PERIマガジン

システム型枠・足場・技術のスペシャリスト
第1号 | 2009年 日本版
マガジン
現場を変えるシステム
ペリー・ジャパン(株) 茨城ストックヤード
展示棟・研究センター新設
2ページ
アルジェリア東西高速道路工事
トンネル・橋脚・横断構造物を建設
7ページ
第二東名高速道路 青木川橋
橋脚建設工事
12ページ
首都圏中央連絡自動車道 裏高尾工事
高さ46.5mの橋脚を含む橋脚プロジェクト
4ページ
世界一高い約200mの「エレベーター研究塔」
(株)日立製作所新エレベーター研究塔建設工事
8ページ
新商品 グリッドフレックス
規格化された自由度の高いスラブ型枠
14ページ
シュバルツ・ペーター
代表取締役/社長
木村 範行
【PERIマガジン】初版をようやく
皆様のお手元にお届けできるこ
と、
また、当社システム型枠を使用
した現場や製品・システムについ
てご紹介できることを大変光栄に
思います。
本誌は、今後も定期的に発行して
いく予定ですが、
この冊子発行の
目的は2つあります。 マッカ ー・デービット
画期的な技術を使用した現場
の工期短縮化・低コスト化の例
を紹介すること。
日本のコンクリート建設現場で、
現状、
【在来工法】を用いての施工
が多く、残念ながら現場は、危険で
汚れるというイメージが根強いか
と思います。
PERIシステム型枠・足場を使用 当社システムは、設置及び脱型が
した世界各国の施工例を、
より
簡単であり熟練工を削減すること
多くのお客様方に紹介すること。 が出来るという観点から、システ
ムを使用されたお客様方々から
「施
工が安全、簡単、
スピーディーにな
った」
という感想を頂いています。
システム型枠は、労務費・材料費
の節約ができるので、
プロジェクト
のトータルコスト軽減の決定要因
になります。社是として、個々のお
客様の用途に対して最も経済的
で、最適なシステムを提供する事
を掲げており、様々な用途にも適
するという広い製品ラインアップ
も揃えています。
PERI社は、40年前の1969年に設
立しました。その間、今日まで数限
りない発明と、その時代のトレン
ドに合わせた数々の開発を行なっ
て参りました。
関連法人は46カ国にわたり、全従
業員数は5,000人以上となってい
ます。
そして、世界に100を超えるロジス
ティックセンターから世界中の建
設現場に材料を供給しています。
ペリー・ジャパン株式会社 茨城ストックヤード
展示棟と研修センターを新設 サービス内容を拡充
ドイツ本社に次ぐ展示棟を新設 - 展示棟と研修センターを完備
平成20年10月21日に茨城県
茨城町に700m2の広さ持つ展示棟・
トレーニングセンター・サービス
センターを新設致しました。
【展示棟】
世界各国で採用されている当社
が誇る最新の効率的なシステム
型枠・足場を用いたデモンストレ
ーションをご覧頂けます。 【研修センター】
当社の技術スペシャリストが、将
来建築・土木を学びたい学生や
現在建設業に携わっている方々
に、画期的なシステム工法を提供
します。
2
設にしていきたいと考えています。
当日のオープニングセレモニー
は、茨城町町長を初め、多くの著
名な建設会社、ゼネラルコントラ
クター、建設工の方々などの参加
を頂き、
とり行いました。
式典は日本の伝統的な神道で
進められました。
まずは、茨城町
小林宣夫町長からお祝いのご挨拶
戴き、当社代表から本ヤードの紹介
スピーチの後、テープカット。
その後、
ご参加頂いた方々に、
当社の特徴あるシステムソリュー
ションや世界で稼働中のプロジェ
クトについての説明、新設した
展示棟・研修センターでシステム
当社は、サービスの充実化を図り、 型枠・支保工の実機でのデモンス
最新型枠のシステム工法を内外の トレーションを行ない、好評を
業界関係各社に理解して頂ける施 博しました。
茨城ストックヤードの【展示棟】が
従来工法を一新するシステム工法・
技術力、経済的メリット等を十二
分にご理解頂けるホールとして、
また、当社システム型枠に関心を
御祓いの様子
当社システム型枠と御客様方
テープカットの様子
持って頂いた学生、建設工の方々
に技術情報を提供する
【研修セン
ター】
として業界や関係者にご活
用頂ける事を強く願っています。
当社デザインエンジニアによる
プレゼンテーション
これらの国において、PERIは常に
お客様第一主義を合言葉に、入念
なサポートを提供すべくたゆまな
い挑戦を続けています。
専門的な技術力
多量のレンタル機器・材料の
提供
効率的なストックヤード及びロジ
スティックセンター加えて、組立サ
ービスやクリーニング及び修理サ
ービスの提供も行なっています。
日本の建設会社は、品質・信頼性
及び安全性という面から世界中か
ら非常に高い評価を受けていま
す。
これは正にPERIの追求する企
業精神と共通するものであり、私ど
もは最適なビジネスパートナーと
なり得ると考えています。
日本現地法人であるペリー・ジャ
パン株式会社は、営業・技術部は、
木村 範行、 マーケティング・ロジ
スティックス部門には、マッカー・
デービッド責任の下、他従業員一
同一丸となりお客様をサポート
します。
くの方々に知って頂ければと 思います。
PERIマガジン初版を是非ご一読
下さい。
当社が携わった現場に関する記事
をお読み頂き、
ご関心を持って下
されば嬉しく思います。
経済的で短工期、安全な施工を実
現する当社システム型枠をより多
ペリー・ジャパン株式会社
代表取締役
シュバルツ・ペーター
デザインエンジニア・施工指導
PERI 社の技術サービス
お客様の立場にたったサポートを提供
当社技術者たちは、技術コンサル
タントとしてお客様にアドバイスを
し、各現場の着工前も工程終了後
も十分にサポートできるよう細心
の注意を払っています。
難易度の高いプロジェクト – 複合
施設、橋梁・トンネル・複雑な形状
のコンクリート構造物や特有の支
保工構造物 等 – 様々な構造物に
対しても、現場と密な連絡をとり、
常に最適な解決案を提供すべく
お客様をサポートします。
当社は、お客様に、現場の短工期
化・円滑な施工を提供できるよう
努めております。
常に各現場に適合させた最新シ
ステム型枠技術を使用したプラン
ニング、商品開発などを心がけ、
合理的かつ実用的な施工計画を
提示し、安全性を重視したサービ
スを提供できるよう取り組んで
います。
技術サービス
型枠組立
部材のレンタルサービス
部材のクリーニング及び修理
型枠組立
施工指導及び組立
また、
ストックヤードにレンタル
材料を保管し、お客様と連絡を密
に取り、迅速に現場の要求に対応
できるよう準備しています。
当社サービスの範囲は、建設現場
の要求に応えるだけの製品製造・
販売だけではなく、システム型枠・
支保工に関わる分野でサポートを
も心がけています。
クリーニング / 修理
納品・部材返却処理に迅速に対応
3
首都圏中央連絡自動車道 裏高尾橋工事
高さ 46.5mの橋脚を含む橋脚プロジェクト
東京都八王子市 裏高尾町
裏高尾橋工事は、首都圏中央連絡
自動車道のうち、中央自動車道と
のジャンクション(八王子JCT)南
側に位置する橋梁を基礎から上部
まで一体で施工します。
橋梁形式は、
プレストレストコンクリート・
鋼混合4径間連続ラーメン箱桁橋
支間長は、
上り線:
51.5m + 140.5m + 140.0m + 69.5m
下り線:
67.0m + 155.0m + 144.0m + 68.0m
当社は、中空式鉄筋コンクリート
製橋脚4基(高さ29.8m〜46.5m)
に大型システム型枠が採用され、
本プロジェクトに携わっています。
入札時は、大型システム型枠と在
来型枠との価格の違い、施工精度、
工期が論点となりました。
1.62
5.10 ~ 7.30
1.62
型枠建込み
1.15
4
4.60 ~ 5.10
1.15
その中で、当社システム型枠の経
済性、施工精度、工期を大幅に短
縮した転用計画が認められ、技術
提案が採用されました。
打設高さは、6.00mで、
この高さ
が工期短縮につながります。
当社VARIO/バリオ大型壁型枠
の使用上のメリットは、大きく挙げ
て2点です:
VARIO/バリオ大型壁型枠は、
ブラケット上に設置され、総足場
からサポートで控えを取ってい
ます。
パネルのジョイントが容易な為、
組替が簡単で早い
木製ゆえ総重量が軽い
工期:
2006年3月~2011年4月
元請:
鹿島建設株式会社・株式会社間組
特定建設工事共同企業体
型枠供給会社: ペリー・ジャパン株式会社
型枠吊込み
型枠設置
全体写真
VARIO GT24/バリオ大型壁型枠
PERI トラスビーム GT24 を使用した大型壁型枠システム
各種現場に対応可能な汎用システム型枠
VARIO/バリオ大型壁型枠は、
作業効率を上げる大型壁型枠
システムです。曲げ強度の高い
PERIトラスビームGT24とそれ
に適合するスチールウェールを
使用することで、型枠パネルを最
適化し、
タイロッドを少量化する
ため、建込み作業のスピードが
上がります。
次のような条件設定が可能です:
合板のタイプとサイズ
合板固定方法
パネルの幅・高さ
パネル高さの変更位置
PERIトラスビームGT24の長さ・
設置間隔
スチールウェールの位置・断面
形状・長さ
許容コンクリート側圧
垂直/水平タイロッド設置
間隔
パネル形状:
直線・カーブ・角度付
長年、当社PERIトラスビーム
GT24をご使用の株式会社
三沢工務店 織笠社長のコメント
をご覧下さい:
織笠社長
株式会社三沢工務店
15年以上前から、弊社はPERIの
型枠 ガーダーを使用して仕事を
しています。最も古いPERIトラス
ビームGT24は、15年前に購入さ
れたものですが、未だ問題なく使
用できます。
私が今持っているPERIトラスビ
ームGT24は、1991年に製造され
たものですが、未だ壊れることは
ありません。何十年たっても印字
されているプリントが、
その確た
る証です:
PERIトラスビームGT24は、特に
長持ちします。
また、VARIO/バリオ大型壁型枠
で使用されているPERIトラスビー
ムGT24は、耐久性と維持管理費
に重点を置いています。
バリオ大型壁型枠で施工した6.60m高のBNRタンク壁
全長cm(端数切捨)
製造月日
製造年
管理記
d1
1.20
d1
0.50
x
内側コーナー
調整パネル付きバリオ
内側コーナー
5
第二京阪高速道路(京都-大阪)星田地区上部工事
「橋梁」円形をBCSシステム※で施工
大阪府交野市
第二京阪道路は、京都と大阪を結
ぶ道路です。
大阪・京都・近畿全体を結ぶ広域
ネットワークを形成する広域幹線
道路で、渋滞緩和を目的として整
備されました。
沿道への環境にも配慮しているこ
とから
【緑立つ道】
という愛称もつ
いています。
2007年8月から工事がスタート
し、既設のピアの上部に幅15m
全長592mのRC函梁を建設しま
した。
当社BCS※型枠システムは、上部
工の跳ね出し部に半円を形成する
幅3.00m高さ2.50mを1ユニット
(重量1t)単位として使用しました。
(※BCSは名称が変わりました。
現在の名称はVARIOKIT/バリオ
キットになります。)
フランジの曲線を造り出すPERI BCSシステム型枠
2.62
7.59
当社BCSシステムは、在来工法と
異なり、鉄筋、足場等の段取りは
全く別工程で先行地組ができます。
ゆえ、設置時間を短縮する事が
大きなメリットとなり、提案が採用
されました。
更に、設置や移動に掛かる時間
短縮による人件費・労務管理費の
低減等など、経済的効果を上げる
ことにもつながりました。
打設後の脱型もそのユニットを
クレーンで下ろすだけなので、工期
短縮化にもつながります。
基本的な部材構成は根太材に3m
のトラス梁大引材に溝型鋼のダブ
ルを専用金具で各支点をボルト
接合して骨組みを作ります。
この骨組みに曲げ合板を釘や
ビスで直接打ち付けて完了です。
稼働方法は、シンプルで簡単です。 深刻な高齢化や熟練工不足が進
一度3mのユニットを組み、
クレー
む作業現場では、従来工法で進め
ンで設置作業をします。
るのは限界があると言われていま
6
すが、当システム型枠施工方法で
は、省力化をし、計画的に進めるこ
とができます。
部材移動はクレーン等の機械化に
シフトするため、多忙化や危険作
業を抑止し、事故撲滅に貢献する
ことができます。
更に、一定区間の施工が終わっ
た際、
レンタル部材の場合は、
合板を除き、基本構成部材を各
パーツに分解して返却する事も
可能です。
購入の場合も、既存部材が使用可
能な際は再設計の上、他のプロジ
ェクトに使用して頂くことが可能
従来工法では、跳出し部のR形状
です。
よって、材料処分費の削減や
を作る為に、各現場で鉄骨等で
連続使用の可能による初期投資
製作した組物が必要でありました。 の効率化が高まり、
コスト効率化
一方で、当システム型枠は接続の
を実現することが可能です。
自由度の高い高強度部材を使用
することにより、様々な形を造りだ
すことが出来ます。
工期:
2007年8月~2009年3月
元請:
大成建設株式会社
型枠供給会社:
ペリー・ジャパン株式会社
アルジェリア東西高速道路工事
トンネル・橋梁・横断構造物を建設
東工区ボルジブ・アレリジ - チェニジア国境
アルジェリア東西高速道路工事は
全長約 1,200km の高速道路建
設事業 で、3工区に分けた東工区
の約400km には、鹿島・大成・
西松・ハザマ・伊藤忠 共同企業体
が携わっています。
道路は片側3車線の上下6車線高
速道路であり、構造物は、
トンネル・
橋梁などの横断構造物です。
土工事における切盛り量は約
5,000万m3 の壮大なプロジェクト
です。
材料の供給が困難なアルジェリア
という土地で、当社のグローバル
サポートと日本支社による連携と
当社の以下に列挙したメリットが
活かされています。
転用による工期短縮化
製品の利便性・簡単な組立解体・
労務費の削減
製品の剛性による品質の確保
工期:
2006年10月~2010年2月
元請:
アルジェリア東西高速道路建設工事共同企業体(COJAAL)
鹿島・大成・西松・ハザマ・伊藤忠共同企業体
型枠供給会社:
ペリー・ジャパン株式会社
0.90
バリオ大型壁型枠を使用した ボックスカルバートの打設
5.65
(1,909+295+2,504.5)x2=9,417m
本線橋:43ヶ所 x 上下2本=86本
(総延長4,424 mx2 = 8,848m)
インターチェンジ:21ヶ所
横断道路:横断橋88ヶ所・横断トンネ ル 109ヶ所
横断排水路:783ヶ所
土工事:約 110,611,000m3
(東京ドーム約89個分強)
コンクリート工事:約 1,925,800m3
0.90
主要工事数量:
(COJAAL東京ホームページより引用)
区間:ボルジブ・アレリジ~チュニジア
国境 約 396km
道路:片側3車線、
上下6車線の高速道路
トンネル:3ヶ所 x 上下2本=6本
7
世界一高い約200m の「エレベーター研究塔」 (株)
日立製作所新エレベーター研究塔建設工事
茨城県ひたちなか市
茨城県ひたちなか市に世界で最
も高いエレベーター研究塔を建
設中です。昨今、世界的にオフィス
ビルを中心に構造物の高層化、大
規模化が発展しております。
高い信頼性、安全性が要求され、
更に一度に多くの人・物を迅速に
運ぶことが出来る高速・大容量エ
レベーターの需要も増加してお
ります。
日立製作所様の昇降機事業にお
ける研究・開発・製造の中心であ
る水戸事業所は、
これまで地上高
90mの研究塔を中心に、エレベー
ターの開発・実証実験をおこなっ
てきました。
この度、新設する研究塔は、超高
速エレベーター用を始め9本の昇
降路を持ち、最高速度1,300m/
分でのエレベーター実証実験が
可能となります。
また、エレベーターに求められる
製品の安全性や信頼性、快適性の
向上に向けた技術の研究・開発に
取り組みます。
本プロジェクトは、当社の高さ
5.10m VARIO/バリオ大型壁型
枠を用いて、約900m2を施工。
ク
ライミングサイクルプランは8日
×41 クライミングです。
新エレベーター研究塔外観(第31層)
ACSユニットの設置
バリオ大型壁型枠の吊込み
バリオ大型壁型枠を搭載したACSユニット
8
第二打設時よりVARIO/バリオ
大型壁型枠を昇降式足場ACS自
動クライミングシステム、CB 240
クライミングシステムに取付け、
コ
ンクリートを打設します。建物外周
部には、14基のACSユニットを配
置し、16基のCB240ユニットを内
周部に設置します。高さ110m以
降より盛替えを行ない、ACSは12
基、CBは10基のユニットで203m
まで施工します。
203mの高さを誇る超高層エレベ
ーター実験塔、一打設高5.00m、
約41回の打設を行ない、約1年の
短工期で完成させるプロジェクト
のため、元請の清水建設株式会
社様及び協力業者の横河工事株
式会社様、株式会社村上工務店
様のご協力を元に、工事を進めて
おります。
また、
プロジェクトの特
徴と致しましては、内部及び柱に
鉄骨があり、壁厚も700mmから
300mmへと変化します。
澤津橋 一路 現場代理人 (左)
石堀 貞幸 現場担当係員 (右)
清水建設株式会社 関東支店
茨城営業所
今回、
日立製作所新エレベータ
ー研究塔建設工事にあたり、高さ
200mのRCコアウォール構造をペ
リー・ジャパン株式会社の Jump
UP 型枠足場のシステム (ACS)
を採用して施工を行なっている。
主な採用理由は、
以下の通りです:
Jump UP 型枠構造システム足
場 (ACS) での施工の為、高層レ
ベルでも集中して品質管理、安
全管理が出来る。合板の転用回
数が、40~70回可能。
また、型枠
大パネル化に伴い、細かい資材
が少ない。
完成予想図
日本では従来、足場と型枠を別々
に準備・施工していたのが常でし
たが、
この度当社昇降式足場ACS
自動クライミングシステム、
CB240を採用することにより、工
期短縮化、省力化を実現すること
ができそうです。その他に壁厚の
変化に対する対応・安全対策も型
枠施工と同時に行なうことが出来
るのではないかと願っています。
標準断面図
工期:
2008年3月~2010年1月
元請:
清水建設株式会社
協力業者:
横河工事株式会社/株式会社村上工務店
型枠供給会社
ペリー・ジャパン株式会社
一体化された作業足場と型枠
新エレベーター研究塔外観(第5層)
9
PERI ACS / RCS
自動昇降システム
型枠と足場が一体化された自動昇降システム型枠
PERI ACS
クライミングデバイス
生物の運動を彷彿させるクライミング:
最上部で固定して引き上げ、最下部で固定
して押し上げる。その両動作でPERI ACS
クライミングデバイスは自然なクライミン
グ作業を提供します。
安全な作業環境なので作業員の
生産性も向上します。
昨今の建設形態・工法は、印象
的な建築デザインを実現してい
ます。
当社では、自動昇降技術の活用に
より、建設手順は合理化され、その
結果、
コンクリート硬化時間のよう
な物理的要因による制約を除い
て、多方面で現場作業進行を迅速
化します。
当社技術者は、各高層建築プロジ
ェクトを、
これまでのノウハウと
経験を用いて、各プロジェクトに
適した経済的な工法を提案しなが
らサポートします。
昇降式足場ACS自動クライミングシステム
クレーンを使用せず組立、建入、
及びRCSは、構造物に合わせ、型枠・足場
打設、脱型、
クライミング作業を
を最適に調整します。
行ない、現場全体の作業プロセス (ドイツ・フランクフルト市)
を最適化し、個々に作業を進める
ことができます。その結果、予定さ
れた作業手順を迅速に遂行するこ
とができます。
PERI ACS ならびにRCS では、
天候に左右されることなくクライ
ミング作業が可能です。地上での
作業と変わらぬ環境でプラットフ
ォーム上での現場作業を進めるこ
とができます。風雨から保護する
ための作業プラットフォームの閉
鎖も可能です。
設置およびクライミング手順
建込み段階
ステップ1
型枠の片側を閉める。
先行アンカーを配置し固定する。
配筋を行い、型枠を閉じる。
打設。
10
クライミング段階
ステップ2
クライミングシューを取付け、
クライミング足場を取付ける。
型枠の片側を閉める。
先行アンカーを配置し固定。
配筋作業を行う。
ステップ3
型枠を建入れし、打設する。
型枠を脱型し、
クリーニング
する。
ステップ4
クライミングシューを取付け、
クライミングレールを挿入。
油圧によるクライミングを行う。
フィニッシュプラットフォームを
取付ける。
ステップ5
型枠の片側を閉め、
先行アンカーを配置し固定。
配筋作業を行う。
大阪シティータワー
約100mの中空にACSを使用
天満パーキングタワー・大阪市
大阪市最大のランドマークタワーである天満
パーキングタワーは、広大な敷地のスケール
を活かし、大阪市最大の公開空地を確保した
ものです。そこに“土地の庭”と“土地の杜”をテ
ーマとした大庭園を誕生させる壮大なプロジ
ェクトです。
日本を代表するコントラクターであり、新開発
技術においても国内トップクラスの地位を有
し、超高層タワー建設においても、豊富な実績
を積み重ねてきた株式会社大林組が、新たに
開発したデュアル・フレームシステムをタワー
マンションにおいて日本で初採用しました
センターコアに立体駐車場をつくるという画期
的な構造で元請である株式会社 大林組が躯体
のデザインで大臣認定を受けました。
通常日本では足場を下から組みながらステッ
プ毎に上がってきます。本工事では、少人数で
簡単に施工を、
という要望から約100mの中空
に当社 昇降式足場ACS自動クライミングシス
テムを使用し、短工期で次の工程に入ることが
出来ました。
天満パーキングタワー外観
※ACSシステムに関しましては、左ページの
製品説明にて詳しく紹介しております。
ご覧下さい。
一体化されたVARIO/バリオ大型壁型枠と作業足場
ACS ユニットの設置
工期:
2008年6月~2009年1月
元請:
株式会社 大林組
協力会社:
株式会社ダイフジ
型枠供給会社:
ペリー・ジャパン株式会社
ステップ6
型枠を建入れ、打設。
型枠を脱型し、
クリーニング
する。
ステップ7
クライミングシューを取付ける。
油圧によるレール・足場の
クライミング。
ステップ8
型枠を片側に配置する。
先行アンカーを固定
配筋作業を行なう。
型枠を閉じ、打設する。
3.20
3.20
3.20
標準断面図
11
第二東名高速道路 青木川橋
橋脚建設工事
愛知県岡崎市
東京と名古屋を結ぶ総延長
328kmの第二東名高速道路プロ
ジェクトのうち、愛知県岡崎市に
位置する青木川橋工区では、橋長
662m、道路復員22mのPC6径間
連続波形鋼板ウェブ箱型橋の橋脚
を建設中です。
設のみ中実断面形状となり、躯体
は最大12.70度外側に傾斜して
います。
打設高さは4.20m、施工サイクル
は7日で工程を組み、着工から4年
5ヶ月後の2011年6月完成を目指
しています。
入札は設計・施工を一括で行う
デザインビルド方式で行われ、
VARIO/バリオ大型壁型枠・昇降
式足場ACS自動クライミングシス
テムを用いた技術提案が採用さ
れました。
大型型枠と外周・内周足場を一体
化したシステムなので、型枠を脱
型後は型枠を吊り降ろさずに、
ク
ライミング作業に移行します。ゆえ
に、打設毎のクレーンで揚重作業
が軽減され、工期の短縮・安全性
の向上につながります。
合計5基の橋脚は、
高さ30m〜79m、
中空断面形状で壁厚は0.8mです。 壁型枠は、VARIO/バリオ大型壁
そのうち2基については、最終打
型枠を使用しています。躯体形状
が変化する場合も、調整パネル
を追加することで対応します。調
整パネルは、特注部材ではなく標
準部材で構成されているので、経
済的かつ組立も容易です。
内周足場には、
クレーン式クライ
ミングシステム、
アンカーには自
重で作動する折り畳み式ピボット
プレートを採用しています。
これ
により、吊り荷の下で作業を行う
ことなく、すべての型枠と足場の
クライミング作業を一度に実行
できる構造となっています。
外周足場には、油圧ポンプで作動
する昇降式足場ACS自動クライミ
ングシステムを採用しています。
ここでは8mの主筋を先行配筋する
ために、
コンクリート天端から5m上
に作業足場を設置しています。
さらに、
コンクリート打設作業足
場、型枠設置・脱型作業足場、
クラ
イミング作業足場、仕上げ作業足
場も備えています。
プラットフォーム1基あたりの幅は
7mであり、
これを2本のブラケット
で支持する構造です。
プラットフォ
ームは、外周寸法が11mx7mの橋
脚には6基、7mx5mの橋脚には4
基を配置します。
クライミング作業
を行う際は、1基ずつ行うか、もしく
は全基を一度に行うかを、状況に
合わせて選択することが可能です。
12.7度傾斜した壁面に設置されたPERI
VARIO/バリオ大型壁型枠と昇降式足場
ACS自動クライミングシステム
工期:
2009年1月~2011年6月
発注者:
中日本高速道路㈱名古屋支社
元請:
大成建設・オリエンタル白石建設特定建設
工事共同企業体
型枠供給会社:
ペリー・ジャパン株式会社
太田 誠 現場代理人
PERI の ACSシステムは世界的
に実績もあり信頼性と経済性の
両方を可能とするシステムだと 思います。以前に台湾で使用した
こともあり今回も採用しました。
採用にあたっては、
日本における
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構造設計や安衛法をはじめ
とする安全諸規定との整合
性を取る必要上いわゆる日
本仕様の ACS システムにな
っている事を考慮しました。
このシステムで工事の更なる
効率化を目指していきます。
システム型枠を用いた短工期で安全な作業条件
マリーナベイ金融センター(MBFC)
シンガポール
マリーナベイ金融センター
(通称:MBFC) は、シンガポール
の新商業地区(ダウンタウン)の中
心地に位置します。
山本 真嗣 現場代理人
PERIシステムを使用することによ
り1フロアを5日のサイクルで達
成することができました。
(スラブは 2,880m2・コア壁は
4,100m2)
システム型枠は工期を早め生産
性を上げ、安全な作業環境を提
供してくれました。
本プロジェクトのデベロッパー
は、BFC Development Pte.
Ltd. BFC開発会社)で、アジアで
は有名な不動産開発会社三社の
共同企業体です:
Cheung Kong (Holdings)
Hutchison Whampoa
チェウウング コング
ハチソン ワンポア
Hongkong Land
ホンコンランド
Keppel Land
ケッペルランド
鹿島建設及びTiong Seng
Contractors(ティヨンセン建設
会社)が33階(タワー1)及び51階
(タワー2)部分を落札しました。
建物の第一段階は2007年9月に
着工、2010年3月には工事終了の
予定です。
このプロジェクトでは、当社の様
々なシステム型枠が使用されて
います。VARIO/バリオ大型壁
型枠システムから始まり、昇降式
足場ACS自動クライミングシステ
ム、RCS-Cレール昇降システムが
コア部を持ち上げるのに利用され
ています。
更に、自動で昇降するRCS-P安全
スクリーンが、建物周辺に安全用
に使用されています。
また、PD8テーブルシステム及び
ST100スタッキングタワーがスラ
ブとして使用されています。
このプロジェクトのPD8テーブル
システムのビーム及びスラブテー
ブルは、テーブル移動を最小限に
するために、
また、サイクル時間
を減少させるために統合されて
います。
壁部分は昇降式足場ACS自動クライミングシステムと
VARIO/バリオ大型壁型枠システムを使用
最新システム型枠工法を用いて
短工期で二棟の塔を建設
RCS-Pクライミング養生パネルの使用により
安全な作業環境を提供 – また転落を防止します
元請:
Kajima Overseas Asia Pte. Ltd.
(鹿島建設アジア)
& Tiong Seng Contractors
(ティオンセン株式会社)共同企業体
型枠供給会社:
PERI Asia Ltd.
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PERI GRIDFLEX/グリッドフレックス
規格化された自由度の高いスラブ型枠
スラブ型枠建込の省力(人)化を実現する型枠システム
パネル:アルミ製で軽量-下から組み立てます
効率性・安全性の向上
コスト効率の最大化、並びにシス
テム型枠の作業安全性を求める
声が強まっている中、当社グリッド
フレックスは、労働生産性の改善
と、
より高いレベルでの作業安全
性を提供します。
定型的な組立
GRIDFLEXはスラブ上から安全
に組立可能です。下からパネルを
安全に引っかけ、シャッタリングエ
イドを用いて、
これを押し上げて
配置します。
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プロップの位置調整は、パネル
が規格化されているため不要
です。
よって、建入れの際のミスが回避
できます。
その上、未経験の作業員も短時間
で取り扱い方を習得できます。
標準パネルの面積は2m2。
また、必要なプロップはわずか
に1本 –
パイプサポートの性能を十分に発
揮できます。
在来工法との違い
根太材や大引き材が不要 –
グリッドフレックスは、一体型の
スラブパネルをセットするだけ
です。
スラブパネルは、
アルミ製で
軽量-持ち運びも簡単です。
また、サポート数量も軽減できます
(グリッドフレックスの使用により
約25%以上の削減が可能)。仮設
材の投入重量も削減でき、運搬費
用カットに結びつきます。
少数の構成部品
組立には、2つの主要構成部品を
使用するだけなので、型枠作業、
設計、部材管理などが省力化さ
れます。
この一定の組立作業が、大幅な時
間の削減と現場作業員の作業安
全性の向上を実現します。
縦方向ビームの間隔は13cmのため、パネルをプロップヘッドに確実に取り付けた状態で
あれば、現場作業員は安全に作業することができます
組立方向の変更が必要になっても、
グリッド
フレックスでは別の部材を追加する必要はありません
型枠合板は自由に選択でき、釘で直接グリッドフレック
スパネルに固定します
組立方向の変更が必要になっても、
グリッドフレックス
では別の部材を追加する必要はありません
フィラーエリアも
柔軟かつシンプル
グリッドフレックスシス
テムの主な特徴として、
縦・横二方向の調整がで
きます。
各建物サイズに合わせて
調整が必要な部分も、
調整パネルにより迅速な
対応ができます。
GRIDFLEX
パネルは色分けにより取り扱いも簡単です。
黄 長手調整用
赤 短手調整用
白 標準パネル
プロップと
プロップヘッド
標準パネル GFP
型枠合板
GFH
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多用途に対応
迅速・簡単な組立の足場部材
PERI UP モジュラー式足場
PERI UP Rosett ジョイント
施工上のメリット
簡単で迅速、安全な部材の組立方法
PERI UP Rosett は、45°迄の連結が可能
支保工として使用するPERI UP
軽量の足場部材を用いたコスト効率の高い支保工組立
許容荷重は、1脚当り40kNで高さ 22mまで対応可能です。
鉄筋用足場として使用するPERI UP
クレーンで吊り上げられる足場
ユニットは、工期短縮化を約束します。
階段として使用するPERI UP
作業現場への迅速かつ便利な通路
高さ90mまで対応可能です。
PERI UPモジュラー足場システムは、
安全機能付きのPERI UPモジュラー足場
システムは、支保工・階段・鉄筋用足場・
作業足場として使用頂けます。
左記以外のアプリケーションとしても使用できます。
吊り足場などは良い例です。
現場で必要とされる各部材は、必然的に減少し、部材
稼働率が上がります。
複雑な構造物向きです。
施工を簡単にするだけでなく、現場作業
員の安全を約束します。
本冊子で掲載している写真の多くは、
施工中の現場写真です。 ペリー・ジャパン株式会社
システム型枠・足場・技術のスペシャリスト
最終的な安全面・アンカー位置などでは
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町31-4 箱崎314ビル7F
Phone: 03-5642-6100
Fax: 03-5642-6101
[email protected]
www.perijapan.jp
ございませんのでご了承ください。
© Copyright by PERI GmbH
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JPN jpn 12/2009 2eb Art. Nr.: 792567 © Copyright by PERI GmbH
簡単な組立
軽量部材と自動固定装置“グラビティロック”
によるつなぎ材及び手摺の連結
優れた耐荷重性
剛性結合としっかりとした足場板の構造
高い柔軟性
長さ・幅・高さはメートル単位のグリッドパタ
ーンで構成
安全な作業環境
足場板が簡単に取り外れないよう固定。
グラビティーロックによるつなぎ材・手摺の組立