企業Web担当者 自社サイト&ソーシャルメディア

CSS Nite in Ginza, Vol.62
「ビジネスとしてのWeb制作を見直す」
企業Web担当者
自社サイト&ソーシャルメディア
利用の基本のキ
株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum編集長
http://web-tan.forum.impressrd.jp/
安田英久
Web担って?
企業のウェブ活用を支援する解説記事&ニュース
ウェブサイトの企画・構築・運営
ネットマーケティング全般
http://web-tan.forum.impressrd.jp/
このセッションの目的
スマホとかソーシャルメディアとかSEOとか
アクセス解析とかトリプルメディアとか
HTML5とかFacebookとかTwitterとか言う
前に、企業Web担当者が押さえてお
くべき大基本を理解してもらう。
このセッションの内容
Part 1 Web担当者の基本のキ
Part 2 企業のソーシャルメディア利用
の基本のキ
Part 1
Web担当者の基本のキ
このパートの目的
企業Web担当者が、スマホとかソーシャルと
か具体的な話を進める前に、最低限押さえて
おかなければいけない基本をおさらいする。
このパートの対象者
企業のWeb担当者として、「どんなサイトにす
るのか」「サイトで何をするのか」を考える人、
または、そうした人を助ける役割の人。
このパートの内容
① そのサイトは何のため?
② どんな人が対象?
③ さらにウェブで重要なのは……
①そのサイトは何のため?
①そのサイトは何のため?
とりあえず作らなきゃ
とにかくたくさんの人に、
ホームページに
来てもらいたいんです
①そのサイトは何のため?
それは「目的」では
ありません!!!!!
①そのサイトは何のため?
会社は、そのサイトになぜコストをかけるの?
→ビジネス上の目的は何? ゴールは何?
これを明確に決めるのが第一歩!
何を達成するべきか明確にする。
ここがブレると他への影響が大きい
ここがブレると予算もとれない
あなたのサイトの目的は何?
①直接売り上げ (EC) ②リード獲得(資料請求)
③マーケ/広告/広報 (売上直結の認知度向上/情報提供)
④ブランディング (売上直結でない認知度向上)
⑤将来のビジネス機会増大
(ロイヤルティ向上、パートナー獲得)
⑥サポート(またはサポートコストの軽減)
⑦顧客リサーチ ⑧人材採用
⑨IR/CSR(ステークホルダー対応)
ROIの「R」は具体的には何?
•目的によって求める成果が変わる
•費用対効果の「効果」は何に設定するの?
•何を達成することを期待してるの?
広告でも目的設定が大切
•企業・商品ブランディング
•顧客ロイヤルティ向上
•製品ジャンル・テーマの認知向上
•製品の認知向上・理解促進
•感情喚起
•直接販売
•リード獲得
※いまそれを目的にするのが正しいの?
サイトのビジネス目的が決まったら、次は……
②どんな人が対象?
②どんな人が対象?
みなさんに
満足していただける
ホームページに
②どんな人が対象?
ある家族がどんな車を買おうかと相談しています
•おじいちゃんは、風を感じるオープンカー
•お母さんは、家族が広々と乗れるワンボックス
•お兄さんは、カッコいいスポーツカー
•お姉さんは、かわいくて丸くてパステル色
が欲しいと言いました。
全員の要望を汲んでお父さんが買った車は……
②どんな人が対象?
②どんな人が対象?
万人を満足させられるウェブサイトなんて
顧客セグメントを明確にして優先度を決めるべし。
企業としては幅広くても、各アクションはセグメント化できるはず。
②どんな人が対象?
デモグラフィック属性(性別や年齢)よりも……
• 商品/サービスの購入対象者:
ニーズもまだ生まれていない | 自社製品をまだよく知らない |
購入検討中 | 自社製品を欲しいと思っている
• 既存顧客: 活用方法がわからない | 問題が発生した | 他の自
社製品を購入しようかと思っている
• パートナー企業候補 ・ 就職希望者: 新卒、転職
• 投資家 :既存、見込み ・社員 :子会社、従業員、従業員の家族
②どんな人が対象?
複数セグメントに対応するには
藤沢市 http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/
②どんな人が対象?
複数セグメントに対応するには
郵便局
http://www.jp-network.japanpost.jp/
②どんな人が対象?
複数セグメントに対応するには
NTTドコモ http://www.nttdocomo.co.jp/
ユーザーを理解…できてますか?
関係者に「代表的な対象ユーザーはどんな人か」を
聞いて、集計してみましょう。
中村
多田
宮奈
安田
年齢層
職業
家族構成
ウェブをどんなときに使う?
レストランはどう選ぶ?
スポーツは何が好き?
休日は何をしている?
主にどこで買い物をする?
ユーザー理解が人によって違う、違いすぎる!!
池田
ここまで明確に決まっていて
初めてどんなサイトにするか決まる
だれが
(どういう理由/ニーズをもって)
(どういう経路でサイトにアクセスして)
サイトで何をすれば「ゴール」?
その人がそのゴールを達成するには
どんなコンテンツが必要?
• (サイトに来る前と来た後で何が変わるの?)
• (サイトに来た後で何をするの?)
•
•
•
•
•
「ビジネス目的」
「対象ユーザー」を設定したら
• Web担当者、その上司、さらにその上司、
制作会社、広告代理店みんなで明確に共有
• サイト作りはすべてその目的のために
• 数値目標を設定しようね
③さらにウェブで重要なのは……
放っておいても人は来てくれない
どうやって知ってもらうの?
どこから来てもらうの?
テレビ局ですら告知しまくるのに……
・誘導プランがないサイトはジャングルにあるコンビニ
・無人島でつぶやいてもだれにも聞こえない
「集客・誘導策」がない
ホームページ企画はゴミ
必ず集客のプランと予算確保を
作ったあとが大事
Webサイトもソーシャルメディアも
作るまでよりも、
作ったあとの運用・改善が重要。
必ず、更新や改善のための予算を
確保しておいてください。
Webは全体の一部分
ウェブは重要なチャネルですが、
企業の顧客コミュニケーションの一部分。
ウェブのことだけでなく、顧客との情報接点、
コミュニケーション全体を意識しましょう。
Web担当者基本のキのまとめ
ビジネス目的を決める
対象ユーザーセグメントを明確にする
知ってもらうための方法もちゃんと設計する
作るだけじゃなくて運用もちゃんと考えておく
Part 2
企業のソーシャルメディア
利用の基本のキ
このパートの目的
利用者視点では気づかない場合もある
「企業利用におけるソーシャルメディア」
をざっくりと整理して、
考え方の方向を
正しく持ってもらうこと
×明日からすぐに役立つノウハウ
×Facebookページの作り方
×ビジネス利用の成功事例
このパートの対象者
「Facebookやっといたほうがいいのかな?」
「ツイッターやりたいんだけど」
……とクライアントから言われた制作会社や代理店の人
……と考えているWeb担当者その人
×個人としてソーシャルメディアを利用する立場
×ネットビジネスの世相を語る人とかVCの人
×「FBで一攫千金」とか考えている情報商材的な人
このパートの内容
「ソーシャルメディア」って
そもそも何?
企業のソーシャルメディア活用で
大切な大原則と第一歩の方向性
企業の
ソーシャルメディア活用
で大切な大原則と
第一歩の方向性
ゴールドラッシュの
鉱夫とジーンズ屋のように
ならないために
セカン○ライ◇の時のように
ならないために
何よりも大切なのは
「とりあえずTwitterやってみる」
「とりあえずFBページ作っとく」
「どうせならGoogle+ページも」
トレンドには乗り遅れない!
そんなんじゃ、
ゴールドラッシュ
で夢破れた鉱夫
になりますよ。
何よりも大切なのは
「とりあえず」ではなく、ソーシャルメディア
で達成するビジネス目的を明確にすること
単なる情報発信ではなく、ブラウザの向こ
うに人がいて、その場で、どんなことを感
じ、どんな行動をしているのかを考える
「エンゲージメント」とか「コミットメント」とか
呼ばれる類のコミュニケーションを。
単に情報を伝えたいだけなら、マス広告、
純広告、リスティング広告のほうがいいよ
ソーシャルメディア利用の
目的って?
「いいね!」してくれるファンの数を1万人に
する
Twitterアカウントのフォロワー数を2万人
獲得する
それって、メルマガの購読者数を
増やすようなものでしょ。
で、そのメルマガで何をするの?
ソーシャルマーケティングで
達成する5つのビジネス目的
•耳を傾ける(Listen)
顧客の会話に耳を傾け、顧客のニーズを理解する
•話をする(Talk)
顧客との会話に参加し、会話を促進する
•活気づける(Energize)
熱心な顧客を支援し、他の顧客に影響を及ぼす
•支援する(Support)
顧客同士が助け合えるようにサポートする
•統合する(Embrace)
顧客からアイデアを得て製品開発やイノベーションを生み出す
by ジョシュ・バーノフ http://web-tan.forum.impressrd.jp/node/6272
企業のソーシャルメディア第一歩
わからなければ、まずは「傾聴」。自社のことが
どんな風に語られてるのかの声を聞く。
聞くだけなら炎上のリスクはない
• 自社サイトにいいねボタンとかTWボタンを付けて反応数を見る
• 自社名とか製品名とかサイトのドメイン名で検索する
• Twitterの検索機能
• Topsy http://topsy.com/
• TwiTraq http://twitraq.userlocal.jp/
• 統合ツールで調べる
• CoTweet http://cotweet.jp/ FB対応
• HootSuite http://jp.hootsuite.com/ FB対応
• つぶやきデスク http://twdesk.com/
• 予算に余裕があれば分析サービスも
• SAS Social Media Analytics http://web-tan.forum.impressrd.jp/node/9237 FB対応
• ブームリサーチ http://www.tribalmedia.co.jp/br/
• クチコミ@係長 http://www.hottolink.co.jp/kakaricho/
企業のソーシャルメディア対応ステップ
①モニタリング(傾聴)
②簡単な情報発信
(ここから実際の利用が始まる)
③既存顧客とのやりとり
(リレーション強化) やサポート
④既存の熱心なファンを通じた
情報・信頼感の伝搬
⑤コミュニケーション戦略や
全体戦略への統合
「聞く」以上のアクションは誰がやるの?
基本は事業主体がやらなきゃダメ(代理店の人じゃなくて)
コミュニティマネージャー
「ビジネス判断+コミュニケーション」を理解、経営陣ともやりとり
担当者
デジタル世代の人や、サポートや売り場で顧客とやりとりしてる人
緊急対応はコミュニティマネージャーが行い、
場合によっては経営層からメッセージを発信(通常の広報ルート)
→ソーシャル系はふつうの10倍のスピードで
そのためにも、現場担当者は、「これは自分で対応してOK」「これは
エスカレーションするべき」を判断できる人がふさわしい
※「Facebookページ作ったら終わり」じゃないことに注意が必要。
自社サイトよりも、さらに作ったあとの運用の比重が高い
でもやっぱり失敗が怖い……
• ガイドラインを定めるべし。例があるので、それを利用するべし
ソーシャルメディアポリシー/ガイドラインの国内実例まとめ+策定者向け情報
http://web-tan.forum.impressrd.jp/node/8041
• たとえばこんなの
• 個人情報や秘密情報を公開しないこと
• 会社の不利益になるような発言は避けること
• 会社としての正式な見解や回答では無いことを明示する
• 違法性のあるコンテンツ、極端な誹謗・中傷を含む発言を行わないようにすること
• 自分がこの会社に属していることを正しく伝えること
• 常に良識ある発言・投稿を心がける
• ソーシャルメディアガイドラインなんて、所詮は
基本的な企業の行動規範の上に成り立つものに過ぎない。
放っておいても人は来てくれない
あなたのFacebookページはどうやって知ってもらうの?
あなたのTwitterアカウントはどうやってフォローしてもらうの?
※FBに300万人っていっても、全員にリーチできるわけじゃない。
・無人島でつぶやいてもだれにも聞こえない
・最初から大きな成果を出せるのは、
すでに大きな顧客ベースをもっている有名企業だけ
ソーシャルメディア施策を積極的に
進めるなら、集客プランは重要
ソーシャルで大切なのは
共感
OnDeck特別号「世界の“絆”グラフ」より http://on-deck.jp/
電通さんもそう言ってます
TwitterのRTも、
Facebookの「いい
ね!」ボタン、mixiの
「イイネ!」ボタンも、
共感しないと押さない。
共感された価値ある
情報のみが広まって
いく。
SIPS: ソーシャルメディアが十分に浸透した時点での、
ソーシャルメディアに関与が深い生活者の行動モデルの考え方
電通モダン・コミュニケーション・ラボ http://www.dentsu.co.jp/sips/
一次情報はちゃんと自社サイトでね
• 一次情報は自社サイトでちゃんと出す。オウンドメディアは要。
「企業サイト全体をFB上に」とかパフォーマンスですから。
• 自社サイトは本店で、FB支店、TW支店、mixi支店のように考える。
※ECの世界は昔からそうしてる
• 数年前はFBなんてだれも知らなくて、
「MySpaceが世界を席巻する」
って言われてたんだよね。
まとめ
ビジネス目的を決め、対象ユーザーセグメントを明確に
することは、どんな施策にも通じる基本のキ
「とりあえず」は絶対NGってわけじゃないけど、
企業がソーシャルメディアに入っていく場合も
目的を明確に設定すべし
いいね数やフォロワー数を集めるのは目的じゃない
わからなければ「傾聴」から入る
運営チームはコミュニティマネージャ+担当者
大切なのは「共感」、役にたつだけじゃなく、
ココロに触れるのだ
ご清聴ありがとう
ございます。
http://www.facebook.com/webtan
http://twitter.com/hidehisa