光市男女共同参画推進ネットワーク会議結果報告書 1 会議の名称 第2回光市男女共同参画推進ネットワーク会議 2 開催日時 平成26年5月28日(水)13時30分から15時30分 3 開催場所 あいぱーく光 第2・第3会議室 4 出席人数 委員19名中11名、行政関係者4名 5 公開・一部非公開の別 公開 6 会議の議事録(要旨) (1) 会長あいさつ (2) 市民部長あいさつ 7 議題 (1) 講演 演題:気付こう人権「男女共同参画社会って何だろう?」 講師:人権擁護委員 銭谷忠義 様 (事務局) 本日の講師をお願いいたしております、銭谷忠義様のご紹介をさせていただきます。 銭谷様におかれましては、海上保安学校(航海学科)をご卒業後、第六管区海上保安本 部へ出向され、徳山海上保安部にて特別司法警察職員として勤務されました。上関航路標 識事務所から、昭和43年、法務局矯正局へ出向され、法務教官として35年間、非行少 年の矯正教育に従事され、平成16年に定年退職されました。 現在は、法務省周南人権擁護委員協議会で、平成25年度までは、当委員会の男女共同 参画部会長を務めておられました。 また、柳井保護区で保護司をされ、その他、柳井警察署評議委員協議会副会長、田布施 町青少年健全育成町民会議理事、田布施防犯パトロール隊長など、多くの要職についてお られます。 では、銭谷先生、よろしくお願いします。 (銭谷講師) 皆さん、こんにちは。銭谷と申します。 広島県の出身です。縁がありまして、昭和57年に田布施町の城南というところに自宅 を新築いたしました。これは妻の実家です。しかし、勤務の関係でずっと転勤で、東京か ら福岡の間を12ヶ所転勤してまいりました。全部単身赴任です。しかし、子どもは2人 できました。年に数えるくらいしか田布施に帰ることができませんでした。 平成16年に定年退職後にリタイアコースを選択しました。 「食事せし、あとは気任せ、 大昼寝」 、あとは好き勝手にという予定でありましたけれども、近所の方たちが、保護司を やってもらえないだろうかと。保護司というのは、刑務所あるいは少年院を仮釈放された 子供たちあるいは大人を社会内で善良な市民、町民として再犯を犯さないように指導、援 護するのが保護司の仕事です。とても難儀な仕事です。かたくなにお断りしましたが、1 年がかりでお誘いがあり、とうとうお引き受けいたしました。これを受けると、自治会長 もやってもらえないだろうか、人権擁護はどうだろうかと。防犯パトロール隊に入ってい たんですが、隊長さんが欠員になっており、これもお鉢が回りまして、とうとう4年目に 入りました。 田布施に住んでちょうど10年になります。今ではとてもいいところだなと思います。 光は、五十何年前、高校1年生の時に、青年の家に1週間ぐらいの合宿で来たことがあ ります。広島県にも特に呉の方に海のきれいなところはあります。しかし、虹ヶ浜の海水 浴場、室積の海岸線を見ましたら、もう絶対にこれには勝てません。非常にいいところだ なと思いました。まさかこの近くに家を構えるとは思いませんから、住むならこの辺だな と、そういう気持ちを持っておりました。 それと、海上保安官として7年ほど徳山に勤務しておるときに巡視船に乗って光の沖を よく通りましたが、海岸線が素晴らしいです。高校時代の合宿の時、千坊山から室積を見 たときの上からの眺めもすごくきれいで驚きました。こういうところに本当に住めたらい いなあと、そういう気持ちがあったので、光には住めなかったけれども、田布施に家を構 えさせていただいたわけです。 現在ではとても素晴らしいところに来て満足しております。 きょうは人権擁護ということで、法務省に勤務していたら法律は詳しいだろうと思われ るが、実はそうではありません。法務省の中に矯正局というところがあり、私は少年係で したので、詳しいのは少年法と児童福祉法、それと、司法警察で海上保安官をしておりま したから、海上衝突予防法、あるいは船員法、船舶安全法、港則法、そういう海の法律な らまあまあというところです。 今日は、民法、あるいは男女共同参画基本法と、こういうのが一番苦手ですが、約1時 間、ひとつよろしくお願いします。 まず、 「愛、絆、夢、命、一人ひとりのやさしさがきらめくまちをめざして」 、これは第 2次光市男女共同参画基本計画のキャッチフレーズです。愛、優しさ、絆、地域の結びつ き、あるいは夢、希望です、そして命。命といえば、おそらくこれは人権だろうと思いま すが、非常にいい文言だと思います。ひとつ皆さん方も推進員として、このキャッチフレ ーズのもと、ご尽力いただければと思います。 それと、下に3つのシンボルマークがあります。窓の一番左、 「カエル!ジャパン」と いうのがあります。3つとも内閣府の男女共同参画局が民間の公募でつくりました。一番 左端の「カエル!ジャパン」というのは、 「カエル」は、あの脊椎動物の「カエル」です。 これをもじりまして、仕事場を少し変えよう、家庭を変えよう、要するに、仕事と家庭と バランスを取って生活しようじゃないかということで、 「カエル!ジャパン」 という全国運 動が始まったわけです。これのシンボルマークです。 それから、まん中です。これは男性と女性が手をつないでいます。ともに手を取り合っ て、お互いの人権を尊重して歩んでいきましょうということで、男女共同参画のシンボル マークです。これはよく出ます。 それと、一番右端、出光のアポロの神様のようなマークによく似ていますが、女性に対 する暴力の根絶のためのシンボルマークです。これは350人応募があったそうです。多 摩美術大学の教授が少し手を加えてこういうマークになりました。お顔を見ると、非常に しかめつら、暴力絶対反対と、男性をにらみつけるような感じです。そして、両手で「ス トップ・ザ・暴力」と、セクハラ、パワハラ、ストーカー、あるいはDV、こういう暴力 に対して絶対負けないぞということです。 この3つとも男女共同参画に全部関係するマークですので、また何かの時には頭に入れ ておいていただければと思います。 ところで、人権擁護委員としていろいろなところに出前講座にまいりますが、人権とは どういうことか、また、人権擁護委員がどういう仕事をしているか、余りご存じないです ね。 簡単に書いてきましたが、3つあります。1つ目、 「誰もが生まれながらに持つ権利」 、 2つ目、 「人が人らしく生きる権利」 、3つ目が、 「全ての人が幸せになれる権利」 、この3 つが人権だということです。 「誰もが生まれながらに持つ権利」とは一体何でしょうか。実は「生命」です。 「命」 です。命は1つしかないんです。たった1つの命。 次に、 「人が人らしく生きる権利」とは何でしょうか。誰も国から拘束されたくありま せん。人から干渉されたくありません。実をいうと、 「自由」です。憲法で保障されている 学問の自由、集会結社の自由、言論の自由、海外移転の自由、職業選択の自由、たくさん 自由があります。一番素晴らしいのが、何人も法律に反しない限り、逮捕または拘束され ることはない、こういう文言もあります。だから、日本の憲法というのは素晴らしいです ね。ということで、 「自由」が2番目にあります。 「全ての人が幸せになれる権利」とは何でしょうか。全ての人が幸せになれる権利。実 は、 「幸福の追求」です。誰でもやはり幸せになりたいですよね。 ということで、 「生命」 、 「自由」 、 「幸福追求」 、この3つが人権ということです。侵すこ とができない権利。ただし、公共の福祉に反しない限りということで、人に迷惑をかける ようなことがあってはいけないわけです。 実を言うと、日本国憲法の11条に書いてあります。 「国民は、すべての基本的人権の 享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久 の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。 」 。 憲法を開いて見ることは余りありません。私も中学のときに初めて社会で勉強しました が、そのときに、この憲法11条と憲法9条の戦争放棄。今、集団的自衛権について国会 でやっています。それと13条が好きで、よく覚えております。 「すべて国民は、個人とし て尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反 しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 」 。 ということで、先ほども、人権とは生命です、あるいは自由です、幸福追求ですと、3 つ言いました。この人権がここに書いてあるわけです。ただし、公共の福祉に反しない限 りということですから、 人に迷惑かけてはいけませんよというストッパーがあるわけです。 素晴らしい憲法ですね。 次に、人権擁護委員について。 人権擁護委員とは一体どういうものかといいますと、全国で1万3,689名、約1万 4,000名、人権擁護委員がおります。その中で山口県は206名。そのうち96名、 47~8%が女性です。私たちは周南人権擁護委員協議会に属しており、周南人権擁護委 員は37名おります。これは人口比に応じて法務大臣が委嘱いたします。周南市が一番人 口が多いので14名、光市は8名、下松が6名、田布施町は4名、平生町が3名、上関町 が2名、合計37名です。人権相談を受けたり、人権の考えを広める活動をしておる民間 のボランティアです。 身分は非常勤の国家公務員、非常勤の法務省の職員です。ただし、給料は一銭ももらっ ておりません。ボランティアです。反対に年間4,800円の会費を納めます。 ちなみに、保護司も人権擁護委員と同じようにボランティアで、これは会費がもっと高 いです。この間7,800円納めたので、年間で1万4,000~1万5,000円を保 護司と人権擁護委員の会費で納めます。保護司も給料はありません。保護司は全国で15 万人おります。 人権擁護委員の仕事としては、人権侵犯があるかないかが一番気になります。 毎月1回、光市は第1木曜日と第4木曜日に、第1木曜日はこの場所、第4木曜日は大 和支所で困りごと相談を受けています。困りごと相談にはいろいろな相談があります。近 隣関係、境界線、隣と仲が悪い、会社のこと、離婚、いろいろな話がきます。そういう困 りごと相談を聞く中で、人権侵犯がかかっているかどうかを見極めなければいけない。そ れに対する回答も出さなければいけない。人生相談のように自分の経験談を言って答えを 出せば、これは一番いいですが、やはり法律に則って回答を出さなければいけないわけで すから。 境界線や、あるいは近隣の煙が来る、ごみ出しなどについて、民法を調べなければいけ ない。ですから、いつも「民法」という大きな本を持っていって、それを開きながら回答 する。その中で人権侵犯があるかどうかを見極め、もし人権侵犯があったら救済するのが 人権擁護委員の仕事です。 人権侵犯があった場合は、すぐ切り替えます。家庭のことなら家庭裁判所、あるいは児 童相談所、場合によっては市区町村の関係部課へ通報したり、あるいは職場でいじめがあ れば職場へ、学校でいじめがあれば学校へ行って助言したり、勧告したりします。場合に よっては法律で訴えることもあります。これは人権擁護委員がその権限を持っているかと いうと、そうではない。そういうときには、すぐ法務省の方の専門がおりますから、そち らに電話して、共同で赴いて措置をします。 ということで、人権擁護委員というのはこの3つの仕事がある。人権相談を受ける、啓 発活動をする、それともう一つは、弱い者がおれば救済する。これが人権擁護委員の仕事 だとおわかりになったかと思います。 人権とはどういうことか、人権擁護委員の仕事とはどういうものかというお話をいたし ました。 ところで、男女共同参画社会、これは一体どういうことか。 男女共同参画社会基本法という法律が平成11年にできましたが、この第2条に書いて あります。 「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野 における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及 び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」 。平成11年6月2 3日に公布、施行されました。 なぜ男女共同参画社会の実現が必要かということです。1つは個人の尊重、法の下の平 等。憲法第14条と24条に書いております。これを見ると、昔がどうだったかがわかり ます。 まず14条。 「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分 又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 」 。ということ は、差別されていたわけです。明治憲法ができて、新しい憲法が施行された昭和22年5 月3日までは差別をずっと受けていたんですよ。 特に信条、信条というのは思想です。自分の考え、思想が統一されて、国家の悪口を言 うとすぐ憲兵に引っ張られていました。性別、男女、これもひどかった。社会的身分又は 門地。門地といえば、これは家柄、家系です。昔は個人ではなくて家柄中心の民法、ある いは家柄中心の憲法でした。ということで、社会的に差別されていたから、これを変えた。 日本国憲法は21年11月3日に公布されて、翌年の5月3日に施行されました。これ は、原案はもちろん日本でつくりましたが、主導はGHQがチェックしていました。GH Qというのは占領軍、要するにマッカーサー元帥です。ですから、すごくチェックされ、 非常に素晴らしい憲法ができました。 憲法は103条まであります。憲法ができて67~68年になりますが、いまだに改正 は1回もされていません。ドイツは100回近く改正されています。日本の憲法は素晴ら しすぎるのでしょう。 2の方に、 「華族その他の貴族の制度は、これは認めない。 」とあります。これも、やっ ぱり今まであったから書いているわけです。華族というのは、廃藩置県で、江戸幕府が倒 れて、お殿様は職を失いました。そうすると、お殿様を保護する、養育する、国が面倒を みるという、華族制度というものが明治12年にできました。ですから、お殿様、本来の 皇族、朝廷に勤めている高級官僚、明治時代に国家のために非常に働きをした方が華族の 中に含まれました。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵という身分が5つあり、そういう人が 明治時代に300人から400人くらいいたそうです。伊藤博文は明治のときに非常に国 家に対して貢献したというので、大久保利通とか、山形有朋とか、そういう人は全部華族 に入りました。 その華族の中で貴族というのがおりますが、現在は衆議院と参議院があります。実を言 うと、昭和22年の新憲法ができる以前は、明治、大正には貴族院というのがあった。衆 議院と、参議院に代わる貴族院。貴族院は、先ほどの華族の人が議員です。国会議員とい うのは大体選挙で選ばれますが、貴族院の一部の中には選挙を受けないで一生涯国会議員 になる人が300人も400人もいました。 議員報酬というのか、給料を年間、議長が1,500円程度、普通の国会議員は1,0 00円程度もらっていました。当時月給30円の時代です。月給30円の人が、年間35 0~360円くらいの年収しかない。国会議員、貴族院議員で、一生涯、1,000円あ るいは1,500円ぐらいの高給取りです。これが昭和22年の新憲法までずっと継続さ れていたということです。 憲法14条、なぜ難しい話をするのかといったら、そういう差別的な待遇を受けた人が たくさんいたということで、これをちょっと入れました。 それと、 「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、 現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。 」 。 いろいろな章があります。菊花章とか、瑞宝章とか。そういう制度も明治時代、明治9 年だったと思いますが、そういう制度ができたんです。これは、ほとんど女性がこの勲章 を、栄誉をもらうことはありません。皇族以外はない。全部男性です。当時は、やはり軍 人さんが勲章あるいは栄誉をいただいていました。これも、実を言うと、昭和20年に全 部ボツになったんですが、今復活しています。びっくりするでしょう。昭和39年に栄典 が復活していて、今、文化の日、あるいは春の叙勲、秋の叙勲があります。ちょっと意外 ですね。そのかわり、昔のように男性ばかりとか、あるいは軍人がもらうという章ではあ りません。 ついでですが、叙位・叙勲、新聞の隅によく載っています。今朝も載っていました。 これは5月13日の履歴を見たんですが、 「従六位、瑞宝双光章、福永病院長、福永茂 藏氏、77、長門市東福川、3月27日死去」と出ています。この「瑞宝章」というのは、 新聞の古いものを見ると、ほとんど学校の先生、あるいは保護司などが載っていますが、 医療や保健医療に功績のあった人、あるいは学校教育に功績のあった人、それと民生委員 や保護司、国あるいは地方公共団体に委嘱された人、あるいは危険作業、警察官や自衛官 や消防士、そういう人がもらうのが瑞宝章です。 この「従六位」 、これを説明できる方おりますか。実を言うと、 「正」と「従」がある。 正というのは「正しい」 、これは階級です。正一位、正二位、正三位、正八位まであります。 「従」 、 「従う」ですね、これも八位まである。ということは、16階級あります。これが ずっと大宝律令の方まで遡って、朝廷など、座る位置がこれに応じて決まっていました。 要するに「位」なんです。ですから、 「従六位」というのはちょっと後ろの方になります。 これが復活しています。ただし、これは生前に勲章、栄典をもらう人にはつきません。死 んだ人だけです。ですから、新聞を見られたら載っています。従六位とか、正一位とか、 ああ、そういうものだなと。そういうものが復活してきているわけです。ちょっと不思議 です。 私も知らなかったんですが、国の機関に勤務して、ちょっとここら辺りの仕事をさせて もらったので大体わかりました。現在生きている人にはそういうものはありません。死ん だ人、亡くなった人を、よくやったとお褒めの言葉でそういう階級をつけているというこ とです。一応参考までです。 それと、先ほどの14条に続きまして、24条です。 「家族生活における個人の尊厳と両 性の本質的平等」 。 これは特に婚姻です。これも昔は家と家との結婚でした。個人の同意を得て結婚したの は、まずありません。恋愛結婚というのはあり得ませんでした。許婚などがそうで、親が、 子どもが小さいときにお前たちは大きくなったら結婚すると決めている。そういうものが 昔ありました。これをやってはいけませんよというのが24条です。 「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本とし て、相互の協力により、維持されなければならない。 」と。第2項に、 「配偶者の選択、財 産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法 律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 」 。 ということは、実を言うと、財産権、家の財産は、お父さんが亡くなったら、妻には相 続権が全くなかったんです。全部長男が父親の財産を引き継いでいました。選挙権もあり ませんでした。もちろん参政権もなかったんですね。ですから、婚姻の場合も家と家との 結びつきじゃないんですよ、個人個人の結びつきですよというのが24条に謳ってあるわ けです。 ですから、昔はいかに女性が虐げられたかというのが、憲法24条あるいは憲法の14 条、私が今説明しましたことで大体おわかりになったでしょう。 ということで、男女共同参画というのが謳われ出したのは、そこにもあります。新しい 憲法ができても、あまり活動していませんでした。しかし、世界的にだんだん変わってき ました。1948年の人権宣言以降、ずっと国連が中心になって、アメリカの方でも19 80年代になるとウーマンリブ、女性の権利を回復しよう、回復ではなくて、もぎ取ろう ということで運動が始まってきたわけで、日本もやはり国際的に足並みをそろえてきてい るということです。 レジュメの中で歴史を書いておりますので、それを見られたら世界的な流れ、日本の流 れが大体おわかりになるかと思います。 ということで、個人の尊重、法の下の平等ということがあるから、男女共同参画社会が 必要なんです。法に書かれておるから、それをまず実行しようということです。少子高齢 化社会到来ということで、もう男性とか女性とか言っておれません。ですから、このよう に、もう役割分担にとらわれるような社会じゃないんですよというのが、2つ目に入って いるわけです。 男女共同参画社会の実現をするというのは、1と2です。これを簡単に言いますと、 「男 女が互いに人権を尊重しつつ、能力を十分に発揮できる社会の実現」ということになりま す。ということで、男女共同参画社会の実現が必要だというのはおわかりになったかと思 います。 男女共同参画社会基本法の中に、それを実現されるための5本柱を書いております。 「男 女の人権の尊重」 、 「社会における制度又は慣行についての配慮」等、5つあります。 1つずつ言えば、まず、 「男女の人権の尊重」というのは、性別による差別的取扱いを なくする。男性も女性も一人の人間として能力発揮の機会を確保する。これが男女の人権 の尊重。 2つ目、 「社会における制度又は慣行についての配慮」 。固定的役割分担にとらわれない。 男の人はこれ、女の人はこれと、そういう固定的な役割分担にとらわれてはいけない。男 女が様々な活動の選択、自由に自分がやりたいことをできるような社会です。これが社会 に望まれる。 3つ目、 「政策等の立案及び決定への共同参画」 。男女は社会の対等な構成員です。政策・ 方針の決定に参画できる機会を確保しなさい。これは、大体国や県や市町村がこういう政 策を決定して、皆さん方がその中で参画しているわけです。これは国や県や市町村の役目 ではあるが、我々にも課せられた問題だということです。 それと、 「家庭生活における活動と他の活動の両立」 。男女が対等な家族の構成員として 互いに協力しましょう。昔のように、男は仕事、女は炊事洗濯と、そういうようなものを ちょっと考えてみましょうということです。仕事や学習をしたり、他の活動を行ったりで きるように。 「国際的協調」 。これは先ほどのレジュメを見たらわかります。世界と歩調を合わせてい かなければならないわけです。ですから、国連でいろいろな憲章あるいは条約が出ます。 それに則って日本も動いているわけです。 男らしさ、女らしさというのは国によって皆違います。アフリカの方、あるいは東南ア ジアの方でも、特にフィリピンを1つ例にとっても、フィリピンの人が悪いという意味で はないんですよ。フィリピンの人の男らしさというのは、自分は遊んで女性にしっかり働 いてもらって、要するにひも的な存在、これがフィリピンの男らしさです。ですから、フ ィリピンの女性はよく働きます。フィリピンの子どももよく働きます。女子供に働かせて お父さんは遊んでいるのがフィリピンなんです。 国によって違いますが、 やはり国連としても女性の人権を少し底上げしようというので、 日本もそういう条約に批准したり、加盟したりして協調的に動いているということです。 皆さん方の光市の方を見ると、これは簡単に書いています。 「家庭」と「学校」と「地域」 と「職場」 、この4つを挙げています。非常に見やすい。 家庭では、性別で役割分担されるという意識にとらわれない。それと、本物のパートナ ーシップの確立をということで、私だって思い切り仕事をしたいのにと、これは女性の言 い分ですよね。 確かに、私もずっと単身赴任をしましたが、広島に勤務しているときは近いから土日は よく帰りましたが、妻が1ヶ月くらいメニエール病で入院したとき、本当に炊事洗濯、そ れで子どもがおるので、ご飯食べさせなきゃいかん、学校も行かせないと。大変ですね。 やってみて初めてわかりました。それまでは、お父さんは仕事行って、家へ帰ると晩酌し て、引っくり返って寝ると、それが関の山かなと。しかし、女性の仕事、本当に我々が外 で働く以上に大変ですね。ということで、もう少し女性の立場を考えなければいけないな と。あまり男女の性差を意識して、炊事洗濯は妻がと、そういう決めつけをしないように と、つくづく感じました。 それと、地域社会は、古いしきたりや習慣にとらわれない。みんながより豊かで住み良 い地域づくり。 特に町内会長、自治会長などはほとんど男性です。私も定年後4年ほど自治会長をやら せていただきました。最初きたときに、自治会長が田布施町は連合で全部で72あります。 城南地域で7つほど自治会がありますが、女性の方も自治会長がいると思ったら、そうで はないんです。旦那さんが休んだから代わりに来ました、ということで、やっぱり現在も 自治会長は全部男性がやっております。ここらあたりも、実を言うと女性でも結構なんで す。 それと、学校では、お互いに尊重し合える意識づくり。多角的な教育、学習の展開を。 昔は女性がブルマーで男性が白のトレパンが定番でしたが、今はそうではないです。こ の前広島に中学の孫の運動会を観にいきましたら、男性も女性も生徒は同じものを着てい ます。 一般に、ランドセル見ても、赤は女性、黒、青は大体男性。これは人間が決めたわけで すが、今、学校ではできるだけそういう男女差を植えつけないように教育をしています。 特に出席簿です。いつも男性から出席とっていました。卒業証書の授与式でも、大体男 性が先で、女性。これは今是正するということで、出席簿にしても、今日は男性、明日は 女性と交互にやる、あるいは混合でやる場合もあります。そうすると、混合の場合は大体 あいうえお順。あいうえお順となれば、愛川さんとか相本さんはいつも一番。和田さん、 渡辺さんはいつも最後。アルファベットにしてもそうです。AからZまで。そうすると銭 谷さんはいつも最後になるわけです。一番最後というのは、どうも、何といいますか、差 別というのじゃないんですが、そういう考えをするとなかなか大変です。 ということで、出席簿につきましても今ごろはできるだけ配慮してやっています。 運動会のときも、リレーなども男子も女子も一緒に混合でやっておりました。驚きまし た。ですから、男子と女子が一緒に走っております。そのかわり人数の制限をしておるか ら、最終的には男性ばかり、あるいは女性ばかりの番もありましたけれども、大体拮抗し て面白かったです。 こういうことを言うと、それでは修学旅行で男女混浴でいいのかとか、あるいは更衣室 も男性と女性が同じ部屋の中で更衣していいのかというと、やはり、ちょっとここらあた りも、男性と女性は性差はありますが、脳の構造、あるいは体の構造は、やはり、これは 最初から、生まれたときから違うんです。これはもうしょうがない。我々が女性はこれだ、 男性はこれだというのを決めつけるから結局いけないわけです。 頭の構造で、悪いことをする率でも、昔から男性の方が女性よりも高いんです。これは 脳のテストステロンという男性ホルモンの影響だそうです。男性もだんだんと歳をとると 大人しくなって、犯罪が少なくなるんだそうです。大体昔から、平安時代から女性の犯罪 は5%ぐらいでした。今は25%と跳ね上がりました。もちろん女性の社会進出もあった んでしょうけれども。それにしても、やはり男性と女性と比べたら女性の方が犯罪率は昔 から少ない。ということは、社会進出もさることながら、脳の構造の違いはやっぱりある わけです。これは変えることはできません。 職場においては、男女の雇用格差の解消。条件がずいぶん違います。昇進にしても、給 料にしても。今はもう男女雇用機会均等法が平成11年に改正されて、ずっと変わってき ました。これはまた後で、男女共同参画チェックのときにいろいろ話が出ると思います。 男性も女性も育児休暇を積極的に取りましょう。余りなかなか取られておりません。 仕事、家庭、地域生活のバランスとゆとり。女性に書類整理させたり、女性にお茶くみを させたり、あるいは、掃除は女性とか、そういうものではもうないということです。これ は、聞き入れてもらえなかったら、各県に労働基準局長というのがおりますから、そこに 訴えればその紛争解決をしてくれる、こういう制度に変わりました。ですから、職場のル ールも変わりました。 しかし、セクハラ、パワハラはやっぱりあるんです。人権相談を受けると、やっぱりあ ります。これはまた、何かのときに。 ということで、各分野における指導的地位等に占める女性の割合について、国の内閣府 男女共同参画局が示したものです。 まず、国会議員は、女性は衆議院7.9%、参議院は18.2%です。 行政分野を見ると、国家公務員採用のⅠ種採用等の事務系の区分は28.6%。これは 国家公務員はⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種、昔で言えば上級、中級、初級というもの。Ⅲ種は高卒、 Ⅱ種、Ⅰ種は大卒を対象にした国家公務員の試験です。ですから、Ⅰ種というのは非常に 難しいです。亡くなられた山本繁太郎県知事さんもⅠ種採用です。現在の村岡さんもⅠ種 採用で、40を過ぎたら地方の課長、50を過ぎると局長クラスに絶対なります。ですか ら、女性が28.6%ということで、女性の優秀な人がだんだん出てきています。これは もうすぐ30%を超えると思います。 それと、国の審議会等の委員が32.9%。もうこれは超えているわけです。国の審議 会の委員というのは、各省庁の諮問機関です。光市でもあると思います。NHKの放送番組 審議会とか、要するに合議制の議員みたいなものです。これは誰もがなれません。試験は ありませんが、論文を提出し、それをチェックされて、面接して、やっとなれるというこ とです。 それと、実を言うと、Ⅰ種採用の下に、本省課長あるいは室長に相当する、要するに管 理職ですね、これも国家公務員、女性が2.6%しか…。28.6%合格して2.6%と いうのは…。これは最近の話ですから、今からはぐっと増えると思います。 それと、女性の場合は、せっかくⅠ種に合格しても、結婚すると育児、出産があるので やめる人もいます。ですから、非常にもったいないですよね。今からは少しは伸びると思 います。 それと、高等学校の教頭先生以上は7.3%、これも少ないですね。小学校ではかなり 校長先生が増えてまいりましたが、高等学校になると、教頭先生、校長先生、女の方は本 当に少ないです。 それと、研究者14.0%。この間の幹細胞の小保方さんも14%の中に入っておる。 優秀な方ですね。 それと、薬剤師は66.8%で、ぐっと女性の方が多い。ですから、ここの中にはあり ませんが、今で言う看護師、昔は看護婦と言いました、これを出すと、おそらくこれも7 0%は超えると思います。 ということで、指導的地位に占める女性の割合はまだまだ低いということで、30%を 超えるのが目標ということです。 光市につきましては、2回にわたってアンケートを取られ、一応目標値も定められてお ります。これはアンケートの結果から目標値を引き出したのだろうと思います。それと、 国のボーダーラインが30%ですから、そのあたりを考えてつくられたかと思います。 アンケートを取られたということは非常にいいことです。前回と比較してみるとどれだ け変化しているかというのがあると、まだ良かったという気がします。それと、年代別、 あるいは性別にチェックされると、まだまだいいものが出るんじゃないかと。もちろん人 権推進課の方では、この表には出てないが、おそらくそこらあたりもとらえているのでは ないかなと思います。 光市も、ちょっと意外なのが、 「男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしくという育 て方」に賛成の割合が76.4%ということで、非常に高く、ちょっと驚きです。 最近国の結果でも、3年前に東北で大震災がありました。あの結果からすると、 「男は 仕事、女は炊事洗濯」のパーセンテージが、やはり高くなったんだそうです。というのは、 震災で家族がばらばらになる、やはり家族は一つにくっついた温かい家庭、役割はあるけ れども、ということで、そのパーセンテージが上がっているというのが載っていました。 これは、時によってまた変わってきますけれども。また何年か後に、こういう男女共同 参画に関するアンケートをおそらく取られると思いますが、結構面白いと思います。なか なかよその市町村でやっておりません。光市はこういう面はすごいなと思います。また、 これは注目したいと思います。 それと、 「七去」という言葉は初めてですね。聞いた方おられますか。 「婦人に七去とて、あしきこと七つあり、一にしてもあれば、夫より遂去(おいさ)ら るる理(ことわり)なり。 」という、これを「七去」といいます。 「是古(いにしえ)の法なり。 」 、昔からありました。 「女子にをしえきかすべし」 。大体 見当つきましたね。これは孔子、儒教の影響です。儒教といったらもう何千年。日本に儒 教が入ってきて、江戸時代ごろに広まりました。 貝原益軒が「七去」について書いています。要するに、一つでも該当したら離婚の対象、 三行半というのが、この七去です。 「和俗童子訓」の中に入っています。貝原益軒といえば、 昔侍で、かなりいいところまでいき、最終的には学者になりました。草木学者、草と木の 学者というか、自然界に関する学者です。 「一つ、父母に従わざるは去る」 。夫のお父さん、お母さん、舅、姑、その意見に反発 すると離婚の対象です。 「二つ、子無ければ去る」 。子どもがいなかったら親元に帰りなさい。 「三つ、淫なれば去る」 。昔、刑法でも姦通罪というのがありました。女性が浮気をす れば姦通罪が適用された。男性は何をやってもよかったんです。 それと、 「嫉(ねた)めば去る」 。憎しみ、嫉み、そういう人も離婚の対象。 「悪疾(あしきやまい)あれば去る」 。大きな病、お金のかかるような病、あるいは流 行性の病気の場合には親元に帰りなさい。 「多言なれば去る」 。しゃべり過ぎてもいけん、お前は黙ってろというのが女性です。 しゃべり過ぎたら離婚の対象、怖いですね。 「竊盗(ぬすみ)あれば去る」 。 ということで、この七つの中の一つでもあったら、男性の方から女性に離婚を申しつけ てもいいということです。 それと、 「婦人の三従」というのもあります。 「幼にして父母に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従う」 。 子どものときにはお父さん、お母さんの言うことを聞いて、結婚して嫁いだら旦那さん に従って、歳をとる、あるいは旦那さんが亡くなると、子に従いなさい。となると、女性 は出る幕ないですね。しかし、考えによっては、従っておりさえすれば食い外れはない、 そう考えれば、気が楽かもわからないですね。 ということで、 「七去三従」というのが昔から昭和22年まで、新憲法ができるまで、 良妻賢母の鑑でした。驚きますね。これ見ると腹が立ってきます。 「女は三界に家なし」 。 「三界」 、これも儒教、孔子の教えです。皆さん、孔子といえば すごい立派な、というか、実をいうとこういうことも言ってるんです。要するに、 「三界」 というのは「三千世界」という仏教用語ですが、結論を言うと、女性はどこにも安住の場 所がないということです。 「女氏無くして玉の輿に乗る」 。女にお金をかける必要はない。要するに、可愛かった ら、嫁ぎ先でいいところに行けば玉の輿に乗る。そういうふうに、女性を本当に馬鹿にし たような文言なんです。腹が立ちますね。 こういうのを頭に入れると、男女共同参画というのは必要だというのが大体おわかりに なったかと思います。 「男は仕事、女は家事・子育て」 。これはやはり役割分担です。分業。これは人間が勝 手に決めたものです。今ではちょっとここらあたりが問題になるんじゃないか。 「男子厨房に入らず」 。男性は食事を作ったりすることはままならん、女性よりも男性 は上なんだ、そういう意識がやっぱり表れています。 「男女七歳にして席を同じゅうせず」 。昔は、国民学校は小学校までは男女共学ですが、 中学に上がると女性と男性は別々です。ですから、旧制中学、そして女性で進学する人は 女学校に行っていました。ですから、小学校で終わる人も多かったようです。ということ で、七歳にして席を一緒にしないというのは、同じ小学校、国民学校のときは同じ教室の 中で授業を受けますが、 男子と女子が隣り合わせに席に座るということはなかったんです。 「男らしさ、女らしさ」 。これももう、表現もちょっと考えたらどうかということです。 そうすると、 「男らしさ、女らしさ」を、どう表現しますかね。本当、一番みやすい表現方 法ですね。ですから、今では「男らしさ、女らしさ」というのはできるだけ使わないよう に。要するに「山根さんらしさ」 、 「銭谷さんらしさ」 、そういう表現に変わってきました。 それと、 「家内」 、 「奥さん」の呼称です。 「家の内」に引っ込む、 「奥」さん、これも「家 の内」に引っ込むということで、この呼称も少し考えた方がいいんじゃないか。 「○○の奥 さん」 、官舎に住んでおると「部長の奥さん」とか「課長の奥さん」とか、そういう呼称も 出ますが、ここらあたりもなかなか難しくなりました。 それと、桃太郎の話です。 「昔、お爺さんは山に芝刈りに行きました。おばあさんは川へ 洗濯に行きました。 」ということは、 「男は仕事、女は洗濯・炊事」ということを小さいと きから決めつけるという、そういうことはよろしくないんじゃないかと。となると、日本 の伝統的な行事とか伝統的な童話、お話が引き継げなくなります。考えてみるとおかしい ですね。 ひな祭り、鯉のぼりもそうです。3月3日、女性の節句、女の子の節句。5月5日、男 の子の節句。今、祝日は5月5日、こどもの日になりました。どういういきさつで、終戦 後なったのでしょうか。 それと、今ごろ、 「片親」という言葉も「ひとり親」と言います。 それから、人権擁護委員で年1回作分コンテストをやりますが、下松の中学生が優秀賞 を取った作文の中に、 「私の母親はフィリピン人です。ですから、私はハーフです。 」と書 いて優秀賞をとったら、 当局からおとがめが来ました。 クレームがついたんです。 「ハーフ」 というのは不適切な言葉じゃないのかと。となると、今ごろはこれは「ダブル」と言うそ うです。そのように直しなさいということで、もちろん、当の本人の同意を得て直した、 ということがありました。 それと、これは皆さんご存じでしょうか。昔、昭和40年代の後半に、テレビで、ハウ ス食品の即席めんで、 「シャンめんしょうゆ味」というコマーシャルがありました。 「私つ くる人、僕食べる人、ハウスシャンめんしょうゆ味」という歌です。これも不適切じゃな いかということで、当時、 「国会婦人年をきっかけに行動を起こす女たちの会」という7人 の女性がハウス食品本社を訪れまして、 「あんなコマーシャル流してもらっては困ります。 男は仕事、女は家事・育児という、従来の性別役割をより定着させるものです。 」というこ とで、コマーシャルの中止を要請したんです。それで、ハウス本社では、たった1ヶ月で このコマーシャルをやめました。 これは男女共同参画に関係ないんですが、 「山田の案山子」の歌をよく歌っていました。 「山田の中の一本足のかかし」という歌がありますね。 「天気のよいのにみの傘着けて、朝 から晩までただ立ちどおし、歩けないのが山田のかかし」 。2番、 「山田の中の一本足のか かし、弓矢でおどして力んで居れど、山では烏がかあかあと笑う、耳がないのが山田のか かし」 。これも10年前にちょっとクレームがついたんです。 「一本足のかかし」 、これは足の不自由な方を冒とくするんじゃないか、 「耳がないのが 山田のかかし」 、 これもそうじゃないかということで、 身体障害者を冒とくするというので、 「山田の案山子」はだんだん歌えなくなってきました。これは尋常高等小学校の明治44 年の唱歌にありました。私たちも子どものときは歌っていました。 ということで、常識や通念は変わりますが、昔はOKでも今ではNOというものがあると いうことを一応ご存じいただければと思います。 だんだん時間が迫りました。あと1分で45分ですが、3分で終わらせていただきます。 ということで、人権啓発活動、皆さんもおそらくやっていますが、私たちも人権啓発や っていますから、大体同じようなことをするわけです。チラシを配る。 「デートDVって何?」 。これは平生町で約100人の町民を集めて出前講座をしまし た。 皆さんもゆくゆくは出前講座ができるまで底上げすると非常にいいなと、おそらく人権 推進課の皆さん方もそれを望んでいるかと思います。できないことないと思います。私た ちも民法は、はっきり言って何にも知りませんが、人権擁護委員をこうしてやっていって おります。これは平生町役場での出前講座です。 それから、これは人権の研修で児童虐待について話しました。時々小学校や幼稚園にも 行きます。 「人KENあゆみちゃん・まもる君」というバルーンが山口県で2対ほど法務局 にあります。早めに注文して予約を取られて、これを利用して人権啓発に使われるといい と思います。皆様の方で利用したいときには法務局の方へ言えばいいわけです。 それと、徳山の場合は大学のポプラ祭がありますので、あそこに行ってはいろんな大き なキャンペーンをやったりします。チラシを配ったり、あるいはいろんな活動をします。 特に、徳山大学には留学生がたくさん、中国、韓国、台湾、それと北欧の方から来ており ます。このときも「人KENあゆみちゃん」と「まもる君」が出ます。大体子ども向けです が、クイズ形式でやると、大学生にもよく受けるんです。 きょうは欠席ですが、この方が「デートDVって何?」 、出前講座専門ですから、また何 かのときにご利用されるといいと思います。中学の放送関係の指導で、日本一まではなら なかったですが、県下で有名だったそうです。 それと、企業におけるパワハラで合同研修。皆さんと同じ、周南市の人権推進委員と周 南の男女共同参画委員がこうして一緒に研修を年に2回ほどやっています。意見交換会も やります。これが前回のメンバーです。 ということで、私たちも皆さんと一緒ですが、人と人とが輝くとき、これを目指して、 ひとつ、光市のためでもあります、皆さんのためでもあります。頑張っていただきたいと 思います。 ちょうど1時間の時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。どうもありが とうございました。 (拍手) (事務局) ありがとうございました。 (2) 質疑・応答 (事務局) 本日の講演の内容について、質問はありませんか。 (質疑なし) (3)全体会議 (会長) それでは、お手元の「男女共同参画チェック表」という資料に今から5分程度でご記入を お願いしまして、帰りのときに机の上に置いていただくという形で提出していただけたらと 思います。 そして、次のネットワーク会議までに集計をして、それをもとにグループ討議というふう な流れにさせていただけたらと思います。 (チェック表記入) チェック表を書かれていて、ちょっとこれは意味がわからなかったというところがござい ましたら、手を挙げてご質問いただけたらと思います。いかがでしょうか。 (質問なし) それでは、ご質問がないようですので、皆さん理解されてご記入いただけたものと思い ます。これは帰りのときに机の上に置いて帰っていただけたらと思います。 本日ご欠席の方に関しましては、事務局の方から郵送いたしまして、集計する際には、 皆さんのご意見の結果ということでご報告させていただくことにいたします。 それから、もう一つの資料について事務局から説明がございます。 (事務局より配布資料の説明) (会長) 銭谷先生、きょう、せっかく来ていただいたので、私の方からちょっと先生にお話を伺っ て、感じたことを一言述べさせていただいてもよろしいでしょうか。 先生は、いろんな年代層、年齢層の方と接してこられていると思いますが、やはり、年代 によって、かなり男女共同参画というものに対する考え方が変わってきているのかなという ふうに感じます。今の若い時代の子供たちは、どちらかというと、男女は共同参画になって いる、できているんじゃないかというふうに、ちょっとうちの娘に聞くと、言ったりするん ですけれども。 そういう点について、先生のお立場と、法律的なことなどを含めて、先生のご意見をお聞 かせ願えると、今後の参考になるかと思います。 (銭谷講師) 実は、若い人ほど男女共同参画社会、これに理解を示しています。むしろ、80代ぐらい になると、かちんかちんです。実を言いましたら。 「七去三従の教え」 、私の母、義理の母です、93ですが、これを話したらよく覚えてい ます。ですから、昔のお年寄りの方はこれががっちりと頭に入っています。旦那さんを非常 に奉りますね。家で大事にしてくれます。それが刷り込まれているわけです。 ですから、今学校に行っても、あるいは、毎朝子供たちと一緒に、登校に1.3キロです から2.6キロ、それとぐるっと回って大体4キロ歩いていますが、子どもたちと話をして も、男女和気あいあいです。 先ほどランドセルの話をしましたが、本当に、女の子が青いランドセルを担いでいるのは、 100何名子どもおりますが、誰もおりません。やっぱり、赤は女性、黒は男性と、これは やっぱりあるんですね。親の意見もありましょうけれども。 これから、ここら辺りが、決めつけることはだんだんなくなってきたんじゃないかと思い ます。 ちょっとまとめてみると、なぜ男女を、そういう決めつけてはいけないかというのは、1 つは国の施策なんです。というのが、家長制度の名残りがあるんです。これをまず払拭しよ うというんですね。 それと、あまり男性女性を規制すると、今度はその人の個性が出なくなってしまうんです。 せっかく女性がいい能力持っているのに、これを発揮できません。要は規制や抑圧に縛られ ることなんです。 それと、最近は価値観の多様化と女性の社会進出でずいぶん変わってきました。ここら辺 りが若い人が受けているんで、むしろ、さっき言われましたように、若い人ほど。 アンケートもそうです。内閣府のアンケートによると、若い人ほど、やはり、これに関す る理解は高いという結果が出ておりますし、私も感じます。 私の娘も息子も、家族も見ましたら、女の人が仕事で帰るのが遅かったら、もう旦那さん がちゃっと食事を作って待ってますよ。ずいぶん変わったなと思う。私たちから見ると、び っくりしますよね。 ちょっと一つ、男女共同参画につきまして、今、反対の意見もありますし、賛成の意見も あるんです。 まず、 「男は仕事、女は家事や育児が向いているから」ということで、賛成する人がおる んですね。それと、 「家族を養うのは男の責任で、子育てや夫の世話は女の責任」と。 「夫婦 の役割分担をはっきりした方が家庭がうまくいく」と。 「妻が働きに出ると子育て、家事、 介護に差し支えるから」と。あるいは、 「子どもが小さいうちは母親がいた方がよい」と。 それから、もう1つは、これはいい意見だと思います。 「男性、女性の長所と利点を生か し、共に社会を支え合うのが本当の平等じゃないのか」と。 こういうアンケートが国の調査で出ております。これは若い人なんです。 そういう回答でよろしいでしょうか。 (会長) ありがとうございました。 8 その他 (事務局より今後の予定を説明) 次回の会議の日程は、会長さんと協議し、改めて皆様にご連絡いたしますが、会の内容に ついては、本日の会議の内容を踏まえ、ネットワーク会議として、より活動の具体化が図れ るようなものにしたいと思います。 その間、こんなことをしてみたい等のご意見がございましたら、事務局の方にご連絡をい ただけたら幸いです。 (事務局より光市生涯学習サポートバンクの登録依頼について資料配布並びに説明) (人権推進課長あいさつ)
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