梅 津 庸 一 「智・感・情・A 」 2014年 4月19日(土) - 5月24日(土) 早春の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 ARATANIURANO で は 、4 月 19 日 か ら 5 月 24 日 ま で 梅 津 庸 一 個 展 「智・感・情・A 」 を 開 催 いたします。 〒108-0072 東京都港区白金3-1-15-2F 3-1-15-2F Shirokane Minato-ku Tokyo 108-0072 Japan Tel +81-(0)3-5422-8320 [email protected] www.arataniurano.com 1 梅津庸一( 1 9 8 2 年 山 形 県 生 ま れ )は東京造形大学絵画科 卒 業 後 、第 9 回岡本太郎記念現代芸術大賞 「で 展( 2 0 0 6 年)に て 準 大 賞 を 受 賞 し 、近 年 で は「絵画説明会 」( 2 0 1 1 年 、スプラウトキュレーション ) 、 あ、しゅとぅるむ 」( 2 0 1 3 年 、名古屋市民ギャラリー矢田 ) と い っ た 絵 画 の 制 度 的 問 題 や 受 験 教 育 の 痕 跡を辿る実験的な展覧会にも参加しています。5年ぶりの個展となる本展では、タイトル に も あ る《 智・ 感・ 情 》を 基 軸 に 美 術 史 へ の 複 数 の 点 か ら の 接 続 を 試 み ま す 。 こ れ ま で 梅 津 は 、 取 り 組 ん で き た“ 自 画 像 ”と い う テ ー マ の な か で 、 身 の 回 り の こ と や 、 日 本 の 近 代 絵 画 に 影 響 を 与 え た ラ フ ァ エ ル・コ ラ ン ( 1 8 5 0 - 1 9 1 6 ) の「フ ロ レ ア ル」を は じ め 、 彼に師事し日本の美術教育の礎を築いた黒田清輝 (1866-1924)らの作品を引用してきまし た 。無 数 の 光 の 粒 で 構 成 さ れ る か の よ う な 独 自 の 色 彩 と 筆 致 を 用 い て 、露 わ に な っ た 作 家 自 ら の す が た を 、理 想 化 す る こ と な く あ り の ま ま 描 き 出 す 行 為 か ら は 、身 体 的 特 徴 す ら も 作品として定着させようとする姿勢が見受けられます。 先 に 述 べ た《 智・ 感・ 情 》 と い え ば 、 黒 田 清 輝 が 1 8 9 9 年 に 発 表 し た 裸 体 画 で す 。数 々 の 研 究 が な さ れ て も な お 、作 者 本 人 に よ る 言 及 が な い た め に 謎 が 多 く 、そ れ ゆ え 人 々 を 惹 き つ け 続 け ま す 。日 本 人 画 家 に よ る 初 め て の 日 本 女 性 の 裸 体 画 、と い う 事 実 の 鮮 烈 さ が 先 行 し が ち で す が 、平 滑 な 金 地 の 背 景 、西 洋 美 術 に 基 づ き 理 想 化 さ れ た 女 性 の 身 体 な ど を 用 い 、 日 本 を 含 む ア ジ ア / 東 洋 の 美 術 を 世 界 的 な 美 術 史 に 対 し て 示 し 、具 体 的 な 思 想 と の 関 係 性 を女性のポーズやタイトルに内包する東洋の自画像として表現しているかのようです。 ま た《 智・ 感・ 情 》に 触 れ る う え で 、 村 上 隆 が 2 0 1 0 年 に 制 作 し た《 黒 田 清 輝 へ の オ マ ー ジ ュ「 智・ 感・ 情 」》 の 存 在 を 避 け る こ と は で き ま せ ん 。 黒 田 と 同 じ 金 地 の 背 景 に 描 か れ た の は 、イ ラ ス ト レ ー タ ー に よ る ア ニ メ 風 の 女 の 子 で し た 。そ こ で は 、黒 田 と は 異 な る 身 体 の 理想化が現代に即した形で図られ、また性への追求も鋭く行われています。現代美術の シ ー ン に お い て 、世 界 的 な 活 躍 を み せ る 村 上 が 、西 洋 の 教 え を 取 り 入 れ る だ け で な く 東 洋 の 姿 を 強 く 表 し た 黒 田 の 作 品 を リ メ イ ク す る こ と は 、必 然 的 だ っ た と 言 え る か も し れ ま せ ん 。 1. 梅津庸一 「智・感・情・A」(部分) 2014年 パネル、油彩 四点組 各180.6×99.8cm 梅 津 庸 一 「智・感・情・A 」 黒 田 の 後 を 生 き る わ た し た ち が 少 な か ら ず 影 響 を 受 け 、思 想 的 に も ま た 作 品 と し て も 継 が れ ゆ く《 智・ 感・ 情 》、梅 津 は そ の ひ と り と し て た だ 道 を な ぞ る の で は な く 、素 地 に あ る 日 本 の 美 術 史 を は じ め 、東 洋・ 西 洋 美 術 史 と の 関 係 性 、そ し て 梅 津 を と り ま く 日 々 の 生 活 や 美 術 の 現 状 、 こ れ ら す べ て を 等 し く 接 続 し て い き ま す 。無 数 の 矢 印 が 行 き 交 う こ と で 生 ま れ た こ の 関 係 図 は 、そ の ま ま 立 ち 上 が る か の よ う に ギ ャ ラ リ ー 空 間 に 姿 を 現 し ま す 。 〒108-0072 東京都港区白金3-1-15-2F 3-1-15-2F Shirokane Minato-ku Tokyo 108-0072 Japan Tel +81-(0)3-5422-8320 [email protected] www.arataniurano.com ま た 、会 期 中 に は 、過 激 な ハ プ ニ ン グ で「 裸 体 」を 美 術 に 持 ち 込 ん だ ゼ ロ 次 元 を 念 頭 に お い た パ フ ォ ー マ ン ス や ト ー ク シ ョ ー も 行 わ れ ま す 。絵 画 に お け る 裸 体 画 の 歴 史 だ け で な く 自 ら の 身 体 を 使 っ た パ フ ォ ー マ ン ス に よ っ て 文 字 通 り 、 コ ラ ン‐ 黒 田 清 輝‐ ゼ ロ 次 元 と 日 本 に お け る「 裸 の 系 譜 」と こ れ か ら を 提 示 し ま す 。絵 画 と し て 、あ る い は 梅 津 自 身 が 両 義 で の 自 立 / 自 律 を み せ る 展 示 空 間 で《 智・ 感・ 情 》、そ し て《 A 》と は 何 で あ る の か 、ぜ ひ ご 高 覧下さい。 つ き ま し て は 、本 展 の 広 報 に ご 協 力 賜 り た く 、こ こ に ご 案 内 申 し 上 げ ま す 。 2 <トークイベント > 4 月 26 日 ( 土 ) 18:00 - 20:00 荒木慎也(美術教育研究)× 梅津庸一 ( 美術家 ) 「日本の美術教育史の再考」 5 月 10 日 ( 土 ) 17:00 - 19:00 永田 希(書評家、@nnnnnnnnnnn)× だつお(アーティスト、@datsuo)× 筒井宏樹(編集者、美術 理論)× 梅津庸一 ( 美術家 ) 「ときめき☆びじゅっこ会談」 5 月 24 日 ( 土 ) 17:00 - 19:00 新 藤 淳( 国 立 西 洋 美 術 館 研 究 員 )× 梅 津 庸 一 ( 美 術 家 ) 「 東 洋 と 西 洋 の 間 に − 智・ 感・ 情 の 謎 を め ぐ っ て − 」 2. 梅津庸一 「メトロノーム」 2014年 映像 loop 梅 津 庸 一 「智・感・情・A 」 <プロフィール > 荒 木 慎 也( あ ら き・ し ん や ) 美 術 史 家 。専 門 は 美 術 教 育 史 と 芸 術 社 会 学 。東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 博 士 課 程 修 了 。主 な 論 文 は『 近 現 代 日 本 の 西 洋 画 教 育 に お け る 石 膏 像 の 歴 史 と 役 割 』( 博 士 論 文 )。現 在 の 研 究 テ ー マ は 、石 膏 像 の 生 産・ 消 費 史 や 、石 膏 デ ッ サ ン の 教 育 史 。 永 田 希( な が た・ の ぞ み ) 1 9 7 9 年 生 ま れ 。書 評 家 。守 備 範 囲 は ビ ジ ュ ア ル 系 か ら コ ミ ッ ク 、文 学 、音 楽 全 般 、ネ ッ ト 、美 術 ま で 。 D J ユ ニ ッ ト「 建 設 中 」で も 活 動 中 。 B o o k N e w s 運 営 http://www.n11books.com/ だつお イモムシ /幼虫 /アイドル /妹 /作品 /絵本 /イラスト 幼いころからネット文化に慣れ親しむ。 最 近 の 活 動 に「 磯 崎 新 都 市 ソ ラ リ ス 展 」 ( 2 0 1 3 年 、 N T T イ ン タ — コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン・ セ ン タ ー[ I C C ])で の 壁 画 制 作 。 東 京 芸 術 大 学 先 端 芸 術 表 現 科 の マ ス コ ッ ト 、セ ン た ん の 生 み の 親 で も あ る 。 公式 HP http://datsuo.oboroduki.com/ 筒 井 宏 樹( つ つ い・ ひ ろ き ) 1978年生まれ。 編 集・ 展 覧 会 企 画 。鳥 取 大 学 講 師 。編 著 =『 コ ン テ ン ポ ラ リ ー・ ア ー ト・ セ オ リ ー 』( E O S A r t B o o k s 、 2 0 1 3 年 )。 共 著 =『 現 代 ア ー ト の 本 当 の 学 び 方 』 ( フ ィ ル ム ア ー ト 社 、2 0 1 4 年 )。携 わ っ た 展 覧 会 に「 で あ 、し ゅ と ぅ る む 」( 2 0 1 3 年 、名古屋市民ギャラリー矢田 ) 、 「 イ コ ノ フ ォ ビ ア − 図 像 の 魅 惑 と 恐 怖 − 」( 2 0 1 1 年 、愛 知 県 美 術 館 ギ ャ ラ リ ー )な ど 。次 の 展開に期待が集まる。 新 藤 淳( し ん ふ じ・ あ つ し ) 1 9 8 2 年 生 ま れ 。西 洋 美 術 史 。国 立 西 洋 美 術 館 研 究 員 。共 著 に 、 『版画の写像学 —デューラーからレンブラント へ』 ( あ り な 書 房 、2 0 1 3 年 )な ど 。 ○ 展覧会概要 展覧会タイトル 梅津庸一 「智・感・情・A」 会期 2014年4月19日(土)- 5月24日(土) 時間 11:00 - 19:00 / 日曜・月曜・祝日休み 会場 ARATANIURANO 東京都港区白金3-1-15-2F Tel 03-5422-8320 e-mail [email protected] URL 入場料 無料 www.arataniurano.com 〒108-0072 東京都港区白金3-1-15-2F 3-1-15-2F Shirokane Minato-ku Tokyo 108-0072 Japan Tel +81-(0)3-5422-8320 [email protected] www.arataniurano.com
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