スマホブランディング THE 仕事人 「前例通り」が通用しないのが、変化の激しい今の時代。特に消費者のお気に入りメディア がスマホへシフトするなど、メディア接触が大きく変化する中で、マーケターは常にチャレ ンジが求められる厳しい仕事になっています。そんな環境にポジティブに向きあい、挑戦 を続けている新時代のマーケターの方たちに、現在の課題、そして未来構想を伺います。 今月の仕事人 「スマホで日常の中でブランドとの接点を増やしたい」 日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC CONTENT EXCELLENCE マネージャー 八尾良太郎氏 (やお・りょうたろう)Delphys、Saatchi & S a a t c h iを経て、2 0 0 7年日本コカ・コーラ入 ブランドとしての鮮度を常に保ち、 を受け取った消費者に爽健美茶を飲ん 売上を伸ばすためにどのような施策を でみようと思ってもらえたのだと思い 打てばいいのか。この課題の解決のた ます」と話すように、キャンペーンに め、デジタルそしてスマホの有用性に よって売上は大きく伸びた。 着目した日本コカ・コーラの取り組み とは。 今回のキャンペーンのように音楽を ストリーミングして聴く場合、デバイ スとして多くの人が使用しているのが 八尾良太郎氏が所属するマーケティ スマホだ。 「ブランドとの接点を増やす ング本部 I M C コンテントエクセレ 意味でもスマホは重要視しています」 ンスは、日本コカ ・ コーラのコミュニ (越智氏) 。 社。TEA CATEGORY: 綾鷹、爽健美茶、日本 ケーション戦略を担う部署だ。 「認知度 さらに今回のキャンペーンでは情報 の烏龍茶 つむぎ、からだすこやか茶 W、JUICE が高い製品のコミュニケーションは手 を拡散・浸透させるためにキュレー に取ってもらうきっかけをつくること ションメディアを活用。爽健美“音” が課題。飲料は店頭でのコミュニケー ボトルキャンペーンではa n t e n n a *に ションが重要ですが、POPやポスター 5 回出稿した。ターゲット層である女 で購買喚起するのは非常に難しい。そ 性との親和性が高く、ブランドの世界 こでパッケージ含めて、製品自体がメ 観を届けられる場であったことが選定 ディアになるようなコミュニケーショ の理由だ。 CATEGORY: ミニッツメイド、QOO等のIMCを 担当。コミュニケーションブリーフ、コミュニケー ションストラテジー開発、クリエイティブ表現など、 Liquid & Linkedコミュニケーション開発を行う。 ンを考えています」 (八尾氏) 。 こうした志向が結実した好例が「爽 日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC iMarketing アシスタントマネージャー 越智麻央子氏 (おち・まおこ)楽天 ECコンサルタントを経て、 2014年日本コカ・コーラ入社。TEA CATEGORY:爽 健美茶、日本の烏龍茶 つむぎ、JUICE CATEGORY: ミニッツメイド、 Q o o N E W 、 H Y D R A T I O N CATEGORY :アクエリアスビタミン、Toreta!の IMCを担当。SNSやブランドサイト、WebPRなど のDigitalCommunication戦略開発を行う。 160 宣伝会議 2016.2 「爽健美茶を飲むことと、キレイに なることの関係を、テレビC Mの短い 健美茶」で 2015 年春から夏に実施し 時間だけではなかなか伝えられません。 た「爽健美“音”ボトルキャンペー その背景を、a n t e n n a *でストーリー ン」だ。ボトルに記載されたシリアル として読んでもらい、理解が深まれば、 コードをブランドサイトで入力する リーチも広がると考えました」 (八尾 と、 “キレイになるための音楽”をスト 氏) 。 リーミングできる、というもの。 C M では伝えきれない部分を担うの コミュニケーション戦略のイ がデジタルの役目だと考える越智氏 ンタラクティブ部分を担う I M C は、 「リッチコンテンツで消費者に寄り i M a r k e t i n g アシスタントマネー 沿った形のブランドメッセージを届け ジャーの越智麻央子氏が「今回のキャ られるようにしたい」と考えている。 ンペーンではボトル自体がメディア また八尾氏は、 「長い歴史を持つおな となり、テレビC Mからブランドサイ じみのブランドでも、魅力的なニュー トや店頭まで、連動したコミュニケー スを発信して鮮度をあげていけるよ ションとなりました。 “音楽を聴くだけ うに今後も挑戦していきたい」と語っ でキレイになれる”というメッセージ た。 2016.2 宣伝会議 161
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