1100S 1100

オーナーズマニュアル
1100S
1100
JP
1
JP
2
この度は当社の製品をお選びくださりありがとうございま
す。お客様を喜んでドゥカティストの一員としてお迎えい
たします。この新しい Ducati モーターサイクルが日常使用
のみならずロングツーリングにおいても、その走行が常に
快適で楽しいものでありますよう、Ducati モーターホール
ディング社は願っております。
お客様に常により良いサービスをお届けするために、
Ducati モーターホールディング社は、このマニュアルに記
載された正しい使用方法、特に慣らしの項目に関して遵守
していただくようお客様にお願い申し上げます。それによ
り、お客様の Ducati モーターサイクルは常にお客様の要
求に応えてくれるでしょう。
あらゆる修理作業や適切なアドバイスが必要な場合は、
Ducati 正規ディーラーの整備工場にお任せください。
他のどこよりも Ducati を熟知したエキスパート達がいつ
も万全の体制でお客様のご要望にお答えいたします。
楽しいライディングを!
メモ
Ducati モーターホールディング社は、本マニュアル
の作成においての誤記および脱字について一切の責任を負
うものではありません。本マニュアルに記載されている情
報はすべて、発行の日付をもって最新のものとします。
Ducati モーターホールディング社は、製品を改良、発展さ
せていくために必要とされる、あらゆる変更を行う権利を
保有します。
安全性、保証、信頼性、そして Ducati モーターサイクル
の価値のために、Ducati 純正部品のみをご使用ください。
警告
本マニュアルは車両の一部を形成するものであり、車
両を譲渡する場合には、常に新しい所有者に譲渡しなけれ
ばなりません。
3
JP
目次
クラッチレバー 29
ハンドルバー右側スイッチ 30
スロットルグリップ 30
フロントブレーキレバー 31
リアブレーキペダル 32
ギアシフトペダル 32
ギアシフトおよびリアブレーキペダルの調整 33
イントロダクション
6
保証 6
シンボルマーク 6
安全運転上の注意 7
最大積載量 8
製造番号 10
操作系
JP
11
操作類の位置 11
メーターパネル 12
LCD - 主要機能 13
LCD - パラメーターの設定 / 表示方法 15
メーターパネルのバックライト 22
パイロットランプの明るさの強度 22
ヘッドライトの自動消灯機能 22
イモビライザーシステム 23
キー 23
コードカード 24
スロットルグリップを使用したイモビラ
イザーによるエンジン作動禁止の解除手順 25
キーの複製 26
イグニッションスイッチ / ステアリングロック 27
ハンドルバー左側スイッチ 28
4
主要構成部品 / 装備
35
配置図 35
燃料タンクキャップ 36
シートロックおよびヘルメットホルダー 37
書類入れスペース扉ロック 38
サイドスタンド 39
フロントフォークアジャスター 40
リアショックアジャスター 42
バックミラーの調整 44
車高の調整 45
運転のしかた 46
慣らしの方法 46
始動前のチェック 48
エンジンの始動 49
モーターサイクルの発進 51
ブレーキング 51
モーターサイクルの停止 52
パーキング 52
燃料補給 53
工具セット 54
主な整備作業とメンテナンス
フェアリングの取り外し
55
ブレーキ / クラッチ液量のチェック
60
ブレーキパッドの摩耗チェック 62
ケーブル / ジョイント部への注油 63
スロットルグリップの遊びの調整
64
バッテリーの充電 65
チェーンテンションの点検 66
チェーンの注油 67
フロントヘッドライトのライトバルブの交換 68
フロント方向指示器のライトバルブの交換 72
リア方向指示器のライトバルブの交換 73
ナンバープレートライトおよびパー
キングライトのバルブの交換 74
ヘッドライトの光軸調整 76
チューブレスタイヤ
78
エンジンオイル量のチェック 80
スパークプラグの清掃と交換 81
モーターサイクルの手入れ 82
長期間の保管 83
いくつかの国のオーナーにとって重要な事項 83
55
テクニカルデータ
88
全体寸法 (mm) 88
重量 88
燃料補給 89
エンジン 90
タイミングシステム 90
性能データ 91
点火プラグ 91
燃料供給 91
エキゾーストシステム 91
トランスミッション 92
ブレーキ 93
フレーム 94
ホイール 94
タイヤ 94
サスペンション 95
カラーバリエーション 95
電装 96
定期点検メモ
101
JP
メンテナンス 84
メンテナンスプログラム:
公認の整備工場で行うメンテナンス 84
メンテナンスプログラム:
お客様が行えるメンテナンス 87
5
イントロダクション
保証
お客様ご自身、および製品の信頼性を保証するために、特
に専門的技術が要求される整備作業は、Ducati 正規ディー
ラーあるいは公認の整備工場にお任せいただくよう強くお
薦めします。
Ducati 正規ディーラースタッフは高度に熟練しており、最
適な器具を使用して作業を行う能力を保持し、また、
Ducati 純正部品だけを使用して、「ロングライフ」「円滑な
作動」
「完璧な互換性」について最良な保証をいたします。
JP
全ての Ducati モーターサイクルには保証書が添付されて
います。しかし、車両を競技やそれに類することに使用し
た場合には保証の対象外となります。また保証期間中に、
たとえ車両の一部でも Ducati 純正部品でないものと交換
したり、また改造・変更した場合は、Ducati モーター社の
保証は適用されません。
シンボルマーク
Ducati モーターホールディング社は、お客様がモーターサ
イクルをより良く理解できるよう、本マニュアルを注意深
く読まれることをお薦めします。お客様のモーターサイク
ルについて、お問い合わせのある場合には、ご購入先の正
規ディーラーあるいは公認の整備工場にお尋ねください。
スタッフからの最新の情報は、お客様の走行に役立つで
しょう。また Ducati モーターホールディング社は、本マ
ニュアルが、快適で楽しい走行と、お客様のモーターサイ
クルの素晴しい性能を長い間変わらずに保てる一助となる
ことを望んでいます。
本マニュアルには特別な意味を持つ注記を盛り込んでいま
す。
警告
この説明を遵守しなかった場合、重度の負傷および死
亡に至らしめる危険性があります。
重要
車両ならびに車両構成部品に損傷の可能性がありま
す。
メモ
作業上の追加注意事項です。
文中の「右」、
「左」の表記は、すべて車両の進行方向に向
かっての左右を意味します。
6
安全運転上の注意
警告
運転する前に読んでください。
多くの事故はしばしば不慣れなために起こります。走行す
る際は常に免許証を携帯していることを確認して下さい。
免許証はお客様のモーターサイクルの運転に適したものが
必要です。
お客様のモーターサイクルを未経験者、および有効免許証
を持っていないライダーに貸してはいけません。
ライダーおよびパッセンジャーは、常に適切なライディン
グウエアーを着用し、安全なヘルメットを被らなければな
りません。
視界を制限したり、引っかかって操作の妨げになるアクセ
サリーや物が付いていない、適切なライディングウエアー
を着用してください。
屋内では絶対にエンジンを始動させないでください。排気
ガスは有毒で、意識喪失や、場合によっては短時間で死亡
に至る危険性ももたらします。
ライダーおよびパッセンジャーは、モーターサイクルが動
いている間は足をフットレストに載せていて下さい。
急な進路変更や、路面状況の変化に対処できるよう、ライ
ダーは常に両手でしっかりとハンドルバーを保持し、パッ
センジャーは常に両手でしっかりとリアグリップを保持し
て下さい。
走行地域の道交法、および法律を遵守して運転してくださ
い。
常に指示された速度制限を厳守するとともに、視界や道路
条件、混雑の割合に合わせて、適切な速度を守ってくださ
い。
車線変更をする時や曲がる時は、常に適時に方向指示器を
使用して合図してください。
良好な視界を保ち、前方の車両の " 死角 " に入って走行し
ないようにしてください。
交差点や、私有地の出口に近い場所、駐車場、高速道路へ
の進入路等を走行する場合は充分に注意してください。
給油時は常にエンジンを停止し、給油の際、エンジンやエ
キゾーストパイプにガソリンをこぼさないよう特に注意し
てください。
給油時は絶対に喫煙しないでください。
給油の際に、人体に有毒な気化した燃料を吸い込む可能性
があります。もしも燃料が皮膚や衣服に付着した場合は、
直ちに石鹸と水で洗浄し衣服を取り替えてください。
モーターサイクルから離れる場合は、常にキーを抜いてく
ださい。
エンジン、エキゾーストパイプ、マフラーはエンジン停止
後も長時間熱くなっています。
警告
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切った
後も熱い場合があります。エキゾーストシステムに接触し
ないよう十分に注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物
のそばに駐車しないようにして下さい。
モーターサイクルは人や物がぶつからないような場所にサ
イドスタンドを使用して駐車してください。
平坦でない場所や柔らかい土壌には駐車しないでください。
モーターサイクルが転倒する恐れがあります。
7
JP
最大積載量
お客様のモーターサイクルは、許容最大重量の荷物を積載
しても、長距離を安全かつ快適に走行できるよう設計され
たものです。
モーターサイクル上にバランス良く重量を配分することは
通常の安全走行に必要な注意で、特に凸凹道を走行したり、
急な進路変更を必要とする時のトラブルを避けるため重要
です。
積載量について
走行時の全車体重量はライダー、パッセンジャー、荷物、
オプションパーツの重量を含んだ合計で、次の値を超えて
はなりません。
410 Kg。
荷物の重量は、それのみで決して 23 Kg を超えないように
し、その重量配分は以下の通りです ( 図 1)
9 Kg max. それぞれのサイドバッグの最大重量。
5 Kg max. タンクバッグの最大重量。
重要
サイドバッグを使用している際には、時速 120 Km 以
上で走行しないようにしてください。
ただしタイヤのコンディションや道路および視界の状況が
悪い場合は、これよりもさらに速度を落とすようにしてく
ださい。
5
Kg
9 9
Kg Kg
JP
図1
8
積み荷はモーターサイクルの中心に近く、できる限り低い
位置に配置するよう努めてください。
積み荷はモーターサイクルにしっかりと固定して下さい。
積み荷が完全に固定されていないとモーターサイクル転倒
の原因になります。
ハンドルバーやフロントマッドガード部に体積や重量のあ
るものを載せないでください。ステアリングの妨げになり、
モーターサイクルの安定性を損なう恐れがあります。
フレームのすき間に積み荷物を挟み込まないでください。
可動部分の妨げになる恐れがあります。
サイドバッグ(Ducati 部品サービスで入手可能)を取り付
ける際には以下の点に注意してください。
バッグとアクセサリーをそれぞれの重量に従って分け、サ
イドバッグに均一な重さで配分してください。
それぞれのサイドバッグを専用の鍵で施錠してください。
タイヤが、pag. 78 ページに定められた適正空気圧を保持
し、また良いコンディションにあることを確かめてくださ
い。
JP
9
製造番号
すべての Ducati モーターサイクルはフレームナンバー
( 図 2) とエンジンナンバー ( 図 3) の 2 つの製造番号で確
認できます。
フレーム ナンバー
エンジン ナンバー
メモ
これらの番号は、お客様のモーターサイクルの型式を
識別するもので、部品を発注する際に必ずお知らせくださ
い。
図2
JP
図3
10
操作系
6
1
4
7
警告
この章には、お客様がモーターサイクルを運転する上
で必要な全ての操作類の機能と配置を詳しく説明していま
す。操作類を使用する前に、注意深く読んでください。
操作類の位置
( 図 4)
1) メーターパネル
2) イグニッションスイッチとキーによるステアリング
ロック
3) ハンドルバー左側スイッチ
4) ハンドルバー右側スイッチ
5) スロットルグリップ
6) クラッチレバー
7) フロントブレーキレバー
8) リアブレーキペダル
9) ギアシフトペダル
3
5
2
JP
9
8
図4
11
メーターパネル
1
2
3
1) LCD(ページ 13).
2) ボタン A および B.
これらのボタンは、メーターパネルのパラメーターの表示
および設定に使用します。
3) イモビライザー パイロットランプ IMMO
( 橙色 )
このインジケーターはキーコードが不正な場合、または承
認されない場合に点灯します。またスロットルグリップを
使用してイモビライザーを無効にすると点滅します(ペー
ジ 25).
重要
メーターパネルにはオンボード電子式インジェクション
/ イグニッションシステムの診断機能があります。
診断メニューは訓練を受けたメカニックのみ操作可能です。
偶然にこの機能へアクセスした場合はイグニッションキー
を OFF にし、Ducati 公認サービスセンターでモーターサイ
クルを点検してください。
JP
4) タコメーター (rpm)
エンジンの 1 分間の回転数を表示します。
12
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
図5
4
LCD - 主要機能
警告
メーターパネルコントロールボタンを操作する場合
は、モーターサイクルを停車してから行ってください。運
転中には決してメーターパネルコントロールボタンを操作
しないでください。
1) オイル温度インジケーター
エンジン冷却オイルの温度を表示します。
重要
温度が上限値に達したときは、モーターサイクルを使
用しないでください。エンジンに損傷を与える恐れがあり
ます。
4) 補助ディスプレイ
オドメーター、トリップメーター、燃料トリップメーター、
平均速度、瞬間燃費、平均燃費、燃料消費量、残り航続距
離、および燃料残量を順に表示します。
5) EOBD パイロットランプ
( 橙色 )
エンジンの作動禁止を伴うエラーが発生した場合は、エン
ジンコントロールユニットによりこのパイロットランプが
点灯します。
また、スロットルグリップを使用してイモビライザーを解
除する操作で、インジケーターとして使用されます。
エラーが発生していない場合は、イグニッションスイッチ
を ON にするとこのパイロットランプが点灯し、数秒後
( 通常 1.8 ~ 2 秒後 ) に消灯します。
2) 時計
3) スピードメーター
車両の走行速度を表示します。
JP
13
6) 方向指示器パイロットランプ
方向指示器の作動時に点滅します。
(緑)
7) エンジンオイルプレッシャーパイロットランプ
(赤)
エンジンオイル圧力が低すぎるときに点灯します。イグ
ニッションスイッチを ON にすると点灯し、エンジンが始
動して数秒後に消灯します。エンジン温度が非常に高い場
合に数秒間点灯することがありますが、エンジン回転数の
上昇とともに消灯します。
1
2
12
3
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
11
4
重要
このパイロットランプ (7) が点灯したままのときは、
モーターサイクルを使用しないでください。エンジンに損
傷を与える恐れがあります。
8) ニュートラルパイロットランプ N ( 緑 )
ギアポジションがニュートラルのときに点灯します。
JP
9) ハイビームパイロットランプ
(青)
ライトがハイビームの時に点灯します。
10) 燃料警告灯
( 黄色 )
燃料タンクの残燃料が 約 3
します。
リットルになったときに点灯
11) 燃料レベル表示
この機能では、車両の燃料タンク内の燃料残量が表示され
ます。最後のラインが点滅したままになると、燃料警告灯
(10) が点灯します。
14
10
9
8
7
6
5
図6
12) 定期メンテナンスインジケーター
このパイロットランプ ( ) は定期メンテナンス用に指定
した走行距離に到達すると点灯します。その時点から走行
50 km (31 mi) までは点滅し続け、その後は点灯したままに
なります。パイロットランプが点滅したら、正規ディー
ラーまたは公認のサービスセンターで点検を行ってくださ
い。
LCD - パラメーターの設定 / 表示方
法
キーを OFF から ON に回すかキー ON によって始動すると、
メーターパネルのすべての機器 ( 針、ディスプレイ、パイ
ロットランプ ) が点検されます。
OFF
CHECK 1
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
CHECK 2
JP
ON
km/h
図7
15
オイル温度インジケーター ( 図 8)
エンジン冷却オイルの温度を表示します。
温度が +39 °C/102.2 °F 以下になると、ディスプレイに
は "LO" という文字が点滅します。
温度が +40 °C/104 °F と +170 °C/338 °F の間にある
ときは、ディスプレイには温度が数字で表示されます。
温度が +171 °C/339.8 °F 以上になると、ディスプレイ
には "HI" という文字が点滅します。
メモ
温度センサーが接続されていない場合、ディスプレイ
には "- - -" というラインが表示され点滅します。
図8
JP
16
時計の調整機能
ボタン (A, 図 5) を 2 秒間押し続けると、"AM" という文字
が点滅します。ボタン (B, 図 5) を押すと、"PM" という文
字が点滅します。ボタン (B) を押すと、前のステップに戻
ります。ボタン (A) を押すと " 時 " の設定に進み、" 時 "
の部分が点滅します。
ボタン (B) を押して、「時」を設定します。ボタン (A) を
押して確定すると、
「分」の設定モードになります。ボタン
(B) を押して、
「分」を設定します。ボタン (B) を 5 秒以
上押し続けると、数字が速く進みます。ボタン (A) を押す
と時計の設定モードを終了し、通常の機能に戻ります。
補助ディスプレイの機能表示 ( 図 9)
キーが ON の位置でボタン (B, 図 5) を押すと、以下の機
能がスクロールしてシーケンシャルに表示されます。
-
オドメーター
トリップメーター
平均速度
瞬間燃費
平均燃費
残り航続距離
燃料トリップメーター (TRIPF) ( 作動している場合 )
JP
図9
17
“オドメーター”機能 ( 図 10)
総走行距離を表示します。
“トリップメーター”機能 ( 図 10)
リセット後の走行距離を表示します。この機能に入ってか
ら、ボタン (A, 図 5) を 2 秒以上押すと機能します。
9999.9 km ( またはマイル ) に達すると、表示は自動的にゼ
ロになります。
この値がゼロにリセットされると、平均速度、平均燃費、
および燃料消費量のデータもゼロに戻ります。
km
miles
km/h
“燃料トリップメーター”機能 ( 図 10)
燃料警告灯点灯後の走行距離を表示します (10, 図 6)。
ディスプレイには自動的に “燃料トリップメーター”が表
示され、その時点からの走行距離が計測されます。
JP
mph
“平均速度”機能 ( 図 10)
車両の走行速度を表示します。
平均速度は、トリップメーターが最後にリセットされた時
点から計算されます。
280 km/h (174 mph) に達すると、ディスプレイには "---"
というラインが表示されます。
km/h
mph
図 10
18
“瞬間燃費”機能 ( 図 11)
エンジン作動状態での走行中は、瞬間燃費の数値がディス
プレイに表示されます。停車中エンジンが作動している状
態では、" - -. - " というラインが表示されます ( 定常点
灯 )。エンジン停止状態での停車中は、"0.0" と表示されま
す。
“平均燃費”機能 ( 図 11)
エンジン作動状態での走行中は、平均燃費の数値がディス
プレイに表示されます。
区間走行距離 ( トリップメーター ) がゼロにリセットされ
ると、ディスプレイには "--.-" というラインが表示され、
2 km 走行後にデータが更新されます。
停車中は ( エンジンが作動していても )、次回のデータ更
新まで、最後に記憶されたデータが表示されます。
km/L
mpg
km/L
mpg
図 11
JP
19
“残り航続距離”機能 ( 図 12)
この機能では、車両があとどのくらいの距離を走行できる
かを表示します。停車中は ( エンジンが作動していても )、
次回のデータ更新まで、最後に記憶されたデータが表示さ
れます。この機能の作動中に燃料警告灯 (10, 図 6) が点
灯すると、システムにより "--.-" というラインが . 警
告灯が点灯している間 、表示されます。
km
miles
メモ
データの更新は 10
JP
秒ごとに行われます。
“燃料残量”機能 ( 図 12)
この機能では、燃料タンク内に残っている燃料の量が表示
されます。燃料警告灯 (10, 図 6) が点灯すると、ディスプ
レイには最終の目盛りが表示され、ガソリンポンプのシン
ボルが点滅します。
燃料警告灯
3 リットルの燃料が燃料タンク内残量になると点灯します。
燃料警告灯 (10, 図 6) が点灯すると、ディスプレイには最
終の目盛りが表示され、ガソリンポンプのシンボルが点滅
します。ディスプレイ (4, 図 6) には “燃料トリップメー
ター”が表示され、その時点からの走行距離が計測されま
す。
メモ
この車両には特に長い燃料タンクが備え付けられてい
ます。従って長い坂道を走行中は、燃料残量表示がやや不
明瞭になることがあります。
20
0
1
図 12
スペシャルセッティング機能 : 車両モデルおよび単位
( 図 13)
コントロールユニットはメーターパネルに車両と現在の単
位を自動的にディスプレイに表示します。これらのパラ
メーターを変更するには、ボタン (A, 図 5) と (B, 図 5)
を同時に押し、イグニッションキーを OFF から ON にしま
す。ディスプレイには、車両のモデルとバージョンが点滅
表示されます。ボタン(B)を押して選択したい設定までス
クロールします。選択したものを記憶させるには、ディス
プレイに OFF のサインが表示されるまで、ボタン (A) を
5 秒以上押してください。その後イグニッションキーを
OFF の位置に回します。
メモ
この機能を実行している間は、車両を始動することは
できません。
JP
図 13
21
メーターパネルのバックライト
メーターパネルのバックライトは、パーキングライトもし
くはヘッドライトが点灯している場合のみ作動します。
これらのライトが点灯していると、光の強度、気温を感知
するセンサーの働きで、メーターパネルが自動的にバック
ライトの作動を調整します。
パイロットランプの明るさの強度
この機能は、パーキングライトもしくはヘッドライトが点
灯している場合のみ作動します。
パイロットランプの明るさは、感知された外の光の量に応
じ、メーターパネルによって自動的に調整されます。
ヘッドライトの自動消灯機能
JP
ヘッドライトが自動的に消えるので、バッテリーの消費を
抑えることが出来ます。
次の 2 つの場合、この機能は作動します:
- ひとつは、キーを OFF から ON に回した後、エンジンが
始動されなかった場合。60 秒後にヘッドライトが消灯
し、キーを使って OFF/ キー ON に再始動した場合。
- 次は、モーターサイクルを通常に使用した後、ヘッドラ
イトが点灯したまま、エンジン停止スイッチ (2, 図 20)
によりエンジンを停止した場合。この場合、エンジンを
止めてから 60 秒経つとヘッドライトは消え、次にエン
ジンを始動した時に再び作動します。
22
メモ
エンジン始動のときも、システムではヘッドライトが
いったん消えるようにします。エンジンがスタートしてか
ら、または エンジンスタートボタン
(3, 図 20) が解
放されてから、再び点灯します。
イモビライザーシステム
このモーターサイクルは、盗難防止機能の向上のためイモ
ビライザーを装備しています。イモビライザーはイグニッ
ションスイッチが OFF の時にエンジンの作動を禁止する電
子システムです。
出力信号を調整する電子装置が各イグニッションキーのハ
ンドグリップに内蔵されています。この信号はイグニッ
ションを ON に回した時、スイッチに内蔵された特殊アン
テナから出力され、毎回変更されます。この変調信号は
「パスワード」として機能し、「認可」イグニッションキー
がエンジンの始動に使用されていることを CPU に伝達しま
す。CPU は信号を認識すると、エンジンを始動させます。
キー
( 図 14)
オーナーに支給されるキーは以下の 1 組です。
- 赤色キー (A) 1 本
この「赤いキー」はメンテナンスの道具であり、モー
ターサイクルのイモビライザーシステムの一部です。
キーにはイモビライザーシステムの「コード」が内蔵さ
れており、日常には使用しないでください。メンテナン
ス作業を実施するために、Ducati ディーラーは、お客様
にこのキーを持参するように尋ねる場合があります。
安全のために、この赤いキーは交換することはできませ
ん。メンテナンス作業にキーが必要な時、キーを提供
できない場合は、エンジンコントロールユニット、メー
ターパネル、イグニッション装置を交換する必要が生
じ、これらの交換費用はかなり高く、またお客様の負担
となります。赤いキーは安全な場所に保管してくださ
い。
- 黒色キー (B) 2 本
警告
キー A ( 赤色 ) には、キーをベストな状態に保ち、
他のキーとの接触を防ぐためゴム製のカバーが取り付けら
れています。必要な場合以外は絶対にこのカバーを取り外
さないでください。
キー B は通常使用するイグニッションキーで、以下に使用
します。
- エンジン始動。
- 燃料タンクキャップのロック解除。
- 書類入れスペース扉のロック解除。
- パッセンジャーシートのロック解除。
赤色キーには黒色キーと同様の機能があります。また必要
な場合は、黒色キーの削除および再プログラムができます。
B
A
JP
1
図 14
23
警告
キーは電子部品を内蔵しています。落とす、またはぶ
つけると損傷する恐れがあります。
メモ
3 本のキーには識別番号を記載した小型プレート (1)
が付属しています。
警告
キーはそれぞれ別の場所に保管してください。プレー
ト (1) および赤色キーは安全な場所に保管してください。
モーターサイクル使用時には、2 本のうちのどちらか 1 本
の同じ黒色キーを常に使用することをお薦めします。
図 15
コードカード
キーと合わせてコードカード ( 図 15) が納品されます。
カードには、電子コード (A, 図 16) が掲載されており、
key-ON の後エンジンがロックしてかからない場合に使用
します。
JP
警告
コードカードは安全な場所に保管してください。ただ
し、スロットルグリップを使用した手順に従いロック解除
しなければならない場合に必要となるので、モーターサイ
クルを運転する際には電子コードが印刷されているコード
カードを携帯するようお薦めします。( ページ 25). イモ
ビライザーシステムに不具合がある場合、橙色の EOBD パ
イロットランプ (5, 図 6) が点灯するので、以下の方法で
「エンジン作動禁止」機能を無効にできます。ただしこの操
作は、コードカードの電子コードを知っている場合にのみ
実施可能です。
A
図 16
24
スロットルグリップを使用したイモ
ビライザーによるエンジン作動禁止
の解除手順
5) コードが正しく入力された場合は、スロットルグリッ
プを放したときに、次の 2 とおりの表示があります。
A)EOBD パイロットランプが点滅しながら点灯し、ブ
ロックが解除されたことを示します。4 秒たつと、も
しくはエンジン回転数が 1000 rpm を超えると、パイ
ロットランプは通常の状態 ( 消灯 ) に戻ります。
B)エンジンの回転数が 1000 rpm を超えるまで、もし
くはモーターサイクルを再始動するまでパイロット
ランプ IMMO (3, 図 5) が点滅を続けます。
6) コードが正しく入力されなかった場合は、EOBD パイ
ロットランプおよび IMMO パイロットランプは共に点灯
したままです。同じ作業を 2 から何度でも繰り返すこ
とが出来ます。
1) キーを ON に回します。スロットルを全開に保持しま
す。そのままの状態にします。
8 秒後に EOBD パイロットランプ (5、図 6) が消灯し
ます。
2) EOBD パイロットランプが消灯したら直ちにスロットル
を戻します。
3) EOBD パイロットランプが再び点灯し、点滅します。こ
こで、解除用の電子コードを入力します。このコード
は、納車時にディーラーからお客様に渡される CODE
CARD に記載されています。
4) EOBD パイロットランプの点滅回数がシークレットコー
メモ
ドの最初の数字と同じになるまで数えます。
スロットルを規定時間より早く戻した場合、パイロッ
スロットルグリップを 2 秒間全開のポジションにし、
トランプが再度点灯します。その場合には、キーを OFF に
その後放します。1 桁目の入力が認識されると、EOBD
回して、手順 (1) からやり直さなければなりません。
パイロットランプが 4 秒間点灯します。この手順を繰
り返して、最後の数字まで入力します。
スロットルグリップをまったく操作しないと、EOBD パ
イロットランプが 20 回点滅した後、点灯状態になりま
す。この場合は、手順 1 からやり直す必要があります。
25
JP
作動値
イグニッションキーを ON から OFF に回すたびに、イモ
ビライザーがエンジンの作動を禁止します。エンジンを始
動するため、イグニッションキーを OFF から ON (Key-ON)
に戻すと以下のようになります。
JP
1) CPU がコードを認識すると、メーターパネルの IMMO パ
イロットランプ (3, 図 5) が短時間点滅します。これ
はイモビライザーシステムがキーコードを認識し、
エンジン始動が可能なことを示します。エンジン始動
ボタン
(2, 図 20) を押すと、エンジンが始動しま
す。
2) IMMO パイロットランプが点灯したままの場合は、コー
ドが認識されていないことを示します。この場合、イ
グニッションキーを OFF に戻し、再度 ON にします。
これでもエンジンが始動しない場合は、もう 1 本の黒
色キーで試してみて下さい。このキーでも始動しない
場合は、DUCATI サービスネットワークにご相談くださ
い。
3) IMMO パイロットランプが点滅したままの場合は、イモ
ビライザーシステムの不具合がスロットルグリップを
使用した解除手順などによりリセットされたことを示
します。
重要
作業中は 1 本のキーのみを使用してください。複数
のキーを使用すると、使用するキーのコードをシステムが
認識できない場合があります。
26
キーの複製
キーを複製したい場合は、お手持ちのすべてのキー、およ
びコードカードを DUCATI サービスネットワークにお持ち
ください。
DUCATI サービスが合計 8 本まで新しいキーのプログラムお
よびオリジナルキーの再プログラムを行います。
この時お客様がモーターサイクルの正当な所有者である証
明を求める場合があります。必ず証明できる書類をお持ち
ください。
お持ちにならなかったキーのコードは、キーを紛失した場
合使用できないようにするためメモリから削除されます。
メモ
モーターサイクルを売却された場合は、必ずすべての
キーおよびコードカードを新しい所有者にお渡しください。
イグニッションスイッチとステアリ
ングロック ( 図 17)
ステアリングヘッドの前にあり、4 つのポジションがあ
ります。
A)
B)
C)
D)
ON: ライト ON、エンジン作動
OFF: ライト OFF、エンジン停止
LOCK: ステアリングロック
P: パーキングライト ON、ステアリングロック
A
B
CK
LO
メモ
キーを (C)、(D) の位置にするには、押してから回し
てください。(B)、(C)、(D) の位置ではキーを引き抜くこ
とができます。
FF
ON
PUS
H
O
C
P
N
IO
NIT
IG
D
図 17
JP
27
ハンドルバー左側スイッチ
( 図 18)
1) ライト切り替えスイッチ = 2 つのポジションがありま
す。
-ポジション
= ロービーム
-ポジション
= ハイビーム
2) スイッチ
= 方向指示器には 3 つのポジションが
あります。
-中央 = OFF
-ポジション
= 左折
-ポジション
= 右折
方向指示器を消すには、中央に戻ってきたレバーを押
して下さい。
5
4
1
2
3
JP
3) スイッチ
= 警告ホーン
4) スイッチ
= ハイビーム点滅
5) スイッチ
= 緊急時点滅灯
押して作動させます。全ての方向指示器が同時に点滅
します。
点滅灯を消すには、ボタンを再度押してください。
メモ
装置 (1)、(2)、(4) および (5) が作動すると、それ
に相当するメーターパネルのパイロットランプが点灯しま
す(ページ 14)。
28
図 18
3
( 図 19)
2
1
クラッチを操作するレバー(1)にはアジャスター(2)が
付いており、レバーとグリップとの間隔を調整できます。
調整手順は、レバー (1) を完全に前方に放した状態でア
ジャスター (2) を 4 つのうちの 1 つの位置に回します。
以下の点に注意してください
1 の位置ではレバーとグリップの間隔が最大になり、4 では
最小になります。
レバー (1) を引くと、エンジンの回転がトランスミッショ
ンおよびリアホイールに伝わらなくなります。クラッチの
適切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重
要です。
4
クラッチレバー
2
警告
クラッチレバーの調整は、モーターサイクルを停止し
た状態で行ってください。
重要
クラッチレバーを正しく操作することで、トランス
ミッションのダメージを回避し、モーターサイクルの寿命
を延ばすことができます。
JP
メモ
エンジンは、サイドスタンドを下ろしてギアをニュー
トラルにした状態で始動することができます。ギアを入れ
た状態でモーターサイクルを始動する場合は、クラッチレ
バーを引いてください。この場合、必ずサイドスタンドを
上げてください。
図 19
29
ハンドルバー右側スイッチ
( 図 20)
スロットルグリップ
( 図 20)
1) エンジン停止スイッチ = 2 つのポジションがあります。 ハンドルバー右側のスロットルグリップ (3) は、スロット
ルバルブを開く操作をします。スロットルを開けている時
-ポジション
(RUN) = エンジン作動
にグリップの握りを緩めると、自動的に元の位置 ( アイド
-ポジション
(OFF) = エンジン停止。
リング状態 ) に戻ります。
警告
このスイッチは、エンジンを直ちに停止させることが
必要な緊急時等に使用することを目的としています。エン
ジン停止後は、スイッチを作動ポジション にし、モー
ターサイクルの始動ができるようにします。
2) スタータースイッチ
= エンジン始動。
1
3
JP
2
図 20
30
( 図 21)
3
2
1
レバー (1) をグリップの方向へ引くと、フロントブレーキ
を作動させることができます。このレバーは油圧で作動す
るため、軽く握るだけで充分です。
レバーにはアジャスターノブ (2) が付いており、レバーと
グリップとの間隔が調整できるようになっています。
調整手順は、レバー (1) を完全に前方に放した状態でア
ジャスター (2) を 4 つのうちの 1 つの位置に回します。
以下の点に注意してください
1 の位置ではレバーとグリップの間隔が最大になり、4 では
最小になります。
4
フロントブレーキレバー
2
警告
フロントブレーキレバーの調整は、モーターサイクル
を停止した状態で行ってください。
1
JP
図 21
31
リアブレーキペダル
( 図 22)
ペダル (1) を下に踏むと、リアブレーキが機能します。
システムは油圧で作動するので、軽く操作するだけで充分
です。
1
図 22
ギアシフトペダル
JP
( 図 23)
ギアシフトペダルは通常は中央ポジション N に停止してお
り、中央のニュートラルのポジション N に自動的に戻りま
す。このポジションでは、メーターパネルのパイロット
ランプ N (8, 図 6) が点灯します。
ペダルは以下の位置へ移動できます。
下方 = 1 速 へのチェンジおよびシフトダウンはペダルを
下に押します。ニュートラルのポジションから 1 速にチェン
ジした時に、メーターパネルのパイロットランプ N が消え
ます。
上方 = 2 速ギア、そして引き続き 3 速、4 速、5 速 、6
速 へシフトアップしていくときはペダルを上げます。
1 回の操作が一速分のチェンジに相当します。
6
5
4
3
2
N
1
図 23
32
シフトペダルとリアブレーキペダル
の調整
1
3
4
フットペグと連携するギアシフトペダルおよびリアブレー
キペダルのポジションはライダーの好みに合わせて調整で
きます。
調整は以下の手順で行います。
ギアシフトペダル ( 図 24.1)
レンチ (2) とスパナでリンケージ (1) を固定し、ロック
ナット (3) を緩めます。
ネジ (4) を緩めてギアシフトレバーからリンケージ (1) を
外します。
レンチ (2) を使用してリンケージ (1) を回転させ、ギアシ
フトペダルを好みの位置に合わせます。
ネジ (4) でギアシフトレバーをリンケージ (1) に固定しま
す。
ロックナット (3) をリンケージ (1) に締め付けます。
2
図 24.1
JP
33
リアブレーキペダル ( 図 24.2)
ロックナット (5) を緩めます。
アジャスター (6) を回して、ペダルを好みの位置に合わせ
ます。
ロックナット (5) を締めます。
ペダルを手で押して、ブレーキがかかり始めるまでに約
1.5 ~ 2 mm の遊びがあることを確認します。
遊びが上記の範囲にない場合には、ポンプのマスターシ
リンダーロッドの長さを次の手順で調整します。
マスターシリンダーロッドの上にあるロックナット (7) を
緩めます。
ロッド (8) をフォーク (9) に締め込むと遊びが増加し、緩
めると遊びが減少します。
ロックナット (7) を締めてロッドを固定し、再度遊びを確
認します。
JP
34
8
9
7
5
6
図 24.2
主要構成部品 / 装備
配置図
6
8
( 図 25)
1) 燃料タンクキャップ
2) パッセンジャーシートロックおよびヘルメットホル
ダー
3) 書類入れスペース扉のロック
4) サイドスタンド
5) フロントフォークアジャスター
6) リアショックアジャスター
7) バックミラー
8) サイレンサーおよびエキゾーストパイプ
9) 触媒装置
5
7
8
4
9
5
3
6
2
8
JP
警告
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切った
後も熱い場合があります。エキゾーストシステムに接触し
ないよう十分に注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物
のそばに駐車しないようにして下さい。
7
5
1
図 25
35
燃料タンクキャップ
( 図 26.1)
1
開け方
キャップのプロテクションカバー (1) を起こし、イグニッ
ションキーを差し込み、時計回りに 1/4 回転回してロック
を解除すれば、キャップを開けることができます。
キャップを持ち上げてください (2, 図 26.2)。
閉め方
キーの差し込まれたキャップ (2) を閉じ、キーを反時計回
りに元の位置に回してから抜き取ります。プロテクション
カバー (1) を閉めます。
メモ
図 26.1
キャップはキーが差し込まれていないと閉じられま
せん。
警告
JP
給油を行った後は(ページ 53 参照)毎回必ず
キャップが正しい位置できちんと閉められているか確認し
てください。
2
1
図 26.2
36
パッセンジャーシートロックおよび
ヘルメットホルダー
開け方 ( 図 27)
イグニッションキーをキーホール(1)に差し込み、サドル
のフックがカチッというところまで時計回りに回します。
シート (2) の後方を持ち上げ、後ろに引いて前方のマウン
トから抜き取ります。
閉め方
シートを燃料タンクのストッパーフックに乗せ、引っ掛か
るまでシートを後方に引きます。
ロックのボルトがはまってカチッという音がするまでシー
トの後方部分を押し込みます。
シートをゆっくりと引き上げて、正しく閉じられているこ
とを確認してください。
OPEN
1
図 27
パッセンジャーシートの下にヘルメットホルダーケーブル
があります。ケーブル (A) をヘルメットに通し、ケー
ブルの先端をフックに差し込みます。ヘルメットを下げ
( 図 28) 、シートを元の通りに固定します。
警告
JP
A
この装置はモーターサイクルを駐車させている間にヘ
ルメットを安全確実に保持しておくためのものです。走行
中はヘルメットを車体から下げておかないでください。運
転操作の妨げになり、車両のコントロールを失う危険性が
あります。
ケーブルは左側に下げてください。その他の位置では、
ケーブルが邪魔してシートが閉められません。
図 28
37
書類入れスペース扉のロック
書類入れスペース扉を開けるには、イグニッションキーを
キーホール (1) に差込み、フックがカチッと音がするまで
反時計回りに回します ( 図 29.1)。
扉を開けると ( 図 29.2) 書類入れスペースには、使用と
メンテナンスガイドマニュアルと工具類の入ったバッグが
備えられています ( ページ 54)。
重要
OPEN
1
書類入れスペースには重い物や金属の物を入れないで
ください。走行中にモーターサイクルの安定性を欠く原因
に可能性があります。
書類入れスペースの扉を閉じるには、フックにあわせてカ
チッと音がするまで扉を押し込んでください。
その後イグニッションキーを抜きます。
図 29.1
JP
図 29.2
38
サイドスタンド
( 図 30)
重要
メモ
ギアがニュートラルの位置にあれば、サイドスタンド
を下ろしたままでエンジンをかけることができます。
サイドスタンドを使用する前に、地面が適している
か、平らであるかを確かめてください。柔らかい地面、砂
利、日光で柔らかくなったアスファルト等にパーキングす
ることは、モーターサイクルに損傷をもたらす転倒の原因
となります。
もしも傾斜面にパーキングする場合、常にリアホイール側
を斜面の低い方になるようにしてください。
サイドスタンドを使用するには、ハンドルバーを両手でつ
かんでモーターサイクルを支えながらつま足で スタンドの
フック (1) を止まるまで矢印方向に押します。次にモー
ターサイクルを、スタンドの先端が路面に着くまで徐々に
左側に傾けていきます。
警告
サイドスタンド使用時には、モーターサイクルにまた
がらないでください。
JP
サイドスタンドを元の位置 ( 水平位置 ) に戻すには、モー
ターサイクルを右側に傾けながら、足の甲でフック (1) を
持ち上げます。
定期的にスタンド(内側と外側 2 つのスプリングの損傷と
摩耗)、およびエンジンコントロールユニットにスタンドの
位置を教える安全センサー (2) の作動を点検することをお
薦めします。このシステムを保護するために、3A のヒュー
ズがバッテリーのそばに取り付けられています ( ペー
ジ 97)。
1
2
図 30
39
フロントフォークアジャスター
1
モーターサイクルのフォークは、リバウンド / コンプレッ
ションダンピング、およびスプリングプリロードの調整が
可能です。
2
2
1
この調整は外部アジャスターにて行います。
1) 油圧ブレーキのリバウンドダンピング調整
( 図 31.1 および 図 31.2)
2) インナースプリングプレロード調整
( 図 31.1 および 図 31.2)
3) 油圧ブレーキのコンプレッションダンピング調整
( 図 32.1 および 図 32.2)
JP
サイドスタンドを立て、モーターサイクルを安定したポジ
ションに保ちます。
油圧ブレーキのリバウンドダンピングを調節するには 3
mm の六角レンチ (1100 S) またはアレンキー(1100) で、各
フォークの上部に配置されているアジャスター (1) を回し
ます。
油圧ブレーキのコンプレッションダンピングを調節するに
は 3 mm の六角レンチ (1100 S) またはアレンキー(1100)
で、ホイールキャリアの後部に配置されているアジャス
ター (3, 図 32.1 および 図 32.2) を回します。
アジャスターのネジ (1) を回すと、カチッと言う音がしま
す。一回の音がダンピング 1 段に相当します。
アジャスター (3, 図 32.1 e 図 32.2) の場合は、ダンピン
グの変更は連続式です(ネジ回転)。ネジをいっぱいに締め
込むと”0”位置になり、ダンピングが最強にセットされま
す。
1
2
2
1
A
1100
40
図 31.1
1100S
図 31.2
この位置から、反時計回りに廻してカチッという音でダン
ピングを 1 段目、2 段目、またはアジャスターの回転角度
と数えます。
標準設定は以下のようになります
1100S
コンプレッション側
9 段
リバウンド側
12 段
スプリングプリロード 10 mm
( いっぱいまで緩めたところから
10 回転、1 回転 = 1 mm).
各フォーク内部のスプリングプリロードを変更するには、
六角アジャスターナット (2, 図 31.1) を 22 mm 六角
レンチで回します。
1100
コンプレッション側
1.5 回転
リバウンド側
2 回転
スプリングプリロード 6 mm
( いっぱいまで緩めたところから
6 回転、1 回転 = 1 mm).
各フォークチューブ内部のスプリングのプリロードを変更
するには、六角アジャスターナット (2, 図 31.2) を 22 mm
六角レンチで回します。
プリロードの値 (A, 図 31.2) は 25 ~ 10 mm の範囲で変
更できます。
3
図 32.1
1100S
JP
S
S
重要
両方のフォークを同じセッティングにしてください。
3
1100
H
H
図 32.2
41
リアショックアジャスター
( 図 33.1、
図 33.2、図 34.1 および 図 34.2)
リアショックアブソーバーは荷重に合わせて調整できるよ
う外部アジャスターを装備しています。
アジャスター (1) は、ショックアブソーバー下部右側のス
イングアームとの接続部に配置され、リバウンド側のダン
ピング(油圧ブレーキ)を調節します。
ショックアブソーバータンクにあるアジャスター (2) は、
油圧ブレーキのコンプレッションダンピングを調整できま
す。
アジャスター (1) および (2) を時計回りに回すとダンピン
グが強くなり、反対方向に回すと弱くなります。
JP
1100S
標準設定: 全閉ポジションからの標準設定は以下のように
なります(時計回り)
- アジャスター (1) を 12 段
- アジャスター (2) を 10 段
スプリングプリロード 22 mm
フレームの右側にあるアジャスターノブ (3) を用いて、
ショックアブソーバーの外部のスプリングのプリロードを
調整することができます。ノブに表示されている指示に
従ってください。
標準設定は最小ポジション (LOW) 上のアジャスターノブの
位置に相当します。
2
1
図 33.1
1100S
HIGH
HIGH
LOW
LOW
3
1100S
42
図 33.2
1100
リバウンド側アジャスター (1) の標準設定:
いっぱいに締め切った位置から ( 時計方向 )、アジャス
ターを 18 段緩めます。
コンプレッション側アジャスター (2) の標準設定: いっぱ
いに締め切った位置から ( 時計方向 )、アジャスターを 2
回転緩めます。
フレームの右側にあるアジャスターノブ (3) を用いて、
ショックアブソーバーの外部のスプリングのプリロードを
調整することができます。ノブに表示されている指示に
従ってください。
標準設定は最小ポジション (LOW) 上のアジャスターノブの
位置に相当します
ミニプリロードスプリングの標準長: 4 回転 (2 mm).
警告
H
S
S
S
H
H
H
S
2
1
図 34.1
1100
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填されてい
ます。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因となり
ます。
HIGH
HIGH
JP
LOW
LOW
3
1100
図 34.2
43
バックミラーの調整
バックミラーを調整するには、ミラーの縁を好みの位置ま
で押して調整します ( 図 35.1)。
ミラーを固定するには、マウント下部にあるネジを締めて
ください ( 図 35.2)。
警告
調整するときにはミラーの内側を押さないでくださ
い。破損する可能性があります。
図 35.1
JP
図 35.2
44
車高の調整
この車両の車高は、私共の技術者がさまざまな走行状態で
テストを行い決定しています。
車高の調整は非常にデリケートな作業で、不適切な変更作
業を行った場合、危険をもたらすことがあります。
標準車高を変更する前に、基準値 (H、図 36.1) を測定して
おくことをお薦めします。
ショックアブソーバーの位置を変更して、ライダーは自分
のライディングスタイルに合わせて車高の変更が可能です
( 図 36.2)。
ショックアブソーバーの作動位置は、リンクロッド (2) 両
端のボールジョイント (1) に付いているナット (3) をレン
チ (A) で回して変更します。
調整後はナット (3) を 25 Nm のトルクで締め込んでくだ
さい。
H
図 36.1
メモ
下側のナット (3) は逆ネジなので注意してください。
警告
2
リンクロッド (2) 両端の、ボールジョイント (1) の
軸間距離は 255 mm を超えてはなりません。
JP
2
1
3
3
A
図 36.2
45
運転のしかた
最初の 100 km は、ブレーキの操作に注意し、また、急な
ブレーキングや長い間ブレーキをかけることは避けて下さ
い。これは、ブレーキディスクに対してパッドの摩擦材を
正しい状態に慣らすためです。
モーターサイクルの全てのメカ部分を互いに馴染ませるた
め、また、エンジンの主要部分の寿命に悪影響が出ないよ
う、乱暴な加速と、特に登り坂での長時間の高速回転を避
けてください。
さらに、定期的にドライブチェーンを点検し、必要に応じ
て注油してください。
モーターサイクル使用初期の注意事
項
1000 ~ 2500 km まで
この期間では、エンジンからよりパワーを引き出せますが、
それでも、下記の回転数を決して超えないようにしてくだ
さい:
7000 rpm.
エンジン最大許容回転数 ( 図 37)
慣らし運転期間中および通常使用においてのエンジン最大
許容回転数:
1) 1000 km まで
2) 1000 ~ 2500 km まで
JP
1000 km まで
最初の 1000 km までは、タコメーターの制限された回転数
を絶対に超えないでください:
5.500 ÷ 6000 rpm。
最初の数時間は、指定された回転数の範囲内でエンジンの
負荷と回転数をさまざまに変えることをお薦めします。
エンジン、ブレーキ、サスペンションを効果的に慣らすに
は、カーブの多い起伏に富んだ場所を走行することが理想
的です。
46
重要
慣らし運転期間中は、マニュアル上のメンテナンス事
項に慎重に従い、保証書内のクーポンに指定された点検、
整備を必ず受けて下さい。これらの規定を厳守しない場合、
Ducati モーターホールディング社は エンジンの故障およ
びその寿命等に関して、一切の責任を負うものではありま
せん。
慣らし運転の方法を遵守することでエンジンの寿命を延ば
し、調整、オーバーホールの回数を減らすことが可能にな
ります。
0 ÷ 1.000 Km
1.000 ÷ 2.500 Km
km/h
miles
mph
km/L
mpgal
図 37
JP
47
始動前の点検
警告
走行前にこれらの点検を怠った場合、モーターサイク
ルに損傷を与え、ライダーやパッセンジャーがケガをする
恐れがあります。
走行前に以下の点検を実施してください:
タンク内の燃料量
タンク内燃料の残量を確認します。必要に応じて給油して
ください(ページ 53)。
エンジンオイル量
点検窓からタンク内のオイル残量を点検します。必要に応
じて補充してください(ページ 80)。
ブレーキ液とクラッチオイル
それぞれのタンクの液量を確認してください(ページ 60)。
タイヤの状態
タイヤの空気圧と摩耗状態を確認してください(ページ 78)。
操作機能
ブレーキ、クラッチ、アクセル、トランスミッション等の
JP 作動レバーまたはペダルを作動させて機能を確認します。
ライトおよびインジケーター
ライト、インジケーター、ホーンが適切に作動するか確認
します。バルブが切れている場合には交換してください
(ページ 68)。
48
ロック類
燃料タンクキャップが確実に閉じているか ( ページ 36) ま
た、パッセンジャーシートが確実に閉じているかを確認し
て下さい(ページ 37)。
スタンド
サイドスタンドが正しくスムーズに作動し、適正な位置に
あるか確認してください(ページ 39)。
警告
もしも不良がある場合には、モーターサイクルの使用
を中止し、DUCATI 正規ディーラー、または公認の整備工場
にご連絡ください。
エンジンの始動
警告
エンジンを始動させる前に、走行に必要な操作類の取
り扱いに慣れておいてください(ページ 11)。
1) イグニッションスイッチを ON ( 図 38) の位置に
します。メーターパネルの緑のパイロットランプ N
(8, 図 6) と赤のパイロットランプ
(7, 図 6)
が点灯していることを確認します。
FF
ON
PUSH
O
ON
オイルプレッシャーパイロットランプはエンジン始動
後、数秒で消えなければなりません(ページ 14)。
CK
LO
重要
P
N
IO
NIT
IG
図 38
メモ
エンジンは、サイドスタンドを下ろしてギアをニュー
トラルにした状態で始動することができます。ギアを入れ
た状態で始動する場合は、クラッチレバーを引き、必ずス
タンドを上げて始動してください。
JP
49
2) エンジン停止スイッチ (1、図 39) が
(RUN) の位置
になっていることを確認し、始動ボタン (2) を押しま
す。
このモデルはパワーアシスト方式の始動システムを備えて
います。
この機能では、ボタン (2) を押してすぐに放すだけでエン
ジンを始動できます。
ボタン (2) を押すとエンジンが自動的に始動しますが、そ
の最大所要時間はエンジンの温度によって変わります。
エンジンが始動すると、システムによってセルモーターが
切り離されます。
エンジンが始動しなかった場合は、2 秒以上待ってから
再びボタン (2) を押します。
この際、スロットルグリップは回さず、エンジンが自然に
始動するのを待ちます。
メモ
バッテリー切れの場合は、システムによって自動的に
セルモーターが切り離されます。
JP
重要
エンジン冷間時は回転数を上げないで、オイルが温
まって潤滑が必要なすべての部分に行き渡り、潤滑される
のを待ってください。
50
1
2
図 39
モーターサイクルの発進
ブレーキング
1) クラッチレバーを引いてクラッチを切ります。
2) 1 速に変速するためにギアシフトペダルをつま先で確
実に押し下げます。
3) スロットルグリップを回してエンジンの回転数を上げ、
同時にクラッチレバーを徐々につなぎます。モーター
サイクルが動き出します。
4) クラッチレバーを完全に放し、エンジンの回転数を上
げます。
5) シフトアップするには、エンジン回転を落とすために
スロットルを戻し、クラッチを切り、ギアシフトペダ
ルをかき上げ、クラッチをつなぎます。
シフトダウンは、次のように行います。スロットルを
放し、クラッチを切り、ギアのタイミングを合わせる
ために、エンジンの回転数をわずかに上げてから、シ
フトダウンしてクラッチをつなぎます。
操作類は適切に素早く行わなければなりません。上り
坂を走行する際には、車速が落ちてきたら躊躇するこ
となくシフトダウンして、モーターサイクルへの異常
なストレスやエンジンのノッキングを避けてください。
速度を落とすには、最初にシフトダウンしてエンジンブ
レーキをかけ、それから両方のブレーキをかけます。エン
ジンが急に止まるのを防ぐため、モーターサイクルが停止
する前に、クラッチを切ります。
重要
ミスファイヤーおよびトランスミッションのスナッチ
を招く激しい加速操作は避けてください。ギアを変速した
後もクラッチレバーを引いたままでいると、メカ部の過熱
や摩耗部分の異常な摩耗を引き起こします。
警告
効果的なブレーキングのためにレバーとペダル両方の
ブレーキを使用してください。
ブレーキを強く、または乱暴にかけると ホイールがロック
され、モーターサイクルのコントロールができなくなりま
す。
雨中を走行する際や、滑りやすい路面上ではブレーキ能力
が著しく低下します。こういったコンディションでは慎重
で丁寧なブレーキ操作を心がけてください。急ブレーキは
モーターサイクルのコントロールを失わせる危険がありま
す。長く急な下り坂を走行する際にはシフトダウンして
エンジンブレーキを使用します。レバーとペダルのブレー
キを交互に断続的に使用して下さい。ブレーキの長時間に
わたる連続的使用は、摩耗材の過熱を招き、ブレーキ能力
の著しい低下の原因となります。空気圧が規定値未満、ま
たは規定値を超えるタイヤは、ブレーキ能力を低下させる
とともに摩耗を早め、また運転の的確さと、カーブでの安
定を欠きます。
51
JP
モーターサイクルの停止
速度を落とし、ギアをシフトダウンして、スロットルグ
リップを放します。シフトダウンしてゆき、最後に 1 速か
らニュートラルに入れます。ブレーキをかけてモーターサ
イクルを停止します。エンジンを停止させるには、イグ
ニッションキーを OFF の位置に回します(ページ 27).
重要
キーを長い間 P の位置のままにしておくと、バッテ
リー切れの原因になります。監視できない場所にイグニッ
ションキーを付けたままでモーターサイクルを駐車してお
かないでください。
警告
駐車
サイドスタンドを使って車体を立てて駐車します
(ページ 39)。
盗難防止のために、ハンドルを左いっぱいに切り、イグ
ニッションキーを押して LOCK の位置に回すことでハンド
ルがロックされます。
モーターサイクルをガレージ、その他の建物内に駐車する
際には、その場所の換気が充分で、また、車両の近くに熱
源がないことを確認してください。
必要な際には、車両を認識しやすいようにパーキングライ
トを点灯しておくことができます。イグニッションキーを
P の位置に回します。
JP
52
エキゾーストシステムは、エンジンスイッチを切った
後も熱い場合があります。エキゾーストシステムに接触し
ないよう十分に注意し、車両を木材、木の葉などの可燃物
のそばに駐車しないようにして下さい。
警告
モーターサイクルの発進を妨げるタイプの防犯用ロッ
クやチェーン類 ( 例: ディスクブロック、リムブロック等 )
の使用は大変危険で、モーターサイクルの機能やライダー
およびパッセンジャーの安全の妨げになることがあります。
燃料の補給
( 図 40)
給油の際には決して燃料を入れ過ぎないでください。燃料
は絶対に給油口の下縁を超えてはなりません。
Max level
警告
オクタン価 95 以上の低鉛燃料を使用してください
(指定油脂類表を参照ページ 89)。
給油口の上部に燃料が溜まってないことを確認してくださ
い。
図 40
JP
53
工具セット
( 図 41)
右側クランクケース上に、外側のケースを開けると以下の
工具が納めてあります ( ページ 38)。
オーナーズマニュアル
ヘルメットホルダーケーブル
工具セット ( 以下の工具が収納されています図 42)
- 点火プラグ用六角ソケットレンチ
- ボックスレンチ用トミーバー
- ドライバー
図 41
JP
図 42
54
主な整備作業とメンテナン
ス
フェアリングの取り外し
モーターサイクルを正しく整備、修理するためには、該当
部分のフェアリングを取り外す必要があります。
警告
取り外されたパーツが全て適切に取り付けられていな
いと走行中にパーツが脱落し、モーターサイクルのコント
ロールを失わせる危険があります。
JP
重要
車体の塗装部分、およびヘッドライトフェアリングの
プレキシグラス製ウィンドシールドに傷を付けないために、
取り付けの際には常に専用ナイロンワッシャーを使用して
ください。
55
着脱可能ヘッドライトフェアリング
ヘッドライトフェアリングをマウントに固定している 4 つ
のネジ (1) をガスケット (2) と一緒に外します。
着脱可能ヘッドライトフェアリングをウィンドシールドと
一緒に外します ( 図 43.1)。
ウィンドシールドを交換するには、専用のドライバーでネ
ジ (3) を緩めてナイロンワッシャー (4)、フェアリングの
内側から留めてあるラバーナット (5) と共に外します
( 図 43.2)。
2
ネジ (2) で新しいウィンドシールドを取り付けます。この
とき中央から取り付けてください。
マウントにガスケット (2) が取り付けてあることを確認
し、それからヘッドライトフェアリングを取り付け、ネジ
(1) で両側を固定します。
ネジ (1) を固定してください。
1
図 43.1
JP
5
4
3
図 43.2
56
固定ヘッドライトフェアリング
フェアリングの両側からダッシュボードパネルの内側の固
定ネジ (1) を 6 つを取り外し、その後上に引き上げながら
ダッシュボードパネルを外します ( 図 44.1)。
1
メモ
ダッシュボードパネルを取り外すときにヘッドライト
フェアリングの塗装を傷つけないように注意してください。
ヘッドライトフェアリングをライト装置マウントに固定し
ている 6 つのネジ (2) を緩めて外します ( 図 44.2)。
固定ヘッドライトフェアリングを取り外します。
取り付ける際には、最初に中央の 4 つのネジ、その後両側
の 2 つのネジを留めてください。
穴を合わせるようにして、内側のダッシュボードパネルを
固定ヘッドライトフェアリングに取り付けます。
6 つのネジ (1) を締め付けます。このときネジを締めすぎ
てヘッドライトフェアリングのインサートを傷つけないよ
うにしてください。
図 44.1
JP
2
2
図 44.2
57
左サイドフェアリング
左サイドフェアリングの作業をするには、サイドフェア
リングの内側からフック (1) を反時計方向に 1/4 回転回し
て左サイドフェアリングの前部を取り外します ( 図 45)。
左サイドフェアリングの後部を外すには、フレームのマ
ウントに合わせてストッパー (2) が固定するまで引き抜き
ます。ストッパーに合わせて外側からサイドフェアリング
を押すと操作が簡単に行えます ( 図 46)。
燃料タンクのピンから左サイドフェアリングを抜き取り外
します。
1
図 45
JP
PUSH
2
図 46
58
取り付け作業を行う前に、サイドフェアリングの内側の
ピン (5) にラバー (3) とガスケット (4) が正しく取り付
けられていることを確認してください ( 図 47.1)。
後端部から燃料タンクのピンをラバーに入れて、左サイド
フェアリングを取り付けます ( 図 47.2)。
ピン (5) に合わせてサイドフェアリングを押し、ピンの外
側のストッパー (2) にはめ込みます。
前部のフック (1) を押し込み、時計方向に 1/4 回転回して
はめ込みます。
サイドバッグ
このモーターサイクルは、サイドバッグが取り付けられる
ようになっています。サイドバッグのキットは、Ducati 部
品サービスで入手できます。
キットには取り付けに必要な全ての部品の他に、取り扱い
説明書が入っています。
4
3
5
図 47.1
JP
図 47.2
59
ブレーキ / クラッチ液量のチェック
ブレーキ液およびクラッチ液の液量は、それぞれのタンク
に記されたゲージの MIN のレベル以下になってはいけま
せん ( 図 48.1 および 図 48.2)。
液レベルが下がり過ぎると、回路内にエアが混入し、正常
なシステム作動に悪影響を及ぼします。
また、定期点検表に指示されたブレーキ / クラッチ液補充
および交換は、正規ディーラーまたは公認の整備工場に依
頼してください。
重要
チューブは全て 4
せん。
年毎に交換しなければなりま
ブレーキシステム
ブレーキパッドが減っていないのに、ブレーキレバー、ブ
レーキペダルの過度の遊びに気付いた場合には、システム
を点検しエアを排出する必要があるため、Ducati 正規
ディーラーまたは公認の整備工場にご連絡ください。
警告
JP
ブレーキ / クラッチ液はプラスチックや塗装部分に
損傷を与えますので、こぼさないようにしてください。ブ
レーキ / クラッチ液は炎症の原因となります。異なる品質
の液とは混ぜないでください。
ガスケットの状態をチェックしてください。
60
図 48.1
クラッチシステム ( 図 48.2)
クラッチレバーに過度の遊びがあり、ギアチェンジの際ク
ラッチにスナッチやジャダーが出る場合は、システム内に
エアが混入しています。システムを点検しエアを排出する
必要があるため、Ducati 正規ディーラーまたは公認の整備
工場にご連絡ください。
(MAX) 33 mm
mm
MIN
警告
クラッチ液レベルは、クラッチディスクの摩耗にした
がって、タンク内で上昇しやすい性質を持っています。指
示されたレベルを超えないでください ( 最小から 3 mm 上 )。
図 48.2
JP
61
ブレーキパッドの摩耗チェック
MIN
(図 49.1)
フロントブレーキパッドには摩耗チェックマークがあり、
キャリパーからパッドを外すことなく、容易にチェックで
きます。摩耗材に刻まれた溝が見えているうちはパッドの
通常使用範囲です。
リアブレーキパッドの場合は、摩擦材の厚さが約 1mm の時
点で交換してください ( 図 49.2)。専用窓を通してチェッ
クできます。
重要
ブレーキパッドの交換は Ducati 正規ディーラーまた
は公認の整備工場で実施してください。
図 49.1
JP
1 mm
図 49.2
62
ジョイント部への注油
スロットルケーブルの被膜の状態を定期的にチェックしな
ければなりません。外側のプラスチックの被覆につぶれた
部分やひび割れた部分があってはなりません。操作類を動
かして、被膜の中でケーブルがスムーズに動くか確認して
ください。もしも何らかの抵抗や、動きにくい箇所がある
場合には、Ducati 正規ディーラーまたは公認の整備工場で
ワイヤーケーブルを交換してください。
スロットルケーブルのこの様な不具合を避けるためには、2
本のネジ (1、図 50.1) を外してカバーを取り外し、定期的
にワイヤーの端とプーリーを SHELL Advance Grease または
Retinax LX2 のグリースを塗布して潤滑してください。
警告
カバーを取り付ける時に、ワイヤーがガイドとプー
リーの中を通っていることを確認してください。
カバーを取り付け、6
ます。
1
図 50.1
Nm のトルクでネジ(1)を締め付け
サイドスタンドのスムーズな作動を確保するために、汚れ
を取り除いた後、全ての摩擦部分に指定のグリース SHELL
Alvania R3 を塗布してください (1, 図 50.2)。
JP
図 50.2
63
スロットルグリップの遊びの調整
ハンドルをどの位置に回した場合でも、スロットルグリッ
プにはグリップの周縁で測定して 1.5 ~ 2.0 mm の遊びが
なければなりません ( 図 51)。
この値にならない場合は、スロットルボディのアジャス
ター (1) を使用して遊びを調整します ( 図 52)。
1,5 ÷ 2 mm
1,5 ÷ 2 mm
重要
スロットルグリップの遊びを調整するには、Ducati
正規ディーラーまたは公認の整備工場にお任せください。
図 51
1
JP
図 52
64
バッテリーの充電
( 図 53)
バッテリーを充電する際には、バッテリーをモーターサイ
クルから取り外して実施してください。
左サイドフェアリングを取り外します(ページ 58)。まず
最初に黒いマイナス (-) の端子を外し、その後赤いプラス
(+) の端子を外します。
バッテリーマウントのブラケットから固定ネジ (1) を緩め
て外し、バッテリーを取り外します。
+
-
警告
1
バッテリーは爆発性のガスを発生させます。火気、熱
源のそばに置かないでください。
充電は換気の良い場所で実施してください。
バッテリーチャージャーの導線をそれぞれの端子に接続し
ます。赤はプラス (+) に、黒はマイナス (-) に接続してく
ださい。
重要
必ず先にバッテリーをバッテリー充電器に接続してか
ら、充電器を作動させてください。バッテリー端子に火花
が発生すると電池内のガスを発火させることがあります。
また、接続する時は常に赤の + 極から行ってください。
図 53
警告
バッテリーは幼児の手の届かないところに置いてくだ
さい。
バッテリーを 0.9
A で 5 ~ 10
時間充電します。
JP
バッテリーをバッテリーマウントに取り付け、ネジ (1) で
ブラケットを固定します。導電性を向上させるために、固
定ネジに少量のグリースを塗布し、端子を電極に接続しま
す。
65
チェーンテンションの点検
( 図 54.1)
車両をゆっくり移動させて、チェーンを最も張った状態に
します。
サイドスタンドを使って車両を立て、サイドチェーンの最
も高い位置で、スイングアームと下側のチェーンの中央位
置との間の距離を測ります。値は、スイングアームに貼付
されたラベルにあるように 38 ~ 42 mm の範囲でなければな
りません。この値の範囲にない場合は、チェーンテンションを
調節する必要があります。
重要
ドライブのチェーンテンションの調整は Ducati 正規
ディーラーまたは公認の整備工場で実施してください。
38 ÷ 42 mm
図 54.1
警告
スイングアームのネジ (1, 図 54.2) が正確に締め付
けられているかどうかは、ライダーおよびパッセンジャー
の安全に重大な影響を与えます。
JP
1
重要
チェーンテンションが適切でないと、トランスミッ
ションパーツの摩耗を促進させます。
図 54.2
66
チェーンの注油
このモーターサイクルには、可動部分にグリースが封入さ
れ、外部からの異物の侵入を防ぐオーリングの付いた
チェーンが装着されています。
チェーンを洗浄する場合には、オーリングの損傷を防止す
るため、専用の溶剤をご使用ください。ウォッシャーや圧
力のかかった水などで洗浄しないでください。
洗浄後は、圧縮空気でチェーンを乾かし、指定の SHELL
Advance Chain もしくは Advance Teflon Chain を各部に塗
布します。
重要
指定オイル以外を塗布した場合には、チェーン、リ
ム、またはエンジンピニオンなどに損傷を与える可能性が
あります。
JP
67
フロントヘッドライトのライトバル
ブの交換
LO
切れたバルブを交換する前に、新しいバルブの電圧などが
「電装」の各仕様に適合しているか確認してください(ペー
ジ 96. 新しいバルブが切れていないかを、取り外したソ
ケットに取り付ける前に点検して下さい。
図 55 の図は、ロービーム(LO)、ハイビーム(HI)、パー
キングライト(1)の各バルブ位置を示しています。
ヘッドライトバルブの作業を行うには、メーターパネル (
図 56) 下方の固定ヘッドライトフェアリングの側から、上
下のスプリングクリップ (2) を外してカバー (3) を開けま
す。
HI
1
図 55
メモ
説明をわかりやすくするために、図中のヘッドライト
は車体から取り外されています。
JP
2
3
2
3
3
図 56
68
2
ロービームライト ( 上側 )
バルブの導線をコネクター (4) から外します。
バルブホリダーからクリップ (5) を外します。外し方は、
まずクリップを押し、続いて両端を締めつけるようにしま
す ( 図 57)。
クリップ (5) を持ち上げます。
切れたバルブ (6) を取り出し、新しいものと交換します。
このとき透明な部分には触らないよう注意してください
( 図 58)。
5
4
メモ
新しいバルブのガラスの部分には、決して指で触れな
いでください。バルブの光度が落ちる原因となります。
図 57
JP
6
図 58
69
メモ USA モデルの場合 :
7
ロービームライト (7) のバルブを外すには、ケーブ
ルコネクター (A) を外した後バルブを反時計方向に回転さ
せて切れたランプを取り外します ( 図 59)。同じ定格のバ
ルブと交換します。取り付けるには、バルブを時計方向に
回して固定します。
LOCK
LOCK
OPEN
OPEN
A
USA
JP
図 59
ハイビームライト ( 下側 )
ハイビームライトのバルブの導線をコネクター (8) から外
します ( 図 60)。
バルブホリダーからクリップ (9) を外します。外し方は、
まずクリップの下方を押し、続いて両端を締めつけるよう
にします。
クリップ (9) を持ち上げます。
9
8
70
図 60
切れたランプ (10) を取り出し、新しいものと交換します。
このとき透明な部分には触らないよう注意してください
( 図 61)。
10
パーキングライト
導線をコネクター (11) から外します ( 図 62)。
交換するパーキングライトのバルブ (12) を外し、同じ定
格のバルブと交換します。
ライトバルブの取り付け
交換作業を行った後、外したケーブルのコネクターをライ
トバルブの電極に再び接続します。ヘッドライトのカバー
を所定の位置に輪郭を合わせて取り付け、固定クリップを
締めてヘッドライト本体に固定します。
図 61
メモ
バルブのケーブルを逆に取り付ける可能性があるので
注意してください。
12
JP
11
図 62
71
フロント方向指示器のライトバルブ
の交換
フロント方向指示器のバルブはバックミラーの内部に取り
付けられています。
バルブを交換するには、ネジ (1) を外してバックミラー本
体から方向指示器のレンズ (2) を外します ( 図 63)。
バルブ (3) はバヨネットベースタイプなので、取り外すに
は押しながら反時計方向に回します。切れたバルブを同じ
定格の新しいバルブと交換し、カチッとはまり込むまで、
押しながら時計方向に回します ( 図 64)。
レンズ (2) を方向指示器の所定のスリットに、輪郭を合わ
せて取り付けます。
レンズをネジ (1) で固定します。
2
1
図 63
JP
3
図 64
72
リア方向指示器のライトバルブの交
換
リア方向指示器バルブを交換するには、方向指示器本体
(1) を 1/4 回転ほど回してレンズを上向きにし、リアライ
トマウントから取り外します ( 図 65.1)。
バルブ (2, 図 65.2) はバヨネットベースタイプなので、取
り外すには押しながら反時計方向に回します。新しいバル
ブに交換し、カチッという音がするまで押しながら時計回
りに回して取り付けます。方向指示器本体 (1) をリアライ
トマウントに取り付け、1/4 回転回して固定します。
1
1
図 65.1
1
JP
2
図 65.2
73
ナンバープレートライトおよびパー
キングライトのバルブの交換
2
リアライトマウントをナンバープレートホルダーに固定し
ている 2 本のネジ (1) を取り外します。このネジはナン
バープレートホルダーの内側にあります。
ネジ (2) を外してリアライトマウントを少し引き抜きます
( 図 66)。
リアケーブルのコネクター (A) を外し、リアライトマウン
トを外します ( 図 67)。
1
図 66
A
JP
図 67
74
ナンバープレートライトには、方向指示器レンズ (4) と透
明カバーを固定しているタッピンネジ (3) 2 本を外しま
す。
透明カバーと一緒に方向指示器レンズを抜き取り、ナン
バープレートライトのバルブ (5) を交換します ( 図 68)。
パーキングライトバルブを交換するには、上に記述されて
いる手順に従い、パーキングライトの透明カバー (6) をマ
ウントから引き抜きます。
反時計方向にバルブ (7) を回しながら押して取り外し、交
換します ( 図 69)。
透明カバー (6) を再び取り付けるには、突起 (B) をマウン
トの所定の位置にはめ込んでください。
3
4
5
4
図 68
JP
B
6
7
図 69
75
ヘッドライトの光軸調整
( 図 70)
ヘッドライトの光軸をチェックする際には、適正な空気圧
のタイヤを付けたモーターサイクルにライダーが 1 名だけ
またがり、車両を垂直にし、縦軸に対して正しい角度を保
持します。モーターサイクルは壁またはスクリーンから 10
m の距離に置きます。壁にヘッドライトの中心と同じ高さ
で水平に線を引き、また車体の縦軸に沿って垂直ラインを
引きます。
この点検は薄暗い場所で行うとよいでしょう。
ロービームライトを点灯します。
光の照射範囲 ( 照射された部分と闇の部分との境界の上側 )
の地上高が、ヘッドライトの実際の高さの 9/10 以下でな
ければなりません。
メモ
この方法は、光軸の高さに関するイタリアの規則に準
拠したものです。
イタリア以外の各国のオーナーは、それぞれの国で有効な
方法で実施してください。
JP
76
9 x
10
x
10 m
図 70
ヘッドライトの調整 ( 図 71)
ヘッドライトの垂直方向の調整はネジ (1) を手で操作して
行います。
ヘッドライトの水平方向の調整はネジ (2) を操作して行い
ます。
1
2
メモ
ヘッドライトの調整のネジの作業を行うには、固定
ヘッドライトフェアリングを取り外します。
重要
調整ネジ (1) および (2) は、締め止まりのないネジ
です。
図 71
JP
77
チューブレスタイヤ
フロント空気圧:
220 Kpa (2.2 bar - 32.3 psi)
リア空気圧:
240 Kpa (2.4 bar - 35.2 psi)
タイヤの空気圧は気温と高度の変化によって影響を受けま
す。したがって、走行する場所の気温と高度の条件に合わ
せてチェックし調整することをお薦めします。
重要
タイヤの空気圧はタイヤ冷間時に測定および調整しな
ければなりません。
フロントホイールリムがダメージを受けないように、悪路
を走行する時はタイヤの空気圧を 0.2 ~ 0.3 bar 上げて
ください。
タイヤの修理 / 交換 ( チューブレス )
タイヤに小さな穴が開いた場合でも、チューブレスタイヤ
であればエアの減り方が遅いため、気付くまで時間がかか
ります。もしも、タイヤの空気圧が下がってきた場合には、
パンクの可能性をチェックしてください。
警告
タイヤがパンクした場合はタイヤを交換してくださ
い。
パンクしたタイヤを交換する際は、モーターサイクルの操
縦性と安定性を確保するために指定標準タイヤと同じメー
カー、タイプをご指定ください。
走行中のエア漏れを防ぐため、タイヤのバルブキャップが
確実に閉めてあることを確認してください。チューブタイ
プのタイヤは絶対に使用しないで下さい。この注意に従わ
ない場合、突然タイヤがバーストし、ライダーやパッセン
ジャーを重大な事故に巻き込む危険性があります。
タイヤ交換の後には、必ずバランスチェックを受けてくだ
さい。
JP
重要
ホイールのバランスウェイトを外したり、移動させた
りしないでください。
メモ
タイヤの交換が必要な場合は、ホイールの着脱が正し
く行われるように、Ducati 正規ディーラーまたは公認の整
備工場にお任せください。
78
タイヤ摩耗限界
タイヤのトレッド面が一番摩耗しているところ (S、図 72)
で、溝の深さを測定してください。
溝の深さは 2 mm 以下、または道交法の基準値以下であっ
てはなりません。
S
重要
タイヤに傷やヒビがないか、特に側面を注意深く目視
点検し、ひどい損傷がある場合には交換してください。
出っ張りや他と大きく異なる箇所は内部の損傷を表わして
いるので、タイヤを交換しなければなりません。
トレッドに入り込んだ石や異物は取り除いてください。
図 72
JP
79
エンジンオイル量の点検
( 図 73)
エンジンオイル量は、
クラッチカバー上にある点検窓(1)で見ることができま
す。オイル量をチェックするには、車両を垂直に保ち、ま
たエンジンが冷えていなければなりません。オイル量は、
点検窓の横に指示された目盛りの間になければなりません。
もしもオイル量が少ない場合には、指定されたオイル
SHELL Advance Ultra 4 を補充する必要があります。注入
キャップ (2) を開け、オイルを正しいレベルまで補充しま
す。注入キャップを閉じてください。
2
1
重要
定期点検表に指示されているエンジンオイルとフィル
ターの交換は、正規ディーラーまたは公認の整備工場に依
頼してください。
JP
10W
Multigrade Unigrade
粘度
SAE 10W-40
モーターサイクルを使用する地域の平均気温に応じて、表
に示されている粘度のものを使用できます。
図 73
20W
20
30
40
20W–40 20W–50
15W–40 15W–50
10W–40
10W–30
–10
80
0
10
20
30
40 C
スパークプラグの清掃と交換
( 図 74)
スパークプラグはスムーズなエンジンの作動に不可欠で、
定期的な点検が必要です。
スパークプラグを点検することで、エンジンの状態を知る
ことができます。
スパークプラグの点検および交換は Ducati 正規ディー
ラーまたは公認の整備工場で実施してください。ディー
ラーでは、はじめに中央電極の陶磁器製絶縁ガイシの色を
チェックします。全体的に薄茶色であればエンジンの状態
が良好なことを示しています。
次に、中央電極の摩耗を点検し、電極ギャップを測定しま
す。電極ギャップの規定値は
0,6 ÷ 0,7 mm です。
重要
0,6÷0,7 mm
図 74
電極ギャップが規定値を外れるとエンジン性能に悪影
響を及ぼし、また始動困難やアイドリングの不安定化を招
くおそれがあります。
JP
81
モーターサイクルの清掃
ペンキ塗装部分とメタリック塗装部分のオリジナルな艶を
長い間保つため、走行する道路のコンディションに合わせ
て、モーターサイクルを定期的に清掃、洗車しなければな
りません。専用の製品を使用してください。できれば生物
分解性の製品を使用し、強すぎる洗剤や溶剤の使用は避け
てください。
重要
走行後のボディがまだ暖かい間は、水染み等を防ぐた
め、すぐには洗車をしないでください。高温のお湯や、
ウォッシャー等の圧力のかかった水を直接吹き付けないよ
うにしてください。ウォッシャー等の使用は、サスペン
ション、ホイールベアリング、電装部分、フロントフォー
クのシール、エア吸入口、マフラーの摩耗や変形をもたら
すおそれがあります。
JP
もしもエンジンにひどく汚れた部分や油脂汚れなどがある
時は、油取り用洗剤を使って、トランスミッション系統
(チェーン、ギア、リム等)に洗剤がかからない様に洗浄し
ます。水道水でよくすすぎ、モーターサイクル全ての表面
部分をセーム革で拭きます。
82
警告
モーターサイクルを洗車した直後には、ブレーキ能力
が落ちることがあります。ブレーキディスクには絶対に、
グリースやその他のいかなるオイルも付けないでください。
ブレーキ能力が失われ、事故を招く危険があります。ディ
スクは非油性の溶剤で清掃してください。
長期間の保管
重要な事項
モーターサイクルを長期間使用しない場合には、保管する
前に以下の作業を実施するようお薦めします:
モーターサイクルの通常の清掃をおこないます。
燃料タンクを空にします。
スパークプラグの穴からシリンダーの中に数滴のエンジン
オイルを注入し、エンジンを手で数回転させてシリンダー
内壁に保護膜を形成させます。
モーターサイクルをスタンドに立てかけて正立させます。
バッテリーケーブルを外し、バッテリーを取り外します。
1 ヶ月以上モーターサイクルを使用しなかった場合には、
バッテリーを点検し、充電または交換を行う必要がありま
す。
結露を防止し塗装を保護するため、モーターサイクルはカ
バーで覆ってください。カバーは Ducati Performance 社で
取り扱っています。
いくつかの国では ( フランス、ドイツ、イギリス、スイス
等 )、一定期間毎の義務点検以外に、それぞれの国の基準
としての排気ガス、騒音の規制を守らなければなりません。
このため、モーターサイクルには、これらの国々の規制に
適合する Ducati の特別純正部品をご使用ください。
JP
83
メンテナンス
メンテナンスプログラム: 公認の整備工場で行うメンテナンス
作業のタイプと作業リスト
( 距離または時間による期限 *)
Km. x1000
1
12
24
36
48
60
mi. x1000
0,6
7,5
15
22,5
30
37,5
6
12
24
36
48
60
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
月
エンジンオイルの交換
エンジンオイルフィルターの交換
エンジンオイル吸入フィルターの清掃
JP
エンジンオイル圧の点検
バルブクリアランスの点検と調整 (1)
チェーンテンションの点検 (1)
•
•
チェーンの交換
点火プラグの点検および清掃 必要な場合は交換
エアーフィルターの点検および清掃 (1)
•
エアフィルターの交換
スロットルボディの同期とアイドリングの点検 (1)
84
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
作業のタイプと作業リスト
( 距離または時間による期限 *)
Km. x1000
1
12
24
36
48
60
mi. x1000
0,6
7,5
15
22,5
30
37,5
月
ブレーキ / クラッチ液量の点検
6
12
24
36
48
60
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
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•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
ブレーキ / クラッチ液量の交換
ブレーキレバーおよびクラッチレバーの点検と調節
スロットルグリップおよびチョークレバーの点検および潤滑
タイヤの磨耗とタイヤ圧の点検
ブレーキパッドの交換 必要な場合は交換
ステアリングベアリングの点検
チェーンのテンション、アラインメント、および潤滑の点検
クラッチディスクパックの点検 必要な場合は交換 (1)
•
•
•
リアホイールの弾性継ぎ手の点検
ホイールベアリングハブの点検
ライト類とインジケーターの点検
エンジンフレームのネジを固定するナットの締めの点検
サイドスタンドの点検
フロントホイールナットの締め具合の点検
リアホイールナットの締め具合の点検
外部燃料ホースの点検
フロントフォークオイルの交換
フォークおよびリアショックからのオイル漏れがないことを確認
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
JP
85
作業のタイプと作業リスト
( 距離または時間による期限 *)
Km. x1000
1
12
24
36
48
60
mi. x1000
0,6
7,5
15
22,5
30
37,5
6
12
24
36
48
60
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
月
ピニオンの固定具合の点検
グリース塗布・注油一般
バッテリー充電装置の点検
モーターサイクルの路上テスト
モーターサイクルの清掃
•
* 最初の 2 つの期限(キロメートルおよびマイルによる距離または何ヶ月などの時間による期限)が切れる前にメンテ
ナンス作業を実施して確認してください。
(1) キロメートル / マイルによる期限に達した場合のみに行う作業
JP
86
メンテナンスプログラム: お客様が行えるメンテナンス
作業のタイプと作業リスト
( キロメートル / マイルの距離または時間による期限 *)
Km. x1000
1
mi. x1000
0,6
月
エンジンオイルレベルの点検
ブレーキ / クラッチ液量の点検
タイヤの磨耗とタイヤ圧の点検
チェーンのテンションおよび潤滑の点検
ブレーキパッドの交換 交換が必要な場合は、正規ディーラーに依頼してください。
6
•
•
•
•
•
* 最初の 2 つの期限(キロメートルおよびマイルによる距離または何ヶ月などの時間による期限)が切れる前にメンテ
ナンス作業を実施して確認してください。
JP
87
重量
走行中の乾燥重量
196 Kg。
最大積載重量:
410 Kg。
1462
2130
850,4
警告
重量制限を遵守しなければ、操縦性と性能の低下を招
き、車両のコントロールを失う原因となります。
1286
JP
485
485
(mm) ( 図 75)
341
341
全体寸法
186,2
850
技術仕様
図 75
88
補給
タイプ
リットル
燃料タンク、3 リットルのリザーブ分を含 RON 95 以上の無鉛ガソリン
む5
20
潤滑系統
SHELL - Advance Ultra 4
3,9
フロント / リアブレーキ、クラッチ
油圧系統用特殊ブレーキ液 SHELL Advance
Brake DOT 4
-
電極接点保護
電極保護スプレー SHELL Advance Contact
Cleaner
-
フロントフォーク
SHELL Advance Fork 7.5 または Donax TA
160 mm ( 各側 ) 鎧装の高部
から (1100S)
550 ( 各側 ) オイルレベル
の高さから (1100)
重要
燃料、オイル等には絶対に添加剤を加えないでください。
JP
89
エンジン
デスモドロミックタイミングシステム ( 図 76)
縦 90° L 型 4 サイクル 2 気筒 1100 cc デスモドロミッ
クエンジン。電子制御による噴射、空冷式。
ボア (mm):
98
ストローク (mm):
71,5
総排気量 cm3:
1079
圧縮比:
10,5 ± 0,5:1
シャフト最大出力 (95/1/CE)
63 kW - 86 HP / 7,750 rpm。
シャフト最大トルク (95/1/CE)
94 Nm - 9.6 Kg / 4750 rpm
許容最高回転数(rpm ):
8500
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
オープニング ( または上側 ) ロッカーアーム
オープニング(上側)ロッカーシム
スプリットリング
クロージング(または下側)ロッカーシム
リターンスプリング(下側ロッカーアーム)
クロージング(または下側)ロッカーアーム
カムシャフト
バルブ
1
重要
JP
どのような場合でも、許容最高回転数を超えてエン
ジンを作動させてはなりません。
タイミングシステム
デスモドロミックシステム。各気筒 2 つのバルブが、4 本
のロッカーアーム(2 オープニングロッカーアーム、2 ク
ロージングロッカーアーム)と 1 本のタイミングシャフト
により制御され、スパーギアとベルトローラー / コグドベ
ルトで駆動されるカムシャフトによって制御されます。
5
7
2
4
6
90
8
3
図 76
性能データ
エキゾーストシステム
各ギアにおける最高速度への到達は、適切な指定点検整備
を受けて、適正な慣らし期間が済んだ後に限ります。
排気ガス規制 Euro 3 に準拠した触媒を採用。
スパークプラグ
各シリンダーの点火はダブルプラグによって行われます。
この方法によりさらに確実な燃焼と最大パワーが引き出さ
れます。特に中回転域のときに顕著です。
メーカー:
CHAMPION
型式:
RA6 HC
または
メーカー:
NGK
型式:
DCPR8E.
燃料供給
JP
MARELLI 間接電子インジェクション
スロットルボディ口径:
45 mm
各気筒ごとインジェクター: 1
各気筒ごとホール: 1
燃料: 95-98 RON
91
トランスミッション
クラッチハウジングおよびディスクはアルミニウム特殊合
金製。
湿式クラッチ。ハンドルバー左側レバーによる操作。
エンジンとギアボックスメインシャフト間の駆動伝達はス
トレートカットギアによる。
ピニオン / クラッチスプロケット比:
32/59
6 速コンスタントメッシュギア、車体左側ペダルによる操
作。
ギアボックス / リアスプロケット比:
15/42
総ギア比:
1 速 15/37.
2 速 17/30.
3 速 20/27.
4 速 22/24.
5 速 24/23.
6 速 28/24.
チェーンによるギアボックスとリアホイール間駆動伝達:
メーカー:
RK
型式:
525 GXW
サイズ:
5/8" x 5/16"
リンク数
106
重要
上記のギア比は認可されたもので、どのような場合で
も変更してはいけません。
この車両を競技用に仕様変更する場合には、Ducati モー
ターホールディング社から 特別なギア比に関する情報を提
供いたします。正規ディーラーあるいは公認の整備工場に
お尋ねください。
警告
リアスプロケットの交換作業は、正規ディーラーまた
は公認の整備工場にお任せください。この部分の誤った交
換作業はライダーおよびパッセンジャーの安全に深刻な危
険をもたらし、車両に回復不能な損傷を与える原因になり
ます。
JP
92
ブレーキ
フロント
孔開セミフローティングダブルディスク
ハウジング素材:
スチール。
ブレーキレース素材:
スチール。
ディスク径:
320 mm。
ハンドルバー右側レバーによる油圧作動。
ブレーキ有効面積:
88 cm2
ブレーキキャリパーメーカー:
BREMBO
型式:
30/34 - 4 ピストン。
ブレーキパッド材質:
FERIT I/D 450FP
ポンプ形式:
PSC 16 補完タンク込み。
リア
孔開き固定式ディスク
ハウジング素材:
スチール。
ブレーキレース素材:
スチール。
ディスク径:
245 mm。
車体右側ペダルによる油圧作動。
ブレーキ有効面積:
32 cm2
メーカー:
BREMBO
型式:
34-2 ピストン。
ブレーキパッド材質:
FERIT I/D 450 FF.
ポンプ形式:
PS 11B。
警告
ブレーキ液は侵食性があります。液が目や皮膚に付着
した部分は大量の流水で洗浄してください。
93
JP
フレーム
高張力スチールパイプを用いたトレリスフレーム。
ステアリング角 ( 左右 ):
35°
ステアリングジオメトリー
キャスター角
24°
トレール:
92 mm。
ホイール
フロント
軽合金製リム、スポーク 6 本
サイズ:
MT3.50x17"。
JP
リア
軽合金製リム、スポーク 5 本
サイズ:
MT5.50x17"。
フロントホイールのアクスルシャフトは取り外し可能。リ
アはシングルアームフォークのハブに固定。
94
タイヤ
フロント
チューブレスラジアルタイヤ
サイズ:
120/70-ZR17
リア
チューブレスラジアルタイヤ
サイズ:
180/55-ZR17
サスペンション
カラーバリエーション
フロント
プリロード ( フォーク内部スプリング ) およびリバウンド
/ コンプレッション用外部アジャスター付き油圧式倒立
フォーク。
フォーク径:
43 mm。
作動長:
165 mm。
1100S
Ducati アニバーサリーレッド、コード no. F_473.101
(PPG)
透明 コード 228.880 (PPG);
フレームはレッド、リムはブラック。
リア
ショックアブソーバー上部のピボットポイントとフレーム
の間に、ロッカーアームが配置されたプログレッシブタイ
プ。
ショックアブソーバーはスプリングプリロードおよびリバ
ウンド / コンプレッションダンピングの調整が可能です。
ショックアブソーバー下部のピポットポイントは、軽合金
のスイングアームに接続されています。スイングアームピ
ボットシャフトはフレームおよびエンジンを貫通していま
す。このシステムは、モーターサイクルに高い安定性をも
たらします。
ダンパーストローク:
145 mm。
シャイニーブラック、コード 248.514 (PPG);
透明 コード 228.880 (PPG);
フレームはブラック、リムはブラック。
1100
Ducati アニバーサリーレッド、コード no. F_473.101
(PPG)
透明 コード 228.880 (PPG);
フレームはレッド、リムはブラック。
JP
95
電装
主要構成パーツは以下の通りです。
ヘッドライトは、2 個のハロゲンランプを備えており、以
下の部品で構成されています。
ロービームユニット H7 (12 V-55 W);
ハイビームユニット H7 (12 V-55 W) ヨーロッパおよび英
国向け - H9 (12 V- 65 W) USA 向け ;
パーキングライト 12 V-6 W
スイッチ ハンドルバー上
方向指示器、バルブ 12 V-10 W
警告ホーン
ストップライトスイッチ
バッテリー 密閉タイプ、12 V-10 Ah
ジェネレーター 12 V-520 W.
レギュレーター、30 A バッテリー側保護ヒューズ付き。
セルモーター Denso, 12 V-0.7 kW
テールライト ダブルフィラメントランプ 12 V- 5/21 W ス
トップライトおよびパーキングライト用 ; ナンバープレー
ト用 12 V-5 W
JP
メモ
バルブの交換は、「バルブの交換」の章を参照してく
ださい(ページ 68.
96
ヒューズ
メインヒューズボックス (1, 図 77) は左サイドフェアリン
グの下にあります(ページ 58). ヒューズを交換するには、
保護カバーを取り外します。
メインヒューズボックスの他に、バッテリーの横に他の
ヒューズがあります。
1
バッテリー横に配置されている 2 個のヒューズ (2、図 78)
はインジェクションシステムリレーおよびエンジンコント
ロールユニットを保護しています。
ヒューズ (3) は電子調節システムを保護し、ヒューズ (4)
はサイドスタンドのポジションセンサーシステムを保護し
ています。
図 77
JP
3
2
4
図 78
97
交換には、保護キャップを取り外して下さい (A, 図 79)。
切れたヒューズは、内部のフィラメントが切れていること
から判断できます (5, 図 80)。
A
2
重要
回路のショートを防止するため、ヒューズ交換の前に
は、イグニッションキーを OFF にしてください。
警告
規定の性能と異なるヒューズを決して使用しないでく
ださい。このルールを守らない場合には、電気系統に損傷
を与え、火災の原因となることもあります。
図 79
5
JP
5
図 80
98
電装図凡例 / インジェクション
1) ハンドルバー右側スイッチ
2) イグニッションスイッチ
3) ヒューズボックス
4) ヒューズ
5) セルモーター
6) スターターコンタクター
7) バッテリー
8) マスターヒューズ
9) レギュレーター
10) ジェネレーター
11) リア方向指示器 ( 右側 )
12) テールライト
13) リア方向指示器 ( 左側 )
14) ナンバープレートライト
15) 燃料タンク
16) スパークプラグ ( 水平シリンダー )
17) スパークプラグ ( 垂直シリンダー )
18) インジェクションリレー
19) 自己診断コネクター
20) コイル ( 垂直シリンダー )
21) コイル ( 水平シリンダー )
22) スパークプラグ ( 水平シリンダー )
23) スパークプラグ ( 垂直シリンダー )
24) インジェクター ( 水平シリンダー )
25) インジェクター ( 垂直シリンダー )
26) スロットルポジションセンサー
27) エンジン回転数 / 位相センサー
28) オイル温度センサー
29) 速度センサー
30) サイドスタンドスイッチ
31) ニュートラルスイッチ
32) オイル圧スイッチ
33) リアブレーキ STOP ライトスイッチ
34) ステッパーモーター
35) 点火 / 燃料噴射ユニット
36) クラッチスイッチ
37) フロントブレーキ STOP ライトスイッチ
38) オイル温度センサー - メーターパネル
39) ハンドルバー左側スイッチ
40) イモビライザーアンテナ
41) 気温センサー
42) メーターパネル
43) ライトリレー
44) フロント方向指示器 ( 左側 )
45) ヘッドライト
46) フロント方向指示器 ( 右側 )
47) 警告ホーン
48) グリップケーブル接続
JP
99
配線カラー表
B 青
W 白
V 紫
Bk 黒
Y 黄
R 赤
Lb 水色
Gr 灰色
G 緑
Bn 茶
O オレンジ
P ピンク
ヒューズボックス凡例
配置
利用対象
値
a
イグニッションスイッチ ON
10 A
b
ライト
15 A
c
警告ホーン、ストップ、パッシング
15 A
D
計器パネル
5A
e
グリップヒーター
5A
F
インジェクション
20 A
G
エンジンコントロールユニット電源
3A
h
メーター
30 A
メモ
JP
電装図は、このマニュアルの最後にあります。
100
定期点検メモ
km
名前
Ducati サービス
走行距離
日付
1000
12000
24000
36000
48000
60000
JP
101
Stampato 06/2006
Cod. 913.7.125.1B
Ducati Motor Holding spa via Cavalieri Ducati, 3 40132 Bologna, Italia
Tel. +39 051 6413111 Fax +39 051 406580
www.ducati.com
01
02
RW RBk
1
R/G
FREE
OFF
PUSH
RUN
R
G/Bk
G/R
a
Y
LOCK
2
PARK
AMP
3
10A
b
R/Bk
OFF
Bk
c
O
W/B
Y/R
09
P/Bk
6
2
R
Y
05
06
11
07
3 A
5A
5
e
Y
47
20 A
15A
d
3
g
15A
ON
O
04
f
V/Bk
Bk
+
48
03
ENGINE STOP
BW Bk
5A
R/B
08
-
STARTER
B/Bk
h
R/W
46
Bk
Y
W/G
10 W
R/Bk
K
Bk
R
Bk
1N4007
R/Y
R/B
R
R
A
Y Y Y
R
30 A
11
10W
Bk
R
R/G
W/Bk
W/G
Bk
ON USA VERSION
H9-12V/65W
ON EU UK VERSION
H7-12V/55W
LOW
45
Bk
H7
12V/55W
HI
n.c.
n.c.
n.c.
n.c.
n.c.
12V/6W
9
6
5
7
10
8
1
4
3
2
W
G
Bk
Y
1
2
3
4
5
Y
Gr/R
W
G
Bk
1
6
3
5
4
2
Y
Gr
Gr
W
Bk
Y/Bk
10W
Y
13
Bk
n.c.
n.c.
n.c.
n.c.
n.c.
POS.
5W
Bn/Y
44
12
5/21 W
14
Bn/Y
18
W/Bk
10 W
Bk
Y/R
O
43
Bk
Bn/Bk
IAW5AM2
OFF
RBk BY RY
RBk Br
G O Gr
HORN
DIMMER
W/Y
Y/G
Gr/R
Bn/G
W
W/R
Bk
20
O
Bk/G
Bn/W
21
Gr/G
Bn/W
Gr/B
1 2 3
HALL
PASSING
39
OIL
MOT
V
O
1
29
A B C
28
27
27
25 24
2
17 23
1
2
f
30
O
f
32 31
V
f
33
POT
f
34
MTS1100/MTS1100S
R/B
A B C D
37 36
Bk/V
G
V
3
2
1
TURN
W
2
1
BkW BkY
L
Bn/R
Gr
LB
1 f
PUSH
LO
16 22
1 2 3 4
Lb
P/Y
G/Y
2 f
HI
OFF
G/B
Bk/V
LB
SPEED
ANTENNA -
1
2
ANTENNA +
1
f
f
B
A
AIR
GND
40
PUSH
N
R/Bk
Bn/R
f
41
R
ENGINE 13
ENGINE 18
ENGINE 9
ENGINE 19
ENGINE 17
Bk/B
Y/G
W/Y
Bk/G
Bn/W
FRONT STOP
R/Y
f
AIR
B
Gr/G
Gr/B
Gr/R
W
Gr/B
Bn/G
1 f
R/B
Bk
SIDE STAND
W
R/B
n.c.
NEUTRAL
V/Bk
Y/Bk
B/Bk
R/B
Y/R
OIL PRESS
W/Bk
REAR STOP
Gr/B
W/G
f
Bk/Gr
Bk
Cav. sch.
2 f
38
G/Bk
19
Cav. sch.
Gr/G
Bk/Gr
Bn/W
Bn/W
Bk
AMP
Bk/V
O
1
n.c.
Bk/V
Calza Cavo Sch.
f
f
n.c.
1
n.c.
2
n.c.
O/W
G/Y
2
1
G/Bk
n.c.
100 ohm
2W
G
W/R
P/Y
3
Gr/B
O/W
P/Y
Bn/W
R/Y
O/B
Bn/Bk
f
f
B/Bk
Bn/G
G/Bk
2
1
W/G
B/W
P/Bk
Gr/G
G/Y
W/Bk
Y/Bk
W/Bk
R/Y
R/Bk
f
f
f
W/G
Bk
Bk/V
Bn/G
O
R/Y
2 1
Bn/W
B
B/Bk
f
f
f
R/Y
R/Bk
1 2 3 4
W/B
SC
11
28
Gr/G
Lb
G/B
B/W
f
n.c.
G/Bk
Bk/B
f
f
O/B
BODY 11
BODY 22
BODY 32
BODY 23
BODY 28
BODY 33
BODY 1
BODY 4
BODY 17
BODY 27
BODY 29
BODY 20
BODY 7
BODY 6
BODY 16
BODY 24
BODY 38
ENGINE 28
ENGINE 37
ENGINE 29
ENGINE 3
ENGINE 34
ENGINE 25
ENGINE 35
ENGINE 5
ENGINE 38
ENGINE 32
ENGINE 10
ENGINE 14
ENGINE 23
ENGINE 20
ENGINE 22
Bk/V
W
W/G
CLUTCH
1
Bk
W/Bk
f
42
Bk/Bn
15
Bn/w
35
2
22
13
7
15
10
14
8
1
20
21
6
18
12
3
9
4
5
16
24
11
19
26
25
23
17
Bn/W
Y/R
49