概 要 平成19年度は、郵政民営化・年金記録問題・相次ぐ食品偽装等が世間を賑わした一年であ ったが、本センターにあっては、公益法人制度改革関連3法の施行を本年12月に控え、「自 転車を中心とした生涯スポーツ施設」として公益財団法人への移行を目指すべく、新たなスタ ートの年となった。 このような状況下、本センターの存在価値並びに特異性をより明確にするため、次のような 事業を展開した。 ○ 自転車競技振興事業の推進 ○ 安定運営に向けた経営改善策の継続 ○ 自転車競技を始めとする各種スポーツ団体の合宿誘致活動の強化 ○ 施設特性を活用した新規サービスの開発 ○ 施設運営環境の点検・整備(安全対策、利用環境の改善等) ○ 地元活性化事業への積極的参画 以上の結果、自転車競技振興事業については、アジアサイクリングセンター(CCC修善寺) の運営、自転車競技者層の拡大の両主軸事業も着実に浸透し、自転車競技に係るトレーニング システムの開発や各種自転車競技大会の開催・受入れ等と併せ、自転車競技の ナショナルセ ンター たる地位を強固なものにした。 一方、財政の安定化に関しては、経費の節約・節減のみならず、自転車競技大会及びスポー ツ合宿の誘致、首都圏における販売促進活動の推進、多目的ホールの活用、外部イベントの招 致等積極的な増収策を施したことが功を奏し、一般有料入場者こそ前年実績に及ばなかったも のの、イベント参加者・会員利用を含む総入場者ベースでは対前年比100.6%を記録し、 厳しい経済情勢の中にあっても健全収支を堅持することができた。 また、1月にはオープン以来の一般有料入場者が1,500万人を突破するに至った。 なお、事業の実施に際し、自転車競技振興事業及び自転車の普及促進等事業、競技志向自転 車・機材の研究開発事業、自転車競技者の体力測定に関する調査研究事業、自転車の改良研究 等事業、構内施設の整備事業及び施設・設備等の管理事業については、それぞれ財団法人日本 自転車振興会から公益事業振興資金並びに機械工業振興資金の補助を受けた。 ―1― 1.経営改善策の検討及び実施 (1)施設運営条件の見直し ア.公益法人制度改革への対応 平成20年12月の公益法人制度改革関連3法の施行を見据え、本センターとして は、主務官庁を始め各方面から情報の収集に努める中で、「公益財団法人」の認定を 受けることを前提に置き、現状の事業形態の洗い直しや今後の事業骨子の策定を進め るとともに、移行手続きに関するスケジュール等の検討を行った。 イ.活性化の推進 自転車関係団体、地元行政並びに外部有識者の協力を得て「日本サイクルスポーツ センター活性化委員会」を設置し、 自転車のファンづくり に必要な施設設備、イ ベント並びに各種大会等に関する機能改善の具体策について検討を行った。 その結果、拠点づくり・地域との連携・全国に向けた情報の発信の各分野から様々 な施策の提案を受け、可能なものから順次、実施に移すこととした。 ウ.その他の見直し 中堅・若手職員を中心としたプロジェクトチームを編成し、本センターの事業形態 に相応しい組織機構のあり方、自転車の普及並びに誘客促進に有効なイベントのあり 方等について、テーマ別に検討を行った。 また、400メートルピストについては、一般への施設提供日を毎週水曜日の午前 中から毎週土曜日の午後及び日曜日・祝日へ変更したほか、中学生以上であった利用 制限を緩和し、トラック競技愛好者の底辺拡大を図る体制を整えたことにより、年間 1,641人(前年度162人)の利用者を数えるに至った。 (2)合理化策の検討・実施 ア.人件費の抑制 基幹職員は必要最小限に止め、臨時職員・再雇用嘱託・人材派遣を有効活用し、ま た、繁忙期のみアルバイトを雇用するなど、少数精鋭の体制により、施設の運営に臨 んだ。 イ.業者選定方法の見直し 入札については、一般競争入札制度を導入したほか、その他に関しても、適正な金 額を掌握したうえで見積合せ等を実施し、合理的な価格での契約を推進した。 ウ.自主管理業務の拡大 清掃、芝生植木管理を始めとする場内環境維持については、全てを外注に頼らず、 可能な限り職員の手で実施する方針を継続して推進したほか、軽微な補修工事等につ いても、自らで行い、経費の節減に努めた。 ―2― (3)販売促進策並びに増収策の検討・実施 ア.販売促進活動の強化 首都圏からの誘客を促進するため、旅行業界に熟知した経験豊富な専従の担当者を 配し、宿泊を伴うスポーツ合宿団体の誘致に主眼を置いた販売促進活動を展開したほ か、多数の会員を有する各種団体と交渉を重ね、新たに施設割引利用契約を締結した。 イ.健康プログラムの開発研究 将来に向けての事業展開を念頭に置きつつ、これまで実施してきたマイシェイプ教 室に加え、ヨガ&ピラティス教室や体力年齢測定等の健康増進事業を企画・展開し、 新規顧客の開拓に努めた。 ウ.外部イベントの誘致 野外音楽イベント「METAMORPHOSE 2007」を始め、自動車メーカーの主催する新車 発表会や安全走行研修会・雑誌社の主催するラジコン大会や触れ合いミーティングな ど、閑散期には外部イベントを積極的に受け入れ、事業収入の増大に努めた。 エ.委託業者の経営改善 施設、飲食物販、宿泊の3部門を一体化して誘客促進活動を推進すべく、委託業者 各社に対し、指導並びに協力を行った。 2.自転車競技の振興事業 (1)コンチネンタル・サイクリング・センター(CCC修善寺)の運営 ア.トレーニングキャンプ 国際自転車競技連合(UCI)支援事業及び国際オリンピック委員会(IOC)ソ リダリティ事業として、オリンピック出場を目指すアジア各国の将来有望なトラック 競技者及びそのコーチをCCC修善寺に集め、年2回、訓練研修を行った。 平成19年度の参加実績は、次のとおりである。 [第1回] 期間:平成19年5月22日∼平成19年6月8日 人数:5ヵ国37名 ※ コーチ・スタッフ6名を含む。 (香港チャイナ10名、マレーシア8名、大韓民国7名、 フィリピン2名、日本10名) このキャンプには、国内トレーニングキャンプとしては過去最多となる5ヵ 国からの参加があった。 参加者選手は、いわき平競輪場で開催される「ACCトラックアジアカップ 2007 日本ラウンド」への出場者が大半であったため、前半期にはボリュームの あるトレーニングメニューを実施し、中後期には出場種目を想定した個別トレ ーニングに主眼を置いたメニューとした。 ―3― [第2回] 期間:平成19年10月18日∼平成19年10月31日 人数:4ヵ国12名 ※ コーチ2名を含む。 (マレーシア6名、大韓民国4名、香港チャイナ1名、 タイ王国1名) 当初計画では、前半期にポテンシャルトレーニングで基礎体力やペダルの回 転力向上を目指し、後半期にパワートレーニングでパワーをアップさせるメニ ューを組んだものの、キャンプが始まってみると選手のポテンシャルの低さが 判明したため、急遽ポテンシャルトレーニングの期間を延長することとした。 参加選手の大半が14歳から20歳までのジュニア選手であったため、結果 的には、効果的なトレーニングとなった。 イ.移動サブセンター アジア自転車競技連盟(ACC)の協力のもと、資金面で来日が困難なアジア各国 への便宜を図るため、CCC修善寺のコーチングスタッフを「ACCトラックアジア カップ 2007 タイラウンド」の開催地であるタイ王国のバンコクへ派遣し、大会直前 に自転車競技者及び指導者を対象にしたトレーニングキャンプを実施した。 平成19年度の開催実績は、次のとおりである。 開催期間 :平成19年8月1日∼平成19年8月10日 開催地 :タイ・バンコク 派遣スタッフ:3名 参加者 :7ヵ国 選手15名、コーチ8名 合計23名 (香港チャイナ6名、タイ王国5名、マレーシア4名、 フィリピン3名、インドネシア2名、ネパール2名、 ベトナム1名) 今回で5回目となる移動サブセンターは、前年度に引き続き、タイ王国のバン コクでの開催となった。 参加者のうちジュニア選手に対しては基礎トレーニング、「ACCトラックア ジアカップ 2007 タイラウンド」への出場選手に対しては大会直前に適したトレ ーニングを実施した。 なお、ネパールに関してはトラック競技が未経験の選手であったため、初歩的 なことから指導を行うとともに、同大会への参加を促し、CCC修善寺コーチの サポートのもとで、ネパールとしてはトラック競技大会への初参加を果たした。 エ.ポテンシャル調査 平成16年度から実施しているACC加盟39ヵ国のポテンシャル調査について は、調査票の回収ができていない国々に対して、移動サブセンター開催時あるいは大 会視察等の機会に個別調査を行った。 ―4― <調査内容> ① 各国自転車競技連盟に加盟するトラック・ロード等競技別のコーチ及び競技 者数 ② トラック競技場の数並びに周長を始めとする施設概要 ③ 国際大会及び国内大会の開催の有無 ④ その他 なお、このポテンシャル調査については、次年度も引き続き実施して、最終的な取 りまとめを行い、アジア地区へのトラック競技の普及振興活動の参考資料とする。 オ.自転車競技者育成施設調査 自転車競技の先進国であるオーストラリアへ職員を派遣し、南オーストラリアスポ ーツ研究所を始め、トラック競技場やBMX競技場などの視察を行い、自転車競技選 手育成のためのノウハウや最新自転車競技情報の収集に努めた。 カ.PR活動 平成19年6月に開催された「ACCトラックアジアカップ 2007 日本ラウンド」、 同年8月に開催された「ACCトラックアジアカップ 2007 タイラウンド」、同年9月 にタイ王国のバンコクで開催された第27回アジア自転車競技選手権大会及び第 14回アジア・ジュニア自転車競技選手権大会へ出向き、CCC修善寺の活動状況の 説明及びトレーニングキャンプへの誘致・勧誘活動を行った。 また、本センターのホームページサイト上に日本語及び英語表記のCCC修善寺紹 介ページを設け、トレーニングキャンプの開催状況等を国内外に向けて広く公開して いる。 (2)自転車競技者層の拡大 ア.全国の練習所における会員指導 関係諸団体の協力のもと、CSC練習所を除く全国47都道府県52ヵ所の練習所 において、自転車競技愛好者に対する月3回の定例指導を行うとともに、練習所の運 営に必要な指導並びに支援活動を行い、国内における自転車競技者層の拡大事業を推 進した。 イ.CSC練習所の運営 全国53番目の練習所として、平成16年4月に開設したCSC自転車競技愛好会 の運営を引き続き行った。 CSC練習所は性別、年齢、目的及び自転車競技経験の有無を問わず、競輪選手を 目指す者のほか、キッズクラスからマスターズ世代に至るまで幅広い層を受け入れ、 毎月3回、原則として土曜日の午前中に活動している。 また、トラック競技に止まらず、MTB競技に関しても、アトランタオリンピック の日本代表選手である小林可奈子氏を講師に招き、平成19年8月から愛好会スクー ―5― ルを開始した。 ウ.会員の拡大 全国の自転車競技愛好会会員の拡大を目指し、各地区実施委員会と連携して、自転 車競技大会やイベントのプログラム等で募集PRを実施したほか、同委員が管轄地域 の中学校・高等学校を訪問し、愛好会活動への勧誘に努めた。 エ.指導者の養成 前年度に引き続き、幅広い競技者層に対する指導方法の統一化と指導担当者のレベ ルアップを図るため、巡回講習会4回と中央講習会1回の指導者講習会を実施した。 なお、平成19年度の指導者講習会も自転車競技者向けウエイトトレーニング方法 の指導を主たるテーマとした。 オ.全国大会の開催 日頃の練習成果発表の場として、また、競技レベル向上の場として、全国の練習所 から選抜された93名の選手により、平成19年8月20日から2日間「第10回自 転車競技記録会全国大会及び記録会」を開催し、併せて自転車競技愛好会会員の競技 意欲の高揚を図った。 なお、本年度からジュニアの部を設け、小学生及び中学生の自転車競技愛好者にも 門戸を開いた。 カ.競技用自転車等の貸与 競技用自転車等貸与事業推進委員会の承認に基づき、全国の高体連加盟高等学校自 転車競技部及び愛好会各練習所の部員・会員に低年齢競技愛好者用の24吋ロードレ ーサーを含めたトラックレーサー、ロードレーサー合計100台を貸与した。 (3)競技志向自転車・機材の研究開発 自転車競技をより一般的なスポーツ文化活動として定着させ、自転車競技者層の底辺 基盤を確立するため、平成17年度から低年齢層向け競技用自転車及び機材の試作等を 進めてきたが、本年度は、これまでに試作した4種類の変形ギアについて、負荷を加え た場合の力発揮特性を検証するとともに、クランク踏力によるペダリング評価尺度等に 関する実験を行った。 (4)自転車競技者の体力測定に関する調査研究 自転車競技者の身体特性あるいはパフォーマンスの状況を客観的かつ正確に測定・評 価する方法を構築するため、ペダリングスキル及び乗車技術に関する生理学的及びバイ オメカニクス的解析データの収集を行い、その評価システム並びに選手及び指導者への フィードバックシステムに関する検討を行った。 ―6― (5)自転車競技大会等の開催・受入れ ア.自転車競技大会 本センターの主催で、トラック競技「CSCトラック自転車競技大会2007∼ 夏・秋∼」、ロード競技「第10回CSC5時間耐久チームサイクルロードレース大 会」、MTB競技「第7回CSCチャッキーズCUP∼3時間耐久∼」及び「JCF マウンテンバイクJ2クロスカントリーin 日本CSC」、3種複合競技「第3回CS C KID S トライアスロン大会」を始めとする各大会を開催した。 また、13団体が主催する35の自転車競技大会を誘致し、開催に協力した。 イ.自転車競技合宿 高等学校、大学の自転車競技部を始めとする38団体1,145名の自転車競技者 及びオフィシャルを誘致し、合宿トレーニング場所を提供した。 (6)施設の整備 ア.施設・設備整備 多目的ホール(トレーニング施設)の屋根防水並びに暖房設備の整備を始め、5キ ロサーキットの各種安全対策、管理棟及び合宿所棟の耐震環境整備等を実施したほか、 各種基本設備並びに付帯設備の改修工事等を行い、北京オリンピック自転車競技強化 センター(日本オリンピック委員会認定)として、施設の充実を図った。 イ.施設・設備維持管理 場内における基本的な施設・設備等の保守点検を実施して、経済的かつ長期的な活 用と安全性の確保に努めた。 3.サイクルスポーツの普及奨励事業 (1)施設の運営 ア.施設の一般開放 エキスポランドのジェットコースター事故を教訓として、 安全性の確保 と 満 足度の向上 をスローガンに、2キロサーキット、変わり種自転車、400メートル ピストを始め、場内の自転車関連諸施設を開放し、自転車の普及促進に努めた。 これらの中で、多目的ホールについては、自転車競技者を始めとする各種スポーツ 選手のトレーニングの場として提供する一方、100名超のウエイト会員と40数チ ームのフットサル会員を抱え、地元住民の健康作りの一翼を担うとともに、フットサ ル伊豆リーグのメイン会場として施設の提供を行うなど、多岐に渡って活用を図るこ とができた。 イ.自転車施設設備の充実 自転車を基軸とした本センターの機能を充実させるため、5キロサーキット・2キ ―7― ロサーキット・変わり種自転車におけるレンタサイクルの一部入れ替えを行い、新型 自転車や人気自転車の導入を図った。 また、フェスタサイクルとして人気の高い17人乗り自転車「Het Fietsccafe」を オランダから輸入したほか、高級ロードレーサー・子供用トラックレーサー・MTB・ BMX等も購入し、機会を捉えて利用に供することとした。 ウ.構内の環境改善 各シーズン前には「環境整備デー」を設定するなど、本年度も職員の手による構築 物の補修・塗装、雑木の伐採、草刈り等美化運動を推進し、構内の環境改善を図った。 また、自転車の廃材を利用して製作した 自転車オブジェ を導線沿いに設置し、 自転車の国としての雰囲気作りに努めた。 (2)入場者及び運営収支 第1四半期は、雨天率 37.0%と異常気象に見舞われた前年度とは一変して、比較的天 候に恵まれたことのほか、新規施設割引利用契約先からの来場・新規自転車競技大会の 誘致並びに多目的ホールの活用等のプラス要因も加わった結果、総入場者 81,517 人(対 前年比 105.9%)を記録することができた。 続いて、第2四半期は、夏季スポーツ合宿団体の誘致・自転車普及イベントや流水プ ール企画による一般来場者の増員に努めたものの、記録的な猛暑に加え、国道136号 線の崩落による全面通行止め・宇佐美海水浴場のサメ騒動もあって、総入場者 102,124 人(対前年比 100.4%)と僅かな増加に止まった。 また、第3四半期は、夏以降続く観光客の伊豆離れが初秋まで及んだことに加え、こ れまで10月・11月の2ヵ月に渡って開催してきた秋季自転車普及イベントを11月 のみに縮小したことも作用して、月別入場者がオープン以来の最低を記録するなど10 月の落込みが余りにも大きく、期間を通しても総入場者 64,495 人(対前年比 93.4%) と大きく前年度を下回った。 そして、第4四半期は、1月から2月にかけて雪と寒波に見舞われ苦戦したものの、 3月の最終土日で大きく盛り返し、最終的には総入場者 64,495 人(対前年比 100.9%) とプラスに転ずることができた。 以上、平成19年度も入場者増加要因と減少要因とが錯綜した一年となったが、最終 的には一般有料入場者 182,945 人(対前年比 95.9%)、総入場者 299,090 人(対前年比 100.6%)を記録するに至った。 また、1月にはオープン以来の一般有料入場者が 1,500 万人を突破した。 一方、財政面では、一般有料入場者の減少や消費単価の低迷はあったものの、多目的 ホールの本格的稼働、外部イベントの積極的な誘致並びに引き続き各種合理化と経費節 減を実施したことにより、経常収支で黒字を堅持することができた。 ―8― (3)イベントの開催 ア.自転車教室 本センターの場内広場、サイクリングコース、多目的ホール等を会場にして、女性 のための自転車教室を6回、小学生のための自転車教室を6回開催し、それぞれ参加 者に自転車の乗車技術を会得させ、自転車愛好者の底辺拡大を図った。 イ.自転車普及イベント 夏季には「第4回一輪車3時間耐久レース大会」、秋季には、日本一輪車協会との 共催による「第3回CSCユニサイクルトライアル&マウンテンユニサイクル大会」 並びに「第4回紅葉サイクリング」、冬季には、静岡県一輪車連盟との共催による「第 18回新春静岡県一輪車競技大会∼5kmマラソン∼」、そのほか、MTBスクール 等自転車に特化したイベントを開催した。 このほか、ゴールデンウイーク・夏季・秋季・正月・春季の各シーズンに、各種自 転車ショーやキャラクターショーなど来場者サービスイベントを併せて開催し、多方 面からサイクルスポーツの普及に努めた。 ウ.健康増進イベント 本センターの恵まれた自然環境を活用して、山菜採りが楽しめる恒例のウォーキン グ大会、冬季の名物イベント第3回伊豆サンタマラソンを実施したほか、フットサル 山のリーグ・伊豆スポーツ合宿大会等も開催した。 (4)広報宣伝活動 静岡県内に対しては、ラジオ・新聞・新聞折込チラシ・車内吊を中心にイベント告知 に主眼を置いた広報宣伝活動を展開したほか、首都圏に対しては、時期を選んで新聞、 雑誌、車内吊等による広告を実施し、知名度の向上と誘客促進に努めた。 一方、普及の著しいインターネットに関しては、ホームページの全面的な見直しを進 め、全国に向けたタイムリーな情報発信を心掛けた。 このほか、各種報道機関に対して、本センターの実施事業や各種イベント、シーズン ごとの見所等の情報を適宜提供するなど、積極的にパブリシティ活動を展開した。 (5)販売促進活動 地元静岡県東部地区に対しては、前年度に引き続き、伊豆市・伊東市・沼津市を始め とする9市3郡にある幼稚園・保育園及び伊豆半島一円の宿泊施設に的を絞り、各シー ズン前に集中的な販売促進活動を実施した。 その中で、宿泊施設に関しては、定期的な販売促進活動のほかに、前年度同様、修善 寺温泉・伊豆長岡温泉・伊東温泉の一部有力ホテル・旅館と夏季特別割引利用契約を締 結し、誘客に努めた。 ―9― この他、地元の商店や集会所へもイベントポスターの掲出や施設案内チラシの配布を 依頼した。 一方、首都圏に対しては、前述のとおり、旅行業界に熟知した経験豊富な専従の担当 者を配し、大手旅行代理店及び学生の合宿を取扱う旅行代理店等を始め、高等学校・大 学生協・官公庁・自治体・勤労者組合・各地区体育協会・企業等へも直接足を運び、新 規顧客の開拓を推進した。 また、読売ファミリーサークル(YFC)並びに日本自動車連盟(JAF)とのタイ アップを実現し、関東地区・中部地区からの誘客を図ったほか、「1,500 万人達成記念感 謝企画」として、伊豆市民及び伊豆の国市民並びに静岡県民向けに特別割引を実施した ところ、約 2,400 人の来場があった。 なお、近隣企業の福利厚生活動を対象にした法人会員の加入促進を行った結果、平成 19年度においては、8法人34口の会員を獲得した。 (6)競輪関係事業等への協力 ア.競輪選手会訓練の受入れ 日本競輪選手会等が主催する特別指導訓練9回、特別訓練2回(特別指導訓練と併 催)、第2次新人教育研修2回の受入れを行い、400メートルピスト・合宿所サイ テル等本センターの諸施設を提供して、その開催に協力した。 イ.自転車の貸出し 競輪施行者の要請に応じ、競輪場ほかで開催される7つのイベントに本センター所 有の変わり種自転車を貸し出し、競輪事業並びに社会事業への貢献と知名度の向上に 努めた。 ウ.自転車教室の開催 近隣都県の競輪場6場において、各施行者の協力のもとに女性のための自転車教室 を2回、小学生のための自転車教室を5回開催し、競輪事業のイメージアップの一翼 を担った。 エ.自転車技士実技主任試験員の派遣 日本車両検査協会が主催する自転車技士試験の実技主任試験員として、東京会場へ 本センターの職員3名を派遣し、協力を行った。 (7)地元対策活動 狩野川コリドー利用促進協議会(国土交通省沼津河川国道事務所)、狩野川100 kmサイクリング(伊豆の国観光協会)を始め、地元の自転車関連事業に参画し、本セ ンター所有の自転車の提供や技術的な面での協力を行ったほか、 伊豆を自転車のメッ カに! を合言葉に、静岡県からの支援を受け伊豆市・伊豆の国市・函南町の各自治体 と自転車関係団体とが一体となって企画・開催した地元活性化イベント「第3回伊豆サ ―10― イクルフェスティバル」に際し、行政と自転車関係団体とのパイプ役・メイン会場の提 供等、その中心的な役割を果たした。 また、自転車以外の分野においても、伊豆市健康福祉まつり、伊豆市まるごと TO−JI 博覧会、伊豆フットサルフェスティバル等へ積極的に参画・協力し、併せて多目的ホー ル活用の可能性を探求した。 このほか、地元住民との交流を図り、相互の信頼関係を築くとともに、本センターの 存在意義を再認識していただくため、サイクル温泉ゆーサロン内ギャラリーでの地元文 化サークルの作品展示や修善寺中学校・中伊豆中学校・大仁中学校の職場体験の受入れ、 修善寺工業高校の校内マラソンへの会場提供等を行った。 4.試験研究事業 (1)各種自転車の改良研究 変わり種自転車の事故防止並びに魅力の向上を目的に、ロザリオ、バッタサイクル、 スパイダー、カルテット、回転サイクル、カニサイクル、バギーサイクル等について、 改良と試作を行った。 (2)自転車に関する基礎調査 自転車の安全性確保に資するため、各自転車関連施設の利用状況、自転車の整備状況、 部品の交換状況等の調査を行った。 5.その他 (1)諸会議 本センターの最高議決機関である理事会、評議員会を始め、常勤役員会を開催し、事 業の基本的施策に関する事項を審議したほか、事業運営方針の周知徹底及び事業推進方 法の検討などについては、役職員懇談会、管理職会議等を開催した。 (2)諸規程の制定・改正 新たに、固定資産管理規程・資産運用規程・役員の在任年齢に関する規程を制定した ほか、給与規程・多目的ホール勤務者の就業内規等の一部改正を行った。 (3)職員研修 静岡県大仁警察署の交通課長を講師に招き「自転車利用時の安全確保について」と題 した全体研修を行い、自転車に適用される道路交通法・自転車の交通事故事例・公道使 用に係る諸規制等の解説を受けたほか、他施設の視察調査を行ったうえでサイクルスポ ーツセンターの活性化に有効な諸施策を提案・発表するグループ研修を実施するなどし ―11― て職員の資質向上と意識改革に努めた。 また、火災・地震等の災害発生時及び場内施設のトラブル発生時における対応を迅速 に行い、人命の安全確保並びに被害の軽減を図るため、各種訓練を実施したほか、公益 法人制度改革関連並びに業務の遂行に必要な講習会を関係職員に受講させた。 (4)組織及び人事の活性化 前年度にスタートさせた自己申告制度・特別表彰制度を本年度も引き続き実施し、職 員の勤務意欲の維持・高揚に努めた。 ―12―
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