成年後見制度 成年後見制度の概要と活用に向けて 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート徳島支部 http://ls-tokushima.jpn.org/ 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート 法律行為(契約)と高齢者や障害者との関わり 高齢者・障害者等の権利を擁護することを目的に司法書士を正会員として 1999年12月22日に設立された全国組織の社団法人。 (2000年4月1日介護保険法・成年後見関連四法施行) 現在、約7,400名の会員が、全国各都道府県50ケ所の支部を中心に成年 後見制度等を利用して高齢者・障害者等の権利を護る活動を展開。 親族以外の第三者後見人 として家庭裁判所から多数選任されています 主な活動 後見制度や申立手続き等の相談 「親族後見人養成講座」、「講演会や説明会」、「シンポジウム」の開催 ● 地域包括支援センター等行政や福祉・医療関係の皆様等と協力しなが ら虐待防止等「高齢者・障害者等の権利擁護」ための支援活動 ● 書籍の発刊等成年後見制度普及活動 ● 成年後見制度の改善研究・提言活動 ● 一郎 88歳 ● 一郎 88歳 妻 花子 86歳 夫の土地を売りたい。手続きは私がします。 一郎さんは極度の認知症で正常な判断ができなくなりました 一郎 88歳 妻 花子 86歳 「妻」であっても、夫の代理はできない! 長男 マサオ 58歳 長男 マサオ 58歳 一郎 88歳 父一郎の預金を解約したい。手続きは、僕がします。 契約 一郎 88歳 「子供」であっても、親の代理はできない! 法律行為(契約)と高齢者や障害者との関わり 妻 子 本人 父 太郎 49歳 母 花子 47歳 家族 一郎 19歳 重度の知的障害者 契約においては家族も他人 法律行為(契約)と高齢者や障害者との関わり 長男 一郎(未成年) 父 太郎 母 花子 一郎さんが未成年の間は、太郎さんと花子さんには 親権 があります そして親権者には 代理権があるので・・・一郎さんの代理が出来る! 父 太郎 55歳 母 花子 53歳 一郎 25歳 重度の知的障害者 一郎さんは成人しました 一郎 25歳 重度の知的障害者 母 花子 53歳 一郎 25歳 重度の知的障害者 一郎名義の定期預金を解約したい。 手続きは私がします。 一郎 25歳 重度の知的障害者 母 花子 53歳 意思表示 「母」であっても、既に親権者ではないので 成年である子の代理はできない! 一郎 25歳 重度の知的障害者 施設を代わる必要がある場合の入所契約。 手続きは私がします。 母 母 花子 53歳 母 花子 53歳 「母」であっても、成年である子の代理はできない! 成年後見制度 成年後見制度 判断能力の不十分な成年者を 契約など意思表示の必要な場面で保護する制度 本人 家族 意思表示においては家族も他人 事 故 事 故 病 気 病 気 などで判断能力が不十分になった人 認知症 認知症 知的障害者 精神障害者 法定後見制度と任意後見制度 法定後見制度 家庭裁判所で選任 法定後見 ・・・家庭裁判所で選任 ● 既に判断能力が低下 任意後見・・・任意後見契約(×家庭裁判所) ● 将来判断能力が低下したとき のためにあらかじめ準備 本人 成年後見人 法定後見制度 法定後見制度 本人の代理ができる! 本人の代理ができる! 本人 成年後見人 本人 成年後見人 法定後見制度 法定後見制度 家庭裁判所で選任 本人の代理ができる! 本人 成年後見人 司法書士Aさん 本人 成年後見人 司法書士Aさん 法定後見制度 本人の代理ができる! 法定後見制度 判断能力が不十分な人のための制度 1 2 ほとんど判断することができない 後 見 後 見 判断能力が著しく不十分 保 佐 保 佐 3 本人 成年後見人 母 花子さん 判断能力が不十分 補 助 補 助 本人 法定後見制度 成年後見人等の権限 1 同 意 権 2 取 消 権 補助 保佐 後見 法定後見制度 法定後見制度 成年後見人の仕事の概要 成年後見人の仕事の概要 1 1 生活・療養看護 2 財産の管理 生活・療養看護 ・介護契約 ・施設入所契約 ・入院の申込 ・健康診断の受診手続き, ・住居の確保(賃貸借の契約) ・訪問による健康状態の見守り ・施設や病院の処遇の監視 法定後見制度 法定後見制度 成年後見人の仕事の概要 成年後見人の仕事の概要 1 2 生活・療養看護 財産の管理 ・本人の財産を管理 ・事実行為(介護そのもの) ・本人の財産に関する 法律行為の代理 ・施設での身元引受 ・本人が行った行為の 取消権の行使 ・医療行為の同意 これらの行為は後見人の職務ではありません 法定後見制度 2 財産の管理の際の注意点 遺産分割の場合の例 成年後見人の仕事の概要 2 財産の管理の際の注意点 ・預金の名義 ・投機的運用の禁止 父 太郎 死亡 母 花子 ただしAさんは一郎さん の法定相続分を確保しな ければならない ・遺産分割協議 ・本人の財産がなくなった場合 花子さんとAさんで 遺産分割協議ができる 一郎 25歳 重度の知的障害者 一郎さんの後見人 司法書士A 2 財産の管理の際の注意点 遺産分割の場合の例 法定後見制度 成年後見人の仕事の概要 父 太郎 死亡 一郎 25歳 重度の知的障害者 母は、後見人として一郎さ んを代理して遺産分割協議 母 花子 はできない 後見人 相続人花子さんと、一郎さ 協議 んの後見人としての立場で ある花子さんとで、利益が 相反するため 遺産分割協議をするために は、一郎さんの特別代理人 の選任が必要 特別代理人 2 財産の管理の際の注意点 ・後見の費用 本人の財産から支出 ・報酬 裁判所の審判により決定 し、本人の財産から支出 後見人等の報酬 法定後見制度 保佐人の仕事の概要 報酬付与の申立 1 同意権・取消権 2 代 理 権 家庭裁判所が審判(判決)で決定 被後見人の財産の中から、後見人に付与される 報酬額は被後見人の資力やその他の事情を考慮して決定される 法定後見制度 法定後見制度 保佐人の仕事の概要 保佐人の仕事の概要 1 同意権・取消権 ・民法13条規定の行為 重要な法律行為 1 同意権・取消権 ・民法13条規定の行為 重要な法律行為 法定後見制度 法定後見制度 保佐人の仕事の概要 補助人の仕事の概要 2 代 理 権 ・家庭裁判所の審判 法律上制限無し 1 同意権・取消権 ・本人の同意が必要 2 代 理 権 法定後見制度 法定後見制度 補助人の仕事の概要 補助人の仕事の概要 1 2 同意権・取消権 ・民法13条の行為の内から 家庭裁判所の審判 ・本人の同意が必要 代 理 権 ・家庭裁判所の審判 法律上制限無し ・本人の同意が必要 法定後見制度 法定後見制度 後見人就任直後の仕事 後見人就任中の仕事 1 被後見人の財産の把握 1 適正な財産管理 2 役所・金融機関への届け出 2 生活・療養看護 3 財産目録・収支予算表 の作成→家裁へ提出 3 家庭裁判所への定期的 な報告 法定後見制度 法定後見制度 後見の終了 後見終了時の仕事 1 本人もしくは後見人の死亡 1 財産の引き渡し 2 裁判所への報告 本 人の死亡:後見自体が終了します 後見人の死亡:後見自体は終了せず後任者が選任されます 2 本人の能力の回復 後見自体が終了します 3 解任・辞任 後見自体は終了せず後任者が選任されます 申立てのきっかけになった事柄の目的が達せられても, 成年後見人等としての役目が終わるわけではありません 葬儀については、行う義務はありません (裁判所ホームページ公表資料より) 後見の申立手続きの流れ 過去5年間の申立件数の推移 審理期間 法定後見制度 (裁判所ホームページ公表資料より)(H26) 申立の準備 申立人と申立先 申し立てることができる人は限定されている ・ 本人(成年後見開始の審判を受ける者) ・ 配偶者 ・ 四親等内の親族 ・ 未成年者後見人 ・ 未成年者後見監督人 ・ 保佐人 ・ 保佐監督人 ・ 補助人 ・ 補助監督人 ・ 検察官 ・ 市町村長 申立先? 本人の住所地の家庭裁判所 1 必要な書類を集める 2 申立書類の作成 3 申立日の予約 申立に必要な費用と書類 ■ 費 用 ・ 収入印紙800円 (補助・保佐の場合は件数に注意) ・ 郵便切手(3,000円) 1,000円×1枚 500円×2枚 82円×10枚 20円×7枚 10円×3枚 1円×10枚 ・ 収入印紙 2,600円(登記用) ・ 鑑定料(5万円~10万円程度) 植物状態にある場合などは鑑定が省略される ことがある(家事審判官の判断) 申立に必要な費用と書類 成年後見人等と本人との関係 (裁判所ホームページ公表資料より)(H26) ■ 書 類 ・ 申立書・申立書附票1~3 各1通 ・ 申立人の戸籍謄本 1通 ・ 本人の戸籍謄本、住民票、診断書、 登記されていないことの証明書 各1通 ・ 候補者の戸籍謄本、住民票 各1通 ・ 候補者の陳述書 ・ 財産目録・収支一覧表 ・ 財産や負債に関する資料 ・ 親族関係図、親族の同意書 法定後見制度 後見人等になれない人 ・未成年者 ・家庭裁判所で免ぜられた法定 代理人・保佐人・補助人 ・破産者 ・本人に対して訴訟をし、又は した者及びその配偶者並びに 直系血族 ・行方の知れない者 任意後見制度 自分で後見人を選任し、契約 を結ぶ 契約 公正証書 本人 任意後見人 任意後見制度 任意後見制度 自分で信頼できる人を選び、契約を結ぶ 契約 ・本人=現在は十分な判断能力 公正証書 ・判断能力が不十分になった場合 における、任意後見人をあらかじ め決めておく制度 本人 ・判断能力低下→家庭裁判所が任 意後見監督人を選ぶ 任意後見契約受任者 判断能力が低下 家庭裁判所へ申立て 家庭裁判所 後見監督人選任 = →この時点で契約の効力発生 本人 契約の効力発生 報告 監督 報告 任意後見人 任意後見制度 希望に合わせた4つのプラン ①将来型・・・今は元気!将来判断能力が低下して からの支援がほしい。 ②移行型・・・既に今困っている。判断能力が低下す る前からの支援がほしい。 ③段階型・・・今は元気!将来身体が不自由になっ たときからの支援がほしい。 ④即効型・・・既に判断能力が低下している。今か らすぐにでも支援がほしい。 法定後見制度と任意後見制度 ・任意後見 > 法定後見 任意後見制度 「見守り契約」・・・連絡をとったり、実際にお会いした りして健康や生活の状態に変化が ないか見守る 「任意代理契約」・・・契約に定めた委任事務(財産管 理など)を行う 希望のプランに合わせて、任意後見契約と ともに各契約を締結し、支援します。 お気軽にご相談を (公社)成年後見センター・リーガルサポート HP:http://www.legal-support.or.jp ・本人の判断能力について ・代理権の範囲について ・死後の事務について ・後見人の報酬について 徳島支部 TEL:088-622-1865 HP:http://ls-tokushima.jpn.org (各無料相談のご案内を掲載しております。)
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