I D C C U S T O M E R S P O T L I G H T 京セラがバーンサイドウォー記念病院のプリント 環境の最適化および最終利益確保に多大な貢献 July 2014 Sponsored by 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 はじめに バーンサイドウォー記念病院(以下、バーンサイド病院) は南オーストラリア州アデレード郊外に位置する非営利の 地域病院である。300人超の従業員が勤務する24時間365日 稼働の病院であり、患者とその家族に対して、緊急医療、 手術、および産科医療を専門に提供している。 約5年前、この病院は、プリンター、FAX、コピー機、MFP (Multi-Function Peripherals/複合機)の合理化計画に着手 した。この取り組みのきっかけとなったのは、既存のプリ ンター/MFP、そのプロバイダーに対する不満の高まりで ある。サービス品質の問題、高い品質が求められるカラー 印刷を外注するコスト、病院全体の総プリントコストにつ いての意識不足などからこうした不満が生まれていた。既 存の機器に関連する契約期限が近付いていたため、病院の ITスタッフはプリント環境の刷新が必要であると判断した。 そして、病院のプリント環境およびドキュメントプロセス の改善について、より広い洞察を得るために既存のベンダ ー以外にもビジネス参入の機会を与えることを決定した。 ソリューション スナップショット 組織:バーンサイドウォー記念病院 (Burnside War Memorial Hospital) 運用上の課題:既存プリント関連の機器 資産は古く、適切なサポートが提供され ていなかった。また、プリントコストに ついての理解もなかった。 ソリューション:京セラドキュメントソ リューションズによるマネージドプリン トサービス(MPS) プロジェクト期間: 継続中 成果:直接プリントコストおよびプリン ト関連パーツ/消耗品の保管コストの削 減、病院スタッフの業務生産性の向上 その結果、バーンサイド病院は新規プロバイダーであった 京セラドキュメントソリューションズとの契約を締結、マネージドプリントサービス(MPS)を 採用することで、プリント環境を大きく変革することを決定した。これにより、病院のプリント 環境に根本的変化がもたらされただけでなく、大幅なコスト削減を実現した。また、直近の契約 更新においては、継続的な改善を目指して契約内容の一部に変更や調整が加えられた。 IDC 1728 導入 バーンサイド病院では、既存のプリント機器の抜本的な改善を目指し、既存ベンダーに加えて複 数の新規ベンダーに提案の機会を与えるという判断を下した。そして、ベンダーを評価するプロ セスの一環として、各候補ベンダーが病院内のプリント環境アセスメントを実施した。このアセ スメントには、組織全体のプリント行動分析、プリントに関する各種要求の分析、提案プログラ ムに沿った推奨機器構成などが含まれている。バーンサイド病院のITスタッフは、各ベンダーの 製品ショールームを訪れて機器をテストし、基本的なプリント要求を適切に実行できること、そ して病院で使用する特殊アプリケーションに対応する出力が可能かどうかを検証した。 また、IT 部門と各部門長の間で行われた議論が、導入プロセスにおいて非常に重要な要素であっ た。このような議論を行うことによって、各部門におけるプリント利用実態の詳細が明らかにな り、以下に示すような、プリント機器の合理化において対処すべき多数の課題を特定できたので ある。 サービス:課題の一つは、機器のメンテナンスに対する期待が満たされていないことであっ た。サービス対応の顕著な遅れから、状況は悪化しているとみられていた。週 7 日 24 時間体 制のバーンサイド病院にとっては、修理依頼に対する 4 時間以内のサービス対応が、プリン トパートナーを選ぶ上での「必須事項」であった。 コスト:プリントコストは不明で、かつ管理されていない状態であった。そのため、各ベン ダーは当時のプリント関連コストを明確にした上で、コストを管理、削減する計画を提案す る必要があった。また、プリンターの消耗品管理も組み込むことが求められた。休むことな く稼働するバーンサイド病院にとって、トナー切れは到底許されるものではなかったのであ る。 ソフトウェアの互換性:バーンサイド病院では、サードパーティ製(機器ベンダー以外)の プリント管理ソフトウェアプログラムを標準採用しており、このソフトウェアでプリント状 況をトラッキングしていた。そのため、プリンター/MFP のプラットフォームはこのアプリ ケーションと連携して動作することが必須条件であった。ベンダーの中には、独自プラット フォームでの最適化を有利と考え、サードパーティ製プリント管理ソフトウェアに代わる、 独自ブランドのソリューションを提案したベンダーもあった。しかし、それは間違いであっ た。バーンサイド病院は、プリント環境を構成するすべてのメーカーの機器をトラッキング することが可能で、しかも柔軟さを持つ「機器に依存しない」ソリューションを望んでいた のである。 専用アプリケーションと特殊用紙サポート:バーンサイド病院では、出力の大部分は従来の オフィス用紙を使用していたが、一部特殊な専用用紙をサポートする必要があった。また、 頻繁に大量の郵便物を発送するために、(多目的トレイではなく)専用トレイを使用した封 筒へのプリントが必須であった。さらに、患者のリストバンド作成や、患者記録に情報を貼 り付けるための、A4 サイズのラベルシートへのプリントも必要であった。 優れた操作性:複数メーカーが混在した既存の機器環境では、機器のドライバーや設定に混 乱するユーザーもいた。また、機器に関する複数の契約が存在して管理が困難となっていた。 そこで、バーンサイド病院では、このような「分断された」機器環境を統合したいと考えて いた。 バーンサイド病院では、当初南オーストラリア州では認知度の低かった京セラに対して懐疑的な 見方があった。しかしながら、京セラは MPS アプローチのメリット、特に 1 ページ当たりのコス トとトータルコスト管理機能を強調することによって、このビジネス機会を獲得した。コストが 厳しく管理される非営利の地域病院にとって、京セラの提案は魅力的なものであった。加えて、 病院が求める 4 時間以内のサービス応答に対応する提案となっていた。また、京セラのプリンタ ーと MFP は、製品評価期間に病院側が指定したすべてのソフトウェア、特殊用紙、操作性に関 する要件を満たすものであった。 2 ©2014 IDC 京セラが初回契約の下で実行した具体的な取り組みは次の通りである。 既存の単機能プリンター/FAX/コピー機/複数ベンダーの古い MFP を、京セラのプリン ター/MFP に置き換え:機器に対する単一管理ソリューションの導入、必須条件である 4 時 間以内のサービス対応を含む機器全体に適用される単一サービスレベル契約など、京セラ機 器への統合は多くのメリットをもたらした。また、機器全体に同一のプリンタードライバー が使用され、以前のような複数ベンダーが混在する状態では不可能だった一貫した操作性が 実現した。 プロセスの自動化:カウンター読み取りと消耗品補充の自動化により、効率的な機器管理が 可能になった。消耗品が一定レベル以下になると(いずれかの機器のトナーの残りが 10~ 15%になると)トナーが自動発注される仕組みである。 ページコストの統一化:同一のモノクロおよびカラープリント単価が全体に適用され、ユー ザーはコスト削減の視点から使用機器を選択する必要がなくなった。最新の契約更新の際、 病院側からはコストのばらつきについての指摘があったが、最終的には極めて少ないとする 結論に達した。病院は、京セラの 3 段階方式のカラー価格設定プログラムも有効活用してい る。このプログラムは、カラー部分の範囲によって異なるページコストを規定しており、柔 軟なコスト構造を提供することができる。このプログラムを適用すれは、白黒のテキストペ ージに小さなカラーロゴが入るような場合には、フルカラーページのコストよりもはるかに 低いレートで課金される。 課題 バーンサイド病院では、今回のサービス導入に関して、特に問題を認識したことはなく、京セラ のサービスは優れた柔軟性を備えていると考えている。実際、修理依頼に対応した京セラの技術 担当者は、京セラ製品以外の機器も含むチェックを行っていた。これは、当初のサービス要件を 超えたサービスである。バーンサイド病院は、以前のベンダーの技術担当者であれば、おそらく 作業指示の範囲の機器しかチェックしなかったであろうと答えている。 あえて課題を示すとすれば、主に機器の操作性関連である。この点については、教育、トレーニ ング、デモンストレーションをさらに頻繁に実施することで、プリンターと MFP の機能につい てより理解を深められるだろうと考えている。現在バーンサイド病院では、プリント管理ソフト ウェアを使用しているのみであるが、将来的には MFP のスキャン機能を全面的に活用したデジ タルワークフローソリューションを検討したいとしている。 成果 バーンサイド病院のスタッフは、京セラのプリント管理ソリューションによる効果を判定するた めに、独自の内部審査と計算を行った。その結果、初期の MPS 取り組みの結果は、以下のよう に目覚ましいものとなった。 管理業務負担が 85%軽減:バーンサイド病院の独自評価によると、プロセスの自動化により、 管理業務負担が 85%軽減された。以前は、寿命末期の古い機器の多くが保証対象外であり、 定期保守契約も締結されていなかった。こうした性能劣化の兆しのある古い機器のサポート は、病院の IT スタッフが行っていたが、その負担は重かった。京セラとの MPS 契約によっ て、機器の全体数を縮小して、サポート工数を削減することができた。そして同時に、メン テナンスが少なくて済む新しい機器が設置され、自動サポート依頼システムの導入によって、 ソフトウェアによる記録と効率的管理が可能となった。 保管コストを 4,000 ドル削減:集中保管していたトナーと交換部品を、プリンターや MFP の 設置場所に直接配送することで、管理業務の効率化をさらに促進した。その結果、交換部品 とトナーカートリッジの在庫保管コスト 4,000 ドルを削減することができた。 ©2014 IDC 3 IT スタッフの作業時間削減により、その他の重要 IT タスクへの人員配置が可能に:バーン サイド病院の IT スタッフは、プリントサポートの減少により、30%の時間を節約することが できた。この作業負担の改善により、IT 人員数を増加することなく、サーバー周辺やネット ワーク管理関連など、プリント機器よりも複雑な IT 業務に人員を割り当てることが可能にな った。 プリントコスト全体を 35%削減:サードパーティ製プリント管理ソフトウェアを使用して、 各プリント機器の作業内容を把握することで、プリントコストを 35%削減できた。プリント 作業に対して各従業員がより深く理解するようになり、バーンサイド病院の IT 意思決定の改 善に貢献した。現在は定期的なレビューを実施し、最大効率で稼働できるプリント環境の維 持に努めている。プリント管理についての知識も、従業員のプリント利用に変化をもたらし た。バーンサイド病院では、プリント管理ソフトウェアで従業員のプリント利用の管理を強 化することで、1 か月で約 450 ドルの削減効果があると見積もっている。たとえば、従業員 がカラー印刷を実行しようとしたとき、ポップアップによってカラーとモノクロ印刷のコス トが表示され、ユーザーに操作を続行するかどうかを確認するようになっている。ユーザー が自分の部門に請求されるプリントコストのカラーとモノクロの差額を知ることで、モノク ロを選択するケースも多い。また一方で、カラープリントの利用によって大幅なコスト削減 を達成したケースもある。京セラのカラープリンターと MFP を使用してマーケティング資料 をプリント、高額な外注印刷コストを削減することが可能となった。 プリンター/MFP の優れた操作性:複数のメーカーの機器を使用していた際には、個々の機 器の操作性が異なっていた。今回のように、単一ベンダーの機器が設置された場合には、一 貫した「ルック&フィール(表示形態/操作性)」が提供される。このことは、直接的な経 済効果をもたらすわけではないが、従業員は通常一貫した操作性を好むものである。 京セラの環境への高度な取り組みに対する高い満足度:プリンター、MFP、およびトナーカ ートリッジでは通常、プラスチック材料の梱包資材が使用されるが、京セラは段ボールを用 いている。業者選定プロセスにおいては、環境への取り組みは考慮されていなかったが、病 院スタッフは、こうした京セラの取り組みを、「グリーン(環境に配慮した)」な企業とし ての強い意思表示として、好意的に捉えている。 バーンサイド病院は、京セラとの初回 MPS 契約において総合的に高い満足度が得られたことが、 直近の同社との契約更新に結び付いたとしている。また、京セラとの関係を引き続き進化させて いくことで、プリント環境の継続的な改善が可能になるであろうと述べている。 プリント管理への取り組みを検討している企業が最初になすべきことは、現在のプリント環境の 実態を把握することであると、バーンサイド病院は助言する。プリント管理を行おうとする場合、 コストおよび重要な要求事項を認識するためには、統計情報を収集する必要がある。3 か月から 6 か月の間、一貫したモニタリングを実施することによって、機器の導入および機器資産の継続 的な管理のための最良の決断に役立つ情報を取得できる。 調査方法 本文書に含まれるプロジェクトおよび会社情報は、京セラドキュメントソリューションズ株式会 社から提供された情報、IDC が直接バーンサイドウォー記念病院の従業員に実施した質問調査、 同病院が提供したその他の情報など、複数の情報源から収集したものである。 4 ©2014 IDC A B O U T T H I S P U B L I C A T I O N This publication was produced by IDC Custom Solutions. 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