ポスター・機械展示No.33 キャプチャーｉ（ビデオ計測システム）と受注データのご紹介 ○吉田好徳、飯高嘉和、佐藤功治株式会社ニコン・エシロール Introduce a video measuring system that named Capture-i and ordered parameters analysis Yoshinori Yoshida, Yoshikazu Iidaka and Koji Sato, Nikon-Essilor Co. Ltd., １．はじめに近年、個別に設計された自由曲面を使った製品が、ますます一般的になってきました．一方フレームのデザインを見てみますと個性的で斬新なものが次々登場し、フィッティングの視点からしますと調整の難しいものが増えてきています．そのようななか、一人ひとりのフィッティング状態を計測し、それに応じて個別設計を行う、累進屈折力レンズを中心としたレンズ製品が登場し、販売を伸ばしています．図１本体＋iPad 今回、機械展示のコーナーで測定機のキャプチャーｉの展示とデモ、パネルでは最近の受注データの中から各種パラメータの受注分布についてご紹介をいたします。ぜひ機械展示コーナーにお越し下さい。２．キャプチャーｉ（Capture-i）のご紹介先に述べたような個別設計の製品を注文するには各種パラメータの計測値が必要です．ここでは簡単に測定装置の概要をご紹介い図２治具＋フレームたします．なおＶスコープ（Vscope）と呼んでいる測定機もほぼ同仕様のものです． 2.1 機器の構成キャプチャーｉの構成は、以下の通りです． ①本体 ②iPad（Apple 社製） ③治具（フレームに取り付けます） ④固定台図１、２、３参照本体と iPad との信号のやりとりは、ヘッドセットコネクタを通して行います． 2.2 ソフトウエアソフトウエアは、専用のソフトを App ストアーからダウンロードして使用します．図３固定台に固定した状態３．測定可能な項目キャプチャーｉで測定可能な項目は、下記の通りです． ①芯取り間距離（遠方） ②フィッティングポイント高さ ③角膜頂点距離 ④前傾角 ⑤そり角 ⑥近方作業距離５．各種パラメータの受注データのご紹介我々といたしましても、数多くの測定結果を手にする貴重な機会になっています．角膜頂点距離、前傾角、そり角の実受注データの分布を整理しましたのでご紹介いたします．なおデータ取得日は 2015 年 3 月、直近の約 500 件のデータを集計しました． 5.1 角膜頂点距離の受注分布 ⑦芯取り間距離（近方） ⑧利き目（一部の商品で使用）ニコン・エシロールではこれらのパラメータを総称して「フェイス・プロフィール」と呼んでいます．４．測定手順上述の測定項目①から⑤については、正面と横からの写真２枚を撮影し計測します．また⑥の近方作業距離用と⑦の近方芯取り間距離用には近方から１枚、⑧の利き目測定用に１枚を撮影し、それぞれ計測します．図６標準の 12mm が一番多く、およそ 50％を占めた．最小は 5mm、最大は 16mm だった． 5.2 前傾角の受注分布撮影後は、iPad 上でフレームの端位置など幾つかの位置マーカーを合わせ、計測結果を得ます．図４、５図７ 10°が一番多く 30%弱を占めた．0 から 18° 図４位置マーカー合わせまで広い範囲に分布している． 5.3 そり角の受注分布図５測定結果画面（一例）図８ 3 から 6°と 0°を中心に分布、数は少ないが 25°まで広く分布している．結局、どの分布図も、元の分布から推察される分布図となっており、各パラメータ間に何らかの関連性は見出だせませんでした．６．各パラメータ間の関連性の解析多くのデータが得られたことから、各パラメータ間に何か関連性がないかを確認してみたので、併せてご紹介します． 6.1 角膜頂点距離と前傾角との関係７．まとめ角膜頂点距離、前傾角、そり角の各パラメータの受注分布を整理した．併せて各パラメータ間の関連性も確認したところ、それぞれに関連性はなく「独立」しているという結果になりました．従って、これら３つのパラメータは一人ひとり違っていて、なおかつ個々に関連性はなく、独立していると言えそうです．一人ひとり個別に測定をして、個別に設計をすることの重要さを再確認する結果となりました．図９角膜頂点距離の受注分布と前傾角の受注分布を重ねたような分布で、特に関連性は見られないように思われます． 6.2 そり角と角膜頂点距離との関係図１０ 6.3 そり角と前傾角との関係図１１図１０、１１共に、２つのパラメータ間に特に関連性は見られないようです．