佐藤剛先生:Lancet (2009)373:2215-21 “あなたはすでに DM ロードを歩いています。残念ですが。。” Trajectories of glycaemia, insulin sensitivity, and insulin secretion before diagnosis of type 2 diabetes: ana analysis from Whitehall II study 【背景】2 型糖尿病発症前の糖代謝の変化について Whitehall II study の結果が発表されました。 【方法】英国公務員の健診より、糖尿病のない対象者 6538 名を平均 9.7 年間フォローアップし、DM が発 症した群 505 名と未発症群 6033 名を発症から 13 年前に遡り、空腹時血糖値(FPG)、負荷後 2 時間血 糖値(2hPG)、HOMA-S(インスリン感受性;HOMAR の逆数)、HOMA-B(インスリン分泌)を解析した。 【結果】DM 群は非 DM 群に比べ、基礎値の段階で、FBS;9mg/dl、2hPG;18mg/dl、HOMA-S; -34%、HOMA -B; +10.4%と、明らかな抵抗性増大を基礎に、血糖上昇、インスリン高値の状態にあった。その後、DM の有無に関係なく、加齢とともにインスリン抵抗性は徐々に悪化、食後血糖値も上昇しますが、空腹時 血糖値だけは DM 群のみが徐々に上昇しています。発症 6 年前に、食後の血糖代謝が破綻し、急上昇、 糖毒性の結果インスリン抵抗性がさらに進行します。発症 4 年前にインスリン分泌は一旦代償性に上昇 するも、2 年前に J○L の株価の如く急降下、結果、空腹時血糖値が、天井知らずに上がっていく状態が 明らかになりました。 【結論】なぜ、うちのだんなは、私より飲み食いしているのに、私だけが糖尿病にならなきゃいけないんで しょうか?と、泣いて訴える奥さんへの質問の答えです。空腹時血糖値が去年より高かった方々、あなた もすでに DM ロードを歩いているようです。奥さん、旦那さんには内緒にしておきましょう(文責阿比留)。
© Copyright 2024 Paperzz