第19回産総研・新技術セミナー 開催案内 (独)産業技術総合研究所 東北センター 東北サテライト 拝啓 皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 さて、経済産業省所管の日本最大級の研究独法「産業技術総合研究所(産総研)」の最新の研究成 果の中から、東北地域のニーズにマッチした新技術を詳細に紹介する「第19回産総研・新技術セミナ ー」を開催致します。この機会にぜひ皆様の研究開発にお役立てください。 敬具 記 1.日時 平成24年 10月 2日(火)13時30分 ~15時30分 2.会場 産総研 東北サテライト 会議室 〒980-0811 仙台市青葉区一番町 4-7-17小田急仙台ビル3階 TEL: 022-726-6030 URL: http://unit.aist.go.jp/tohoku/asist/ 3.産総研・新技術セミナー (1)技術課題 ~ 産総研の新しいMEMS技術 ~ 講演1「ナノ構造の超伝導体で高分子量イオンを高感度検出」 計測フロンティア研究部門 超分光システム開発研究グループ 全 伸幸 研究員 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120518/pr20120518.html参照 講演2「レプリカ成形技術を用いた低コストMEMS製造技術」 集積マイクロシステム研究センター 大規模インテグレーションチーム 栗原 一真 主任研究員 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120710_2/pr20120710_2.html参照 (2)参加費 無料 (3)定員 30名 (4)申込方法 この申込書を郵送、FAXまたはe-mailで事務局までお送り下さい。 (5)申込先 〒983-8551仙台市宮城野区苦竹 4-2-1 (独)産業技術総合研究所 東北産学官連携センター 後藤、橋本、松永 電話 022-237-5218 FAX 022-231-1263 E-mail: [email protected] (6)申込締切 平成24年9月26日(水) 産総研・新技術セミナー(10/2)申込書 ~ 産総研の新しいMEMS技術 ~ 機関名 電話 ( ( 参加者氏名 ) ) 連絡用 E-Mail アドレス 新技術の概要 ①ナノ構造の超伝導体で高分子量イオンを高感度検出 ライフサイエンス分野では、ペプチドやタンパク質などの巨大生体分子の定性・定量分析に質量分析 装置が使用され、威力を発揮しています。飛行時間型質量分析装置は、加速された分子イオンの飛行時 間がその質量に依存する、すなわち、大きな分子イオンほど飛行速度が遅く、飛行時間=検出部への到 達時間が長くなることを利用して、分子イオンの質量(正確には質量と電荷の比)を計測するもので、 分子イオンの検出には、電子増倍管などが用いられてきました。検出部への分子イオンの衝突によって 検出部から放出される2次電子を電子増倍管で増幅して検出するもので、低速で衝突する巨大分子では 放出される2次電子数が少なくなるため、感度が低下してしまう欠点があります。 産総研では、MEMS技術を利用してニオブや窒化ニオブの厚さ数10nm、幅数100nm、長さ数mmの細線 を直並列に配置した検出器を作製しました(図1)。これを-270℃に冷却することによって超伝導状態 にすると、分子イオンの衝突により発生する音波によって、超伝導状態が一時的に壊れ、常伝導状態と なる現象を利用し、電気抵抗の変化として検出するものです。 ニオブなどで生じる極低温状態での超伝導は、BCS理論(1957年にBardeen、Cooper、Schriefferによ って提唱された超伝導を説明する理論)により、結晶格子の振動エネルギーと結晶格子の間を移動する 自由電子の運動エネルギーの相互作用で、2つの自由電子が結晶格子の量子化された振動エネルギー(フ ォノン)をやり取りする(交換する)ことによって、低エネルギー状態の対(クーパー対)を作ること により、いわば「超流動」するようになることで説明されています。クーパー対は、温度の上昇により 結晶格子の振動エネルギーが、電子がやり取りできるフォノンよりもだいぶ大きくなると壊れてしまう ため、ある温度(臨界温度)以上になると超伝導状態でなくなります。 分子イオンの衝突で発生する音は、格子振動の波となって伝わるため、音波が通過した部分は一時的 に超伝導でなくなります。検出器の細線は幅が数100nmと小さいため、線幅全体で超伝導でなくなり、検 出器の電気抵抗が一時的に大きく変化して、電流一定の条件下では電圧パルスとして分子イオンの衝突 を検出できます。図2は、分子量が1,296のアンギオテンシンⅠ(ホルモンの一種)のイオンが検出器に 衝突した際に観察された電圧パルスです。 また、検出器の出力パルスを高速でデジタル信号に変換するためのジョセフソン接合超伝導デジタル 回路を開発しました。さらに、検出器に流す一定電流の値(電流バイアス値)を変えることにより、分 子イオンの電荷数を識別可能であることも発見しました。 図1 開発した検出器(a)外観写真、(b)検出部の超伝 導体細線のパターン 図2 アンギオテンシンⅠ分子1個の衝突 に対応する電圧パルス波形 ②レプリカ成形技術を用いた低コストMEMS製造技術 これまでのMEMSデバイスの製造は、半導体製造装置を利用し、真空プロセスを含む数十工程以上の プロセスが必要なため、高い設備投資や製造コストが課題となっていましたが、産総研では、印刷工程 と射出成形工程だけでMEMSデバイスを製造できる技術を開発し、少ない設備投資で小ロット生産にも 対応可能、かつ低コストのMEMSデバイス製造技術を実現しました。 図 1 に今回開発した MEMS 製造工程の一例(照明用 MEMS ミラーデバイス製造工程)を示します。 最初に、転写用のフィルム上に印刷機を用いて、離型層と MEMS 機能層(ミラー駆動用磁気インク、ミ ラーインク、ひずみセンサー用電極インクなど)を印刷します。位置合わせを行った後に、印刷したフ ィルムを射出成形金型内部へ挿入し、樹脂を金型内部に射出成型します。成形体をフィルムから剥離さ せると、フィルム表面に印刷された MEMS 機能層が転写された MEMS 構造体が得られます。 磁気インク ミラーインク 電極インク 転写用フィルム上への MEMS機能層の印刷 ミラーインク フィルムインサート 射出成型・転写 フィルムからの剥離 プラスチック 射出成型用金型 図 1 印刷工程と射出成形による MEMS 製造工程 図 2 に開発した技術を用いて作 製した照明用 MEMS ミラーデバイス の詳細図を示します。このデバイス は、外部コイルを用いて磁気駆動 により 1 億回以上動作させても、 MEMS 構造体の破壊等は起こらな いことを確認しています。この MEMS デバイス製造技術は、印刷 する MEMS 機能層を目的に合わせ て変更することで、加速度センサ ー・ガスセンサーなどのセンシング デバイスや発電デバイスなど、さま ざまな MEMS デバイスを低コストで製造できます。 図2 照明用 MEMS ミラーデバイス 電極インク
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