 保 た れ 、調 和 の と れ た 世 界 を 構 築 す る も の 。」と い う 部
分に当てはまると考えられる。さらに、地蔵通り商店街では、毎月 4
の付く日には縁日が開催されているなど、様々なイベントが開催され
ており、①の「パレードやイベントなどのソフトを組み込んで、空間
全 体 を 演 出 し て 娯 楽 を 提 供 す る 事 業 所 。」 と い う 定 義 に も 当 て は ま る 。
以上、本章第 1 節の定義に巣鴨地蔵通り商店街が適応するかどうか
を検証してみると、この商店街は高齢者の経験価値というテーマを元
~5~
にしていると考えられ、十分にテーマパークの要素を持っていると考
えられる。また、地蔵通り商店街に来る目的として最も多いのが、高
岩寺への参拝である。高岩寺は通称「とげぬき地蔵」と呼ばれる延命
地蔵が本尊
1 2 ) で 、そ の 他 に 自 身 の 治 癒 し た い 部 分 に 相 応 す る 観 音 像 の
部分を洗う聖観音、通称「洗い観音」がある。さらに高岩寺の敷地内
には、参拝者同士で気軽にコミュニケーションをとることができるス
ペースがあり、これを楽しみの一つとして地蔵通り商店街にやってく
る人もいる。このことから、この高岩寺の「とげぬき地蔵」や「洗い
観 音 」、
「 座 り ス ペ ー ス 」は 、
「 テ ー マ に 沿 っ た 演 出 を し 、そ の 施 設 な ら
で は の 独 自 性 の あ る 内 容 を 持 ち 、客 を 楽 し ま せ る 有 料 か つ 常 設 の 施 設 」
というアトラクションの定義に当てはまると考えられる。
以上の点から考えて、巣鴨地蔵通り商店街は「高齢者の経験価値」
というテーマに基づき、高齢者の娯楽的要素をも含んだ施設であると
言えるため、この商店街はテーマパークであり、商店街におけるアト
ラクションは、高岩寺のとげぬき地蔵や洗い観音であると言える。
次にテーマパークとしての分類だが、巣鴨地蔵通り商店街は、地元
住民からもメディアへの露出などで全国的に有名になったということ
で支持されており、加えて商店街では観光客向けの商品を販売する店
舗 も 増 え て い る 。さ ら に 、遠 方 か ら の 客 層 も 少 な く は な い よ う で あ る 。
我 々 が 2010 年 8 月 18 日 15 時 43 分 に フ ィ ー ル ド ワ ー ク に よ り イ ン
タビューを行った緑茶専門喫茶「壽」の店長によると、店に訪れる客
の中にはイタリアのミラノから年 3 回必ず訪れるという客もいるそう
で、ほかにも兵庫県明石市や東京以外の関東圏からの客層もあるそう
だ。このことから、巣鴨地蔵通り商店街の分類としては、①、②、③
の 3 つの特徴をそれぞれ合わせもった、特殊なテーマパークを形成し
ていると考えられる。
第 4節
経験価値
~6~
第 3 節で、我々は巣鴨地蔵通り商店街が「高齢者の経験価値」とい
うテーマを元にしているとした。過去の日本において経験価値とは、
Pine や Gilmore が 唱 え て い る「 経 験 」に 関 す る 概 念 の 整 理 か ら 百 貨 店
の 既 存 文 献 の レ ビ ュ ー を 通 し て 研 究 し た 結 果 [Pine,Gilmore 1999]、か
つての日本は百貨店が非常に高い経験価値を提供していたが、次第に
それが低下していったということが明らかになり、表‐1 からも現在
では高レベルの経験価値を提供する場所は郊外モールに取って代わら
れ た の で は な い か と 思 わ れ た 。1 3 )
つ ま り 、巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 が「 高
齢者の経験価値」をテーマにしているのならば、高齢者が好んで利用
する郊外モール的要素を含んでいるはずである。
表‐1から、郊外モールの消費者行動の特徴は、滞留時間が長いと
い う こ と で あ る 。巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 の 場 合 、他 の 商 店 街 に 比 べ て「 座
りスペース」が多い。座りスペースは店の中や入口、出店の前などに
おいてあり、消費者が気軽に利用できるところである。この座りスペ
ー ス が 、商 店 街 の 滞 留 時 間 を 大 き く 引 き 伸 ば し て い る の で あ る 。1 4 )
地
蔵通り商店街の利用者は、座りスペースで休憩するだけでなく、なじ
みのある店員や他の利用客等とのコミュニケーションを楽しんでいる
ということもあるようだ。立地や他の条件を含めて考えても、巣鴨地
蔵通り商店街は、郊外モールの要素を含んでいると言え、高い経験価
値を与えている施設であるともいえる。
表 -1 : 商 業 施 設 タ イ プ の 価 値 と 消 費 行 動 の 特 徴
商業施設タイプ
価値(高)
消 費 者 行 動( 長 /高 )
郊外モール型
経験価値
滞留時間
駅ビル・ファッションビル型
利便的価値
来店頻度
百貨店
質的価値
購買金額
(長谷川理
著「百貨店の経験価値マーケティングと小売進化理論に
関 す る 研 究 」『 上 智 経 済 論 集 52/1・2』上 智 大 学 ,2007-03-01,pp48 よ
り引用)
~7~
3章
巣鴨の取り組みとアンケート考察
第 1節
巣鴨地蔵通り商店街の取り組み
こうした巣鴨地蔵通り商店街がお年寄りの経験価値をテーマとした
テーマパークであると第 2 章で論じた。では、巣鴨地蔵通り商店街が
具体的にどのような取り組みをしているか述べていく。現在巣鴨地蔵
通り商店街にはいくつかの団体があり、その中で代表的な団体として
「巣鴨地区まちづくり協議会
15)」 と い う 団 体 が あ る 。 こ の 団 体 に は
2
つの目的がある。
巣鴨地蔵通り商店街ホームページによると、1 つ目は、美観を損な
いようにすること。2 つ目は、巣鴨の発展の起爆剤となる”街づくり
の指針”を考えること。1 つ目については、すでに買収済用地の一部
を借り受け、整備、管理などを行っている。2 つ目については、ワー
クショップを開催し、請願の趣旨を踏まえ、道路整備のあり方は具体
的な提案として要望するために、チームを募ってアイデアを出し合っ
て意見交換を行うとともに、協議会の委員、関係者の意識を啓発して
いる。
具 体 的 に は 共 催 が「 巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 振 興 組 合
「巣鴨親和町会
17)」
・「 巣 鴨 三 親 町 会
1 6 ) 」と な り 、協 賛
18)」
・「 巣 鴨 駅 前 商 店 街 振 興 組 合
19)」
・「 巣 鴨 と げ ぬ き 地 蔵 尊 門 前 仲 見 世 会 2 0 ) 」・「 仲 見 世 奉 賛 会 2 1 ) 」、 後
援が「萬頂山高岩寺
22)」
「 醫 王 山 眞 性 寺 23)」 の バ ッ ク ア ッ プ の も と 、
街づくりワークショップを開き街づくり・都市環境について学び、仕
事に従事している若い多くの人々が、チームによる提案をし、専門的
な立場にいる講師に講評をしてもらうというイベントをしている。ま
た、街づくりワークショップの第 1 回から巣鴨地蔵通り商店街のホー
ムページにその詳細を載せ、情報を発信している。最新の街づくりワ
ー ク シ ョ ッ プ の 内 容 は 、「 い ま 明 ら か に な る 幕 末 の 巣 鴨 と そ の 将 来 像 」
~8~
と い う も の で あ る 。幕 末 か ら 現 在 ま で の 巣 鴨 の 変 遷 を 講 演 と し て 聞 き 、
それを踏まえた上で、パネルディスカッションで、巣鴨のこれからの
将来像を参加者全体で考えていくというものであるようだ。商店街が
その地区の顔となり、それだけにとどまらず、顔となる商店街が街づ
くりの筆頭となっている。これも、巣鴨地蔵通い商店街が度々メディ
アに取り上げられ、世間に注目される要因の 1 つとなっていると考え
られる。
第 2節
実地アンケートとその考察
我 々 は 、2010 年 8 月 16 日( 月 )13: 30~ 明 大 前 す ず ら ん 通 り 商 店
街 で 、8 月 17 日( 火 )14:30~ 巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 で ア ン ケ ー ト を 収
集した。対象は商店街への買い物客で、巣鴨地蔵通り商店街ではアン
ケ ー ト 対 象 39 人 に 対 し て 33 件 を 、明 大 前 す ず ら ん 通 り 商 店 街 で は ア
ン ケ ー ト 対 象 38 人 に 対 し て 24 件 を 回 収 し た 。質 問 票 は 本 論 文 の 最 後
に掲載しておく。第 2 章でテーマパークであると分類した巣鴨地蔵通
り商店街を、今度はこのアンケート結果という、より明確な資料を用
いてより具体的にこの仮説を明確化させていく。
アンケートの内容について説明する。商店街に滞在する時間…買い
物以外に何か目的はあるか。1 か月に来る頻度…所要時間と絡めてど
のあたりからどれくらい来るか。訪れる時間帯…惣菜など食材だけを
目的に来るのか。一緒に来る人との間柄…テーマパークは数人で行く
ことが多い。商店街で買うもの…テーマパークはお土産などが多い。
商店街は食品が多い、巣鴨はどうか。所要時間…近隣住民だけでなく
遠くに住む人も来ているか。これらを踏まえて、結果を見ていく。
~9~
( 図 -1: 各 商 店 街 に 滞 在 す る 時 間
ま ず 、 図 -1 の 商 店 街 に 滞 在 す る 時 間 の 項 目 ( ア ン ケ ー ト 番 号 ① ) で
は 、明 大 前 す ず ら ん 通 り で は 、滞 在 時 間 は 、30 分 以 内 ( ア ) だ が 、巣
鴨地蔵通り商店街では、1 時間以上滞在する人(イ、ウ、エ)も多く
いることがわかった。日々の消耗品や、食品だけを求めている人だけ
が、巣鴨地蔵通り商店街に来ているという訳では、ないということが
わかった。
( 図 -2: 各 商 店 街 に 1 か 月 に 来 る 頻 度
~ 10 ~
図 -2 の 1 ヵ 月 に 来 る 頻 度 ( ア ン ケ ー ト 番 号 ② ) で は 、 明 大 前 商 店 街
は回答がまばらなのに対し、巣鴨地蔵通り商店街はほぼ毎日(エ)と
いう回答だった。これに関しては、明大前商店街を利用する人は、商
店街を利用する日もあるが、自宅の近くにあるスーパーなので、食品
などを購入している傾向が強いのではないかと考えられる。一方、巣
鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 は 、こ の 商 店 街 特 有 の「 な じ み
2 4 ) 」の 店 に 関 係 し て
いる結果が出たと言える。つまり、店側からすれば「なじみ」の顧客
をつかんでおり、購買者からすれば「なじみ」の店を持っていると言
え、我々が想像する商店街とは違う店と顧客との関係が出来ていると
言える。
( 図 -3: 各 商 店 街 に 訪 れ る 時 間 帯
図 -3 の 訪 れ る 時 間 帯 ( ア ン ケ ー ト 番 号 ③ ) は 、 明 大 前 す ず ら ん 通 り
で は 、 12 時 か ら 15 時 の 間 ( イ ) に 来 る 人 が 多 く い る の に 対 し 、 巣 鴨
地 蔵 通 り 商 店 街 で は 、 12 時 か ら 18 時 ま で の 間 ( イ 、 ウ ) に 訪 れ る 人
が多くいる。これは、滞在時間と合わせて見ると、明大前すずらん通
りは、食材などだけを求める消費者が多いのに対して、巣鴨地蔵通り
~ 11 ~
商店街は、それ以外のなんらかの目的をもって訪れることがわかる 。
( 図 -4: 各 商 店 街 に 一 緒 に 来 る 人 と の 間 柄
図 -4 の 一 緒 に 来 る 人 と の 間 柄 ( ア ン ケ ー ト 番 号 ④ ) は 、 明 大 前 す ず
らん通りに比べ巣鴨地蔵通り商店街は、一人で訪れる人(ウ)が最も
多 い が 、家 族( ア )、も し く は 同 年 代 の 友 人( イ )と 来 る 人 も い た 。こ
れも、巣鴨特有の「なじみ」の影響が及ぼした結果だと言える。
上記した、店と顧客との「なじみ」の関係はもちろんだが、巣鴨では
見知らぬ人同士の会話も多くある。さらに、家族や友人と来る人は、
ただ一人で買い物することだけではなく、買い物以外の何かを目的に
来ているということが考えられる。おそらくこれも地蔵通り商店街の
テーマパーク要素なのだろう。複数人数でその雰囲気やコミュニケー
ションを楽しみに来ているのかもしれない。
巣鴨地蔵通り商店街は、店と顧客だけでなく、顧客と顧客との「な
じみ」の関係が出来上がっており、この点においても我々が想像する
商店街とは異なる事がわかる。
~ 12 ~
( 図 -5: 各 商 店 街 で 買 う も の
図 -5 の 商 店 街 で 買 う も の ( ア ン ケ ー ト 番 号 ⑤ ) で あ る が 、 明 大 前 す
ずらん通りは食料品(イ)がほとんどであるのに対し、巣鴨地蔵通り
商店街では、概ね均等になっている。これは、明大前すずらん通りの
顧 客 は 、食 料 品 を 求 め に 来 て い る の に 対 し 、巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 は 様 々
な目的を持って訪れる人が多く、おみやげ(エ)を買っていく人も多
くいる事がわかる。これは、巣鴨地蔵通り商店街がテーマパークであ
ると言える要因の一つであると言えよう。
~ 13 ~
到着するまでの所要時間
有効回答数:巣鴨 33
有効回答数:明大前 24
20
18
16
14
12
10
巣鴨
8
明大前
6
4
2
0
30分以内
1時間以内
2時間以内
それ以上
( 図 -6: 各 商 店 街 に 到 着 す る ま で の 所 要 時 間
図 -6 の 到 着 す る ま で 所 要 時 間 ( ア ン ケ ー ト 番 号 ⑥ ) は 、 明 大 前 す ず
ら ん 通 り は 30 分 以 内( ア )が ほ と ん ど で 、近 隣 に 住 む 住 人 が ほ と ん ど
を占めていることがわかる。それに対して巣鴨地蔵通り商店街は、来
るまでに 2 時間以内かかる人たち(ウ、エ)がまばらにいる事がわか
った。東京ディズニーリゾートのようなテーマパークが遠距離からも
多くの集客をしていることを考えると、このアンケート結果も 我々が
唱える仮説において重要なポイントの一つとなると言える。
次に、巣鴨地蔵通り商店街において、必ず行く場所(アンケート番
号⑦)についてのアンケートをとった結果について言及していく。
第一に高岩寺である。これはこの商店街のシンボルでも、とげぬき
地蔵がある寺院である。そして、赤いパンツを売っているマルジ
25)、
お土産に必ず買っていく塩大福のお店、そして、巣鴨に本店があるカ
レーうどん屋の古奈屋
2 6 ) で あ る 。こ れ を 見 て み る と 、こ の 商 店 街 に 来
る人々は、買い物だけでなく、高岩寺に参拝をするという目的を持っ
てきていることがわかる。そして、アンケート結果にある、ほぼ毎日
訪れる(アンケート番号②・エ)ということを踏まえると、この高岩
~ 14 ~
寺というものは、やはり巣鴨地蔵通り商店街において一つのアトラク
ションとなっていると言える。さらには、お土産には塩大福という定
番のお土産もある。そして、高岩寺に次いで訪れる人が必ずと言って
いいほど訪れるマルジに古奈屋も一つのアトラクションとも言える。
以上のアンケート結果より、巣鴨地蔵通り商店街はテーマパークと通
じる点が多く見られる事が分かった。
第 3節
株式会社丸治に対するインタビューから分かること
第 3 節では、株式会社丸治常務取締役員工藤秀治氏へのインタビュ
ー ( 2010 年 8 月 30 日 11 時 ~ 12 時 ) を 基 に 、 巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 が
テーマパークと通じる点について考察していく。
工藤氏は丸治常務取締役員であると同時に、巣鴨地蔵通り商店街の
組合の運営にも積極的に関わっており、組合からの信頼も厚く、地蔵
通り商店街の内情にも精通している。
まず、巣鴨地蔵通り商店街について、テーマパーク的な機能を持っ
た商店街としてお土産(≒買って帰るもの)について尋ねてみた。す
ると、
「 巣 鴨 は い わ ゆ る 観 光 地 だ が 、巣 鴨 に 行 っ て き ま し た 的 な パ ッ ク
まんじゅうを取り扱っている商店は無い。名物は八目うなぎ、赤パン
ツ、塩大福、カレーうどん、と様々あるが、それら一つ一つは巣鴨土
産 と し て 売 っ て い る わ け で は な い 」と の 返 答 が 来 た 。
「観光地だからと
いって、そのような商品に頼らないことを誇りに思っている人達がい
る」とのことだった。テーマパークには必ずと言っていいくらい特色
の強いお土産が存在するが、巣鴨には存在しないということだった。
つまり、商品の純粋な使用価値、品質で勝負しているという感覚を抱
いた。この点はテーマパークの特徴と食い違う点だと言えるだろう。
「 都 バ ス 、都 電 な ど の 交 通 の 発 達
2 7 ) に よ り 、シ ル バ ー 、シ ニ ア 層 が 巣
鴨に来易い環境が整った。それにしたがって商店街の品揃えもシニア
~ 15 ~
向けにシフトしていった。価格の面でも、地元対応のディスカウント
で は 経 営 が 立 ち 行 か な く な り 、赤 パ ン ツ 商 品 の プ ロ モ ー シ ョ ン
28)な ど
に お い て 5~ 6 年 前 か ら は か な り 観 光 客 を 意 識 す る よ う に な っ た 。去 年
こども館を改装して赤パンツ館としてオープンさせたことが最たる例
だろう。人通りの多い時間帯から見ても、地蔵通り商店街は生活必需
品 を 買 う 商 店 街 で は な く な っ た と い う こ と が 言 え る だ ろ う 。3~ 6 時 に
商 店 街 を 見 る と 人 通 り が 全 然 無 い 。」
商店街の構成についても訊いてみた。
「商店街の入り口にあたる仲見
世の、一部と呼ばれる地域は、代々売れているから店舗の入れ替わり
が少ない。ところが、二部と呼ばれるお地蔵さんから郵便局の辺りま
で は 、 毎 年 5~ 10 店 舗 の 入 れ 替 わ り が あ る 。 1 週 間 ご と の 貸 し 店 舗 と
いう形を取ることが増えてきたが、シャッターが降りることはない。
そこが他の商店街との違いだろう」とのことだった。老舗の店と呼ば
れる伝統も残しつつ、時代のニーズに即した店舗も続々と登場してき
ている。このような商店街の店舗の多様性がシニア層を中心とする観
光客の目には魅力的に映る。また出店者側からしても、マスコミの露
出、地蔵参拝客、観光客を始めとする安定した集客力を持つため、新
規出店を希望する店为が後を絶たないという。このような代謝の良さ
が目新しさを生み、消費者にテーマパークのような印象を与える。つ
まり、アンケート結果とインタビューから、巣鴨地蔵通り商店街はテ
ーマパークに相当する位置づけにあると言える。次章で、本章の内容
を踏まえて、そこから他の商店街が学ぶことを考察していく。
第4章
第 1節
他の商店街が巣鴨から学ぶべきこと
巣鴨地蔵通り商店街から学ぶべきこと
第 3 章 第 2 節 で 述 べ た よ う に 、巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 の 客 は 、
「高岩寺
~ 16 ~
へのお参り」
「 塩 大 福 や 赤 パ ン ツ の 購 入 」な ど の 目 的 を 持 っ て 商 店 街 を
訪問している。これらのスポットは巣鴨地蔵通り商店街というテーマ
パ ー ク に お け る ア ト ラ ク シ ョ ン と 考 え る こ と が 出 来 る 。こ の よ う に「 ア
トラクション的なスポット」を取り入れることが他の商店街を盛り上
げる際必要なことになるではないだろうか。
上述したように巣鴨地蔵通り商店街には、赤パンツ、塩大福、カレ
ーうどん屋の古奈屋本店、緑茶専門の喫茶店のように、地蔵通り商店
街独自の店が多く存在している。このような「その商店街にしか無い
もの・店」を、その商店街内で大きくフューチャーすることが商店街
の活性化にも繋がっていくものと考えられる。
高岩寺にあるとげぬき地蔵など、既存の場所を観光スポットとして
取り上げアトラクションの一種として活用していくことも重要である。
そしてこれらの商店街内のものをアトラクションとして使っていく
には、商店街全体が「街づくり」に関して一丸となって取り組んでい
く 必 要 が あ る 。巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 に お い て も 、
「巣鴨街づくり協議会」
を中心に、様々な団体と共催しながら多くのイベント、勉強会・意見
交換会を行い、そしてそれらの情報を、ネットを通じて発信していっ
ている。このように、きちんとした組織を作り上げ人々が協力体制を
取ることが、商店街の活性化を目指すうえでは必要不可欠なものであ
る。
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン も 重 要 な 要 因 で あ る 。巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 で は 、
座りスペースや高岩寺、そして店等様々な場所で個人間でのやり取り
が行われている。このような場で談笑することで、その商店街に「ま
た来たい」と思わせ、商店街への訪問頻度が多くなり必然的に滞在時
間 も 長 く な る 。 我 々 も FW で 巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 を 訪 れ た 際 に 訪 問 し
た緑茶専門喫茶店で店为と会話を交わしたことで、滞在時間は長くな
り、更に「またこの場所を訪れたい」という感想を抱いた。
「 そ の 商 店 街 特 有 の も の 」、「 名 所 」、「 き ち ん と し た 組 織 体 系 」、「 コ
~ 17 ~
ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」、「 リ ピ ー タ ー 」 と い う こ れ ら の 要 素 を 備 え 活 性 化
している巣鴨地蔵通り商店街から学ぶべきものは多い。
これらの要素を参考にし、テーマパークのような魅力的で活気ある
商店街を形成していくことで、地域コミュニケーションの中心となり
活気のある街づくりが達成される。
第 2節
他の商店街への提案
以上巣鴨地蔵通り商店街から学ぶ点は多くあることはわかった。し
かしながら、どの商店街にもこれを適用できるのかと言えば、そうで
はないだろう。巣鴨地蔵通り商店街のように、とげ抜き地蔵というシ
ンボルが、もともとあるのならば話は別だが、ほとんどの商店街はそ
ういった類のものがあるとは言い難い。
では、具体的にどの点を他の商店街は取り入れていくべきなのだろ
う か 。 我 々 が 最 も 望 ま し い と 考 え る の は 、 Pine や Gilmore の 提 唱 す
る経験価値の付加、そしてその商店街の持つ特色と言えるものをフュ
ーチャーすることである。巣鴨地蔵通り商店街で言うならば、経験価
値の付加は、
「 座 り ス ペ ー ス 」か ら 出 来 上 が る「 な じ み 」で あ る と 言 え
る。上述したように、この「なじみ」が出来あがることによって、訪
れる人の滞留時間を延ばし、
「 ま た 来 た い 」と 思 わ せ る こ と が 出 来 て い
る 。そ し て 、巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 の 最 大 の 特 色 は 、
「 な じ み 」か ら 来 る
人 と 人 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で あ る 。こ の「 な じ み 」の 基 盤 と な る 、
「座りスペース」を配置し、お店の人当たりの良さを当然のように行
っているからこそ、人と人とのコミュニケーションが自然に発生する
雰 囲 気 を 商 店 街 全 体 で 作 っ て い る と い え る 。こ れ は 、
「 な じ み 」と い う
巣鴨地蔵通り商店街の特色を商店街自身がよく理解し、フューチャー
している結果だと言えるだろう。これの 2 つならば、とげ抜き地蔵の
ようなシンボルがない商店街でも、取り入れることは可能なのではな
~ 18 ~
いだろうか。ここで、アンケートを取ったもう一つの商店街である、
明 大 前 す ず ら ん 通 り 商 店 街 を 例 と し て あ げ る 。明 治 大 学 生 は wacafe
29)
という、明大前すずらん通り商店街のお店の委託販売をしている。こ
れは、明大前すずらん通り商店街にとって、大きな特色になると言え
るのではないだろうか。これを、明大前すずらん通り商店街の空き店
舗 を 貸 し 出 し 、委 託 販 売 の 種 類 を 増 加 さ せ る な ど の 支 援 を す る こ と が 、
商店街側が出来るフューチャーのやり方ではないだろうか。これによ
って第一に学生の商店街利用というメリットが生じる。さらには、そ
の学生同士の友達繋がりなどから、新しいコミュニケーションが形成
し得る場ともなり得るだろう。そうすれば、上記した、経験価値の付
加も出来上がり、自然と滞留時間は延びるだろう。そして、委託販売
であるという点から顧客が気に入った商品があれば、それを求めるた
め に 訪 れ る 人 も 出 て く る 可 能 性 も あ る 。こ の よ う に 経 験 価 値 の 付 加 と 、
商店街独自の特色をフューチャーするという点が巣鴨地蔵通り商店街
から、学べる大きな点であるのではないだろうか。
最 後 に 、本 稿 を 作 成 す る の に あ た っ て 快 く イ ン タ ビ ュ ー を 引 き 受 け
てくださった工藤秀治様、アンケートにご協力頂いた方々に深く感謝
の意を示したい。
i
脚注
1)商 店 街 の 大 半 の 店 舗 が 営 業 し て い な い 商 店 街 、 文 字 通 り シ ャ ッ タ ー
の閉まった商店街のこと。
2) 商 業 の 実 態 を 明 ら か に し 、 商 業 に 関 す る 施 策 の 基 礎 資 料 を 得 る
ことを目的としている。現在は、平成 9 年以降から 5 年ごとに本調査
を実施し、中間年(本調査の 2 年後)に民営事業所のみを対象とする
~ 19 ~
簡易調査を行っている。
3) 東 京 都 豊 島 区 巣 鴨 に あ る 曹 洞 宗 の 寺 院 。
4) 東 京 都 豊 島 区 巣 鴨 に あ る 真 言 宗 豊 山 派 の 寺 院 。
5) 明 治 17 年( 1884)、時 の 東 京 府 知 事 芳 川 顕 正 に よ っ て 発 議 さ れ た 。
ロンドンやパリをモデルとして、東京を近代国家の首都にふさわしい
都 市 に 改 造 し よ う と い う 計 画 。 明 治 22 年 ( 1889) に 事 業 開 始 し 、 大
正 8 年 ( 1919) 事 業 が 完 成 し た 。
6) 毎 月 4・14・24 日 に 開 か れ る 縁 日 に は 、昔 懐 か し い 露 店 が 地 蔵 通 り
に 沿 っ て 軒 を 連 ね 、 壮 観 を 呈 す る と 共 に 江 戸 情 緒 豊 か な 風 情 の 中 、 10
万人以上の客で賑わう。
7) 昭 和 62 年 9 月 26 日 設 立 。広 域 関 東 圏 の 地 域 と 産 業 の 活 性 化 、自 然
エ ネ ル ギ ー の 普 及 促 進 を 目 的 と し て 活 動 。 http://www.giac.or.jp/
8)経 済 産 業 省 「 特 定 サ ー ビ ス 産 業 実 態 調 査 」 よ り 。
9)同 上 。
10)同 上 。
11)店 舗 や 施 設 の 入 り 口 や 室 内 な ど に 設 け ら れ て い る ベ ン チ や 椅 子 な
ど、座って休憩ができるスペース。休憩はもちろん、買った食品を食
べたり、他の訪問者とのコミュニケーションを楽しんだりできる。
12) 秘 仏 に つ き 非 公 開 で あ る 。 そ の た め 、 参 拝 者 は 本 尊 の 姿 を 刷 っ た
御影に祈願する。
13)現 在 の 百 貨 店 は か つ て の よ う な 高 い 経 験 価 値 を 有 し て お ら ず 、小 売
業における高レベルの経験価値プロバイダーは郊外モールに取って代
わられたということが言える。長谷川理
著「百貨店の経験価値マー
ケティングと小売進化理論に関する研究」より。
14)商 店 街 で の 座 り 回 数 は 、そ の 商 店 街 内 の 滞 在 時 間 を 長 く す る こ と に
対 す る 影 響 度 が 大 き い と 考 え ら れ る 。大 島 英 明・天 野 克 也・谷 口 汎 邦 著
「商店街来街者の座りスペースに関する研究」より。
~ 20 ~
15)巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 の 活 性 化 対 策 等 を 講 じ る た め に 平 成 10 年 12
月に地元商店街などを中心に設立された団体。
16)巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 全 体 の 組 合 。
17)巣 鴨 駅 前 商 店 街 と 地 蔵 通 り 商 店 街 の 一 部 を 含 ん だ 町 会 で 、両 商 店 街
とは共存共栄の態勢である。
18)巣 鴨 三 親 の 地 区 を 中 心 に 明 る く 住 み よ い 町 を 目 指 し て 活 動 す る 自
为的な団体。豊島区町会連合会を構成する一つでもある。
19)巣 鴨 駅 前 商 店 街 の 振 興 組 合 。
20)巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 振 興 組 合 の 第 一 支 部 。
21)浅 草 神 社 奉 賛 会 の 連 合 の 南 十 六 番 の 仲 見 世 支 部 。
22)と げ ぬ き 地 蔵 の 通 称 で 知 ら れ る 曹 洞 宗 の 寺 院 。 山 号 は 萬 頂 山 。
23)豊 島 区 巣 鴨 に あ る 眞 性 寺 は 山 号 を 醫 王 山 と 号 す る 真 言 宗 豊 山 派 の
寺院。
24)巣 鴨 地 蔵 通 り 商 店 街 に 見 ら れ る 、商 店 街 に い る 人 同 士 が 初 対 面 に も
関わらずコミュニケーションをとっている状態。
25)創 業 1952 年 の 巣 鴨 に 店 舗 を 構 え る 「 赤 」 の コ ン セ プ ト で 様 々 な 衣
類を売っている店。
26)創 業 1983 年 の 巣 鴨 に 本 店 を 構 え る 、 東 京 を 中 心 に 全 14 店 舗 展 開
しているカレーうどん屋。
27)地 蔵 通 り 商 店 街 は JR 巣 鴨 駅 ~ 都 電 荒 川 線 庚 申 塚 駅 ま で の 道 路 沿 い
に広がっており、都営地下鉄三田線の駅から徒歩 1 分の位置にある。
都営バス 「とげぬき地蔵前」駅からも徒歩 1 分と交通の便はよい。
28)へ そ の 真 下 の 3~ 4 セ ン チ の と こ ろ に あ る 丹 田( た ん で ん )と い う 、
東洋医学では「気」の発信地と言われるツボがある。そこに力を加え
るという誰にでも簡単な健康法として昔から伝えられる丹田式健康法
を取り入れたパンツであるということを押し出してきた。
29)明 治 大 学 商 学 部 の 学 生 が 、明 大 前 商 店 街 の 店 舗 で 販 売 さ れ て い る 商
~ 21 ~
品の代行販売を行っている店。
参考文献
・pine, Gilmore, 『 The experience economy. c1999』, The United State
of America, 1999/04,pp16~149
・川 添
登
編 著『 お ば あ ち ゃ ん の 原 宿
巣鴨とげぬき地蔵の考現学』
平 凡 社 1989
・倉沢
と
進
著『大都市高齢者と盛り場
復刻版』東京都立大学出版会
・
『植木屋のある風景
資料館
とげぬき地蔵をつくる人び
2001
< 園 芸 都 市 > の 地 域 像 を さ ぐ る 』豊 島 区 立 郷 土
1993
・
『 地 域 再 生 の た め の テ ー マ パ ー ク の 位 置 づ け と 役 割 調 査 報 告 書 』財 団
法 人 広 域 関 東 圏 産 業 活 性 化 セ ン タ ー ,2004/3,pp4~5
・大 島 英 明・天 野 克 也・谷 口 汎 邦 著「 商 店 街 来 街 者 の 座 り ス ペ ー ス に
関 す る 研 究 」『 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 』 日 本 建 築 学
会 ,2006/12,pp41~46
・長谷川理
著「百貨店の経験価値マーケティングと小売進化理論に
関 す る 研 究 」 『 上 智 経 済 論 集 52/1・ 2』 上 智 大 学 ,2007-03-01,pp48
・「 平 成 13 年 特 定 サ ー ビ ス 産 業 実 態 調 査 報 告 書
遊 園 地・テ ー マ パ ー
ク 編 」 社 団 法 人 経 済 産 業 統 計 協 会 2003/1 /30
参 考 URL( 情 報 最 終 確 認 日 : 2010 年 9 月 26 日 )
・商業統計調査表
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/syougyou/sg -index.htm
・財団法人広域関東圏産業活性化センター
・巣鴨地蔵通り商店街公式ホームページ
・豊島区公式ホームページ
http://www.giac.or.jp/
http://www.sugamo.or.jp/
http://www.city.toshima.tokyo.jp/
・豊島区立郷土資料館
~ 22 ~
http://www.museum.toshima.tokyo.jp/index.html
・巣鴨の歴史
http://www.rikkyo.ne.jp/web/z5000002/p1000/05 -ensyuu/05-ensy
uu04/0504-1.html
・真性寺
http://www.sugamo.or.jp/prayer_detail02.html
・東京都公文書館
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/archives/0701syoko_kar
a08.htm
・豊島区町会連合会
http://toshimaku-choren.jp/index.html
・巣鴨三親会公式ホームページ
http://www2.ocn.ne.jp/~sansin33/13.html
・日本商工会議所まちづくりナビゲーター
http://www.jcci.or.jp/machi/machi -index.html
・浅草神社奉賛会三社祭公式情報
・巣鴨マルジ
・古奈屋
http://www.sanjasama.jp/
http://www.sugamo-maruji.jp/
http://www.konaya.ne.jp/index.html
~ア ン ケ ー ト ~
①商店街に滞在する時間は?
ア 、 30 分 以 内 イ 、 1 時 間 以 内 ウ 、 2 時 間 以 内 エ 、 そ れ 以 上
②商店街に、1 か月に来る頻度は?
ア 、 1 回 未 満 イ 、 1~ 2 回 ウ 、 3~ 4 回 エ 、 ほ ぼ 毎 日
③商店街に来る時間帯は?(複数回答可)
ア 、 9~ 12 時 イ 、 12~ 15 時 ウ 、 15~ 18 時 エ 、 18~ 21 時
④商店街に来る人との間柄は?(複数回答可)
ア、家族 イ、同年代の友達 ウ、一人 エ、その他
⑤商店街で買った商品(複数回答可)
ア、衣服 イ、食料品 ウ、衣料品 エ、おみやげ オ、その他
⑥商店街に来るまでの所要時間
ア 、 30 分 以 内 イ 、 1 時 間 以 内 ウ 、 2 時 間 以 内 エ 、 そ れ 以 上
⑦商店街で必ず行く所は?(複数回答可)
(
)
~ 23 ~