コレステロールの多い食品に注意する

高脂血症を予防するには、食生活の見直しが一番重要になります。
食生活改善のポイントと調理の工夫のポイントについて紹介します。
★コレステロールの多い食品に注意する★
LDLコレステロールが高い方は、食事で摂る1日のコレステロールは
300mg以下に抑えるようにしましょう。
コレステロールは卵類・内臓類・バター・肉類に多く含まれています
ので摂り過ぎないようにしましょう。
☆コレステロール含有量☆
中2尾
コレステロール
含有量(mg)
60
カステラ
1切
56
222
ケーキドーナツ
1個
55
中1個
210
鶏ささ身
2枚
47
豚レバー
60g
150
さざえ
中1個
42
牛レバー
うなぎ蒲焼
60g
中2切
144
138
すずき
しらす干し
中1切
大さじ 2
40
39
たらこ
1/2 腹
123
プロセスチーズ
2枚
31
100g
120
かき(貝)
5個
26
足1本
120
いか塩辛
大さじ 1
23
鶏もも肉(皮付)
100g
98
バター
大さじ 1
21
ししゃも(生干)
2尾
92
生クリーム
大さじ 1
18
中2尾
85
あさり
10 個
8
100g
79
しじみ
中 10 個
4
食品名
目安量
コレステロール
含有量(mg)
380
きす
いか
中1杯
卵黄
中1個
252
鶏レバー
60g
鶏卵
鶏手羽肉
茹たこ
車えび(養殖)
鶏むね肉(皮付)
食品名
目安量
★ポイント★
卵……卵は1個中に1日のコレステロール摂取量の約2/3にあたる210mgも含まれて
いますが、そのほとんどが黄身の部分に含まれています。
白身には1mg以下しか含まれていません。
コレステロールを気にされている方は、白身だけを使った料理がおすすめです!
イカ…コレステロールを多く含みますが、タウリンという成分も多く含むので、多量に食べ
過ぎなければ心配ないとされています。タウリンはアミノ酸の一種で、肝機能を活発
にし、コレステロール値を上げないようにしたり、血圧を正常に調整する働きをします。
★脂肪は質と量を考える★
脂肪の成分には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
飽和脂肪酸……動物性の脂に多く含まれ、コレステロールを増やす働きをします。
不飽和脂肪酸…植物性の油脂や魚の脂に多く含まれ、コレステロールを減らす
働きをします。
※あくまでも脂ですので、取り過ぎには注意しましょう。
高脂血症は動脈硬化を進行・悪化させやすいので、
動物性脂肪の多い食品は控えましょう。
飽和脂肪酸
代表的な脂肪酸
パルミチン酸
ステアリン酸
不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸
オレイン酸
n‐6系多価不飽和脂肪酸
リノール酸
n‐3系多価不飽和脂肪酸
EPA・DHA
α‐リノレン酸
油脂の種類
乳製品・肉などの動物性油脂や
パーム油・ヤシ油など一部の植物性油脂
オリーブ油・菜種油
サフラワー油・ひまわり油・コーン油
ごま油・米ぬか油
サンマやサバなどの青背魚の油脂
しそ油・大豆油・えごま油
※EPA→エイコサペンタエン酸 / DHA→ドコサヘキサエン酸
理想的な脂肪酸バランス比率は
動物性脂肪:植物性脂肪:魚脂=4:5:1
n-6系脂肪酸:n-3系脂肪酸=4:1
飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3
といわれています。
★食物繊維をたくさん摂る★
食物繊維は胆汁酸とくっついて排泄されるため、胆汁酸のもとになるコレステロ
ールを減らしてくれます。
野菜・きのこ・海藻・豆類・穀物などに多く含まれます。
食物繊維摂取目標量は1日20~30gです。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と、水に溶けにくい不溶性の2種類があります。
水溶性食物繊維…コレステロールを減らす効果が高く、
緑黄色野菜や豆類、海藻類に多く含まれて
います。
不溶性食物繊維…腸の働きを活発化し、便のカサを増やして
便通を良くします。
同時にコレステロールも体外に一緒に排泄
されます。
きのこや野菜に多く含まれています。
☆食物繊維を多く含む食品☆
2枚(60g)
食物繊維
含有量(g)
3.1
100g
4.7
芽キャベツ
4~5個(50g)
2.3
2.6
生しいたけ
30g
1.4
インゲン豆(乾) 12~13粒(20g)
4.0
しらたき
30g
1.1
切干大根
きな粉
10g
大さじ 2 杯(10g)
1.8
1.7
ごぼう(水煮)
カボチャ
50g
80g
1.8
2.4
小豆(乾)
大さじ 2 杯(20g)
3.2
玄米
1/2カップ(70g)
2.0
大豆(乾)
大さじ 2 杯(20g)
3.0
コーンフレーク
40g
1.2
ごま(煎り)
大さじ 2 杯(10g)
1.2
ブロッコリー
70g
1.9
小パック(50g)
4.8
キウイフルーツ
1個(100g)
2.7
おから
50g
4.7
ほうれん草
70g
1.8
枝豆
50g
2.7
干しうどん(乾)
100g
2.1
食品名
目安量
食物繊維
食品名
含有量(g)
1.5
ライ麦パン
きくらげ
2g
干しひじき
5g
2.7
干し蕎麦(乾)
干ししいたけ
2g
0.9
10g
かんぴょう(乾)
納豆
目安量
☆食物繊維の上手な摂り方☆
・緑黄色野菜を意識的に食べる
→淡色野菜よりも緑黄色野菜の方に食物繊維が多く含まれているので、1日の
野菜の1/3以上は緑黄色野菜で摂るようにしましょう。
1日摂取目安量:淡色野菜→230g 緑黄色野菜→120g
・野菜は煮たり茹でたりして食べる
→火を通すと効率よく摂ることができ、加熱してカサを減らすことで摂取量を
増やすことができます。
・米やパンの種類を選ぶ
→米なら玄米や七分づき米、パンはライ麦パンや全粒粉パン、小麦胚芽入りの
ものに食物繊維が多く含まれています。
・「おふくろの味」を食卓に
→きんぴらごぼうや、ひじき、切干大根などのお惣菜には
食物繊維が多く含まれています。
・海藻類・きのこを上手に使う
→低カロリーで食物繊維が豊富なため、他の食品と混ぜることにより、カサが
増えてボリュームがアップします。満腹感を得ながらカロリーコントロール
ができます。
★抗酸化食品を十分に摂る★
血液中のコレステロールは酸化されることで、更に動脈硬化を進行させてしまい
ます。酸化を防ぐビタミンC・E・βカロチンを多く含むものを摂るようにしま
しょう。
☆ビタミンC☆
ビタミンCは水や熱に弱いので、そのまま果物をとるか、調理する場合は
さまざまな栄養素が溶け出した汁物にするのがおすすめです。
(いちご・ピーマン・ブロッコリー など)
☆ビタミンE☆
ビタミンEが豊富な食品の多くは、脂肪分を多く含むので摂りすぎに注意
しましょう。
(アーモンド・かぼちゃ など)
☆βカロチン☆
βカロチンは熱に強く、油に溶けやすいという性質があります。
油を使って調理したり、油を使った料理と一緒に食べるか、あるいは油を
含んだ食品と一緒にとると吸収がよくなります。
(にんじん・春菊など)
※ これらの栄養素は食事からの摂取を基本とし、サプリメントなどの栄養補助食品では
補う程度にしましょう。
★アルコールや甘いものを控えめにする★
アルコールはエネルギーが高く、肝臓で中性脂肪が作られやすくなります。
菓子類に含まれる糖分は吸収が早く、一度にたくさん摂ると余った分は中性脂肪
になってしまいます。また果物にも糖分が含まれています。
飲酒や食後のデザート、間食はできるだけ控えましょう。
☆飲酒の適量☆
日本酒で1合弱(180ml)
、ビールで中瓶1本(500ml)
、焼酎で 0.5 合
(90ml)、
ウィスキーでダブル 1 杯(60ml)
、ワインでグラス 2 杯(200ml)までとし、
中性脂肪の多い方は更に減らすようにしましょう。
☆菓子類☆
洋菓子よりも和菓子を選びましょう。
どちらも糖分が多いという点は同じですが、洋菓子に多い動物性脂肪は和菓子に
はほとんど含まれていません。
★調理のポイント★
☆魚のおいしい食べ方☆
さばやさんま、はまちなどの背の青い魚には不飽和脂肪酸
であるEPAが多く含まれているため、
脂を外に逃さない工夫をしましょう。
・ 焼き魚にすると、せっかくのいい脂が落ちてしまうので、刺身や煮魚、
ホイル焼きがおすすめです。
・新鮮な魚を食べましょう。干物は特に酸化しやすく、酸化した脂は動脈硬化を
進行させてしまいます。
・背の青い魚は生姜やゆず、レモンなどを使うと臭みがおさえられます。
☆肉のおいしい食べ方☆
肉の脂にはコレステロールを増やす働きのある飽和脂肪酸が
多く含まれているため、脂を取り除く工夫をしましょう。
~脂を取り除くポイント~
・ 牛肉や豚肉は脂分の少ない赤身を選び、鶏肉は皮や皮の下の脂肪を取り除く。
・ ハムはボンレスハム、ひき肉は脂肪の少ないものを選ぶ。
・ 生の段階で脂身を包丁で取り除く→約40%脂肪をカット
・ 霜降りの薄切り肉は下ごしらえとして、茹でてから調理する
→約30%脂肪をカット
・ 鶏肉は皮を取り除き蒸す→約70%脂肪をカット
・ 脂分の多いロースはフライパンや鉄板を使わずに網焼きにする
→約10%脂肪をカット