事業計画書(PDF

報告事項
平成 28 年度事業計画および予算について
総 論
東日本大震災から本年で 5 年が経過しました。被災地域では、復興への歩みが懸命
に進められている一方、我が国経済は、企業業績、雇用情勢等は概ね好調な反面、消
費低迷等による景気停滞感や、為替、株式市場の不安定感から先行きが見通しにくい
状況にあります。
電気事業においては、一部原子力発電所の再稼動など明るい兆しも出ており、平成
27 年度決算においても電力 10 社は黒字となりました。しかしながら、その内容は燃
料原価の低減によるものが主で、売上高では、10 社合計で前年度から 6.3%の減少と
なり、実質的には、まだまだ厳しい経営環境が続いています。
【基本事業の着実な実施】
大震災後の 5 年間は、電気関係事業を取り巻く環境にも非常に大きな変化がありま
した。本会事業に大きく関係するところでは、
1.電力システム改革の推進(広域的運営推進機関の設立、電力小売全面自由化)
2.原子力発電所全機停止から新規制基準に基づく再稼働の開始
3.再生可能エネルギー、新規電気事業者の加速度的な増加
等であります。
特に、平成 28 年 4 月から、電力システム改革の第 2 弾である、電力小売の全面自由
化がスタートし、多数の小売電気事業者が営業を開始します。
電気事業に関わる事業者が大幅に増える中、社会インフラの礎である電気の安全性
確保と安定供給維持を果たしていくためには、電気設備の保安を確保するための技術
規格や基準の策定、電気安全を維持する知識の普及啓発、電気技術者の育成、電気新
聞を通じた情報発信といった本会の役割が一層重要になってくるものと考えており、
その取り組みを着実に進めて参ります。
【電力システム改革への対応】
これまでの本会の対応としては、従来からの電力関係者に向けての電力システム改
革に関連するサービス、情報提供の拡充を行うと同時に、新規参入者はステータスを
- 1 -
分類し、
① お客さまとして
⇒
本会のサービス、商品の購入を積極的に紹介
② 事業パートナー
⇒
民間規格策定事業への参画等、適任者を選任して拡大
として
③ 会員として
⇒
本会の目的に賛同いただき、事業運営に参画勧誘
という対応を実施してきました。
具体的には、お客さまとしては、新電力への電気新聞の購読拡大、電力システム改
革に関連するセミナーの実施、書籍、冊子等の作成販売、および電気工事士資格取得
のための参考書の販売を行う等、新たなビジネス機会とすることができました。
事業パートナーとしては、日本電気技術規格委員会(JESC)への(一社)日本風力
発電協会様の加入、系統連系、情報、火力の各専門部会へ(一社)日本風力発電協会
様、
(一社)太陽光発電協会様の他、(株)F-Power 様、丸紅(株)様、JX 日鉱日石エ
ネルギー(株)様、JNC(株)様 等の新電力の参画を得ました。
会員としては、販売電力量や出資会社と本会との関係等を踏まえ、(株)エネット
様、丸紅(株)様、JX 日鉱日石エネルギー(株)様他 計 6 社を訪問して、本会の事
業概要の紹介等を行った他、1 月 7 日の本会主催の新年賀詞交歓会に本会未会員の新
電力等 53 社に招待の案内をした結果、当日 19 社 36 名が参加し、一般電気事業者、
発電事業者等との交流を深めて頂きました。引き続き本会事業の有益性の PR や交流
の機会を作りながら、会員化を図って参ります。
【平成 28 年度の主な事業活動】
①
原子力規格委員会(NUSC)においては、原子力の安全確保と再稼働に向けて、福
島事故後の新たな知見を織り込んだ規格の早期改定に引き続き取り組みます。具体
的には,「原子力発電所放射線遮蔽設計規程」,「放射線モニタリング指針」,「原子
力発電所緊急時対策所の設計指針」など,優先度の高い 8 件の規程・指針を制改定
します。
②
日本電気技術規格委員会(JESC)においては、「内線規程」をはじめとする既存
の重要規格類の制改定も的確に実施しながら、電力システム改革によって予想され
る今後の環境変化に対応する規格類も精力的に制改定を行ってまいります。その一
環で、平成 27 年度に新たに設置した情報専門部会でとりまとめた「電力制御シス
- 2 -
テムセキュリティガイドライン」「スマートメーターシステムセキュリティガイド
ライン」を制定、発行するとともに、「系統連系規程」の改定版を発行します。
また、今年度から参画した(一社)日本風力発電協会様に続き、再生可能エネル
ギーや電気自動車に係わる団体に、引き続き JESC 参加と分担金の負担を促します。
③
電気技術の調査・研究事業では、再生可能エネルギーの普及促進や、電気保安規
制のスマート化等に関連して、基礎的な調査・研究に関する委託事業が増加傾向に
ある中、平成 27 年度は、委託元への情報収集や戦略的な応札により、
「直接埋設に
おけるケーブル外傷調査」「電気設備リスク評価」等 6 件を受託することができ、
約 76 百万円の収入となりました。(平成 26 年度は 1 件、300 万円)
平成 28 年度も引き続きこれらに積極的に応札し、本会の技術ノウハウの蓄積お
よび収益の拡大に努めます。
④
電気安全の確保及び電気知識の普及に関しては、国・自治体・諸団体と積極的に
連携して取り組みます。
電気設備面、利用面に関しては、一般送配電事業者を中心とした電気安全委員会
による「自家用設備の波及事故」、
「感電事故」等の防止、特に高齢者、子供を対象
とした安全な電気使用の啓発を継続して行います。
また、新たな取り組みとして、東京消防庁との研究成果を活用した「電気火災抑
制策」の啓発、さらに、一般消費者が電力小売全面自由化のメリットを安心安全に
享受するためのノウハウの普及活動を行います。第一弾として、一般消費者が新た
な電力会社と契約する場合の契約前のチェックリストや Q&A を電気新聞ウェブサ
イトに特設コーナーとして掲載し、これを拡充してまいります。
⑤
第一種電気工事士定期講習に関しては、各支部で実施していますが、平成 28 年
度は受講対象者数が約 2 万 9 千人(平成 26 年度は約 16 万 2 千人、平成 27 年度は
約 7 万 9 千人)と 5 年周期で最少の年度であり、電気工事技術講習センター、全日
本電気工事業工業組合連合会との連携強化による受講者確保を目指します。
その他の技術講習会は、地域ニーズに即したテーマ選定や有楽町電気ビルの会議
室を活用した夜間の講習会や企業に出向いての講習会の実施等に継続して取り組
むことにより、受講層の拡大と電気知識・技術の普及に努めます。
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⑥
出版事業は、平成 28 年度発行予定で大きな需要が見込める「内線規程(改訂版)」、
「系統連系規程(改訂版)」を確実に発刊・販売するとともに、ラインアップが完
了した資格関連図書(第二種電気工事士筆記・技能問題集、第一種電気工事士筆
記問題集、電験三種科目別演習問題集等)を重点商品として、工業高校、工事組
合へ継続して拡販するとともに、電気技術者の育成を急ぐ新規電気事業者などへの
販売ルートの拡大を図ります。
新たな取り組みとして、専門的に大規模な安全関係の活動を行っている団体(中
央労働災害防止協会等)との協働による、電気の取扱いに関するテキスト・DVD 等
の普及拡大により、収益の向上を図ります。
⑦
新聞事業においては、電力・エネルギーを巡る環境が激変しており、電気新聞
が抱えるフィールドは、まさに他のメディアとの競争に晒されています。いかな
るメディアよりも「速く」「詳しく」「分かりやすく」読者に提供することが重要
な使命と位置づけ、平成 28 年 4 月からの電力小売全面自由化、平成 32 年 4 月か
らの発送電分離という電力システム改革の流れ、原子力の再稼働およびその後の
原子力事業体制のあり方、最終処分や高速増殖炉を含めた原子力燃料サイクルの
行方などの変化に機敏に反応し他紙の追随を許さない紙面編集に努めます。
出版活動については、原子力や電力システム改革などの状況変化に応じた理解
活動についてきめ細かい情報収集によりニーズを掘り起し、分かりやすく解説す
るとともに、思い切った新しい形態の自主商品の製作にも挑戦します。
セミナー関係では、平成 27 年度に実施した IT ワークショップなどの実績をもと
に、様々な形での企業協賛イベントを企画提案するとともに、「これからのエネル
ギー委員会」を核にした地方フォーラムの提案営業を行います。
また、平成 28 年度には電気新聞創刊 110 周年を迎えることから、イベントなど
を積極展開し、新たな市場の掘り起こしを図ります。
【経常収支の推移】
電力部分自由化、東日本大震災等により長期間減少傾向にあった本会の経常収支に
つきましては、経営改革プログラムを柱とした徹底した費用削減等の実施により若干
の黒字を出せるレベルまで改善しました。平成 27 年度は 76 百万円の黒字決算となり、
平成 28 年度は 190 百万円の黒字を計画しています。(図1参照)
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(百万円)
4,520
4,400
4,400
4,100
3,800
震災
3,986
3,891
900
3,909
3,891
3,841
3,835
3,792
3,901
3,500
3,624
3,200
211
2,900
2,600
▲150
2,300
18
0
▲ 120
▲ 95
H22
H23
3,977
3,947
収益
600
3,757
190
76
48
750
費用
450
300
150
損益
0
▲ 150
H24
H25
< 図1 経常収支の推移
- 5 -
H26
H27
H22∼H28 年度 >
H28予算
事業分野別事業計画
1.電気技術・規格に係る調査・研究・発行
<基本方針>
○ 本会の基本的使命である電気事業の進歩発展に向け、電気の安全性確保と安定供給
等、電気設備の保安を確保するための民間規格の検討、整備、および国の技術基準
への改正要望の提出を着実に実施する。
○ 原子力関係は、新規制基準施行及び福島事故を踏まえた規程・指針の早期策定・整
備に注力し、再稼働に資するとともに、規格策定における更なる透明性向上のため
理解促進活動を推進する。
○ 電力システム改革の本格実施を受け、規格・基準に係る新たなニーズがあるか関係
者との情報交換等を通じ積極的に把握する。
(1) 電気に関する調査研究、および規格・基準の策定事業(公益目的支出計画 実施事業)
① 原子力規格委員会(NUSC)
○ 新規制基準、再稼働申請の審査知見を踏まえ、原子力再稼働に貢献する規格の早
期制改定に取り組む。優先度の高い規程・指針 8 件を制改定。
・「原子力発電所放射線遮蔽設計規程」、「放射線モニタリング指針」、「原子力発電
所緊急時対策所の設計指針」等
○ 規格策定活動の強化と普及促進を目的としたシンポジウム・セミナーの開催。
・規格策定活動において幅広く意見を反映できる仕組みとして「第 3 回原子力規格
委員会シンポジウム」を開催し、
「国際基準と原子力規格の現状と課題(案)」を
テーマに、原子力規制委員会委員、国際基準の専門家の出席を募る。
・「原子力安全のためのマネジメントシステム規程」に関するセミナー開催による
規格の普及促進。
② 日本電気技術規格委員会(JESC)
○ 民間規格の制改定案や電気事業法技術基準等の改正要望案 13 件について、審査・
承認。
○ 国への改正・引用要請の積み残し案件の対応を引き続き積極的に行い、これまで
の積み残し案件の一掃を目指す。
○ 太陽光等、再生可能エネルギーや電気自動車に係る団体へ JESC への参加要請を継
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続実施。
③ 各種専門部会(水力、火力、発変電、送電、配電、需要設備、系統連系、情報等)
○ 「内線規程」をはじめとする既存の重要規格類の制改定を的確に実施。
○ 電力システム改革等、時代の要請や新技術並びに電力設備の災害対策強化等の規
制動向等に対応した規程・指針類の制改定を実施。
・「電力制御システムセキュリティガイドライン」の制定。
・「系統連系規程」、「自家用電気工作物保安管理規程」の改定。
○ 国の技術基準・解釈の改正要望の作成、および JESC で承認された改正要望の
速やかな実現のための活動を実施。
④ 電気用品調査委員会
○ 電気用品調査委員会を 3 回開催予定。
○ 審議予定の JIS は、原案確認時 41 件、JIS 制定後の国への採用提案の確認 38 件
を予定。
○ 事故事例調査に基づく電気用品の信頼性向上のための解釈改正提案の検討。
○ 整合規格提案者として今後提案される JIS 等が技術基準省令への適合性を確認し、
国に整合規格の別表第十二の採用を提案。
(2) 規程・指針の発行
○ 制定・改定版を約 21 件発行。各委員会の成果である規程・指針類を速やかに関係
者の利用に供する。
(原子力編)
・「原子力発電所耐震設計技術規程/指針」、「浸水防止設備技術指針」、「原子力発
電所の運転中における漏えい燃料発生時の対応規程」等
(電気設備・火力設備編 等)
・「内線規程」、「系統連系規程」、「電力制御システムセキュリティガイドライン」、
「スマートメーターシステムセキュリティガイドライン」等
○ 発行スケジュールの管理強化と周知強化
・規格・基準類の策定を行う各委員会等との情報交換等により、スケジュールに従
った発刊を目指す。
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2.電気技術・規格の新しい技術・規制緩和等に係る調査・研究
<基本方針>
○ 再生可能エネルギーの普及、電気保安規制のスマート化に係る電気設備の技術基準
等に関する国の調査事業に注力し、電気事業者側から消費者側までを取り持つ本会
業務との関連性等を勘案し、積極的に応札する。
○ 本会の技術ノウハウの蓄積に努め、事業の成果を規格基準への反映、新規事業へつ
なげる。
○ 経済産業省が実施する電気設備の技術基準及び再生可能エネルギー普及促進に係
る調査事業等に応札。調査結果の政策への反映等を通じて電気保安への寄与を図る。
・「電気設備技術基準関連規格等調査」の受託・実施。
・再生可能エネルギー関連の規制見直し等に関する調査事業への積極的応札。
○ 原子力規制庁及び東京消防庁の調査事業等、前年度実績を踏まえた継続受託を目
指す。
3.電気関係技術の人材育成
<基本方針>
○ 第一種電気工事士定期講習は、講師レベルの向上による良質な講習の提供や、受講
漏れ防止のための広報・周知の強化等の受講者サービス向上等により、他の指定講
習機関との差別化を図り、受講者の確保に努める。
○ 電気技術者育成講習会事業は、受講者のニーズを取り入れたテーマの選定により
受講対象者の領域を拡大し、電気保安確保の基盤となる電気技術者育成の促進を
図るとともに、安定的な事業運営基盤の確立を図る。
○ 電気技術者育成図書は、販売促進チームを中心に支部と連携し、資格取得を目指す
工業高校・工事組合等への採用等、周知活動を強化する。
(1) 受託講習事業
① 第一種電気工事士定期講習事業
○ 経済産業大臣の指定講習機関の一つである(一財)電気工事技術講習センターから、
全日本電気工事業工業組合連合会と共同で受託、実施。
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○ 平成 28 年度の本会実施分は、受講者数 6,745 名(58 会場)と想定。
② 認定電気工事従事者認定講習事業
○ 平成 28 年度より(一財)電気工事技術講習センターからの委託契約から請負契約
に移行。
○ 支部との連携強化、関係企業、団体へのチラシ配布を実施し受講者増を図る。
○ 工業高校、工事組合等への周知活動を継続拡大し、資格取得促進を図る。
(2) 電気技術者育成講習会事業
○ 地域ごとのニーズを踏まえた講習会の積極的実施。
○ 本会発行の規程や、電気設備技術基準・解釈に関する講習会を全国で実施。
○ 企業の人材育成ニーズに対応した電験三種や電工二種受験対策、低圧電気取扱教育
等のための企業内研修へ講師を派遣する出張講習会を積極的に実施。受託拡大によ
る法人顧客へのシフトを図る。
○ 平成 27 年度に開始した、平日夜間開催の第二種電気工事士講習会を継続実施。周
知の前倒しによる集客を図る。
(3) 電気技術者育成に関する図書発行
○ 本会発行図書の、資格者養成機関や他団体で実施する講習への採用に向け、販売
推進チームを中心とした認知度向上を図る。
・「電験 3 種演習問題集」は平成 27 年度に全 4 科目のラインナップが揃い、セット
販売等による新規顧客開拓、拡販を実施。
・
「第二種電気工事士(筆記・技能)候補問題集」の工業高校、工事組合、一般企業へ
の拡販。
・平成 27 年度に新規発刊した「第一種電気工事士筆記問題集」の購買層へ向けた効
果的な拡販を実施。
(4) 原子力工学大学院博士課程奨学金事業
○ 原子力の将来を担う人材確保、教育・研究の充実を目的とし、原子力工学関連大学
院の博士課程学生を対象とした奨学金制度の運営。
・選考にあたり、廃炉を含む原子力発電及び FBR 等次世代炉に関する研究を重視。
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4.電気安全・保安確保の推進
<基本方針>
○ 本会の使命の一つである電気安全の普及啓発事業は、関係官庁・団体と協力して、
着実に展開する。
○ 需要が多い安全 DVD については、新規 DVD の制作促進を図るとともに、既存商品の
PR を強化し、各種講習会での活用を図る等の販売を推進する。
○ 消防法に基づく登録認定事業、特にキュービクル認定については品質の維持向上
を図りつつ、効率化な審査を行なう。
(1) 電気安全の普及啓発事業
○ 電気安全全国連絡委員会および各地区安全委員会において、関係官庁・団体と協力
し、電気の安全及び災害防止に資する諸活動を推進。
・電気安全・事故防止の啓発をテーマとした、パンフレット(一般・高齢者・自家用)、
ポスター等の制作・活用による啓発の実施。
・安全 DVD については、ニーズの多い事業所向けのタイトル・ジャンルの補完、一般
家庭向けのリニューアル版の制作、頒布。低圧電気取扱特別教育講習のカリキュラ
ムを細分化・シリーズ化を検討。
・電気関係企業の安全管理担当者等を対象とした「第 51 回電気関係事業安全セミナ
ー」を 7 月に開催。
・経済産業省主唱の「電気使用安全月間(8 月)」や表彰制度等への協力の他、各地域
のニーズに沿った活動の展開。
・電力小売全面自由化を踏まえ、一般消費者の知識啓発活動について検討。
(2) 消防法に基づく登録認定事業
○ 消防庁登録認定機関として、キュービクル、ナトリウム・硫黄電池、燃料電池等の
電気設備について、消防法に定める技術基準への適合性の認定を実施。
・キュービクル認定事業は、審査品質保持のため支部審査を支援し、効率的な業務運
営を実施。
・蓄電池、低圧配電盤、誘導灯は、委員会運営方法の協議、品質管理検査に同行し、
必要に応じて改善指示をする等不良品発生の未然防止を図る。
・海外製燃料電池に対する非常電源設備の認定に向けた審査体制の整備。
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5.電気の有効活用に関する情報・知識の普及広報
<基本方針>
○ 電力有効活用の普及啓発事業は、電力システム改革の動向を注視しつつ、効果的な
推進活動を図る。
○ 図書発行においては、販売促進活動の強化、支部との連携により顧客開拓、販売ル
ートの拡大を図るとともに、技術部委員会との連携強化等による新規発刊図書の拡
充によりラインナップを強化する。
(1) 電力有効活用の普及啓発事業
○ 全国電気使用合理化委員会および各地区合理化委員会において、関係官庁・団体と
協力し、電力の効率的利用、節電、省エネルギーに資する諸活動を推進。
・工場・事業所等における電力有効活用、省エネルギー等の推進について、パンフレ
ット、ウェブサイト等の媒体を活用した啓発の実施。
・経済産業省が実施する表彰制度や、「省エネルギー月間」等への全面的協力の他、
各地域のニーズに沿った活動の展開。
・電力小売全面自由化、電力システム改革の動向を注視し、委員会のあり方を模索。
(2) 電気に関する法令、統計、知識普及等に関する図書発行
○ 法令関係図書を発刊。電気関係法令の理解と普及を促進。
・「電気関係法規」、「電気設備の技術基準とその解釈」、「電気設備技術基準(省令及
び解釈)の解説」 等
○ 電気に関する統計資料を発刊。
・「電気事業便覧」 等
○ 技術部各委員会との連携の強化、外部識者の活用による新規発刊図書の制作体制の
確立。
6.表彰・諸行事・広報を通じた会員支援
<基本方針>
○ 民間で唯一の電気保安関係表彰として権威ある澁澤賞は、表彰内容の一層の充実を
図るとともに、効率的な業務運営を行う。
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○ その他行事等については、「電気人のつどい」としての意義も含め、簡素化を
図りつつも着実に実施する。
○ 電気協会報や本部ホームページ等を活用した本会技術活動、発行図書等の情報発信
に加え、電力小売り自由化に関する情報発信を行い、会員はもとより社会一般に対
しても電気知識の普及啓発に努める。
(1) 澁澤賞
○ 女性対象者等、多様な人材の顕彰を図る。贈呈式を 11 月に開催。
(2) 電気記念日行事
○ 本会が制定した 3 月 25 日の「電気記念日」に際して、各支部において祝賀式典を
開催し、「電気関係事業傘寿功労者表彰」の表彰等、記念行事を実施。
○ 同記念日の認知度向上のためのポスターを制作、頒布。
(3) 新年賀詞交歓会
○ 平成 29 年1月 10 日に、電気倶楽部との共催で、「電気関係新年賀詞交歓会」を
ホテル ニューオータニで開催。
(4) 電気協会報
○ 「技術活動報告」をはじめとする、本会独自情報に加え、電力小売全面自由化の動向
を注視した企画構成を実施、会員サービスの向上、業務に役立つ情報を発信。
(5) ホームページによる情報発信
○ 出版物の発刊、講習会の開催等、本会に関するタイムリーな情報発信を実施。
○ 電力小売全面自由化に関する情報発信を実施。
7.電気・エネルギーの専門紙としての公正・中立な報道による情報発信(新聞事業)
<基本方針>
○ 激変する電力・エネルギーを巡る環境を他のメディアよりも「速く」
「正確に」
「分
かりやすく」読者に伝えることを使命とし、客観・中立報道を貫き、読者の「指針」
となるような紙面づくりを志向する。
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○ 「経営の安定なくして報道の独立なし」を肝に銘じ、今この局面だからこそ収支の
安定化が必要不可欠であることを認識し、中長期的に持続可能な経営を志向するた
めの目標を設定。
(1) 報道機関としての使命を追求
○ 電力の小売全面自由化等、時代が大きく変わっていく中で、読者ニーズを念頭に置
き、魅力ある紙面づくりを目指し、紙面品質の維持向上と購読部数の拡大を図る。
○ 電力システム改革、原子力再稼働およびその後の原子力事業体制のあり方、原子燃
料サイクルの行方などの変化に機敏に反応した紙面編集。
○ 電子新聞について当面は紙との並存を模索しつつ、将来的には収益の一翼を担って
いくことを想定しながら今秋以降に発行体制を整える。
(2) 抜本的な収支改善策を推進
○ 単年度の売上だけでなく、中長期的に持続可能な経営を志向するための目標を設定、
①新領域の開拓 ②既存事業のブラッシュアップ ③価格戦略の再構築 ④営業力強
化のためのインセンティブの仕組み確立、などについて戦略的な取り組みを進める。
○ 購読については「部数は新聞事業にとって生命線」という意識の下、引き続き全員
参加型の拡販運動を展開、新規顧客獲得に向け組織的・戦略的な取り組みを実施。
○ 広告分野に関しては、既存の主要クライアントとの一層の関係強化を図るとともに、
新電力やIT関連事業者等の新規事業者に加え、平成 29 年度に予定されるガス小
売全面自由化も念頭に、ニーズにマッチした提案営業を実施。
○ 創刊 110 周年を迎え、記念行事を実施するとともに、収益拡大の機会と捉え、様々
な取り組みを計画。
(3) 出版・セミナー等の新たな事業展開
○ 出版関係では、新聞発行を通じて得られた様々なチャンネルを生かして、企業や
団体からの受託刊行物の新規開拓を着実に進めるとともに、既存の出版物について
も効果的にPRを図り、売り上げを伸ばしていく。すでに編集局と連携して商品化
している電子図書等についても積極的に取り組む。
○ セミナー・フォーラムは、外部有識者をメンバーとする「これからのエネルギー
委員会」なども活用しながら、テーマ設定の工夫による新規受講者の掘り起こし
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を進めるとともに、セミナー・フォーラムそのものの企画・立案事業も展開する。
8.地域のニーズに応じた支部独自活動の積極的展開
<基本方針>
○ 協会の各種事業を各地区において展開するとともに、地域事情・ニーズに即して、
多岐にわたる独自活動を積極的に実施。
○ 高圧機器施工技術や、機器に対する認定や推奨業務。
○ 高校生ものつくりコンテスト地区大会への支援、電気工事技能の競技大会等の開
催・後援。
○ 小学生を対象とした電気教室の開催。
○ 工業高校指導者の電気工事士技能指導力要請のための研修会開催。
○ 原子力発電所等の施設見学会や各種講演会の開催。
○ 永年従事者、発明考案者等電気に関する功績者に対する表彰。
○ 東北の復興や産業振興に資する情報発信活動の推進。
○ 地域色に富んだ協会報・支部ホームページを通じたわかり易い会員コミュニケーシ
ョン 等。
9.的確かつ効率化を目指した業務運営・管理
<基本方針>
○ 電力小売全面自由化から受ける影響を早期に察知、本会の新しい役割構築に向けて
全体最適の観点から対応策を検討。
○ 平成 27 年度から継続し、経営基盤の強化を図るため、組織、要員、人材、資金、
風土等の再構築を図る。
(1) 電力小売全面自由化への対応
○ 全面自由化による環境の変化を察知・調査・分析し対応。
○ 本会の目的に賛同頂いた新規電気事業者の会員化。
○ 本会の社会的使命について組織内外に発信。
(2) 所有不動産の管理・運営による安定収益の確保
○ 有楽町電気ビルの本会所有分の内、テナント賃貸に供する部分について、空室極小
- 14 -
化(空室率を東京ビジネス地区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の平均値 4.61%
以下に削減)を図り、安定収益確保に注力。
○ 本会会議室を使用した貸会議室事業の継続実施。
○ 日本電気計器検定所へ賃貸している土地の共同活用方策の検討。
(3) 機関運営、会議開催等
① 社員総会
・平成 28 年 6 月 2 日に、「第 95 回社員総会」をウェスティンホテル仙台で開催。
② 理事会
・5 月 13 日、11 月、3 月の年 3 回を予定。
③ 参与会
・6 月 2 日、12 月の年 2 回を予定。
④ 支部大会、支部運営委員会等
・支部において、支部大会、運営委員会等を開催。
支部大会:5 月中に各支部において開催。
以
- 15 -
上