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☆ トピックス
米国のシェール革命を支えるインフラ企業
投資情報部 笹原 勇人
■シェール革命とは
従来は困難であった地下深くのシェール(頁岩)層に含まれる天然ガス(シェールガス)・石油(シェールオイル)
の掘削が技術の革新により可能となり、同資源の生産量が飛躍的に増えたことで世界のエネルギー市場を変え
つつある状況を指します。 シェール革命により安価なエネルギーが安定的に供給されることで、米国企業の国
際競争力が強まり、幅広い産業で成長が促されると期待されています。
【図1】米国のパイプライン網
■シェールガス、シェールオイルの
輸送を支えるパイプラインと鉄道
シェールガス、シェールオイルの商用ベー
スでの採掘が米国でいち早く成し遂げられ
た要因には、掘削技術の革新だけでなく、
パイプラインや鉄道など既存の輸送インフラ
を活用できたことも挙げられます。
米国では歴史的に原油や石油製品をパイ
プラインで輸送してきたため、パイプライン
網がある程度整っていました。
【図1】は米国のパイプライン網を示してい
ますが、米国全域に広がっていることが解り
ます。
出所:米エネルギー情報局より投資情報部作成
【図2】北米の貨物鉄道網
出所:米国鉄道協会(AAR)資料より投資情報部作成
一方、パイプラインのインフラが未発達の
地域では、代替輸送手段として鉄道が利用
されています。【図2】を見ると、米国の貨物
鉄道網も広く整備されており、パイプライン
と比べ、輸送の速さや輸送ルートの自由度
が比較的高いことなど、地理的・時間的な柔
軟性も評価されているようです。近年は
シェールガス・オイルの生産量増加ペース
にパイプラインの輸送能力が追い付かず、
鉄道による貨物輸送が急拡大している状況。
米国ではこれらの輸送インフラにより、生
産したガス・オイルを低コストで消費地まで
輸送することが可能になっています。
※ BNSF:BNSF鉄道、CN:カナディアン・ナショナル鉄道
CP:カナダ太平洋鉄道、CSX:CSXトランスポーテーション、FXE:フェロメックス
KCS/KCSM:カンザス・シティ・サザン鉄道/カンザス・シティ・サザン・ド・メキシコ鉄道、
NS:ノーフォーク・サザン鉄道、UP:ユニオンパシフィック鉄道、Other RRs:その他
このレポートは投資の判断となる情報の提供を目的としたものです。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身の判断でなさるようにお願い致し
ます。なお、株式は値動きのある商品であるため、元本を保証するものではありません。
☆ トピックス
■ガス・石油だけじゃない鉄道輸送の需要
シェールガス・オイルの生産で輸送が必要になるのは、ガス・石油などの採掘資源だけではありません。採掘
現場では、シェール層に砂や化学品を混ぜた水を高圧で注入して人工的に割れ目を作る水圧破砕という作業
が行われます。そのため、生産前にはこの水圧破砕に必要不可欠な砂、パイプ、骨材、潤滑油といった莫大な
量の材料を送り込まなければなりません。また、生産が始まると、掘削時に生じる屑やブライン水などの輸送も
必要となります。今後さらなる生産拡大により、鉄道輸送の需要は一層高まると考えられます。
■シェール革命の恩恵を享受する輸送インフラ企業
米エネルギー情報局の予測によると、シェールオイルの生産量は2020年のピーク後も当面は2013年を上回
る高水準が続きます【図3】。また、シェールガスの生産量は持続的に増加し、2040年には2011年比で約2.5倍に
達する見通しです【図4】。パイプラインや鉄道など輸送インフラ事業の多くは「輸送量×輸送単価」で収益を得る
ビジネスモデルであり、ガス・石油の価格変動に左右されず、輸送量の増加に伴い収益の増加が期待されます。
そのため、ガス・パイプラインや鉄道などの輸送インフラ企業は当面シェール革命の恩恵を享受し、安定した業
績が期待できそうです。
【図3】シェールオイル生産量
(兆立方フィート)
(百万バレル/日)
6
出所:米エネルギー情報局より投資情報部作成
期間:2011年~2040年
5
21
19
【図4】シェールガス生産量
出所:米エネルギー情報局より投資情報部作成
期間2011年~2040年
17
4
15
3
13
11
2
9
1
7
0
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2033
2035
2037
2039
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(年)
【参考】
鉄道企業
石油・ガスパイプライン企業
ユニオン・パシフィック(UNP)、CSX(CSX)、ノーフォーク・サザン・コーポ
レーション(NSC)、カンザス・シティー・サザン・インダストリーズ(KSU)
キンダー・モルガン(KMI)、ウィリアムズ・カンパニーズ(WMB)、
エンブリッジ(ENB)
※当社の国内店頭取引取り扱い銘柄は、ユニオン・パシフィック、キンダー・モルガンの2銘柄のみとなっております。
このレポートは投資の判断となる情報の提供を目的としたものです。銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身の判断でなさるようにお願い致し
ます。なお、株式は値動きのある商品であるため、元本を保証するものではありません。
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