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資料№
1
恵那市公立病院等の在り方検討委員会設置の経緯
平成22年第2回(6月)市議会の一般質問で、恵那市における病院対策に
ついて質問があり、その中の現状と将来について市長は、次のような答弁をし
ました。
①
両病院とも施設の老朽化が進み、十年以内に大規模改修が必要で、再
整備する時期を迎えている。
② 恵那市総合計画後期基本計画の最終素案に公立病院の施設整備を盛り
込む。
③ 市民レベルの検討委員会を発足させ、病院のほか診療所を含めた市内
の医療体制について検討していただく。
以上のようなことから、施設の再整備計画と地域に必要な医療を安定的かつ
継続的に提供していける経営の在り方を検討していただく委員会の設置に至り
ました。
○恵那市公立病院等の在り方検討委員会設置要綱
平成22年8月1日告示第89号
恵那市公立病院等の在り方検討委員会設置要綱
(設置)
第1条
この要綱は、恵那市公立病院及び診療所(以下「公立病院等」という。)の整備計画及び
地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供していける経営の在り方を検討するため、恵那市公
立病院等の在り方検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(所掌事務)
第2条
委員会は、公立病院等の整備計画及び経営の在り方を検討し、その検討した結果を市長に
報告するものとする。
(組織)
第3条
2
委員会は、委員18人以内をもって組織する。
委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 学識経験者
(2) 恵中医師会及び恵南医師会代表
(3) 恵那市公立病院院長
(4) 恵那市行政委員会関係者
(5) 地域組織関係者
(6) 経済団体関係者
(7) 福祉団体関係者
(8) 恵那市国民健康保険運営協議会代表
(9) 市民団体関係者
(10) 公募委員
(任期)
第4条
2
委員の任期は、検討結果の報告書を市長に提出したときまでとする。
委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(委員長及び副委員長)
第5条
委員会に委員長及び副委員長を置く。
2
委員長及び副委員長は、委員の互選による。
3
委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
1/2
4
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、その職務
を代理する。
(オブザーバー)
第6条
委員会にオブザーバーを置くことができる。
2
オブザーバーは、専門的な知識又は経験を有する者とする。
3
オブザーバーは、委員長の求めに応じて会議に出席し、専門的見地から審議に関する助言又は
協力を行うものとする。
(会議)
第7条
委員会の会議は、必要に応じて委員長が招集し、委員長が議長となる。ただし、委員委嘱
又は任命後の最初の委員会は、市長が招集する。
2
会議は、委員の半数以上が出席しなければ、開くことができない。
(関係者の出席)
第8条
委員会は、必要があると認めるときは、会議に委員以外の関係者の出席を求め、説明又は
意見を聞くことができる。
(庶務)
第9条
委員会の庶務は、恵那市医療管理部病院管理課において処理する。
(委任)
第10条
この要綱に定めるもののほか、委員会の運営について必要な事項は、委員長が委員会に諮
って定める。
附
則
この告示は、告示の日から施行する。
2/2
資料№ 2
公立病院・診療所
の
施 設 概 要
恵那市の公立病院・診療所の現状と課題
恵那市には、中核的医療機関として、市立恵那病院、国保上矢作病院の 2 つの市立
病院と、地域医療を実施する6つの診療所があります。また、平成 21 年度には、国
保岩村診療所に併設して恵那市透析センターが開設され、市立恵那病院には緊急離着
陸ヘリポートが設置されました。
市民意識調査によると、医療機関の充実や救急医療体制の整備を重要な施策として
挙げる市民は非常に多く、市民の関心が高いだけに、医療機関におけるサービスの充
実に対する期待には大きなものがあります。
そこで、少子高齢化の進行や生活スタイル、疾病構造の変化に伴い、市民の多様な
ニーズに可能な限り応えられるように、老朽化した施設の再整備、全国的な医師・看
護師不足の中での医療スタッフの確保、医療水準の維持、向上を図ることが必要とな
っています。
また、医療に対しては治療のみならず、生活習慣病予防、介護予防、リハビリテー
ションなど広範囲のサービスが求められています。
そこで、保健・医療・福祉のネットワーク化により総合的なサービス提供をする地
域包括ケア体制を整えることや、安心して産み育てるために必要な小児科・産婦人科
など地域医療の充実、地域医療と中核的な医療機関の連携など、地域に必要な医療を
安定的かつ継続的に確保することが求められています。
1
市立恵那病院
市立恵那病院は、平成15年12月1日、国の「国立病院・療養所再編成計画」により、
国立療養所恵那病院が市(旧恵那市)に経営委譲され、市民の地域医療を担う医療施設と
して開設されました。
当病院は、民間のノウハウを最大限活用した運営を行うため、「公益社団法人地域医療振
興協会」が指定管理者となり管理運営を行っています。同協会と密接な連携を図る中で、
市民一人ひとりの目線に立った地域医療の推進を図るとともに、救急医療の充実、また、
医療・保健・福祉の複合サービスを提供し、高齢化社会に対応していくこととしています。
平成13年4月、経営移譲問題を検討する中で、住民各層を代表した「地域医療推進懇
話会」で頂いた意見等から、新病院整備の6つの基本方針を策定、その後の基本構想、基
本計画に基づき諸整備を図ってきましたが、必要な医療機能とともに、新しい玄関や明る
い待合ホール、喫茶室が備わり、病室もゆとりある部屋にと姿を変え、大変利用しやすく
なりました。開院にあたり職員で意見を出し合った中で誕生した下記の「基本理念」のも
とに、職員自らも意識改革にとりくんでいくこととしています。
【基本理念】
「私たちは、地域住民のために、医療倫理を守り、質の高い、信頼される、思いやり
あふれる医療を展開します」
1
開
設
2
管理運営
平成15年12月1日
指定管理者
管理者
公益社団法人
細江
雅彦
地域医療振興協会
病院長
浅野
雅嘉
3 病 床 数
199床 (一般病床148床、療養病床41床、結核病床10床)
4
内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、老年内科、
診療科目
外科、呼吸器外科、消化器外科、肛門外科、乳腺外科、整形外科、
小児科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、
放射線科、救急科
5
診療機能
計18科
救急医療、結核医療、医学的リハビリテーション、長期療養、
保健・福祉等
6
医療機器
マルチスライスCT撮影装置、MRI断層撮影装置、
X線デジタルTV撮影装置、眼科網膜硝子体手術装置、
多項目自動血球分析システム
7
他の機能
等
通所リハビリテーション事業(介護保険事業)を併設(16.9~)
2
人間ドッグ事業の開始(17.4~)
医療ソーシャルワーカーによる入・退院者相談サービスの開始
上矢作病院・市内診療所との連携、中津川市民病院との連携
地域支援部の設置(へき地等地域への医療支援)
院外処方の実施
遠隔画像診断システム導入(17~)
アメニティ(ゆとり、やすらぎ)に配慮した設備整備
電子カルテシステム導入(20.3~)
8
救急診療
救急処置室を新設
病院群輪番制による2次救急当番を基本とするも、昼夜常時対応
9
診療受付
平日の午後診療、土曜日も午前診療を実施
10
交通手段
恵那駅より30分おきに運行するシャトルバスなど
11
病院用地
全体面積
309.436㎡
うち有償取得分 255.238 ㎡、無償取得分 54.198 ㎡
医師数(H22.4.1現在)
常
勤
非常勤
内
科
10人
外
科
3人
1人(麻酔医)
科
1人
1人
整形外科
3人
眼
科
1人
耳鼻咽喉科
1人
小
婦
児
合
人
科
2人
計
※
2人
19人
6人
内科常勤医師には、山岡診療所派遣医師1名を含む
平成21年度診療実績
入院
外来
診療日数
365日
293日
延患者数
54,487人
69,115人
1日平均
149.3人/日
235.9人/日
3
国保上矢作病院
国保上矢作病院は昭和50年に国民健康保険上矢作診療所として創設され、その後、昭
和52年に国民健康保険上矢作病院として病床数50床、常勤医師4人体制で再スタート
しました。以後、昭和53年には60床に増床し、平成8年には高齢化に伴う在宅医療に
対応するため訪問看護ステーションを併設、さらに平成15年には60床のうち22床を
療養型病床に、34床を一般病床に変更し、合計56病床として現在に至っています。
以来、名古屋市立大学の医師派遣による救急医療を確立し、特別養護老人ホーム福寿苑
及びかみやはぎ総合保健福祉センターとの連携を図り、福祉・介護・予防に至るまで、包
括的な医療の展開を目指しています。しかしながら、医師研修制度や諸般の事情により大
学からの派遣が困難となっているため、非常勤医師による業務確保を余儀なくされていま
す。医師不足は地域住民の医療確保を困難にするだけでなく、在任医師の夜間診療や当直
などの増加で長時間労働・拘束時間の延長など、勤務条件改善のうえでも常勤医師確保が
急務となっています。
【基本理念】
①
優しくて親切な医療をモットーに
②
日進月歩の医学・医療を絶えず学び、より高度な医療水準を目指す
③
救急医療をはじめ、保健・予防・治療・リハビリ・福祉に至るまでの包括医療の展
開を目指す
④
上矢作ならではの土地柄を最大限に生かした心温まる医療づくりを目指す
1
開
設
2
管理運営
昭和52年
恵那市
3 病 院 長
西脇 巨記
4 病 床 数
56床 (一般病床34床、療養病床22床)
5
内科、呼吸器内科、消化器内科、外科、呼吸器外科、消化器外科、
診療科目
肛門外科、整形外科、小児科、リハビリテーション科、放射線科、
麻酔科
計12科
6
診療機能
24時間救急医療・人間ドッグ・保健・福祉
7
医療機器
マンモグラフィ、CT撮影装置、X線デジタルTV撮影装置
8
他の機能
訪問看護ステーション併設
かみやはぎ総合保健福祉センターと連携した健診業務
医療ソーシャルワーカーによる相談窓口
4
9
診療受付
平日
昼間
午前8:30~午前11:30
夜間
午後5:00~午後6:30
10
交通手段
病院バス及び路線バス
11
病院用地
6,707.36㎡(賃貸)
医師数(H22.4.1現在)
常
勤
非常勤
内
科
2人
3人
外
科
1人
9人
整形外科
合
2人
計
3人
14人
平成21年度診療実績
入院(一般病床)
入院(療養病床)
診療日数
365日
365日
延患者数
12,122人
6,529人
1日平均
33.2人/日
17.9人/日
外来
診療日数
242日
延患者数
31,976人
1日平均
132.1人/日
5
三郷診療所
1.概要
開設
昭和28年4月
昭和60年3月に現施設が完成し、三郷地区の医療の中心としての役割を担ってきま
した。地域の健診事業や予防接種の実施、学校医として住民の健康保持に努めております。
2.施設内容等
所 在 地
恵那市三郷町佐々良木1836番地1
開 設 者
恵那市長 可知 義明
管 理 者
重光 良雄
所
重光
長
良雄
診療科目
内科・小児科
主な設備
X線装置、心電計、腹部超音波装置、薬剤分包機
他の業務
居宅療養管理指導
構
造
鉄筋コンクリート平屋建
面
積
150㎡
診療日程
平日
午前9時~午後5時
職 員 数
常勤 医師1名、準看護師1名、臨時事務職員1名
3.平成21年度診療実績
診療日数
234日
延患者数
4,595人
1日平均
19.6人/日
6
飯地診療所
1.概要
開設
昭和29年4月
昭和58年3月に飯地公民館・診療所として複合施設が完成し、飯地・近隣地区の医
療の中心としての役割を担ってきました。地域の健診事業や予防接種の実施、学校医とし
て住民の健康保持に努めております。
2.施設内容等
所在地
恵那市飯地町68番地1
開 設 者
恵那市長 可知 義明
管 理 者
板橋 雄二
所
板橋
長
雄二
診療科目
内科・小児科
主な設備
X線装置、心電計、腹部超音波装置、薬剤分包機
他の業務
居宅療養管理指導
構
造
鉄筋コンクリート2階建(公民館に併設)
面
積
診療所150.06㎡
(公民館)751.79㎡
診療日程
平日
午前9時~午後5時
職 員 数
常勤 医師1名、準看護師1名、臨時事務職員1名
3.平成21年度診療実績
診療日数
227日
延患者数
6,078人
1日平均
26.8人/日
7
岩村診療所(恵那市透析センター)
1.概要
開設
昭和55年5月
昭和28年国民健康保険直営病院として開設、その後助産所、伝染病舎を併設して地
域医療の中心施設として業務を行ってきました。施設老朽化により昭和55年5月病床数
19床の診療所として、新たにスタートを切り、平成19年度まで入院患者を受け入れて
きました。平成20年には、入院施設を廃止し、市町村合併の検討課題となっていた人工
透析施設改修を行い、平成21年度より恵那市透析センターを開設しました。患者さんの
ための患者さん中心の温かい医療を目指し、患者さんの社会的、精神的かつ肉体的健康を
守るために奉仕することを使命として、地域住民の健康保持に努めております。
2.施設内容等
所在地
恵那市岩村町1650番地1
開 設 者
恵那市長 可知 義明
管 理 者
前野 禎
所
前野
長
禎
診療科目
内科・小児科・整形外科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科
主な設備
X線テレビ透視撮影装置、超音波診断装置
他の業務
訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
構
造
鉄筋コンクリート2階建(2階:恵那市透析センター)
面
積
1階
診療日程
平日
職 員 数
診療所 常勤職員 8名 ( )内は臨時職員 11名
診療所1,124.16㎡
2階
透析センター499.20㎡
午前9時~午後5時
医師1名(4名)、看護師3名(2名)、準看護師(1名)
、
放射線技師1名、検査技師1名、理学療法士1名、
事務1名(1名)、医事業務委託(2名)、労務(1名)
透析センター
常勤職員
医師(1名
5名
(
)内は臨時職員
2名
診療所医師兼務)、看護師5名(1名)、
准看護師(1名)臨床工学技師1名、
3.平成21年度診療実績
診療日数
診療所
243日
透析センター
157日
延患者数
診療所
17,219人
透析センター
1,253人
1日平均
診療所
70.9人/日
8
透析センター
8.0人/日
山岡診療所
1.概要
開設
昭和45年5月
平成16年5月に保健・福祉・医療・介護の複合施設「健康プラザ」として移転新築
により新たなスタートを切りました。町内唯一の医療機関であり、医療過疎の町として地
域住民が期待と信頼を寄せる重要な役割を担っていることを念頭に置き、住民が安心・安
全な社会生活を営むことができるよう健康の保持増進に努めております。平成21年度よ
り内科診療を市立恵那病院から医師を派遣していただいております。
2.施設内容等
所在地
恵那市山岡町上手向595番地
開 設 者
恵那市長 可知 義明
管 理 者
安藤 彰悟
所
改田
長
哲
(市立恵那病院派遣)
診療科目
内科・胃腸科・小児科・放射線科・整形外科・歯科
主な設備
上部・下部内視鏡装置、腹部エコー、心電計、視力検査装置、
薬剤分包機、血球計測装置、生化学分析装置
他の業務
在宅訪問・往診・訪問看護・歯科居宅療養管理指導・ショートステイ回診・
デイサービス往診・虫歯予防教室・乳幼児内科歯科健診・
学校医内科歯科健診・ふれあいサロン講話・デイサービス歯科健診・
口腔ケア
構
造
鉄骨平屋建て
面
積
1,133.44㎡
診療日程
平日
午前9時~午後5時
職 員 数
診療所 常勤職員 7名 ( )内は臨時職員 5名
派遣医師1名(2名)
、歯科医師1名、看護師2名(1名)、
歯科衛生士2名(1名)、事務1名、医事業務委託(1名)
3.平成21年度診療実績
診療日数
医科
240日
歯科
230日
延患者数
医科
8,915人
歯科
6,256人
1日平均
医科
37.1人/日
9
歯科
27.2人/日
串原診療所
1.概要
開設
昭和62年10月
医療業務については、大島医師及び国保上矢作病院と恵那病院に委託し、週2回診療
しております。無医地区である当該地域の診療所として、住民の診療はもとより予防接種、
学童の健康診断など地域に密着した医療を実施しています。
2.施設内容等
所 在 地
恵那市串原3171番地1
開 設 者
恵那市長 可知 義明
管 理 者
大島 紀玖夫
所
大島
長
紀玖夫
診療科目
内科・小児科・外科
主な設備
心電計、錠剤分包機
構
造
鉄骨造
面
積
157㎡
診療日程
火曜日・金曜日
※
職 員 数
午後1時~午後5時
金曜日は市立恵那病院医師が診療
非常勤医師3名、臨時看護師2名
事務は、医療管理部職員及び串原振興事務所職員にて対応
3.平成21年度診療実績
診療日数
98日
延患者数
1,384人
1日平均
14.1人/日
10
上矢作歯科診療所
1.概要
開設
昭和58年4月
民間医療機関の進出が期待できない地域での医療を確保するために、口腔歯科衛生の
向上及び増進、調査研究を行い、地域住民の「予防と診療の一体的提供」に貢献するため、
歯科医師含め4名のスタッフで診療を行っています。
2.施設内容等
所 在 地
恵那市上矢作町2975番地1
開 設 者
恵那市長 可知 義明
管 理 者
石黒 幸司
所
石黒
長
幸司
主な設備
診療チェアー4台、X線装置
他の業務
歯科保健業務(歯科保健センター併設)
構
造
鉄筋コンクリート平屋建
面
積
269.8㎡
診療日程
平日
午前9時~午後5時
パノラマ1台、デジタル1台
火曜日・金曜日は午後7時まで
第1・第3木曜日は休診
職 員 数
歯科医師1名、歯科衛生士1名、臨時歯科衛生士1名、臨時歯科助手1名
3.平成21年度診療実績
診療日数
213日
延患者数
5,503人
1日平均
25.8人/日
11
資料№ 3
医療・介護施設について
医療施設・介護施設
1.病院
病院は、医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所であって患者20人以上
の入院施設を有するもの。
(1)病院の種類による分類
①
精神科病院(精神病院)
②
感染症病院
③
結核療養所(結核病院)
④
一般病院
(2)病床の種類による分類
病床の種類は、医療法によって区分されており、現在は精神病床、感染症病
床、結核病床、療養病床、一般病床に分けられています。
①
精 神 病 床・・・精神疾患を有する者を入院させるための病床
②
感染症病床・・・「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する
法律」に規定する、一類感染症、二類感染症、及び新感
染症の患者を入院させるための病床
③
結 核 病 床・・・結核の患者を入院させるための病床
④
療 養 病 床・・・病院の病床(精神、感染症、結核を除く)又は一般診療
所の病床のうち主として長期にわたり療養を必要とする
患者を入院させるための病床
⑤
一 般 病 床・・・精神病床、感染症病床、結核病床以外の病床
(3)病院の機能別による分類
それぞれの病院の持つ機能によって、次の3つに分けることができます。
①
特定機能病院
平成4年の医療法の改正により、病院の持つ機能によって分類されたもの
で、高度の医療の提供、医療技術の開発、高度の医療に関する研修を実施す
る能力を備えている病院として、厚生労働大臣の承認を受けたものです。
主な承認基準としては、内科・外科など主要な診療科が10以上あり、病
床数が400以上であること、高度な医療機器や集中治療室等を備え、医
師・看護師・薬剤師などの専門職が特定数以上配置されている。
つまり、特定機能病院とは、高度で先進的な医療を、高度な設備や医療機
器で治療を受けることができる病院です。
近隣の医療機関では、岐阜大学医学部付属病院、愛知医科大学付属病院、
1
名古屋市立大学病院、名古屋大学医学部付属病院、藤田保健衛生大学病院が
承認を受けています。
②
地域医療支援病院
平成9年の医療法改正により制度化された病院の持つ機能区分で、これに
伴い、従来の「総合病院」制度は廃止されました。
その目的は、地域の病院や診療所などの後方支援を行いながら連携を図っ
ていこうとするもので、都道府県知事によって承認されます。
承認要件としては、他の医療機関から紹介された患者数の比率が80%以
上(承認初年度は60%以上)で、病床数が200以上であること。他の医
療機関に対して医療機器やベッドを提供し共同利用すること、24時間体制
の救急医療を提供すること、地域医療機関従事者に対する研修会を開催する
ことなどがあります。
岐阜県が承認している病院は、岐阜市民病院、木沢記念病院、岐阜県総合
医療センター、岐阜赤十字病院、岐阜県立多治見病院となっています。
③
一般病院
一般病院は、病床数(ベッド数)20以上で、通院及び入院診療で一般的
な治療が可能な患者を対象とする医療施設ですが、病床の種類や医師・看護
師の人員配置、設備などに一定の基準が設けられています。
また、一般病院は一般病床を持つ病院のことで、たとえば一般病床と精神
病床を併用している場合でも精神病床が80%を占めていなければ一般病
院に分類されます。
2.診療所
(1)
一般診療所
医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所(歯科医業のみは除く)
であって、患者の入院施設を有しないもの(無床診療所)又は患者19人以
下の入院施設を有するもの(有床診療所)をいう。
(2)
歯科診療所
歯科医師が歯科医業を行う場所であって、患者の入院施設を有しないもの
又は19人以下の入院施設を有するもの。
2
4.介護保険施設
介護保険施設としては、介護保険三施設として「特別養護老人ホーム」や「老人保健
施設」、
「療養型医療施設」があり、それ以外の施設では「グループホーム」などの入所
型の施設や、「通所介護」、「通所リハビリテーション」、「短期入所療養介護」、「短期入
所生活介護」などの在宅型があります。
【介護老人福祉施設】
介護老人福祉施設は、介護保険法で入所定員30名以上の特別養護老人ホームと
定義されています。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、入所する要介護
者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事などの介護をはじめ、
その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行うことを目的
として設置されています。介護老人福祉施設は介護保険施設なので、施設での介護
サービスには介護保険の適用を受けることができますが、食費や居住費には保険の
適用がなく、これらの費用は全額自己負担となっています。
介護老人福祉施設への入居の条件は、65歳以上の日常的に介護が必要な人で、
要介護認定を受けていることが前提となります。ただし、医療機関ではないため、
入院が必要な病気やケガを抱えている人は入所できません。
なお、入所定員29名以下の特別養護老人ホームは「地域密着型介護老人福祉施
設」と定義され、介護保険のなかの地域密着型介護サービス費から保険給付が行わ
れます。
【介護老人保健施設】
介護老人保健施設は、病状安定期にあって入院するほどではないものの、医師に
よる検診や理学療法士・作業療法士によるリハビリテーション、看護・介護などの
医療的ケアを必要とする高齢者が利用する福祉施設です。入所者は、ケアマネージ
ャーが作成したケアプランに基づいて、医療と生活両面の福祉サービスを受けるこ
とができます。施設内では医療ケアも介護保険の適用を受けるため、医療費を少な
く抑えることができます。なお、入所期間は決まっていませんが、介護老人保健施
設は短期利用を前提としていて、基本的に長期にわたる入所はできません。
介護老人保健施設への入所の条件は、65歳以上でリハビリ・看護などの医療ケ
アを受けて自立した生活への復帰を目指す人です。介護保険の適用施設なので、要
介護認定を受けていることが前提となります。
3
【介護療養型医療施設】
介護療養型医療施設は、長期療養が必要な要介護者を受け入れる医療機関で、介
護保険の適用を受ける介護保険施設のひとつです。わかりやすくいえば、介護療養
型医療施設は、介護サービスの機能を併せ持った病院・診療所のことです。介護保
険法の新設を機に、医療保険適用の療養型医療施設から介護療養型医療施設に移行
したケースが多く、見た目も普通の病院とあまり変わらないため、利用者以外には
それが介護療養型医療施設であることがわかりにくいのが普通です。
【グループホーム】
グループホームは、認知症の高齢者や知的障害者、精神障害者が、それぞれ少人
数で共同生活を送る福祉施設で、ホームという名前の通り、利用者にとっては「我
が家」としての機能を果たしているのが特徴です。したがって、グループホームの
形態は通常の福祉施設と異なり、単独の施設もあれば公営住宅の一室を借りたもの
もあったりと、さまざまです。前述の通り、グループホームには、認知症の高齢者
が入所するものと、知的障害者、精神障害者が入所するものと大まかに分けて2パ
ターンあります。いずれの場合も、高齢者や障害者が主体となって普通に生活を送
ることが介護予防や自立支援に役立っています。特に前者は介護予防の意味合いが
強いのに対し、後者は社会に出て独り立ちするための自立支援の意味合いが強くな
っています。なお、障害者自立支援法の施行で、障害者が暮らすグループホームは、
介護や世話の必要がない人はグループホーム、必要がある人はケアホームと2つに
分割されました。
4
資料№ 4
恵那市内の医科・歯科(公立・民間)・介護保険施設(公立・民間)一覧表
恵那市の医療機関(医科)一覧表
主 た る 診 療 科 目
医
公
立
療
機
関
名所
地
入院内科小児外科整形婦人眼科耳鼻泌尿皮膚形成麻酔循環精神神内呼吸消化放射アレリハ
市 立 恵 那 病 院
大 井 町
○
○
○
○
○
国 保 上 矢 作 病 院
上矢作町
○
○
○
○
○
国 保 三 郷 診 療 所
三 郷 町
○
○
国 保 飯 地 診 療 所
飯 地 町
○
○
国 保 岩 村 診 療 所
岩 村 町
○
○
○
国 保 山 岡 診 療 所
山 岡 町
○
○
○
○
○
国 保 串 原 診 療 所
井口ハートクリニック
串
原
大 井 町
○
大湫病院付属恵那診療所 大 井 町
○
○
○
さつき内科・小児科クリニック
大 井 町
○
○
大 井 町
○
○
恵那ファミリ ークリニック 長 島 町
○
○
医
院
恵那メモリアルクリニック 長 島 町
お
が わ
医
院
○
○
長 島 町
○
河 上 ク リ ニ ッ ク
長 島 町
○
たぐち耳鼻咽喉科
長 島 町
中 部 ク リ ニ ッ ク
長 島 町
林 外 科 ・ 内 科
長 島 町
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
大 井 町
谷
○
○
加 藤 ク リ ニ ッ ク
蜂
民
間
在
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
1
○
主 た る 診 療 科 目
医
療
機
関
名
所 在 地
松 下 眼 科 医 院
長 島 町
○
森 川 ク リ ニ ッ ク
長 島 町
○
度
会
医
院
長 島 町
長 谷 川 皮 膚 科
民
間
入院内科小児外科整形婦人眼科耳鼻泌尿皮膚形成麻酔循環精神神内呼吸消化放射アレリハ
東
野
○
○
○
○
○
○
○
十
中野方町
○
○
○
田 中 ク リ ニ ッ ク
岩 村 町
○
○
○
お お さ わ 医 院
明 智 町
○
○
明 智 町
○
○
○
明 智 町
○
○
○
尾
山
崎
田
医
医
診
療
院
院
所
○
○
中野方町
堂
○
○
上 近 藤 診 療 所
全
○
○
○
○
○
○
○
○
恵那市地域別医療機関数(医科)
公
立
民
間
合
計
三 郷 町
武 並 町
笠 置 町
中野方町
飯 地 町
岩 村 町
山 岡 町
明 智 町
0
1
0
0
0
1
1
1
0
1
1
7
10
1
0
0
0
2
0
1
0
3
0
0
22
10
1
1
0
0
2
1
2
1
3
1
1
29
大 井 町
長 島 町
1
0
5
6
東
野
2
串
原
上矢作町
合 計
恵那市の医療機関(歯科)一覧表
診
医
公
立
療
機
関
名
所 在 地
国保山岡歯科診療所
山 岡 町
国保上矢作歯科診療所 上 矢 作 町
ゴ シ マ 歯 科 医 院
木 村 歯 科 医 院
大 井 町
大 井 町
ふじお か歯 科ク リ ニ ック 大 井 町
科
○
○
○
○
機
関
名
長 島 町
○
○
恵那駅デンタルクリニック 大 井 町
○
○
○
○
○
東
野
○
○
○
○
○
科
岩 村 町
○
○
佐 々 木 歯 科
岩 村 町
○
○
○
かすがい歯科医院
山 岡 町
○
○
○
根 崎 歯 科 医 院
山 岡 町
○
○
く
ら
ち
歯
長 島 町
○
○
恵 那 歯 科 医 院
長 島 町
○
○
阿 部 歯 科 医 院
明 智 町
○
可 知 歯 科 医 院
長 島 町
○
○
保 母 歯 科 医 院
明 智 町
○
医 院 長 島 町
○
歯 科
目
中野方町
篠 原 歯 科 医 院
町 野
科
歯科小児矯正口腔
○
○
民
間
療
○
つ げ 歯 科 医 院
○
所 在 地
花の木歯科クリニック 長 島 町
○
○
院
療
桐 山 歯 科 医 院
○
医
診
医
奥 村 歯 科 医 院
○
科
目
歯科小児矯正口腔
大 井 町
林 歯
民
間
療
○
恵那市地域別医療機関数(歯科)
公
立
民
間
合
計
三 郷 町
武 並 町
笠 置 町
中野方町
飯 地 町
岩 村 町
山 岡 町
明 智 町
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
2
6
1
0
0
0
1
0
2
2
2
0
0
19
6
1
0
0
0
1
0
2
3
2
0
1
21
大 井 町
長 島 町
0
0
5
5
東
野
3
串
原
上矢作町
合 計
恵那市内の介護サービス事業所一覧表(入所施設)
サ
ー
ビ
ス
別
施
設
名
称
施設所在地 事 業 開 始
特養 万年青苑
定 員
管理運営
長
島
町
H12.4.1
三
郷
町
H12.4.1
岩
村
町
H20.5.23
80 民
間
特養 福寿苑
上 矢 作 町 H16.10.25
60 公
立
老健 こころ
大
井
町
H16.8.10
100 民
間
老健 ひまわり
明
智
町 H16.10.25
95 公
立
グループホーム 恵那苑
大
井
町
H19.8.1
16 民
間
グループホーム 中山道
大
井
町
H16.4.1
9 民
間
グループホーム 花の木
大
井
町
H17.4.1
18 民
間
長 島 町
認 知 症 対 応 型 共 同 生 活 介護 グループホーム めぐみ
( グ ル ー プ ホ ー ム ) グループホーム 中野方めぐみ 中 野 方 町
H14.3.27
9 民
間
H19.9.18
9 民
間
介 護 老 人 福 祉 施 設 特養 明日香苑
( 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム ) 特養 こころの丘
介 護 老 人 保 健 施 設
グループホーム くわのみ
100 民
間
50 指定管理
岩
村
町
H17.5.21
9 民
間
グループホーム いわむらの憩 岩
村
町
H21.3.1
18 民
間
グループホーム きらみの憩
智
町
H16.5.1
18 民
間
明
恵那市地域別介護サービス事業所数(入所施設)
大井町 長島町
東
野
三 郷 町
武 並 町
笠 置 町 中野方町 飯 地 町 岩 村 町 山 岡 町 明 智 町
串 原
上矢作町
合 計
公 立
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
2
民 間
4
2
0
1
0
0
1
0
3
0
1
0
0
12
合 計
4
2
0
1
0
0
1
0
3
0
2
0
1
14
4
資料№
平成19年
5
恵那市議会病院対策特別委員会報告書(抜粋)
恵那市の医療施設
当市では、市立恵那病院、国民健康保険上矢作病院をはじめ6つの国民健康保険診療所
を設置し、社団法人地域医療振興協会を指定管理者として運営している市立恵那病院以外
の施設は、直接運営している。
直営施設の運営
◇現状
直営施設は、医療法人など民間医療機関が所在しない医療過疎地域にあり、各診療
所は、それぞれの地域の一次医療を担っており、国保岩村診療所を除く施設は国民健
康保険調整交付金(へき地診療所運営費)の交付対象となる立地条件である。
また、国保上矢作病院は、へき地医療拠点病院として恵南地域をはじめ長野県、愛
知県の一部地域を含めた一次医療を担い、救急患者の受け入れなど二次医療にも対応
するとともに、併設のかみやはぎ総合保健福祉センターと連携した健康相談、疾病予
防や訪問看護ステーションでの訪問看護など保健、予防、治療、リハビリ、福祉にい
たるまでの包括的な医療の展開を進めている。
経営面では、岐阜県の二次医療圏の公立病院と同様に患者数が減少していることや、
診療報酬の引き下げ改定の影響などにより収益が減少傾向であり、平成18年度決算
では病院会計(上矢作病院)が26,495千円の経常損失、診療所会計は107,
768千円を一般会計から繰入している。
◇課題
全国的な医師、看護師不足のなか、医師確保は厳しい状況であり直営施設が合併前
と同様にそれぞれの施設ごとでの医師確保、医療を展開することは難しくなっており、
地域住民への良質な医療サービスを提供していくためには、公立、民間を問わず柔軟
な施設間の連携を図り対処することが必要である。
特に、恵南地域では民間を含めた小規模な7つの医療機関で地域住民の医療サービ
スを担っており、直営施設が市民の健康を守る重要な役割を持つ地域である。
経営面では、収益増を図るための患者確保の対策や経費の見直しなど、全職員が常
に経営の視点を持つことが重要である。
◇方向性・効果
恵南地域は直営施設が重要な役割を持つことから、国保上矢作病院を核として位置
付け、病院・診療所の医師をはじめとする医療スタッフや医療機能の弾力的・有機的
な活用を講じることが必要であり、これにより、利用者の視点に立った医療サービス
1
の提供、職員意識の改革、知識、技術の向上が図れ、良質な医療サービスを提供する
ことにより、地域包括ケアの進展を図ることができる。
また、地域医療を確保する観点からも医療スタッフや医療機能の弾力的・有機的な
活用を講じるなど、国保診療所6施設の医療体制を維持し、引続き運営することも必
要である。
市立恵那病院の運営
◇現状
平成15年12月に国からの委譲をうけ、(社)地域医療振興協会に管理運営を委託
(平成18年度から指定管理)し運営している。
大学医局の異動により外科・整形外科の常勤医師が不在となったが、協会関連病院
等の非常勤医師で対応し、現在は岐阜大学からの派遣により常勤医を確保している。
財政面では、協会に対し、社会保険等診療報酬などの医業収益の全額と病院事業に
係る普通交付税算定額の70%相当分などを運営交付金として交付しており、市が負
担する施設・設備整備費、医療機器購入や企業債の償還などに充てる財源は協会への
運営交付金の残額であり厳しい状況である。
◇課題
総合計画に基づく施設整備、医療機器更新の財源を確保するうえで、運営交付金の
見直しが必要であり、収益増を図るための患者確保対策や経費の見直しなど、経営の
視点に立った運営を指定管理者と常に協議する必要がある。
◇方向性
協会への運営交付金は、病院事業に係る普通交付税算定額の70%相当分を除いた
医業収益の範囲内とするとともに、施設整備・医療機器更新の費用負担割合について
協議を行い、病院事業財政(市立恵那病院分)の安定化を図ることが重要である。
今後の病院運営
◇現状・課題
市立恵那病院は国からの委譲時に改修を行っているが、建物の多くが昭和50年以
前に建築され30年~39年余り経過している。また、建築時の積算書類等が保管さ
れていなかったことから、耐震診断を行うにも多額の費用が必要な状況である。
国保上矢作病院は昭和49年~51年に建築され30年余経過、平成15年の病棟
改修工事により療養病床を設置、翌平成16年には耐震工事を実施している。
国保岩村診療所は昭和54年に建築、28年が経過している。現在、2階病床部分
を改修し人工透析施設として平成21年の開所に向け準備が進められている。
その他、国保三郷診療所は昭和60年、国保飯地診療所昭和58年、国保串原診療
所昭和62年、国保上矢作歯科診療所昭和58年の建築、国保山岡診療所は平成16
年5月に移転新築しているが、山岡診療所以外の施設は、いずれも20年余経過して
いる。
このように、市民への医療サービスや災害等非常事態における医療の拠点である市
2
立恵那病院・国保医上矢作病院は、30年余を経過し施設の老朽化が進んでおり、現
施設で医療サービスを提供するには、今後10年以内での大規模改修が望まれる。
また、医療、病院を取り巻く情勢は冒頭で述べたように医師不足や医療制度改革な
どのほか、人口減少に伴う患者数の減少や二次医療圏内の病院規模・機能などの要因
もあり、病院運営の安定化への課題は多い。
一方、当市の財政状況も平成18年度決算では、経常収支比率が90.6%となっ
ており総合計画を推進するうえで一般財源に余裕がない、また地方債の一人当り残高
は東濃5市の中でもっとも多い状況であり、平成20年度の一般会計予算総額を総合
計画数値以下に抑制することとしている。
◇方向性
耐用年数を経過する市立恵那病院、国保上矢作病院に多額の経費を用いて大規模な
改修をすることは、無用な経費を費やすことや、施設形状を変えることができない事
から、医師などのスタッフ確保の要件でもある執務環境の向上は図れない。
病院運営の安定化への課題や当市の財政状況から、将来にわたり2病院を運営する
ことは厳しい状況であり、高度・専門医療は中核病院での対応や緊急時、救急時の転
院搬送体制の構築など、二次医療圏内の病院との連携による医療機能の棲み分けを図
り、病院を統合することが市民への良質な医療サービス提供を担うとともに、負託に
応えることになる。
また、病院統合と併せ国保診療所を病院付属診療所(サテライト施設)として位置
づけ、医療スタッフ、医療機器の効率的、弾力的な運用を図るとともに、療養病床が
削減されるなか、更なる高齢化への対応として、老人保健施設等介護施設などを併設
し、国保上矢作病院で進めている、保健・医療・福祉(介護)の地域包括ケアを提供
できる体制を構築することが望まれる。
一方、医師確保の観点からは、診療科の細分化が進む中、プライマリ・ケアである
総合診療科が叫ばれはじめており、地域包括ケアを目指す医師の臨床研修施設として
認知されるようスタッフの努力も必要である。
以上のことから当委員会が調査研究の対象としてきた各課題については、今後は所
管の常任委員会で随時、調査研究することを提案し、病院対策特別委員会を廃止する
ものとする。
上記のとおり報告します。
平成19年12月3日
病院対策特別委員会
委員長
恵那市議会議長
山
田
幸
典
殿
3
伊
藤
和
之
恵那市議会病院対策特別委員会
委 員 長
伊
藤
和
之
副委員長
伊
藤
桂
子
委
員
柘
植
委
員
西
尾
公
男
委
員
鈴
木
清
司
委
員
安
藤
洋
子
委
員
後
藤
薫
廣
4
羌