電気回路演習 第 10 回 (平成 20 年 6 月 22 日 (月)) 演習 図に示す回路の端子 1 − 10 から見たテブナン等価回路,ノルトン等価回路を求めなさい. I2 1 R3 I1 R1 R2 + V1 − 1’ 図 演習解答 • テブナン等価回路の導出 – 内部インピーダンス Z0 の計算 電圧源を短絡し,電流源を開放すると,内部インピーダンス Z0 は R2 R1 1 Z0 = R3 (R1 + R2 )R3 R1 + R2 + R3 となる. 1’ – 開放電圧 Vf の計算 ∗ 電流源 I1 だけを残し,その他の電圧源,電流源を取り除いた場合の端子 1 − 10 の電圧 Vf 1 は R2 I1 R1 1 Vf1 R3 Vf 1 = R1 R3 I1 R1 + R2 + R3 1’ ∗ 電流源 I2 だけを残し,その他の電圧源,電流源を取り除いた場合の端子 1 − 10 の電圧 Vf 2 は 1 I2 R2 Vf2 R3 Vf 1 = R2 R3 I2 R1 + R2 + R3 1’ R1 ∗ 電圧源 V1 だけを残し,その他の電流源を取り除いた場合の端子 1 − 10 の電圧 Vf 3 は 1 R3 R2 Vf3 + V1 − Vf 3 = R1 R1 + R2 V1 R1 + R2 + R3 1’ よって解放電圧 Vf は重ね合わせの理を用いると Vf = Vf 1 + V f 2 + Vf 3 = R1 R3 I1 + R2 R3 I2 + (R1 + R2 )V1 R1 + R2 + R3 以上よりテブナン等価回路は 1 Z0 (R1 + R2 )R3 R1 + R2 + R3 R1 R3 I1 + R2 R3 I2 + (R1 + R2 )V1 Vf = R1 + R2 + R3 Z0 = + Vf − 1’ • ノルトン等価回路 上で求めたテブナン等価回路より 1 1 R1 + R2 + R3 = Z0 (R1 + R2 )R3 R1 R3 I1 + R2 R3 I2 + (R1 + R2 )V1 Is = Y0 Vf = (R1 + R2 )R3 Y0 = Y0 Is 1’ 別解 最初のにノルトン等価回路を求めてからテブナン等価回路を求めることもできる. • ノルトン等価回路の導出 – 内部アドミタンス Y0 の計算 電圧源を短絡し,電流源を開放すると,内部インピーダンス Y0 は R2 R1 1 Y0 = R3 1 R1 + R2 + R3 1 + = R1 + R2 R3 (R1 + R2 )R3 1’ – 短絡電流 Is の計算 ∗ 電流源 I1 だけを残し,その他の電圧源,電流源を取り除き,端子 1 − 10 を短絡したときに流れる 電流 Is1 は R2 I1 R1 1 Is1 R3 Is1 = R1 I1 R1 + R2 1’ ∗ 電流源 I2 だけを残し,その他の電圧源,電流源を取り除き,端子 1 − 10 を短絡したときに流れる 電流 Is2 は 1 I2 R2 Is2 R3 Is2 = R2 I2 R1 + R2 1’ R1 ∗ 電圧源 V1 だけを残し,その他の電流源を取り除き,端子 1 − 10 を短絡したときに流れる電流 Is3 は 1 R3 R2 Is3 + V1 − R1 1’ Is3 = V1 R3 よって短絡電流 Is は重ね合わせの理を用いると Is = Is1 + Is2 + Is3 = R1 I1 + R2 I2 V1 + R1 + R2 R3 以上よりノルトン等価回路は 1 Is 1 1 + R1 + R2 R3 R1 I1 + R2 I2 V1 Is = + R1 + R2 R3 Y0 = Y0 1’ • テブナン等価回路 上で求めたノルトン等価回路より Z0 1 Vf 1 (R1 + R2 )R3 = Y0 R1 + R2 + R3 R3 (R1 I1 + R2 I2 ) + (R1 + R2 )V1 Is = Z0 Is = R1 + R2 + R3 Z0 = + − 1’ 小テスト 図に示す回路の端子 1 − 10 から見たテブナン等価回路,ノルトン等価回路を求めなさい. 1 R2 R1 I1 + V1 − 1’ 図 小テスト解答 • テブナン等価回路の導出 – 内部インピーダンス Z0 の計算 電圧源を短絡し,電流源を開放すると,内部インピーダンス Z0 は 1 R1 Z0 = R2 R1 R2 R1 + R2 となる. 1’ – 開放電圧 Vf の計算 ∗ 電流源 I1 だけを残し,電圧源 V1 を取り除いた場合の端子 1 − 10 の電圧 Vf 1 は 1 I1 R1 Vf1 R2 Vf 1 = R1 R2 I1 R1 + R2 1’ ∗ 電圧源 V1 だけを残し,電流源 I1 を取り除いた場合の端子 1 − 10 の電圧 Vf 2 は 1 R2 R1 + V1 Vf2 Vf 2 = − 1’ よって解放電圧 Vf は重ね合わせの理を用いると Vf = Vf 1 + V f 2 = R1 (R2 I1 + V1 ) R1 + R2 以上よりテブナン等価回路は Z0 1 Vf R1 R2 R1 + R2 R1 (R2 I1 + V1 ) Vf = R1 + R2 Z0 = + − 1’ • ノルトン等価回路 上で求めたテブナン等価回路より R1 V1 R1 + R2 1 1 R1 + R2 = Z0 R1 R2 V1 Is = Y0 Vf = I1 + R2 Y0 = Y0 Is 1’ 別解 問題の回路の V1 ,R2 部分を,ノルトンの定理を使って以下のように置き換える R2 V1 R2 + V1 R2 − このとき,問題の回路は以下のように書き換えられる 1 R1 V1 R2 I1 1 I1 + R2 V1 R2 R1 1’ したがって,ノルトン等価回路は 1 Is 1 1 + R1 R2 V1 Is = I1 + R2 Y0 = Y0 1’ と書ける.また,ノルトン等価回路からテブナン等価回路は Z0 1 Vf − 1’ と書ける. 1 R1 R2 = Y0 R1 + R2 R1 (R2 I1 + V1 ) Vf = Z0 Is = R1 + R2 Z0 = + R2 1’
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