手術説明書(TUL:経尿道的腎尿管結石砕石術を受けられる患者様へ

手術説明書(TUL:経尿道的腎尿管結石砕石術を受けられる患者様へ)
私は、患者
Ⅰ.現在の診断
腎結石症、尿管結石症
様の手術について、次のとおり説明いたしました。
Ⅱ.予定している手術の名称と方法
名称:TUL:経尿道的腎尿管結石砕石術
麻酔:全身麻酔または腰椎麻酔
方法:1.尿道より膀胱鏡を挿入します。
2.尿管の出口である尿管口を確認します。
3.膀胱鏡をさらに細い内視鏡に変更し、尿管口から尿管・腎盂へと進めて
観察を行います。
4.結石の場所や数を始め、出血や腫瘍などがないかよく観察します。
5.処置が可能と判断されれば、レーザーや超音波を用いた砕石処置を行い
ます。
6.出血や感染コントロール目的で、また尿管狭窄の予防や治療ため、必要
と判断された場合には尿管カテーテルやステントと呼ばれるチューブを
留置します。
7.尿道から、尿を排出するチューブ(カテーテル)を挿入して手術を終了
します。
手術時間:手術はおよそ1時間から2時間かかります
(病変の種類や数、大きさによって違います)。
術後:安静度、水分、食事は経過を見ながら主治医から指示があります。
順調に行けば術後翌日から 3 日目に尿道カテーテルを抜きます。高度の血尿
や感染の兆候があればもうさらに留置することがあります。
カテーテルを抜いて発熱や血尿がなければ退院可能となります。
ただし合併症や基礎疾患の有無により、回復には個人差があります。
尿管ステントは退院後に外来もしくは入院して抜去することがあります。
Ⅲ.上記によって期待される効果と限界
効果:結石を直接観察することで診断や治療をより確実に行うことができます。
限界:結石の種類や大きさ具合により、再手術などの追加治療が必要となることがあ
ります。
尿管が細く(狭窄)、内視鏡が通過しない場合は結石を観察できないことがあ
ります。また、その場合狭窄を解除する目的でステントというチューブを留置
することがあり、通常 1­2 ヵ月後にステントを抜いて再検査、手術を行います。
Ⅳ.上記以外に可能な治療法といずれも実施しない場合予測される病状の推移
・ 経過観察(病気や進行具合が把握できません。)
現在のところこの検査が最も病態を把握し、治療を行いやすい治療と考えます。い
ずれも実施しない場合結石の増大や、腎機能の低下、疝痛発作の発生など、病気が
進行してしまう可能性があります。
Ⅴ.予測される合併症と危険性、その他留意点
合併症 ・出血、出血性ショック…輸血の可能性
・感染(腎盂腎炎、肺炎、膿瘍形成、敗血症など)→予防的抗菌薬投与
・他臓器損傷(膀胱や尿道、左右の尿管口、尿管、血管など)
・電気的な刺激や麻酔深度により誘発される体動による尿管損傷
・灌流液の充満による腎盂破裂、腎盂外流出。
・血管系合併症(肺塞栓症、深部静脈血栓症など)
・麻酔に関係した合併症
・術後イレウス(腸閉塞)
・術後肝・腎機能低下
・その他(時に命に関わることも起こりえます)
・晩期合併症としての尿道狭窄(再手術が必要なこともあります)
・その他直接手術に関連するものではなく、まれに脳梗塞、肺梗塞、心筋
梗塞などが手術のストレスを誘引として引き起こされることもあります。
・また、基礎疾患がある場合手術による悪化の恐れや基礎疾患に伴うリス
クがあります。
・術後経過観察中に初めて他臓器損傷や出血などが発見されることがあり
ますが、この場合再手術を行うこともあり得ます。
・術前の各種画像検査で腫瘍や結石、出血と診断された場合でも、癌でな
かったり結石が既に排出されていたり、出血が自然に止まっている可能性
があります。
Ⅵ.その他の偶発症の可能性とそれに対する対応策
手術に際しては合併症が起こらないよう、充分注意して行います。
それでも不測の事態が起こることはありえますが、その場合その時点で最善と考え
られる対処をいたします。
Ⅶ.説明方法
口頭、診療録、画像、図、模型、その他(
)
Ⅷ.同席者
患者側氏名:
病院側氏名:
平成
年
月
日
泌尿器科
医師
㊞
㊞
承諾書
岡山大学附属病院長殿
私は、現在の病状および手術の必要性とその内容、これに伴う危険性について十分な
説明を受け、理解しましたので、その実施を承諾します。尚、実施中に緊急の処置を行
う必要が生じた場合には、適宜処置を受けることについても承諾します。
平成
年
月
日
患者
住所
氏名(署名)
同意者
㊞
住所
氏名(署名)
(患者との続柄
㊞
)