読売新聞 25.04.16 首相、憲法改正へ事実上の「工程表」示す 安倍首相は15日の読売新聞の単独インタビューで、憲法改正に向けた事実上の「工程表」を明らかに した。 首相が描く道筋は〈1〉夏の参院選で勝利し、改正に前向きな3分の2の勢力を確保〈2〉幅広い支持 を得やすい96条の改正に着手〈3〉集団的自衛権の行使に関しては憲法解釈の変更で対応――というも のだ。政府内では「現実的で、理にかなったもの」 (政府筋)との見方が多く、今秋以降、憲法改正が現実 的な政治課題に浮上する可能性が強まっている。 首相はインタビューで、憲法改正を志向する理由として、 「制定から60年以上が経過し、中身が時代に 合わなくなっている」などと強調。米国で6回、フランスで27回、ドイツで58回(いずれも昨年4月 現在)それぞれ憲法改正が行われたことも指摘し、憲法を「不磨の大典」として扱っている日本がいかに 異例であるかを訴えた。 首相が、憲法改正の発議要件を定めた96条の改正を先行させるのは、日本維新の会やみんなの党など 幅広い支持を得る手応えを強めているからだ。維新の会の橋下共同代表は、96条改正に賛同する考えを 表明しており、首相もインタビューで、9日に橋下氏と会談した際、「(96条改正に関する)基本的な認 識は一致できた」と明らかにした。 民主党は、96条の先行改正を「『メニューはないが、とりあえずレストランに入ってください』という 話だ」 (細野幹事長)と批判している。これに対し、首相は「自民党は憲法改正草案というメニューを示し ている。批判は当たらない」とはねのけた。
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