奴踊歌集

奴踊歌集
大瀬川奴踊保存会
出だし
どっこい どっこい どこいのせぇ (どまえ・太鼓)
これわいなぁ これわいなぁのせぇ (おはやし)
[以下、繰り返しながら輪になる]
[輪がきれいに出来たら]
ハァー ハァー (太鼓) よい (どまえ)
よい (太鼓) よいわす (どまえ)
一 とおりな
1、通りな ハゥァらば ハァ通りならば
やはれ旦那よ 様よぇ (ソ~リャ~、 ハァ)
2、思もと思もて 思もと思もて やはれ旦那よ 様よぇ (ソ~リャ~、 ハァ)
3、思もと思もわの おんふりょお知りて 末元にさいしんきわ
やはれ旦那よ 様よぇ (ソ~リャ~、 ハァ)
二 エツモササ
1、エツゥモーササのにー (ハァ ドッコイドッコイ)
末の松山ゆわしゃんせ、おぉーらも日本の大和の
笹の上なり、千代の浮世じゃーと (ノ~セゲンクラヤ サカ スットン)
見事のさーしわいな (ハァ ヨイヨイヨイヨ)
2、おらぁもー若いときゃ (ハァ ドッコイドッコイ)
荒岩何度もふんがしたぁー、まーぁーしーてぇえだども
(七八、前は、鬼と、弁慶だな、ハァ、ソリャァ、ハァ)
見事のさーしわいな (ハァ ヨイヨイヨイヨ)
3、さはじめは、ずふらめけども (ハァ ドッコイドッコイ)
そこしん心は仏ださ、とにかけさんつりゃ
(車馬[シャバ]にえっせき、さはづに気がついた ハァ、ソリャァ ハァ)
見事のさしわいな (ハァ ヨイヨイヨイヨ)
4、思い直して
元のかかさん呼ばしゃんせ、元にゃ根もある葉もある
(テント) おしゃのなずみさんと(ノーゼゲンクラヤ サカ スットン)
見事のさしわいな (ハァ ヨイヨイヨイヨ)
5、お玉見よとて(ナハハ~ノハ)愛の山もよければ(ソリャアハァ)
おたーまーが くしのきりがーさーよー
三 なされ節
ニャー ニャー トヤラヨー、何をな~されたてサーェ
ニャー ニャー トヤラヨー、 ハァ ニャー ニャー トヤラヨー
1、躍り出てく来る、お庭はせまいよ
『お庭広げろ サァエ 諸共達よ、諸共達よ』
ハァ 諸共達よ 《『~』まで繰り返し》
2、此の家旦那さーの お名をば何んとよ
『蔵は九つ サアェ 蔵ノ助よ、蔵ノ助よ』
ハァ 蔵ノ助よ
3、蔵―の助さーま、あーさー起―き早いよー
『ご門開いて サアェ 福を呼ぶよー、福を呼ぶよ』
ハァ 福を呼ぶよ
4、目出度目出度の、重なる時はよー、
☆鶴と亀とーが、舞―いあそぶよー、々 ☆ ハァ 々
5、此の家 姉様 花なら蕾よ
『ござるお客は サアェ 酒酒よ、々』 ハァ 々
6、余り長いは、どなたもあきるよ
『踊り変えろや サアェ 諸友達よ、 諸友達よ』
ハァ 諸友達よ
四 飴売り
1、飴よ飴よと 飴売って廻る 諸国廻れば 商人らしい
(サッサッサー)
2、飴はどこよと尋ねて聞けば 奥州仙台 国分が町よ
(サッサッサー)
3、飴は白玉名代の飴よ 此処でなめれば江戸まで甘い
(サッサッサー)
4、父様なめれば母様も甘い お婆ちゃんなめれば
お爺ちゃんも甘い (サッサッサー)
5、恐乍(ながら)も読み上げまする
一にゃ木の戸の大日様よ(サッサッサ)二にゃ新潟の白山様よ
三にゃ讃岐の金毘羅様よ(サッサッサ)四にゃ信濃の善光寺様よ
五にゃご殿の高浪様よ (サッサッサ)六にゃ六社の塩釜様よ
七つ奈良では大仏様よ (サッサッサ)八つ ???八幡様よ
九にゃ熊野の権現様よ (サッサッサ)十にゃ処のおつぼな様よ
なんぼ踊っても限りがござの踊り変えろや諸共達(サッサッサ)
五 相馬節
ハァー相馬よいとこ マタ 木茅もなびく ノーエ(イヤサカヤッサ)
なびく木茅にドッコイ ちょいなさっと花が咲くノーエ
(エチャ エチャ エチャナ イヤサカヤッサ)
ハァー 伊達と相馬の マタ 境の桜 ノーエ (イヤサカヤッサ)
花は相馬で ドッコイ ちょいなさっと実は伊達だノーエ
(エチャ エチャ エチャナ イヤサカヤッサ)
ハァー咲いた桜に マタ なぜ駒つなぐ ノーエ (イヤサカヤッサ)
駒が勇めば ドッコイ ちょいなさっと花が散るノーエ
(エチャ エチャ エチャナ イヤサカヤッサ)
ハァーこの家踊りに マタほれない人は ノーエ (イヤサカヤッサ)
猫か鼠か ドッコイ ちょいなさっと飛ぶ鳥かノーエ
(エチャ エチャ エチャナ イヤサカヤッサ)
ハァーあまり長いは マタどなた もあきる ノーエ (イヤサカヤッサ)
踊りかえろや ドッコイ ちょいなさっと諸共達ノーエ
(エチャ エチャ エチャナ イヤサカヤッサ)
六 甚句節
1、甚句踊りの始まるときは、へらーもーしゃくしーも
ササ 手につかぬ
2、甚句踊らば三十が盛り、三十過ぎれば ササ 子が踊る
3、わし~とお前は枯れ葉の松よ、どこーえ落ちるも
ササ 二人連
4、あなーたー百までわしゃ九十九まで、共に白髪の
ササ 生えるまで
5、あまーりー長いーはどなーたーもあきーる
おどーりー変えろ ササ 諸共達
七 おいとこ節
1、おいぃとこそーだよ、紺ののれんに、
伊勢屋と書いていたーよ
2、お梅女郎衆は、十代伝わる、粉屋の娘だーよ
3、あの娘はよい娘だあの娘とそうなら、三年と三月でも
4、はだーしで裸で、ばらも背負います、手鍋も提げまーしょ
5、なるたーけ朝は早起き のーぼる東海道は、 五十やと三次
6、粉箱やっこらさっとかついで、歩かーにゃなるまーい
おいぃとこそーだーよ
(資料提供:大瀬川奴踊保存会 代表 熊谷茂さん)