基本指針 2019 - 北九州市シルバー人材センター

北九州市シルバー人材センター
基本指針 2019
平成26年12月
(公益社団法人)北九州市シルバー人材センター
目次
第1章 基本指針 2019 策定の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1 基本指針策定の趣旨
(1) 策定までの経緯
(2) 策定の必要性
(3) 策定に当たっての基本的な考え方
(4) 指針の期間
第2章
センターの現状と課題
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1 前指針の事業目標値の総括
2 高齢者就業を取り巻く環境
(1)
高齢化の進展
(2) 就業環境の変化(雇用制度、年金制度)
(3) シルバー人材センターへの補助金の動向
3 当センターの現状と課題
(1) 就業機会の拡大
(2) 会員の増強
(3) 地域のネットワーク形成
(4) 安全・適正就業の強化
(5) 組織体制等の強化
第3章 基本計画の事業目標値と 5 つの基本方針・・・・・・・・・・・・・・8
1 事業目標値
2 5 つの基本方針
(1) 就業機会の拡大
(2) 会員の増強
(3) 地域のネットワーク形成
(4) 安全・適正就業の強化
(5) 組織体制等の強化
第1章
新基本指針策定の趣旨
1 基本指針 2019 策定の趣旨
(1)これまでの経緯
当センターのこれまでの中期計画の策定の経緯は、設立 10 周年を迎えた時点で、セ
ンターの目標を設定し、会員の価値観等を共有するために第一次の基本指針を策定し
ました。
(平成 12 年7月から5ヵ年間)
平成16年度に、第2次の基本指針を策定(17 年 4 月から5ヵ年間)、平成 21 年
度に、第2次基本指針が目標とした5年の期間が満了するため、再々度、新たな社会
経済情勢を踏まえセンターのあるべき姿、目標等を設定する新基本指針を策定しまし
た。
(22 年 4 月から 27 年 3 月の5ヵ年間)
(2)基本指針 2019 策定の必要性
現在の新基本指針の期間が26 年度末で満了することに加え、急速な少子高齢化社会
の進展、経済情勢の変化、事業仕分け後の国の補助金の動向などのセンターを巡る環
境は大きく変化しています。
こうした環境の変化を踏まえ、シルバー人材センターの地域における就業や活動の
機会と場の創出の役割はますます高まっており、中長期的視点に立った基本方針、取
り組みの方向性を示す計画の策定の必要があります。
(3)策定の進め方と留意点
① 会員主導の理念に沿って、
「策定委員会」の委員構成を会員主体とし、参加意識を
高めます。
② 「策定委員会」での審議の必要に応じ、随時、専門委員会、区会長会、職群班の
ヒヤリングを行うとともに、
「作業部会」を設置します。
③
事業所ヒアリング調査、会員状況調査、会員アンケート調査や他都市の状況調査
を実施し、指針への反映を図ります。
④ 策定作業を円滑に進めるため、事務局で概要案を策定し、
「策定委員会」にたたき
台として提示し、十分意見を尽くした後に指針案を作成します。
2 基本指針 2019 の期間
指針の期間は、平成27年度から平成31年度までの5ヵ年間とします。
3 実施計画の策定
基本指針の策定を受けて、実施計画(部門別活動方針)を 27年度中に作成します。
第2章
北九州市シルバー人材センターの現状と課題
1 前指針の事業目標値の総括
前指針で掲げた4つの事業目標値を、それぞれ実績と対比すると、会員数 3,900 人
は 2,614 人、就業率 80%は 83.56%、契約金額 12 億円は 8 億 94 百万円、受注
金額に占める公共・民間比率 40%:60%は 40%:60%と、就業率と公共民間比率を
除き、いずれも達成に至っていません。唯一目標値を上回った就業率についても、未
就業の就業促進策が功を奏したこともありますが、会員数が伸びなかったことで就業
率が上がったことも考えられます。
2 高齢者就業を取り巻く環境
(1) 少子高齢化の進展
北九州市では、政令指定都市のなかで最も高齢化が進んでおり、昨年 26年3月
末現在の高齢化率は 27.2%と人口の4人に1人が 65 歳以上の高齢者、75 歳以
上の後期高齢者は 8 人に1人という状況です。
この人口構造の変化は、社会のさまざまな制度や仕組みにおいてもその前提とな
る条件等の見直しを迫られ、シルバー人材センターの運営にも、こうした変化への
対応が必要です。
また、高齢者についても、一方的に社会から支えられるのではなく、支える役割
を担うことが期待されることから、今後、シルバー人材センターの役割はますます
高まっていきます。
(2) 平成 25 年4月からの年金の支給開始年齢の引き上げ
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では 65 歳までの安定した雇用を確
保するため、企業は「定年引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置を講
じるように義務付けられています。
この制度により、すでに、シルバー人材センターへの新規加入者の年齢が高くな
っており、新たな課題が出て来ています。
(3) 一般労働者派遣事業への参入
シルバー人材センター連合が高齢者を対象とした臨時的かつ短期的又はその他の
軽易な業務の範囲で厚生労働大臣に届け出ることにより「一般労働者派遣事業」を
実施することが可能となり、今まで、請負や委任の形態での就業に限られていたも
のが雇用の形態での就業が認められるようになりました。
会員は、労働契約により派遣労働者として県シルバー人材センター連合会に雇用
され、依頼に応じ企業等に派遣され、指揮命令を受けて就業します。
これにより、継続的な就業の選択肢が広がりますので、今後、会員数を増やして
対応して行く必要があります。
(4) 事業仕分け後のシルバー人材センターの補助金の削減
2009 年 11 月から行政刷新会議が設置され、「事業仕分け」が実施されました。
シルバー人材センター事業も「事業仕分け」の対象となり、国庫補助金の 3 分の
1 が減額されたため、これを受け、北九州市のシルバー人材センターの補助金も削減
されました。
事業仕分けにより大きく減額された国の補助金は、その後も、基調として運営費
補助から事業費補助へシフトの方向にあり、各拠点センターの事業執行能力(企画
力)が問われる状況にあります。
3
当センターの現状と課題
(1)就業機会の拡大
シルバーを取り巻く就業環境は、長引く景気の低迷、財政事情等の理由により、
行政からの受注業務の拡大が期待できない背景にあって、今後は民間企業や家事援
助サービス等の一般家庭からの受注拡大を目指す必要があります。
会員の入会促進とセットで就業開拓の推進を強力に推進し、就業先を確保拡大す
ることは、シルバー事業の維持・発展に欠かせない事項です。
顧客のニーズを把握し、顧客志向に徹することを目指し、就業開拓活動の充実・
新規事業所の開拓を推進していく必要があります。
また、今後、団塊の世代を中心とした年齢層がシルバー事業へ流入し、これまでと
違った就労内容や条件を希望してくる会員の増加が予想されます。
こうした会員に関しては、アンケートなどにより会員特性の把握に努め、これま
での知識と経験という財産を活かしていくほか、ホワイトカラー層の職種の拡大等、
新規規事業への対応を図って行く必要があります。
また、発注から就業までの時間を短縮するなどの顧客の要望に応えるため、職群
間や行政区間の横断的対応が必要となってきます。
①顧客ニーズの把握
②顧客志向の徹底
③新規事業所の開拓
④会員特性の把握
⑤新規事業への対応
⑥職群間や行政区間の横断的対応
(2) 会員の増強
①センター存立の基礎となる会員の増強は、組織運営の重要な要素です。
平成 25年度末現在の会員数は 2,614 人と、前年度と比べて 9 人(0.3%)増
加したものの、中期的には減少傾向にあります。
粗入会率については、0.76%と全国平均 1.96%を大きく下回っています。
②資料 P10に見られるように、行政区、職群の会員人数にばらつきが見られます。
特に女性の場合、車の免許を取得していないなどで、近くか交通の便利の良い場
所でしか就業ができないことも多いので、各地区で会員がいるという状態を作り出
す必要があります。
③男女別では、男性が 1,872 人(71.6%)
、女性が 742 人(28.4%)であり、女
性会員の割合は、全国平均の 32.4%を下回っています。
④今後の事業展開において、女性会員の入会を促進するとともに、退会を希望する会
員の抑制についての対策強化が望まれます。
⑤また、顧客から一部会員のマナーへの苦情があるなど、接遇の研修強化などが望まれ
るところです。
①新規会員の増強
②行政区・職群の会員数の不均衡の是正
③女性会員の増員
④退会の抑制
⑤会員のマナ―アップ
(3) 地域関係団体との連携
①少子高齢化、核家族化、中核都市への人口集中などにより、地域の担い手が減少
し、地域コミュニティ機能が弱体化してきました。
これまで、地域を支えてきた、自治会、社会福祉協議会、民生委員、NPO など
ボランティア主体の団体単独では、大きく変わる問題、ニーズへの把握・対応が
十分にできなくなっています。
②各団体をつなげるコーディネイター役がいないなどで連携ができていません。
今後は、連携を強化して、地域課題を協働して取り組む必要があります。
③北九州市シルバー人材センターも、地域では、既存のボランティア主体の活動団
体とは、一線を画されている面もあり、認知度が低い状況ですので、シルバーの
会員が地域の中に入って活動を行うなど、認知度をアップする必要があります。
①地域ニーズの把握
②地域団体・NPO・社協等地域団体との連携強化
③シルバー人材センターの認知度のアップ
(4)
安全・適正就業状況
①シルバー事業は、健康で働く意欲のある高齢者が、これからの人生をいきいきと生
きていこうという目的と、生きがいを持って地域社会に貢献していくという目的を
持っており、事故に遭う、あるいは事故の不安を抱えて就業することがあってはな
りません。
しかしながら、就業中の事故は、研修会などで、再三注意を促しているにもかか
わらず、依然として後を絶ちません。
安全対策を徹底する必要があります。
②また、発注先の指示命令関係にある仕事や、発注者の労働者とシルバー人材センタ
ーとの会員が混在する仕事は、請負・委任になじまない業務とされています。
今後は、一般労働者派遣事業を適用することで就業機会の拡大が可能となります
ので、取り組みを強化する必要があります。
③季節的な発注などの多忙な時期においても、シルバー事業の理念や、臨・短・軽と
した趣旨から大きく逸脱しないように、ワークシェアリングによる適正化の必要が
あります。
④一部の職群で、地区により、見積りにバラツキが見受けられることがあります。見積
りの平準化を進める必要があります。
⑤受注した業務が、会員の技術力の未熟さや勘違いでクレームを受けることがありま
した。
会員のスキルアップや指示事項の確認を怠ることの無いようにする必要がありま
す。
①安全対策の徹底
②受託事業契約の適正化(請負・派遣)
③就業形態(臨短)の適正化
④見積りの平準化
⑤会員のスキルアップ
(5) 組織体制等
①北九州市シルバー人材センターは、公益社団法人であり営利を目的とする団体ではな
いため、国と北九州市より補助金の交付や北九州市の指定管理者制度を含めた公共事
業の委託を受けて事業運営を行っております。
上記補助金・委託料事務費に加え、民間等の受注の事務費、会費収入を主な財源と
して運営されておりますが、センターを取り巻く厳しい状況に加え、国、北九州市か
らの補助金確保も厳しくなってきています。
そのため、自主的な運営を図り持続可能な財政基盤の確立を図るために、経常的経
費の抑制や事務の効率化によるコスト削減を進めるとともに、就業開拓を推進し、受
注増による自主財源(事務費)の確保に努めることが重要です。
②北九州市シルバー人材センターは、市からの派遣職員、市職員 OB、嘱託職員で構成さ
れており、政令市で唯一無期雇用職員がいません。退職年次の偏りもあって、業務の
習熟と継承に不安があります。
有期雇用の嘱託職員の身分では、モチベーションの低下を招いてしまうことも考え
られます。
このため、事務局嘱託職員の雇用制度の見直しなど組織体制を強化する必要があり
ます。
①財政運営の効率化と受注増による自主財源の確保
②事務局組織体制の強化
第3章
1
事業目標値と北九州市シルバー人材センターの 5 つの基本方針
事業目標値
31年度末
参考 25 年度末 現在
1 会員数
3100人(粗入会率 0.9%)
2,614 人(粗入会率 0.8%)
退会者数 2000人(400 人/年)
入会者数 2500人(500 人/年)
2 就業率
84%
3 契約金額
84%
1,060百万円
894百万円
公共
356百万円
356百万円
民間
704百万円(約30%UP)
538百万円
事業者
293百万円(40百万円 UP)
253百万円
個人
411百万円(126百万円 UP)
285百万円
4 受注金額に占める公共と民間の比率
公共:民間=
34:66
公共:民間=40:60
2
(1)
5 つの基本方針
就業機会の拡大
①継続発注者への訪問やアンケート調査によるニーズ把握
専任の営業開拓職員の配置を継続し、仕事を待っているのではなく、打って出る営
業に転換して、新規事業所の開拓を努めます。
継続発注者への訪問やアンケート調査によるニーズを把握し、アフターケアを行う
ことで、今後も受注が継続できるようにするとともに、センターで引き受けが可能な
仕事が内在してないかの確認を行います。
また、指定管理者制度を含めた公共受注が確保できるように、提案内容のレベルア
ップを図る必要があります。
②顧客満足度を高めるため、仕事の質の向上
シルバー人材センターは、
「いい仕事をするという口コミ」が一番の PR ですが、個々
の会員のスキルとともに、マナーが重要となります。
そのため、発注者から、履行確認印をいただく時に、顧客アンケートを渡し、後日
投函いただくことで、緊張感のある仕事ぶりやマナーが期待できます。
③事業所訪問による就業開拓の継続
戦略としては、継続的に定期的に就業機会が得られる可能性のある事業所・部署を
中心に行うとともに、ハローワークと連携し、求人情報の収集を行い、その事業所に
対する営業活動を行います。
こうした訪問によって、受注に結びつきそうな案件については、機会を逃がさない
ように、選定から契約までの処理を迅速に行う必要があります。
④会員特性を踏まえた就業促進
会員アンケートを実施し、会員の能力や資格、就業目的、希望職種を把握したうえ
で、営業活動を行い、就業に結び付くようにマッチングを行います。このため、今後
も、会員情報の定期的な更新が必要です。
パソコンを扱う世代も今後増えて行くことから、北九州市シルバー人材センターの
ホームページに就業情報を掲載し、就業希望者を募ります。
⑤新規事業への対応
ホワイトカラー層会員の増加の見込みに対応し、事務系職種等の新規事業を開拓し
ていくことが、今後、重要となってきます。
上記会員アンケートで会員の得意な分野を把握することにより、補習教育、講和、
英会話・パソコン教室等の社会人教育等のインストラクターの派遣、学童保育等の子
育て支援への参画などが考えられます。
また、一般労働者派遣事業は、高齢者の多様なニーズに応え、修業を確保するため
の有効な手段であるので、積極的に展開して行く必要があります。
⑥職群間・行政区間の横断的対応
顧客のニーズに応えるため、職群間・地区間の柔軟的な対応が必要となります。
例えば、顧客が急ぎの場合、その区の職群だけでは、対応できない時には、近隣地
区の職群が応援を行います。
また、派遣事業等で、就業につく人員が足りない場合、駐輪場等の待機者を充てる
ことで、人材の活用と就業率のアップを図ることも必要となります。
剪定と除草を同時に受けた場合、見積りと作業が別々では、発注者に手間と経費を
余分にかけることになりますので、剪定と簡易な除草の場合は、剪定班がこれを受け
られるように、剪定除草グループを編成して対応することが顧客サービスにつながり
ます。
①継続発注者への訪問やアンケート調査によるニーズ把握
②顧客満足度を高めるため、仕事の質の向上
(履行確認時に顧客にアンケート)
(良い仕事をするという口コミによる PR)
③事業所訪問による継続的就業開拓
④会員特性を踏まえた就業促進
⇒会員アンケート調査によるマッチングの促進、HP による就業情報掲載
⑤新規事業への対応
・ホワイトカラー層の活用のための新規事業創出や派遣事業の展開
⑥職群間・行政区間の横断的対応
・剪定班の簡易な除草の取組み
(剪定除草グループの編成)
・職群間の異動のスムーズ化
(駐輪場等待機者の就業促進)
・地域間の応援体制強化
(2)
会員の増強
①新規会員の増大
多様化する地域の顧客ニーズに対応するには、能力を持った会員を多数集めてい
くことが重要です。
また、会員を安定的に確保することができれば、就業先の開拓も行いやすくなり
ます。
②行政区・職群の会員数の不均衡の是正
行政区・職群により、会員数のバラツキがあり、不均衡を是正することで、就業
を行いやすくする必要があります。
③女性会員の増員
福祉家事援助等女性に適した業務の拡充を図りながら、女性会員の入会促進を図
ります。
・企業訪問による企業退職予定者の勧誘促進
・ターゲットを絞った会員募集 PR
・パブリシティ(報道機関へニュース素材の提供)
・有料広告の活用
・SP地域事業を活用した会員の勧誘
・会員募集チラシの配置先拡大
・一人一会員入会促進運動を展開
・女性に特化した会員募集 PR
・入会制度の簡素化
・ハローワーク等との連携
④退会の抑制
年齢や体力的な理由により、軽作業への従事を促したり、退会しなくてもよいよ
うな特別会員制度を再構築します。
退会を決意する前の相談を職員等が行うとともに、引きこもり防止や居場所づく
りとして特別会員に勧誘します。
・希望職種の見直しと未就業会員の対策強化
・特別会員制度の改編
⑤会員のマナ―アップ
会員の言葉、態度、行動等により、信用失墜につながることもあり得ることから、
就業前に就業規約についての理解を徹底します。
特に、言葉足らずによるクレームが多いことから、顧客の立場に立ってのコミュ
ニケーション力の向上は必須です。
このため、会員の接遇研修を実施することにより、マナーアップや、会員の就業
意識を高め、意欲を喚起するなど、地域社会で働くに相応しい人材づくりを行いま
す。
・入会説明会・研修の一部変更
・会員接遇研修の強化
①新規会員の増大
②地区・職群会員数の不均衡の是正
③女性会員の増員
・入会制度の簡素化
・一人一会員入会促進
・ターゲットを絞った会員募集 PR
・企業訪問による企業退職予定者の勧誘促進
・パブリシティ(報道機関へニュース素材の提供)
・有料広告の活用
・SP地域事業を活用した会員の勧誘
・会員募集チラシの配置先拡大
・女性に特化した会員募集 PR
④退会の抑制
・希望職種の見直しと未就業会員の対策強化
・特別会員制度の改編
⑤会員マナ―アップ
・入会説明会・研修の一部変更
・会員接遇研修の強化
(3)
地域のネットワーク形成
①地域プラットフォーム(集合体・連携体)の一員化よる地域ニーズ把握
シルバー人材センターは、平成 24 年度に、公益社団法人に移行し、これまで以上に
自治会や民生委員、社会福祉協議会、行政機関、NPO などと連携し、地域のプラット
フォームの一員として機能する必要があります。
地域の一員となり、連携することで地域のニーズの把握が可能となるほか、会員の
募集も行いやすくなります。
②シルバー人材センターもまちづくりの役割を分担
シルバー人材センターは、自治会や民生委員、社会福祉協議会、行政機関、NPO な
どと連携し、それぞれが、得意な分野で役割分担することで地域の課題を解決する取
り組みが求められます。
③地域貢献事業・新規事業を行うことによるイメージアップ
ワンコイン事業、シルバー農園事業、親孝行代行事業、空家・空地対策事業などの
地域貢献事業を実施することによって、シルバー人材センターの認知度やイメージア
ップを図って行きます。
また、平成 26 年 6 月に、介護保険制度が改正となりました。
27 年度以降に実施となりますが、これを、ビジネスチャンスとしてとらえ、今から、
厚生労働省の新規事業となる介護予防・日常生活支援総合事業の取組みに対して準備
して行くことは、就業機会の拡大につながります。
さらには、ボランティア活動は、地域に貢献するとともに、センターが地域の信頼
を得るためにも、極めて有意義な活動です。
地域班活動を活性化することにより、地域でのイベントの参加・出店などボランテ
ィア活動を推進し、地域に愛されるシルバー人材センターを目指します。
また、会員同士の交流を促進し、地域班活動が仲間づくり、居場所機能を果たすよ
うに推進します。
①地域プラットフォームの一員化よる地域ニーズ把握
②シルバー人材センターもまちづくりの役割を分担
③地域貢献事業・新規事業を行うことによるイメージアップ
・ワンコイン事業、シルバー農園事業、親孝行代行事業、
空家・空地対策事業実施
・介護予防日常生活支援総合事業の取組み準備
・地域班活動の活性化(ボランティア活動の推進、
会員同士の交流促進、仲間づくり、居場所づくり機能)
(4)
安全・適正就業の確保
①安全対策の徹底
「安全は全てに優先する」という基本に立ち返り、真剣に事故の撲滅に努めなけれ
ばなりません。
このため、作業基準の見直しを行ってきましたが、さらに、安全研修を強化し、安全
パトールを継続的に実施し、守られていなければ作業を中止するなどの厳しい措置を
行う必要があります。
②受託契約の適正化(請負・派遣)
公益社団法人に移行した北九州市シルバー人材センターにとって、関係行政法規の
遵守は必須事項です。
シルバー派遣は、適正就業の取組みを実施する上で有効な手段であることから、現
在受注している仕事の就業内容の点検を行い、指揮命令があったり、職員の混在があ
るものについて、請負事業と明確に区分して派遣事業に是正して行きます。
③就業形態(臨短)の適正化
シルバー事業における現行の業務の要件で、「臨時的かつ短期的」とは、概ね月 10
日程度以内、1週間当たりの時間が 20 時間を超えないこととされています。
この枠組みのなかで、受注を行うには、ローテーション就業や役割分担を適切に行
うことで、ワークシェアリング(仕事の分ち合い)を図って行く必要があります。
④見積りの平準化
見積りの平準化を推進するには、見積り基準を徹底する研修を行うとともに、中
期的には、事務局で見積り班を構築することは、平準化推進の上でも、会員の仕事の
分かち合い推進の上でも確実です。
⑤会員の技術熟練度アップ
会員の知識・技術 が未熟で、顧客との間でトラブルが発生することがありました。
会員の知識・技術・技能のスキルアップのため各種講習会を開催します。
除草の公園などの集団作業で、第一線を退いたベテラン高齢者が、全体の安全管理
や、他の会員の技術指導に回るなど協力体制を築く必要があります。
その他、後継者を育成するために、会員による OJT 講習会を開催します。
また、会員同士で顧客からのクレームの共有を図る必要があります。
①安全対策の徹底
・安全作業基準の見直し
・安全研修の強化
・安全パトロールの除草班への拡大
②受託事業契約の適正化(請負・派遣)
・修業内容の点検と是正
・一般労働派遣の推進
③就業形態(臨短)の適正化
・ワークシェアリング(仕事の分ち合い)の推進
④見積りの平準化
・事務局による剪定・除草の見積もり班編成
⑤会員の技術熟練度アップ
・技能技術研修
・後継者育成研修の強化
5
組織体制等の強化
(1)事業運営の効率化と受注増による自主財源の確保
センター事務を見直し、事業運営の改善や合理化を進める必要があります。
特に、顧客からの受注業務のクレームの事務処理は、事務局の種々の改善に費やす
時間を奪い、大きな負担となっており、会員の資質向上は不可欠です。
また、効率性を上げるうえでも、こうした苦情処理の迅速化を図るため、コンプライ
アンス委員会の活用を促進する必要があります。
自主財源を増やすには、基本指針で 5 つの方針に掲げている会員増強と就業開拓の
両輪で進めることが重要です。
そのため、基本指針を作って終わりでなく、策定後、具体的な手順まで落とし込み、
PDCA( Plan・計画)→ Do・実行→ Check・評価→ Act・改善)サイクルの
進行管理を行うことが重要です。
(2)事務局組織体制の強化
時代が大きく変わって来ていることもありますが、事務局の省力化を進めるあまり、
コーディネイション作業を会員任せにしてきたことで、制度疲労が起きていることは
否めません。
会員業務・会員活用業務・事務局業務を明確化して、自主・自立・共助の会員組織
を支援して行く事務局体制に強化して行く必要があります。
現在の有期の嘱託制度のままでは、ノウハウやネットワークの蓄積が難しいので、
組織の理念と目的をよく理解し、熟知している専任の長期勤続者は、組織にとって欠
かせません。
このため、評価制度とともに無期雇用制度の確立が急務です。
また、職員の人材育成のための研修やマニュアルの整備は欠かせません。
①事業運営の効率化と受注増による自主財源の確保
・会員増強と就業開拓促進
・事務局の効率運営の促進
・苦情処理の迅速化
・基本指針のPDCAサイクルチェック
②事務局組織体制の強化
・事務局職員雇用制度の見直し
・マニュアル整備・研修の充実
・自主・自立・共助の会員組織を支援して行く事務局強化
(会員業務・会員活用業務・事務局業務の明確化)
第3章
事業目標値と北九州市シルバー人材センターの 5 つの基本方針
第1 事業目標値
31年度末
1 会員数
参考
2850人(粗入会率 0.8%)
25 年度末 現在
2,614 人(粗入会率
0.8%)
退会者数 2000人(400 人/年)
入会者数 2250人(450 人/年)
2 就業率
84%
84%
3 契約金額
974百万円
894百万円
公共
356百万円
356百万円
民間
618百万円(約15%UP)
538百万円
事業者
293百万円(40百万円 UP)
253百万円
個人
325百万円(40百万円 UP)
285百万円
(2000 円×2 時間×1回/週×50 週×200 人=40,000 百万円)
4 受注金額に占める公共と民間の比率
公共:民間=
37:63
公共:民間=40:60
OR
31年度末
1 会員数
参考 25 年度末 現在
3100人(粗入会率 0.9%)
2,614 人(粗入会率 0.8%)
退会者数 2000人(400 人/年)
入会者数 2500人(500 人/年)
2 就業率
84%
3 契約金額
84%
1,060百万円
894百万円
公共
356百万円
356百万円
民間
704百万円(約30%UP)
538百万円
事業者
293百万円(40百万円 UP)
253百万円
個人
411百万円(126百万円 UP)
285百万円
(2000 円×2 時間×2 回/週×50 週×300 人=120,000 百万円)
4 受注金額に占める公共と民間の比率
公共:民間=
34:66
公共:民間=40:60
第3章
1
事業目標値と北九州市シルバー人材センターの 5 つの基本方針
事業目標値
31年度末目標値
1 会員数
参考 25 年度末 現在
3100人(粗入会率 0.9%)
2,614 人(粗入会率 0.8%)
退会者数 2000人(400 人/年)
入会者数 2500人(500 人/年)
31 年度末目標値を3100人とします。
これには、毎年 400 人近くの会員が退会して
いますので、毎年500人の入会者を募る必要があり、
口コミや広報活動の強化を行う必要があります。
(2) 就業率
84%
84%
会員数が増えた分を、受注を増やして就業率を下げ
ない努力が必要です。
3 契約金額
1,060百万円
894百万円
公共
356百万円
356百万円
民間
704百万円(約30%UP)
538百万円
事業者
293百万円(40百万円 UP)
253百万円
個人
411百万円(126百万円 UP)
285百万円
(2000 円×2 時間×2 回/週×50 週×300 人=120,000 百万円)
4 受注金額に占める公共と民間の比率
公共:民間=
34:66
公共:民間=40:60
公共は、財政難で、今後、受注増が見込めないもの分、
民間分で受注額を増やす必要があります。
事業者分としては、派遣事業や、継続的な請負で受注を
伸ばしてゆく必要があります。
個人分としては、今後、厚生労働省の新規事業の介護予防・
日常生活支援総合事業に積極的に取り組むことが売り上げを
伸ばすカギとなります。
40100 北九州市
男女計
2010 年
2015 年
2020 年
2025 年
2030 年
2035 年
2040 年
976846
961748
936127
903262
866164
826141
784162
0~4 歳
40601
37692
32718
29610
28077
26699
25151
5~9 歳
42005
40225
37359
32448
29373
27855
26487
10~14 歳
44045
41474
39774
36967
32117
29076
27573
15~19 歳
46456
44774
41913
40186
37359
32464
29386
20~24 歳
48782
45905
44768
41930
40219
37376
32474
25~29 歳
52539
45888
44524
43468
40741
39110
36342
30~34 歳
59254
51660
45479
44227
43202
40495
38857
35~39 歳
68821
58460
51090
45026
43795
42797
40120
40~44 歳
61227
67895
57759
50525
44534
43322
42337
45~49 歳
57222
60345
67007
57030
49903
43999
42803
50~54 歳
58031
56405
59502
66099
56279
49272
43456
55~59 歳
69240
57136
55506
58625
65158
55504
48627
60~64 歳
82160
67847
55906
54468
57608
64065
54611
65~69 歳
67399
79361
65419
54040
52801
55944
62259
70~74 歳
58494
63808
75193
62077
51450
50463
53600
75~79 歳
51743
53420
58321
69220
57261
47711
47063
80~84 歳
37064
44438
45954
50562
60675
50320
42278
85~89 歳
20462
28114
33958
35637
39663
48419
40279
90 歳以上
11301
16901
23977
31117
35949
41250
50459
(再掲)0~14 歳
126650
119391
109851
99025
89567
83630
79211
(再掲)15~64 歳
603733
556315
523454
501584
478798
448404
409013
(再掲)65 歳以上
246463
286042
302822
302653
297799
294107
295938
(再掲)75 歳以上
120570
142873
162210
186536
193548
187700
180079
総数
60 歳以上
358,728
1 会員数 3,100 人(粗入会率 0.9%%)
{25 年度末 2,614 人(粗入会率 0.8%)
}
「基本指針 2019」の会員数見込みは、みねん毎年 100 人ずつの退会者を想定し、毎年
200 人ずつ
入会促進を行い
算定に当たり特に配意した事項としては、過去5年間の女性会員の全体に対する構成比の
伸び率、2010 年から 2015 年の高年齢者の推計伸び率で女性が男性を上回っていること
及び今後の受注増が見込まれる分野における女性会員の入会促進対策等を勘案し推計しま
した。
2 就業率 80%
平成 20 年度末 74.3%
最終年度の契約金額及び会員数から積算すると 86%となりますが、過去3年の平均就業率
76%からするとかなり高めの率となるため現行就業率との中間値として 80%としました。
3 契約金額 1,200,000 千円
平成 20 年度末
1,004,674 千円
過去5ヵ年の公共及び民間の契約金額の伸び率の平均を基礎とし算定しました。
(注)20 年度末における受注金額に占める公共と民間の比率
公共:民間≒40:60
公共と民間の比率は前指針の掲げた数値目標で唯一達成した部門ですが、所期の目標であ
る民間受注の増加によるものではなく、公共部分の減少といういわゆる指定管理者制度や
市における行財政改革等の影響を受けた結果ということができます。本指針期間において
は、公共部分の現在受注額を最低でも維持することを前提としつつ、民間部門の顧客の確
保を積極的に推進し、これに加え新規開拓による受注増を図っていかなければなりません。
今後のセンターのあり方を決定づける「公益社団法人認定」に向けて万全の組織基盤を構
築する必要があります。
4 財政健全化の指標
財政健全化部会の答申(別添資料)を踏まえ、受注増を一方の柱とするため、オールセー
ルスマン活動の充実・強化、顧客の確保、未収金の解消、就業のアフターケアとリサーチ、
センター内での会員相互の需要の喚起、職群班の効率的運用とお客様ニーズによる職群班
の再編及び会員企画提案の充実等の諸課題について関係委員会等での主体的・継続的な検
討が必要です。また、財政基盤の整備に不可欠である肥大化した組織運営費の削減につい
ては、他センターの状況等も考慮し適正レベルの役員活動費、費用弁償及び会議運営費等
の組織活動助成について可及的速やかに会員の理解と協力を得、改善する必要があります。
さらに、事務局管理経費の削減として事務局の適正配置、職員の給与水準の見直し及び職
員配置数の見直しと連携した事務部門への会員活用などについて検討を深める必要があり
ます。
平成 21 年度~平成 22 年度 赤字解消期
平成 23 年度~平成 24 年度 内部ストック・蓄積期(平成 23 年度認定公益法人申請)
平成 25 年度~平成 26 年度 安定経営・ステップアップ期
を目標に財政健全計画に沿い計画的な財政基盤作りを推進する必要があります。