SIGGRAPH2015 REPORT 第42 回コンピュータグラフィックスと

SIGGRAPH2015 REPORT
The
The 42st
42st International
International Conference
Conference Computer
Computer Graphics
Graphics and
and Interactive
Interactive Techniques
Techniques
第
第 42
42 回
回コンピュータグラフィックスと
コンピュータグラフィックスと
インタラクティブ技術に関する国際学会
インタラクティブ技術に関する国際学会
今年のテーマ ∼
今年のテーマ ∼ Xroads
Xroads of
of Discovery
Discovery ∼
∼
為ヶ谷秀一
岩澤駿 SIGGRAPH2015 が開催されたロスアンジェルスコンベンションセンター（LACC）
はじめに
展示などの発表者は、1,500 人を超えて
参加者は事前にコンファレンスの概要を、
おり、2012 年の大会時より 300 人ほど
次の URL で観ることができる。
今年の SIGGRAPH2015 は、3 年ぶり
増えていることからも、SIGGRAPH は学
（Program Preview Videos）
に米国ロスアンジェルス市のコンベンショ
会として研究成果をはじめ、先端研究に対
（WEB ページ）
ンセンター
（LACC）
に戻った。8 月 9 日
（日）
する発表の場として、しっかりと発展して
http://s2015.siggraph.org/attendees/
から 13 日（木）の 5 日間（機器展示会は
いる状況も見られる。
（SIGGRAPH が学会
program-preview-videos
11 日∼ 13 日の 3 日間）にわたって開催
の場であるとの認識が戻って来ていると、
・Technical Papers
された。
SIGGRAPH2015 コンファレンス委員長
・Computer Animation Festival
近年、この分野に対するカナダ政府の
も語っている。
）
・Art Gallery
・Emerging Technologies
税制優遇策などの影響もあり、昨年の
SIGGRAPH 大会を開催したバンクーバー
・Real-Time Live!
市には、ハリウッドを中心としている大手
コンファレンスの概要
の CG 関連プロダクションや VFX スタジ
今年の大会テーマは「Xroads of
（LACC・South Hall ロビー）には、
オ等が、ハリウッドから移転している。こ
Discovery」である。これは、SIGGRAPH
StudioXperience のスタジオが作られてい
の影響を受け、ロスアンジェルスのプロダ
がアート、サイエンス、そしてテクノロジ
る。このスタジオで制作される CG 分野の
ーの交差点になっていることを表している。
エキスパートとのインタビュー番組は、イ
クション人口が減少しているとのレポート
また、コンベンションセンター内
もあるが、今年の登録参加者は 70 ヶ国、
（Marc Barr 氏、コンファレンス委員長談）
ンターネットでライブ配信されると共に、
14,800 人（昨年のカナダ・バンクーバー
単に、研究者、アーティスト、企業など
大会終了後もアーカイブとして視聴するこ
大会の参加者 14,045 人とほぼ同じ）とな
の様々なバックグラウンドを持つ人々が集
っており、今までロスアンジェルスで開催
まる祭典であることを示しているだけでは
された SIGGRAPH 大会（2012 年ロスア
ない。近年の CG 研究の動向として、
「より
ンジェルス大会の参加者 21,212 人、80
写実的に」
「より効率良く」といった、いわ
ヶ国）からみると、
少ない数字となっている。
ば純粋な「絵作り」を目的とした研究が成
更に近年の SIGGRAPH 大会は、インタ
この SIGGRAPH のキープレイヤーでもあ
熟を迎え、ヴァーチャルリアリティ、ファ
ーネットによる SNS の活用が進められて
る VFX や CG プロダクションは、ネット
ブリケーション、ディープラーニングなど、
おり、ペイパーや CD-ROM などで提供さ
ワークの活用によるクラウド化するプロダ
多様な研究領域と CG とを組み合わせた、
れるドキュメント類は殆どなくなっている。
クション・パイプラインの変革が進む中で、
学際性を持つものへとシフトしていること
また、大会終了後もインターネット上の
ハリウッドからカナダやイギリスだけでな
を「Xroads」と言うことばで表現している
SNS により、主要なイベントのアーカイブ
く、インドやシンガポールなどアジア地域
と言える。
を、動画コンテンツとして観ることができ
も含めて、世界各地に広がってプロダクシ
20 年ほど前に制作された映画・ジュラ
る様になっている。
ョンが行われる様になって来ている。この
シックパークのころから、CG 技術によっ
・Facebook（https://www.facebook.
ことからも、ロスアンジェルスでのプロダ
て映画は大きくその表現の世界を拡げてき
クションに関わる人間の数の減少も、少な
た。そして現在、急速に進化して来ている
からず影響して来ているとも言える。
リアルタイムレンダリング技術などにより、
機器展示会場には、143 社（昨年は
実写と CG のコラボレーションの世界が広
175 社）を超えるブースが出展されており、
がり、ヴァーチャルリアリティ（VR）やオ
大きなブースを構えるところは殆どなくな
ーグメンテッドリアリティ（AR）などの活
ったが、夫々のブースでのセミナーやユー
用が、映画制作においても急速に拡がりを
ザーによる実際の制作事例などの、実践を
見せて来ている状況が、近年ハリウッドに
・Blog（http://blog.siggraph.org/）
中心としたプレゼンテイションが行われて
おいてもトピックスとなって来ている。
・Instagram（https://instagram.com/
いた。
コンファレンスで行われる各セッション
一方、SIGGRAPH 大会での論文や作品
は、ビデオ・プレビューが作成されており、
6
FDI・2015・10
とが出来る。
（WEB ページ）
http://studioxperience.com/siggraph-2015/
com/SIGGRAPHConferences）
・Google ＋（https://plus.google.
com/+siggraph/posts）
・T w i t t e r （ h t t p s : / / t w i t t e r . c o m /
siggraph）
・YouTube（https://www.youtube.
com/user/ACMSIGGRAPH）
acmsiggraph/）
SIGGRAPH2015
Best Computer Animated Short Award を
受賞した米国・Ringling College of Art and
Design 校のブース
© 2015 ACM SIGGRAPH
キーノートスピーチをする、
マサチューセッツ工科大学
（MIT）
メディアラボ所長の伊藤穣一（Joichi“ Joi ”Ito）氏
© 2015 ACM SIGGRAPH
NORTH ホールに設けられた MIT の研究展示ブース。
今年 10 月、MIT メディアラボは、30 周年を迎える。
によってインターネット上で最も影響力の
Lillian Schwartz 氏（Independent
SIGGRAPH2015 のトピックス
ある 25 人の中の一人として挙げられてい
Artist）
今年の新しいテーマとして、
「VR
る。インターネットにより、社会構造が大
● Outstanding Service Award
Village」のセクションが設けられ、360
きく変わって来ているとして、ビジネスを
Mike Bailey 氏（Oregon State 大学）
度のドームシアター、テーブルトップの
はじめ多くの社会的な活動において、テク
AR システムなど、リアルタイム CG によ
ノロジーと連携した未来に向けた提言を行
る多様なシステムのデモンストレーション
っている。MIT メディアラボの創設者でも
TECHNICAL PAPERS（論文）
が行われた。また、エマージングテクノロ
あるニコラス・ネグロポンテ前所長の「Bio
学会としての SIGGRAPH コンファレン
ジー（E-TECH）においても、3D、VR、
is the new digital」を引用して、バイオ技
スの中心は、コンピュータグラフィックス
プロジェクションマッピングなど、リアル
術とコンピュータ技術の融合により、新し
における最先端の研究発表が行われる論文
タイム CG 技術によるインタラクティブシ
い分野を開くことが可能であるとして、こ
発表のセッションである。
ステム等の展示が中心となっていた。
の分野も CG 研究者がこれから挑戦するテ
例年のように、初日の日曜日 18 時よ
今年のコンファレンスにおけるスピーカ
ーマとなるであろうと述べた。
り 2 時間の「Technical Papers Fast
ーや展示者は、
昨年より増えて 1,533 人
（昨
そして大事なことは、サイエンティスト、
Forward」が開催された。各論文の発表者
年 1,354 人）を超えており、各セッショ
アーティスト、エンジニア、デザイナーの
から、30 秒で自らの論文の概要が発表さ
ンで活発な発表や展示が行われていた。
4 つの帽子をかぶった人たちの連携が重要
れる。コンファレンスで発表される研究の
であると締めくくった。
概要を把握することができるイベントとし
「コンファレンス全体の発表件数」
て、何時も殆どのコンファレンス参加者が
・技術論文 154 件（36 件の TOG 論文
も含む。応募数 462 件 / 採択数 118 件）
・ポスター 95 件（今年は、ディスプレイ
SIGGRAPH アウォード（表彰）
会場に詰めかける。
近年の CG 分野の研究は、グラフィック
SIGGRAPH の年次大会では、例年、コ
スやイメージの生成に関するものだけでは
・コース 25 件
ンピュータグラフィックスに関係する技術
なく、3D プリンティングやインターネッ
・デイリーズ 40 件
や表現の発展に貢献してきた研究者、アー
ト上のデータアーカイブより、目的の映像
・アート論文 6 件ティストたちの表彰を行って来ている。今
生成をする様な、コンピュータの演算能力
・アートギャラリー 15 件（3D プリンテ
年の ACM-SIGGRAPH Award は、次の 5
を活用した、いわゆる Computational と
ィングなど、デジタル技術によるクラフ
人に賞が授与された。
言われる分野の研究開発が活発に行われて
ト作品などが出展された。
）
● Significant New Researcher Award
いる。
J o h a n n e s K o p f 氏（ M i c r o s o f t
以下の URL に各論文のアブストラクト
を採用した E-POSTER 展示）
・エマージングテクノロジー（E-TECH）
26 件（内日本から 10 件。招待 6 件。
応募数は 90 件）
・VR ビレッジ 11 件
・Job フェア 13 社
Research）
● Computer Graphics Achievement
Award
今年のキーノートスピーチは、マサチュ
ーセッツ工科大学（MIT）メディアラボ所
http://s2015.siggraph.org/sites/
default/files/firstpages.reduced.pdf
Steve Marschner 氏（Cornell 大学）
● Steven Anson Coons Award for
基調講演
が掲載されている。
Outstanding Creative Contributions
Computer Animation Festival（CAF）
to Computer Graphics
CAF に応募した作品は、選考委員によ
Henry Fuchs 氏（North Carolina 大学
at Chapel Hill）
り審査され、選ばれた作品は「daytime
selects」で期間中終日連続的に上映され
長の伊藤穣一（Joichi“Joi”Ito）氏によ
● Distinguished Artist Award for
る。CAF で選ばれた作品の中から特に優れ
り行われた。伊藤氏は、Business Week
Lifetime Achievement in Digital Art
た作品は、
毎夕 2 時間にわたる「Electronic
7
FDI・2015・10
© 2015 ACM SIGGRAPH
Best Visualization or Simulation Award を受賞「Multi-Scale, Multi-Physics Heart Simulator, UTHeart」
瀬尾拡史氏（中央）
（株式会社サイアメント）
Theater」で上映される栄誉を受けている。
© 2015 ACM SIGGRAPH
Best Visualization or Simulation Award を
受賞した「Multi-Scale, Multi-Physics Heart
Simulator, UT-Heart」
Director：瀬尾拡史氏
（日本・株式会社サイアメント）
「日本からの上映作品」
© 2015 ACM SIGGRAPH
Best in Show Award 受賞作品「Citius, Altius,
Fortius」
Felix Deimann 氏（ドイツ）
オリンピックの
アスリートの記録映像から動きのデータを抽出して、線
画による抽象的な CG アニメーションとして構成した作品
Martial Andre、Sara Ayoub、
作品の上映には、最新の高精細映像プロ
☆ Electronic Theater 上映作品（1 本）
Benjamin Condy、Ariane
ジェクター、クリスティ・デジタル社の
・
「Multi-Scale, Multi-Physics Heart
Dedulle、Cécilia Maturi、Tatiana
DCI 規格 4K プロジェクターが使用されて
いた。
Simulator, UT-Heart」
「日本からの上映作品」
Tchoumakova 各氏（フランス・École
Supérieure des Métiers Artistiques）
今年の CAF は、以下の 7 つのカテゴリ
☆ daytime selects 上映作品（4 本）
● Best Student Project Award
ーで応募を受け付けた。
・
「TSUM TSUM“Frozen”」 Hiroshi
「L3.0」
Alexis Decelle 氏他
（フランス・
1. Computer Animation Shorts
2. Games
3. Animated Feature Films
4. Visual Effects for Live-Action
Feature Films
Chida（Freelance）
・
「楽園追放ー Expelled from Paradise」
監督：水島精二
・
「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」
監督：さとうけいいち ISART Digital）
● Best Computer Animated Short
Award
「Jinxy Jenkins and Lucky Lou」
Michael Bidinger, Michelle Kwon、
5. Music Videos
（例年、以下の作品が daytime selects
Sarah Kambara 各氏（アメリカ・
6. Advertising
で特別上映されている。
）
Ringling College of Art and Design）
7. Visualizations and Simulations
・
「Japan Media Arts Festival Special
（1999 年より SIGGRAPH の CAF で
Reel 2014」
（文化庁メディア芸術祭）
優秀賞を受賞した作品は、アカデミー賞の
「Best Animated Short」にノミネートま
たは受賞している。
）
● Best Animated Feature Film Award
「"HOME" VFX Breakdown」
Director：Tim Johnson 氏（米国・
☆「 S I G G R A P H 2 0 1 5 C o m p u t e r
Animation Festival 受賞作品」
DreamWorks Animation SKG, Inc.）
● Best Visual Effects for Live-Action
今年の CAF には、500 作品を超える応
今年の CAF では、最優秀賞（Best in
募があり、その中から 100 を超える作品
Show Award）と共に、次の 9 部門で優秀
が選抜されて、以下の会場で上映された。
作品が受賞した。
SIGGRAPH では、ストリーテリングに注
● Best in Show Award
目した作品選考が行われると言われている
「Citius, Altius, Fortius」
が、今年の入選した作品には、個人や学生
Felix Deimann 氏（ドイツ）
チームによるオリジナリティのある作品が
この作品は、学生の作品であるが、オリ
Simulator, UT-Heart」
Director：瀬尾
多く選ばれている。
ンピックのアスリートの記録映像から、運
拡史氏（日本・株式会社サイアメント）
今年は、その年の最優秀作品を上映する
動の動きを抽出し、それをデータとして線
医師である瀬尾氏による医療画像サービ
Electronic Theater は、2 日目と 4 日目の
画による抽象的な CG アニメーションとし
スを目指した心臓のシミュレーションデー
夕方の 2 回しか上映されなかった。今まで
て構成した作品で、シンプルであるがイン
タを CG 映像化した作品。スーパーコンピ
は、昼間の上映も含めて 4 回上映されてい
パクトのある作品である。
ュータによるシミュレーションの結果を、
たので、参加者は夕方に行われる他のイベ
特に最初の映像は、モントリオールオリ
医学的にも正確にビジュアライズすること
ントとのスケジュール調整が大変であった。
ンピックの体操選手、ナディア・コマネチ
により、専門分野の医師にとっても有用で
☆ Electronic Theater 上映作品 33 本
さんの演技の動きデータをもとに表現され
あると共に、一般にも説得力のある映像が
☆ daytime selects 上映作品 103 本
ており、筆者は、モントリオールオリンピ
実現されている。
（2 日目から 4 日目まで、連日 9 時から
Feature Film Award
「Paddington」
Director：Paul King
氏（英国・Framestore CFC）
● Best Visualization or Simulation
Award
「Multi-Scale, Multi-Physics Heart
ックの中継取材で現場に居たので、特に強
● Best Music Video Award
17 時 30 分まで上映され、Electronic
いインパクトを感じた作品である。
「League of Legends Music: Curse of
Theater に入選した作品も、この中に含ま
● Jury's Choice Award
the Sad Mummy」
Riot Games、Shy
れている。
）
「Amir & Amira」 Co-Directors：
the Sun 各氏（南アフリカ）
8
FDI・2015・10
SIGGRAPH2015
日本の伝統文化と CG とを融合させたパフォーマンス
「Gemotion Dance with KAGURA」が「Sake Party』
会場で上演される。
● Best Game Award
「Assassin's Creed Unity E3
Cinematic Trailer」
Director：István
Zorkóczy 氏（ハンガリー・Digic
Pictures Ltd）
● Best Advertisement Award
「Ikea,“T-Shirts”
」
Director：Dougal Wilson
氏（英国・Moving Picture Company）
パフォーマンスのために構築されたシステムと CG 映像
「グロースモデル（The GROWTH Model）
」
の発表を皮切りに独自の作品を発表し続けて
きた CG アーティスト、河口洋一郎氏（現東
京大学教授）と河口研究室が主催する 28 年
おわりに
間続く伝統のイベントである。
今年は、日本の伝統文化と CG とを融合
☆ 1. デジタルコンテンツ協会（DCAJ）は、
させたパフォーマンス「Gemotion Dance
SIGGRAPH ボードメンバーとの円卓会議
with KAGURA」が会場で上演された。
により、今年度も引き続き相互の協力関係
「創生神楽」神楽師である表博耀（おもて
を積極的に推進して行くことを確認した。
ひろあき）氏の舞と、その動きに反応して
的に反応しているような印象を与える効果
また、例年日本のコンテンツ技術を紹
投影される CG 映像とを組み合わせた約 7
を狙ったシステムの開発が行われている。
介するセッション「Japanese Digital
分間のパフォーマンスである。日本文化と
Content Technology」を開催している
先端 CG 技術のコラボレーションは、400
☆ 3. 今後の SIGGRAPH の開催予定は、第
が、大会 4 日目の 8 月 12 日に SOUTH
名を超える来場者に大きなインパクトを与
8 回目となる「SIGGRAPH-ASIA 2015」
ロビーに設けられた ACM SIGGRAPH
えていた。開発は河口教授の指導の下、東
が、2015 年 11 月 2 日∼ 11 月 5 日に、
Theater で、次の 3 件の発表を行った。
京大学大学院情報学環河口研究室のメンバ
神戸国際会議場・神戸国際展示場で開催さ
ーによって行われた。
れる。http://sa2015.siggraph.org/jp/
（1）
「HenGenTou/Deformation Lamp
（変
幻灯）
」
西田眞也 / NTT
（2）
「Midair Touch Display」
篠田裕之 /
今年 11 月に神戸で開催されるシーグラフアジアのプロ
モーションブース
このパフォーマンスのために構築したシ
ステムを図に示す。振付のキャプチャには、
☆ 4. 来年の SIGGRAPH2016 は、2016
KINECT V2 センサアレイを用い、舞手の
年 7 月 24 日から 28 日に、米国・カルフ
シルエット、関節の動き、音声などを複合
ォニア州アナハイムのコンベンションセン
strategy」
杉沼浩司 / 日本大学講師、
的にキャプチャし、CG を生成する数理モデ
ターで開催され、2017 年にはロスアンジ
映像新聞論説委員（コーディネーター
ルに与えるパラメータとして設定されてい
ェルスに戻って開催されることになってい
＆チェア：杉沼浩司 , Ph.D.）
た。特に、神楽の舞に特徴的な「大幣（オ
る。 http://s2016.siggraph.org/
東京大学
（3）
「UHD（4K/8K）Imaging:Japan’s
オヌサ）
」の動きをとらえるために、再帰性
☆ 2.SIGGRAPH の関連イベント
反射材を用いた特別な大幣が制作され、赤
☆ 5. ここでは、SIGGRAPH 全体を詳しく
（Birds of a Feather）として行われ
外線を用いた位置のキャプチャを可能にし
紹介することが出来ないため、詳細は以下
た、「Kawaguchi's Sake Party at
ている。Gemotion Dance を構成するシー
の URL を参照して頂ければ幸いです
SIGGRAPH 2015（通称『Sake Party』
ンには、SPH 法による流体シミュレーショ
http://s2015.siggraph.org/
は、今年 28 回目となった。
ン、GROWTH Model による自己組織的形
1970 年代の CG 黎明期から研究・制作
状生成など、自然・生命現象の数理モデル
に着手し、SIGGRAPH の 1982 年大会
を取り入れることで、CG にある種の生々し
（Boston）における、自己増殖する造形理論
さを与え、CG が舞手の動きに生物的、情感
Hideichi Tamegaya 女子美術大学 Shun Iwasawa 東京大学大学院情報学環 9
FDI・2015・10

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