TULを受ける患者への指導 ‐DJパンフレットを用いた看護師の勉強会を行って‐ 3階北病棟 ○久田 大貴 葉山 綾子 森 美香 福田 友美 真辺 保美 はじめに 平成 23 年度の泌尿器科の手術は、634 件あり、そ の中で経尿道的尿路結石除去術(以下 TUL と略す) 18 人(P=0.0122) 、 「発熱」は4人から 14 人(P= 0.0022)と増加し、有意差がみられた。 は 213 件である。TUL では、ほぼ全員に尿管ステン 2 患者調査:DJ ステントの合併症である「発熱」 ト(以下 DJ ステントと称す)が留置されている。 について、38℃以上と答えられた人はパンフレット 現在、DJ ステント留置に伴う症状についての指導は 使用前 25%から使用後 22.2%に減少した。 「血尿」 統一されていない。DJ ステント留置により、発熱や については、血尿スケールⅢ以上と答えられた人は、 血尿、排尿痛、腰背部痛を伴うことがあり、退院後 使用前が 0%から 33.3%に増加した。 「疼痛」につい の患者より問題のない程度の血尿や疼痛の問い合 て、腰と背中と答えられた人は、50%から 66.7%に わせがある。この現状から、看護師の指導内容を振 増加した。 「看護師からの説明」については“はい” り返り、DJ ステントに関する指導の統一が必要であ と答えた人は 62.5%から 55.6%へ減少した。 ると考えた。そのため、DJ パンフレット作成し、病 Ⅳ 考察 棟看護師を対象に勉強会を行い指導の統一を図り、 当病棟看護師は DJ ステント留置の目的を全員が 勉強会の前後のアンケート調査の結果、看護師の指 理解できておらず、知識はあるが、患者への説明は 導内容が統一できたため、報告する。 半数以上ができていなかった。この現状より DJ パ Ⅰ 研究目的 ンフレットを作成し、看護師へ勉強会を行った結果、 DJ パンフレットを基に勉強会を開催することで、 アンケートで全ての項目が増加した。また、日常生 看護師の知識の共有と指導の統一を図る。 活の注意点である水分摂取・血尿・発熱を説明でき Ⅱ 研究方法 ている項目で有意差がみられたことは、パンフレッ 1 研究対象 ①病棟看護師 22 名 トというツールを用いたことで、知識の向上と指導 ②TUL を受けた患者 14 名(パンフレット使用前) の統一に繋がったと考えられる。今回、明らかとな ③TUL を受けた患者 18 名(パンフレット使用後) った問題に対し、病棟という組織で勉強会を開催し、 2 研究期間 平成 24 年 1 月~H24 年 9 月 個人のスキルの向上のためにパンフレットを作成 3 研究方法 1)独自に作成した自記式質問紙を したことは、効果的であったと考える。患者調査で 用い現状調査を行う。2)調査結果と DJ ステン は、看護師から説明を受けたと答えた患者の割合は トに関する資料を基に DJ パンフレットを作成 減少していた。看護師が行った指導が患者にとって する。3)勉強会前後・パンフレット使用前後で 指導されているという認識に至っていなかったと 看護師・患者にアンケート調査を行い比較する。 考える。今後はいつどのタイミングで行うのかとい 倫理的配慮 う指導の統一が必要であり、パンフレットの有用性 当院の倫理委員会の審査を受け、研究の目的と研 を明らかにするために調査・勉強会の継続が必要で 究方法、本研究で得たデータは研究以外使用しな あると考える。クリティカルパスで経過する患者が いことを書面で説明し、同意を得た。 多い中においても、パンフレット指導のみではなく、 Ⅲ 結果 個別性のある指導に努めていきたいと考える。 1 看護師調査:日常生活の注意点である水分摂 Ⅴ 結論 取・血尿・発熱を説明できていた人を、勉強会の前後 作成したパンフレットを基に勉強会を開催する 「水分摂取」は で比較し、χ2検定を行なった結果、 ことで、知識の共有・指導内容の統一を図ることが 6 人から 17 人(P=0.0009)、 「血尿」は 10 人から できた。
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