ジョイントベンチャーを成功させるために重要 な 4 つの要素 はじめに あなたの収益を爆発的に増加させる戦略があります。 そして、この戦略はあなたが「アレさえあれば、もっと事業を拡大させること ができるのに・・・。」 と思っている経営資源を、限りなく低いリスク、若しくは全くノーリスクで即 座に手に入れることができるからです。 その戦略こそが、ジョイントベンチャーです。 A 社と B 社がお互いの強みを出し合って、新しい事業を構築する事をジョイン トベンチャーといいます。 ジョイントベンチャーは、多数あるマーケティング戦略の中でも最も容易に実 行でき、コストをかけず、もっとも早く、爆発的な成果を生み出す手段です。 その有効性ゆえに今、最も注目されているマーケティング戦略と言っても過言 ではありません。 顧客、不動産、商品、販売チャネル、ノウハウ、自社メディア、資金、人脈、 アイディア・・・、 有形無形の経営資源は様々ありますが、全ての経営資源を一社で作り上げる事 は、膨大な資金と時間が必要です。 だからこそ、世の中には様々な強みをもった事業者や法人が多数存在している のです。 経営者は事業にとって手に入れたい経営資源がる場合、通常、自前でそれを 手間暇かけて一から作ります。 しかし、他の選択として、その経営資源を持つ他社とジョイントベンチャーを 組むという選択もあります。 あなたが、他社の経営資源を「喉から手が出るほど欲しい」と思うのと同じよ うに、あなたの持つ経営資源を「手が出るほど欲しいと思う他社は必ず存在す るのです。 第 1 章 ジョイントベンチャーの基礎 第 2 章 最高の効果を上げるジョイントベンチャーの選択法 第 3 章 ジョイントベンチャー相手候補の見つけ方 第4章 ジョイントベンチャー相手との適切な関わり 第1章 ジョイントベンチャーの基礎 ジョイントベンチャーは表面的には、難しい考え方ではありません。 他者と共同で事業を行うことは、至って普通に行われていることですからです。 例えば、マクドナルドでディズニーのキャラクター商品を販売する。 これも、立派なジョイントベンチャーです。 お互いにとって win-win であれば、どんな提携もジョイントベンチャーといえ ます。 むしろ、ビジネスにおいて他者と関係を持つことは避けられませんし、ジョイ ントベンチャーという概念ではなくとも常に他者との協業を考えている経営者 は多数います。 では、ジョイントベンチャーは何が違うのかと言うと思考のフレームワークが 違うのです。 漠然と他者との協業を考えている一般的な経営者はこのフレームワークを持っ ていません。 したがって、そうしても革新的なジョイントベンチャーのアイディアにならず、 過去の延長戦上でビジネスをしています。 ひとつ、ジョイントベンチャーが大成功した事例を挙げます。 事例 ネイルサロン開業 開業半年で 9000 万円の粗利を出したネイルサロンチェーン店があります。 通常はこれだけ売り上げるネイルサロンチェーンならば、相当立地のよい(賃 料が高い)物件、相当数の店舗、莫大な広告費が必要となるでしょう。 しかし、この企業は賃料も広告費も初期費用すら 1 円もかけることなく、これ だけの売り上げを生むネイルサロンチェーン店を創りあげたのです。 この事業はジョイントベンチャーで生み出しました。 元々このネイルサロンの経営者は、一流のネイリストを抱えており、超高級一 等地にネイルサロンを開きたいという目標がありました。 しかし、通常ならばそれには膨大な資金が必要で、当時すぐに自力で展開する 事はほとんど不可能でした。 しかし、一つのアイディアがそれを実現させます。 美容師とネイルサロンのジョイントベンチャーです。 美容院には売り上げを失っている時間がある。 パーマやカラーリングの待ち時間。 顧客にとっても価値を産まない時間となっている。 その時間にネイルサービスを提供してみてはどうだろうか? そうすれば、売り上げを上げれなかった時間帯にも、売り上げを上げることが 出来るし、顧客も時間を有効活用できる。 ネイルの出来る、美容院としてクチコミにもなる。 この考えを美容院に提案し、結果として ・ネイリストを美容院に常駐で派遣し、パーマやカラーの待ち時間のあるお客 様に 15 分程度で出来きるネイルサービスを提供 ・売り上げの 50%を美容院に納入 ・賃料、集客コスト、初期資本投資は一切なし という条件で事業をスタートします。 お互いおのリスクはほとんど無く、お互いの事業と顧客にとっては良い事ばか り、まさに win-win を実現するジョイントベンチャーとなりました。 このネイルサロンは提携美容院の収益向上に貢献しながら爆発的な発展を遂げ ています。 今では、自前のネイルサロンも構え、望んだどおりの事業展開をしています。 コスト最小、スピード最速、効果最大と言われるジョイントベンチャーの証明 です。 この事例を踏まえて、考えるべきジョイントベンチャーのタイプをもう少し細 く分類します。 タイプ① 自社の商品を売ってもらう、紹介してもらう ビジネスで最も重要かつ、最も大切な顧客リストを間接的に手に入れることが できます。 この顧客リストは、勿論ジョイントベンチャーの相手方が時間もお金もかけて 創り上げてきた信用も含んだものですので、取り扱いには最大限の注意が必要 です。 しかし、相手の大切な顧客にとって価値を与えることが出来るジョイントベン チャーであれば、相手も快く受けてくれるでしょう。 このタイプのジョイントベンチャーは、単純に顧客リストを手に入れた場合の より、さらに早くビジネスを加速することが出来ます。 1、リーチ力 大企業でもばければ、自分たちのマーケティングだけでは、販路には限界があ ります。 しかし、顧客リストや販路を既に持っている他の人達に手伝ってもらうことで、 より幅広い顧客層にアプローチする事が出来ます。 出版が良い例です、作家個人の販路には限界があるので、ほぼ例外なく出版社 の販路を利用しています。 顧客リストや販路というものは、他者が膨大な時間とお金を投資して構築して きたものです。 それを活用できるのは、非常に大きなコスト削減とも言えます。 2、信頼 これが単純に顧客リストを手に入れた場合との違いです。 多くの顧客は、紹介や推薦の方が、購入できるのです。 既存顧客の紹介・推薦経由での成約率は、公告を打って新規に顧客を開拓する 場合の何倍も高くなります。 これは信頼のレンタルが出来ている証拠です。 信頼関係の構築にも多大な時間とお金がかかっていますので、信頼を借りられ るというのも、ジョイントベンチャーの大きな魅力です。 顧客リスト及び販路には通常の流通意外にも、メルマガ及びサイトでの紹介、 店の中にチラシや割引券を置く、DM の同封など、顧客にアプローチする方法 ならば全てが利用できます。 タイプ② 相手の商品を自分の顧客に売る タイプ①の逆です。 他社の商品を売ることで、コミッション収益を得るのが一般的な形態です。 収益を拡大させていくためには、商品のラインナップを必ず増やしていく必要 があります。 しかし、商品の開発には通常、多大な時間とお金と労力、あるいは才能が必要 です。 さらには、消費者が新しいモノに飛びつくスピードも年々増し、価値観お多様 化も留まることを知りません。 これだけ変化の激しい時代において、新商品を自社のみで開発し続けていくこ とは現実的ではありません。 商品開発のスピードは、顧客が商品を買うスピードに追いつかない、という前 提で事業を行うべきなのです。 ジョイントベンチャーならば、一日で商品のラインナップを増やす事ができま す。 時間・労力をかけることなく、開発リスク、在庫リスクも一切ありません。 アフターサービス、クレーム対応も商品開発者が行う契約であれば、アフター フォローの準備もいりません。 タイプ③ 共同開発 それぞれの技術・特許を持つもの同士が協力して一つの商品を作り上げるタイ プの共同開発や、持つ技術は同等でも協力することで開発時間を短縮する共同 開発があります。 共同開発によるジョイントベンチャーには、一社では出来ない事を実現する力 があり、大きな飛躍が出来る可能性があります。 反面、開発した商品の著作権の知的財産権の所有者の問題が厄介です。 タイプ④ 共同集客 いわゆるバーター(物々交換)です。 「あなたの商品を紹介しますから、あなたもこの商品を紹介してください」 という提案をし、お互いが自分の顧客に相手企業の商品を紹介するジョイント ベンチャーです。 また、コピー機を使わせてもらう代わりに、デジカメを使わせてもらう、とい うような、相互使用契約や技術提供などもこのタイプに含めます。 このタイプのジョイントベンチャーでは、基本的には、金銭のやり取りは発生 せず、金銭以外の価値を提供し合うことで、win-win を達成します。 タイプ⑥ コンテンツ提供 自分のコンテンツを相手に提供することによって、相手の商品力も強化でき、 相手のビジネスの本業自体に好影響を与える組み方です。 ここでいうコンテンツの例としては、「権威」や「能力」などがあります。 例えば、一流店の「権威」や一流店の味という、 「能力」を商品に提供すること で、通常以上の売り上げが上がります。 このタイプのジョイントベンチャーは、 「顧客を引き付ける能力」を提供してい るのです。 以上、6 つのタイプがジョイントベンチャーを考える一番のフレームワークです。 大切なのは、このフレームワークのみで考える、という事です。 あなたの常識や業界の常識を排除し、このフレームワークで win-win となるジ ョイントベンチャーを考えましょう。 第2章 最高の効果を上げるジョイントベンチャーの選択法 第一章のジョイントベンチャーの基礎を理解すれば、個々のジョイントベンチ ャーの目的を理解することが出来ます。 しかし、ジョイントベンチャーは無限の可能性があり、より効果のあるジョイ ントベンチャーから取り掛からなければ、チャンスを逃してしまうかもしれま せん。 勿論、次から次へとジョイントベンチャーを仕掛けていけば良いのですが、効 果の低いジョイントベンチャーを纏めることに時間をかけ、より効果の高いジ ョイントベンチャーを後回しにしてしまう事は、非常にもったいないという事 です。 どうすれば、もっと効果のあるジョイントベンチジャーを見抜けるでしょうか。 ここでは、効果を判断するフレームワークについて、お伝えします。 収益は貢献のバロメーター まずはビジネスの前提です。 ビジネスにおいては、貢献の対価としてお金を受け取ります。 つまり、収益は貢献のバロメーターです。 そして、貢献の大きさには 2 種類の単位があります。 貢献の質と量です。 一人の人に多くの貢献をすること、そして、たくさんの人に貢献する事の合計 があなたの貢献の大きさになります。 では、貢献の質と量は何によって測られるのでしょうか。 まず、貢献の量。 貢献の量というのは、単純に顧客数で測られます。 そして、顧客数の多い事業は自動的に収益の多い事業になります。 多くの人に貢献し、多くの人から対価を受け取ったからこそ、収益が大きいの です。 つまり、 貢献の量=顧客数=収益 という方程式が成り立ちます。 収益を上げている事業はたくさんの人達に価値を提供しているのです。 では、貢献の質というのは、何によって測られるのでしょうか。 まずは、顧客単価で測れます。 単価が高いものほど、顧客はそれだけのお金を払う価値を認めていることの証 です。 顧客が得られる利益と、それを得る為に支払うお金の価値は、基本的には同じ になります。 また、購入回数(リピート率)でも測れます。 どんなに自分は素晴らしい商品・サービスを扱っている、と思ってもリピート がなければ顧客はそれに価値(費用対効果)を感じていません。 顧客に繰り返し求められる事業こそ、顧客が価値を認めていることの証です。 そして、客単価及び購入回数の大きい事業の収益が自動的に大きくなるのも明 らかです。 つまり、 貢献の質=顧客単価・購入回数=収益 といえます。 よって 貢献の大きさ=貢献の量・質=収益 なのです。 収益は貢献のバロメーターと言えます。 では、上記の公式を使って、効率的に収益を上げるためのフレームワークをお 伝えしたいと思います。 収益最大化のためのLTV 収益(貢献)を向上させる要素は、 「顧客数」 「顧客単価」 「取引回数」だとお伝 えしました。 逆に収益を向上させる要素はこれ以外にありません。 この収益をあげる 3 要素が分かれば、現時点での将来まで含めた総売り上げが 計算できます。 総売り上げ=顧客数×顧客単価×取引回数 ジョイントベンチャーで「顧客数」を増やす ジョイントベンチャーで「顧客数」を増やす 新規顧客の獲得。 これが、ビジネスにおいて最も重要かつ難しい課題です。 事業は顧客がいて初めて価値を生み出します。 長い年月を費やし必死で商品を開発した事業者には申し訳ないのですが、顧客 がいなければ、その商品には全く価値がないのです。 素晴らしい商品をつくったけれど、売る術を持たず、その商品の価値を発揮さ せられない事業者が、日本中に溢れています。 素晴らしい商品を作ってさえいれば顧客は勝手についてくると信じ、この現実 を受け入れなければ、倒産という結果が待っています。 まずは、この現実を受け入れて頂く必要があります。 逆に、商品が今一つ物足りなくても、新規顧客を獲得し続けることが出来れば、 キャッシュが回ります。 キャッシュが回せれば、事業を継続していく事が出来ます。 最初は商品力が弱かったとしても、事業さえ継続していれば、商品の改良はい くらでも出来るのです。 沢山のフィードバックも得られ、自分一人で開発する以上に商品を洗練させる ことが出来ます。 つまり、新規顧客の獲得が事業の全てを良くしていくスパイラスを生む源です。 顧客を見つけられる他者と組む 通常であれば、新規顧客の獲得こそ、事業者が最も頭を悩ますとこです。 事業の最大の課題と言っても過言ではありません。 しかし、ジョイントベンチャーなら、大量の新規顧客をすぐに生み出す事が可 能です。 方法は単純です。 既に顧客を持っている他者と組む、もしくは、顧客獲得能力のある他者と組む のです。 第1章の①のタイプになります。 これは、非常に強力なジョイントベンチャー戦略です。 それは、前述したリーチ範囲と信頼を借りる事により、効果が倍増するからで す。 自分だけで、新規顧客を獲得しようとするより遥かに効率がいい上に、契約次 第では、全くのノーリスクです。 顧客を見つけられる事業者とジョイントベンチャーを組めば、その事業は一日 で大きく飛躍する可能性が十分にあります。 そして、ここで大切なのが、あなたが貢献したい事業において売り上げを伸ば す為に、今、最も力を入れて伸ばす項目が何かを知ることです。 世の中の事業者は売り上げを伸ばす為に、様々な戦術を用いています。 しかし、その戦術が「顧客数」を伸ばすためのものなのか、 「顧客単価」を伸ば すためのものなのか、 「取引回数」を伸ばすためのものなのかを意識している方 は、少ないです。 何のために、戦術があるのか。 その理由、戦略が大切なのです。 3 要素のうち、どれを伸ばす戦略なのかを明確にせずに、公告を出したり、HP をリニューアルしたり、twitter を初めてみたりしてみても、効果的な戦術には なりません。 特に、ほとんど全ての事業者が「顧客数」を伸ばすための戦術に頭を悩ますの に対し、 「顧客単価」や「取引回数」を戦略的に伸ばそうとしている事業者はあ まりいません。 しかし実は、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客の購買単価や購買回数を増 やす事が課題である場合も多いのです。 しかも、そのほうが何倍も簡単であったりします。 顧客生涯価値(LTV) 方程式の通り、総売上=顧客数×顧客単価×購入回数 です。 つまり例えば、顧客を 2 倍にしても、顧客単価を 2 倍にしても、得られる売り 上げは同じなのです。 にもかかわらず、新規顧客獲得が非常に大変なのに対し、ちょっと工夫すれば 顧客単価を 2 倍にする事は、そんなに難しくないのです。 また、3項目全てを30%向上させれば、結果として売り上げは 2 倍を超えま す。 30%の向上ならば、そこまで大きなハードルでもないと思います。 「顧客単価」と「取引回数」によって新規顧客一人を獲得した時の収益が大幅 に変わってきます。 これらを考慮した顧客一人あたりの価値をマーケティング用語で LTV (life time value)(顧客生涯価値)といいます。 このフレームワークは非常に大切です。 LTV を意識して、自分は今、何を伸ばす戦略を取るべきなのかをしっかり知っ て行動しましょう。 戦略を立てれば、ジョイントベンチャーで、「顧客数」「顧客単価」「取引回数」 の狙った数字を伸ばすことができます。 ジョイントベンチャーで「顧客単価」を増やす 顧客単価アップは、アドオン(アップセル・クロスセル)という考え方が非常 に有効です。 顧客に対して、購入や契約更新時に、その商品より上級(販売単価や利益率の 高い)商品や、その商品に関連した商品を提供することで、顧客単価の向上を 目指すマーケティング戦略をアドオンと言います。 特に、アドオンのうち、上級商品を勧めることをアップセル、関連商品を進め ることをクロスセルといいます。 アドオンで念頭に置いておくべき事実は、顧客が求めているものは、商品その ものではなく、その商品によって利益や効果といった最終結果だという事です。 アイスクリームを購入する顧客は、アイスクリームそのものではなく、アイス クリームを食べることによって得られる「美味しい」という(最終結果)を購 入していると知ることです。 顧客が商品に望んでいる最終結果を明確にすることで、その商品に、より効果 的に最終結果を達成できるような付加価値を追加する事が出来るようになりま す。 顧客の最終結果にとって価値のあるアドオンを行うことで、あなたの収益を上 げるだけでなく、顧客にさらなる価値と満足感を提供できるのです。 例えば、自動車を買うとき、ディーラーがよりグレードの高い車を勧めたり(ア ップセル)様々なオプション勧める(クロスセル)、わかり易いアドオンです。 この時、顧客が欲しいものは、単なる移動手段としての自動車ではなく、自分 だけのマイカーなのです。 つまり、利便性だけではなく、心地よさやアイデンティティも合わせて購入し ているのです。 高いグレード車のステータスや、いろいろなオプションを購入することで、よ り顧客の望むマイカーに洗練されていくのです。 もし、アドオンが何もなければ、購入後の顧客の満足度はすごく低いものにな るでしょう。 「購入単価」向上を目指すアドオンですが、満足度も共に向上させてので、結 果的に「購入回数」や紹介による、「顧客数」の増加にも付与します。 まさに、やらない理由のない戦略なのです。 関連商品を持つ他社と組む アドオンは以下の3つのパターンが一般的です。 ・商品を追加する。 ・商品点数やサービスの提供時間を追加する。 ・組み合わせや選択を増やす。 この中で最も顧客満足度の向上が目指せるのが「商品を追加する」方法です。 追加する商品次第で、顧客に期待以上の最終結果をもたらすことが可能になる からです。 しかし、新たに商品を開発するのは、簡単ではありません。 多くの時間とお金がかかり、それに資源を費やす余裕はない、ほとんどだと思 います。 ここで、非常に有効なのがジョイントベンチャーです。 顧客が商品に求めている最終結果を、さらに向上させる商品を持つ他者とジョ イントベンチャーを組むのです。 これにより、ほとんど時間もお金もかけずに、顧客のさらなる価値を与えつつ、 「顧客単価」を向上させることが出来るのです。 そもそも、現代は非常に消費者の嗜好の変化が激しい時代です。 メイン商品ならまだしも、関連商品においてまで、顧客の商品購入スピードを 超えるスピードで商品を開発し続けていく事は、ほぼ不可能です。 このことからも、アドオンはジョイントベンチャー戦略を軸にすべきです。 アドオンとして追加提案に効果的な商品は、 ・その商品と同時に使用される商品 ・その商品の購入前、または購入後に使用される商品 ・その商品と同じ最終結果(利益・効果)をもたらす商品 などが候補として挙がります。 関連商品を持つ他者とジョイントベンチャーを組めば、その事業は一日で大き く飛躍する可能性が十分にあります。 ジョイントベンチャーで取引回数を増やす 商品がリピート性のある商品ならば、顧客満足度の向上が「購入回数」の増加 に直結します。 その場合、取引回数の増やし方は分かり易いと思います。 しかし、リピート性のない商品、例えば、マイホームやウエディングドレスの ような商品を扱っている場合は、そのように「購入回数」を増やしたら良いの でしょうか。 マーケティング用語にフロントエンド商品とバックエンド商品という言葉があ ります。 フロントエンド商品とは、「集客商品」、バックエンド商品とは「本命商品」を 指します。 つまり、安価なフロントエンド商品でたくさんの見込み客を作り、その見込み 客に単価あるいは利益率の高いバックエンド商品を販売し、利益を上げるとい う戦略です。 例えば、スーパーマットであれば、 フロントエンド商品=チラシのセール商品 バックエンド商品=定価の商品 ですし、レストランであれば、 フロントエンド商品=ランチ バックエンド商品=ディナー となります。 事業活動においては、フロイントエンド商品とバックエンド商品の両方を持つ 事が、最も効果的です。 もし、あなたが安価な商品を多数の顧客に販売している事業者なら、利益率の 高いバックエンド商品を用意しましょう。 そうすることで、その事業の利益額は飛躍的に増大します。 もし、少数の顧客に高価な商品を販売している事業者なら、購入障壁の低いフ ロントエンド商品を用意しましょう。 そうすることで、その事業の見込み客数が飛躍的に増加し、本命商品の販売数 が増大します。 このように様々な顧客に応じた商品を揃えることで「取引回数」は増加させる ことが出来ます。 さらに、フロントエンド商品及びバックエンド商品は、いくつあっても良いの です。 LTV を最大化するために、顧客のニーズに応じた商品を細く揃え「取引回数」 の増加を目指しましょう。 第 3 章 ジョイントベンチャー相手候補の見つけ方 そのような、ジョイントベンチャーが効果的かは、理論は理解できたかと思い ます。 では次に、どうやってその候補見つけるのか、です。 ジョイントベンチャー候補を勘ではなく、ロジックで見つけられるようになれ ば、より効果的なジョイントベンチャーが実現します。 あなたと顧客が重なる事業を探す まずは、何といっても顧客が重なる相手と組むことが、一番効果が早く、簡単 です。 顧客とは、実際に取引のある顧客は勿論の事、ウィンドウショッピングのよう な、冷やかし客、無料メルマガの読者などの潜在見込み客も含みます。 顧客が重なる事業者を探すためには、まずは自分のアプローチしたい顧客像を 明確にする必要があります。 顧客年齢、性別、収入レベル、趣味、家族構成、活動エリアなど、なるべく詳 細に決めましょう。 アプローチしたい顧客が曖昧だったり、ズレてしまっていると、ジョイントベ ンチャーの効果も限定的になってしまいます。 例えば、不動産屋と引越し業者。 引越し業者のアプローチしたい顧客は、「新居への引っ越しを目前に控えた人」 です。 不動産屋の顧客は、まさに理想通りの顧客なのです。 引っ越し業者は不動産屋とジョイントベンチャーを組むことで、新規顧客が自 動的に獲得でき、不動産屋も引っ越し業者からコミッションを得ることが出来 るのです。 また、この例は、非常に単純なジョイントベンチャーの例ですが、顧客像が明 確だからこそ、最適なジョイントベンチャーが生まれました。 まずは、アプローチしたい、顧客像を明確にする事が第一歩です。 あなたの商品の前後に買われる商品を探す 商品やサービスには、それを購入する前、もしくは購入した後でほとんど必ず 必要とされる商品やサービスがあるものがあります。 そういった相手とジョイントベンチャーを組めば、顧客が必要とするフォロー もできて、顧客満足度も上がり、収益も増やす事ができます。 前述の不動産業者と引っ越し業者が正にそうです。 他には、近くの月極駐車場経営者と提携することで、新居へ引っ越しした顧客 をほぼ確実にその駐車場の顧客にすることもできるでしょう。 プラスオンとして、引っ越し後には、新しい家具や家電が必要になると思いま すので、家具や家電の通販カタログを顧客に渡し、注文があった場合にはコミ ッションを得る、というジョイントベンチャーも組むことが出来ます。 結婚式場、ウエディングドレス店は、マリッジリング店なども、よく提携し合 っていますが、これも前後に買われる商品を提供している事業者とのジョイン トベンチャーです。 このように業界内で顧客を囲い込む戦略がとる事ができれば、新規獲得も顧客 単価も継続的に上げることができ、かなり安定して収益を上げ続けることが出 来ます。 あなたが儲かることで得をする人、あるいは、あなたが儲けさせら れる人を探す なぜジョイントベンチャーという戦略が有効に機能するのでしょうか。 それは、win-win の戦略であるからです。 双方にとってメリットがなければ、それはジョイントベンチャーではありませ ん。 ジョイントベンチャーで最も大切な発想は、相手にいかに儲けてもらうかです。 そうであるならば、最初から、あなたが儲かることで得をする事業者、あるい は、儲けさせられる事業者、という軸でジョイントベンチャー相手を探せば間 違いありません。 例えば、今急成長中のオンラインゲーム業界。 オンラインゲームメーカーはネットカフェとジョイントベンチャーを組み、ジ ョイントベンチャー先を公認ネットカフェのみで得られるゲーム上の特典を提 供しています。 公認ネットカフェでプレイするとプレイヤーの経験値が 2 倍になったり、限定 アイテムを得るチャンスがあったりするのです。 ネットカフェ自店舗が公認ネットカフェである事で、コアなゲームプレイヤー は長時間の利用が多いため、非常に価値のある顧客が獲得できます。 オンラインゲームメーカーは、公認ネットカフェから、公認手数料を得ること が出来ます。 あなたが、儲けさせられる他者と組んでいる好例です。 新たな販売チャネルを探す 他社の販売チャネルを有効的に活用した例としては、オイシックスという会社 が、非常に有名です。 オイシックスは野菜の宅配会社ですが、販売活動は牛乳宅配業者が行っていま す。 販売の仕組みは以下の通りです。 ① 牛乳と一緒にチラシを牛乳配達の顧客宅へ配布 ② ③ ④ ⑤ ⑥ 牛乳瓶の回収と一緒に顧客から注文用紙を回収 牛販売店で注文を集計し、オイシックスへ注文 オイシックスが商品を牛乳販売店へ配送 小分けにした商品を牛乳と一緒に配達 牛乳の代金と一緒に代金を回収 牛乳配達会社の販売チャネルという経営資源を上手く活用したジョイントベン チャーです。 他社の店舗を利用するのも、この販売チャネルを探すうちに含まれます。 冒頭で紹介した、ネイルサロンと美容室のジョイントベンチャーも美容室とい う販売チャネルを活用した例と言えます。 同じ結果で違うものを売っている事業者を探す 顧客が求めているものは、商品・サービスそのものではなく、その商品から得 られる効果や満足感、つまり結果であるとお伝えしました。 例えば、ランニングマシーンをサプリメントは、物自体は違うものですが、ダ イエットや健康という結果を売っているという点では同じです。 あなたの商品・サービスで同じ結果で違うものを売っている事業者と組むこと は、より高い効果や満足感を提供する事と同じです。 上記でお伝えしたように、提供している商品・サービスによって顧客がどんな 結果を期待しているのか、その本質を見ることが効果的なジョイントベンチャ ーに直結します。 第4章 ジョイントベンチャー先との適切な関わり ジョイントベンチャーには多様な形があります。 代理店販売、相互代理販売、共同プロモーション、ブランド貸与、共同開発な どなど、経験次第で無限のアイディアが生み出されます。 様々なケースがあるからこそ、ジョイントベンチャーには相手との関わり関わ り方についても一般化はできず、ケースバイケースになります。 しかし、どんなジョイントベンチャーにおいても、相手との普遍の関わりは方 もあります。 本項では、そのポイントについてお伝えします。 相手のメリットを最優先する ジョイントベンチャー相手との関わりで最も大切なのは、相手のメリットを最 大限に考える、という事です。 ジョイントベンチャーが最高のパフォーマンスを発揮するときは、ジョイント ベンチャー当事者双方が、そのジョイントベンチャーによって大きな利益を得 られることです。 つまり、ジョイントベンチャーを組みたい相手が見つかった時、まずは、その ジョイントベンチャーによって生み出せる、相手にとって一番大きなメリット は何か、相手のために貢献できることは何を徹底的に考えましょう。 相手のニーズを知り、それに自社の経営資源で貢献出来る事がわかったら、ジ ョイントベンチャー開始です。 但し、ここでも相手のメリットを最大限に考慮します。 資料作成や調査等、必要な用意は全てあなたがお膳立てし、相手にいかに楽を してもらうかを考えます。 丸投げしようとは決して考えてはいけません。 相手が時間とお金をかけて作り上げた経営資源を使わせてもらうには、礼儀が 必要だということを心得ましょう。 顧客と繋がっている方が主導権を握る 多様なジョイントベンチャーにおいて、一方の事業者が製品・サービスを提供 し、顧客リストや販路、店舗、マーケティングノウハウ等を持つ事業者がその 商品を販売する、というケースが多くあります。 役割分担としては公平に見えるかもしれません。 しかし、多くの製品所有者が誤解をしているのですが、商品所有者と販売者の 立場は同じではありません。 顧客と繋がっている方が優位です。 なぜならば、商品は顧客の手に渡って初めて価値を持つからです。 長い年月を費やして必死で商品を開発した事業者には申し訳ないのですが、顧 客がいなければ、その商品には全く価値がないのです。 商品は、使用されなければ価値を発揮できないのです。 つまり、顧客こそもっとも価値のある経営資源です。 素晴らしい商品を作ったけれど、売る術を持たず、その商品の価値を発揮させ られない事業者が、日本中に溢れています。 素晴らしい商品を作ってさえいれば顧客は勝手についてくると信じ、この現実 を無視いれば、倒産という結果がまっています。 よって契約交渉はでは、顧客に商品を提供出来る方に主導権があります。 ビジネスにおいて、新規顧客に販売する場合に比べ 2 回目以降の販売は、非常 にハードルが低くなります。 ジョイントベンチャーによって、製品所有者は最も大変な新規顧客の獲得が効 率的に行えるわけですから、販売コミッションは当然販売者の方が多くなるで しょう。 案件や契約により変動しますが、販売者がより多くの利益を得るべきです。 それが、公平契約です。 それでも、顧客が増えることにより、製品所有者は余りあるリターンが期待で きます。 販売者は言わば税関です。 税関を通らなければ、その商品は市場に出回らず、価値を提供する権利があり ません。 つまり、商品が価値を持つ事はありません。 どの商品を市場に開放し、どの商品を市場から遠ざけるかは、税関の役目を持 つ販売者が握っています。 販売者の優位性に納得できない商品提供者との契約交渉は非常に困難です。 その場合、ジョイントベンチャーに慣れた人が代理交渉するのがベストでしょ う。 しかし、それでも折り合いがつかない場合は、無理に契約するよりも、そのジ ョイントベンチャーを締めたほうが、賢明かもしれません。 その相手のよりも、商品は顧客の手に渡って初めて価値を生む、という現実を 理解している他の相手を探す方がよいでしょう。 必ず契約書を作成する ジョイントベンチャーは大小様々な形態が考えられます。 億単位の収益を上げるジョイントベンチャーもあれば、コピー機を借りる権利 の代わりに、デジカメを貸す権利を与える、という簡単なジョイントベンチャ ーもあります。 特に、簡単なジョイントベンチャーの場合、契約書は疎かになりがちです。 しかし、契約書を作成する事により、あなたの商品やサービスをリスクから守 り、提携相手との信頼関係も築く事が出来ますので、契約書は必ず作成するよ うにしましょう。 以上で、終了となります。 業務提携というマーケティング手法を使い、出来るだけローリスク、ローコス トで集客や販路を最大化できる方法をお伝えさせて頂きましたが、いかがでし たでしょうか? 今回学んだことを、すぐに生かすのは難しいかもしれませんが、まずは出来る 事から始めましょう! まずは、アクションです! これが無ければ何も始まりません。 そして、アクションを起こせば必ず問題が出てきます。 そして、その問題を解決するための方法を考えます。 その解決方法を考える過程で人間は成長していきます。 それが表面的な問題でも、内面的な問題でも同じです。 このプロセスの繰り返しで人間は進化していきます。 今後、弊社が皆様方のビジネスに少しでもお役に立つことが出来れば幸いです。 最後まで長文をお読みいただき、ありがとうございました。 豊島 建雄 プロフィール 株式会社ジョイントサポーターズ 代表取締役 豊島 建雄 1973 年 生まれ 1991 年 高校卒業後、日立エレベーターへ技術者として入社。 1996 年 日立エレベーターを 4 年で退社しプロボクサーとしての道を歩む。 北海道出身。 2004 年 30 歳を目前にしてもっと強くなりたいとの思いから単身でタイに乗 り込む。 2005 年 タイにはトータル 1 年半在住、結果ボクシングタイランキング8位ま で登りつめるがビザの関係で帰国。 2005 年 タイではボクシングのほかに輸出業を手掛け、研究と実践を積み重ね、 顧客の思考、感情、行動を軸にしたマーケティングやコピーライティングなど、 独自のビジネス理論を開発。 2007 年 日本に帰国後、経験を生かし上場企業で、 独自のマーケティング理 論を展開し多くのユーザーからの厚い信頼を得る。 2012 年 株式会社ジョイントサポーターズを設立。 座右の銘 方法は必ずある 株式会社ジョイントサポーターズ 代表取締役 豊島 建雄 〒107-0062 東京都港区南青山 2-2-15 ウィン青山 1403 E-mail [email protected] TEL 03-6868-4106 FAX 03-6893-3931 携帯 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