Data Center Storage Evolution Executive Summary 今日のビジネスでは、データが驚異的速度で増えています。現在ビッグデータが注目されていますが、ほんの数年前 には想像もできなかったほどのペースで、ストレージ需要が増大しています。このわずか5年で、典型的なデータレ コードは3倍に増加し、多種多様な形態の構造化データ、準構造化データ、非構造化データがあります。最近のIBM® 研究によると、毎日2.5クィンティリオン(10の18乗)バイトのデータが作成され、この2年間だけで全世界のデー タの90%が生み出されました。データベースの規模が飛躍的に増大していることに、疑いの余地はありません。 www.siemon.co.jp 1 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N 人的資源に加えて、データも有形・無形に最も貴重な企業 10GBASE-T対応のストラクチャードケーブリングシステ 資産になっています。重要なデータをいかに効果的に保 ムは、ユーザーに、多様な集中型アプリケーションをサ 存、利用、保護、管理するかは、IT担当部署が直面してい ポートするオープンな業界標準インフラを提供します。 る新たな課題です。ストレージエリアネットワーク( SAN)は、データセンターにおけるストレージにネット 本稿では、既存のストレージと新しいストレージの両方に ワーキングモデルを当てはめたものです。SANはサー ついて役立つ情報BibliographyBibliographyを提供し バーの背後で機能し、サーバーとストレージデバイスの間 ます。 に共通経路を提供します。サーバーベースのダイレクトア タッチトストレージ(DAS)ソリューションやファイル 指向のネットワークアタッチトストレージ(NAS)ソ リューションと違って、SANは、コンピューティング資 源や人的資源の間で共有されるデータへのブロックレベル またはファイルレベルのアクセスを提供します。SAN技 術はファイバーチャネル(FC)コンフィギュレーション が主流ですが、iSCSIやファイバーチャネルオーバーイー サネット(FCoE)といった、新しいコンフィギュレー ションが普及してきています。データが保存されるメディ ストレージ技術 インターネット、ビッグデータ、企業イントラネット、E メール、電子商取引、企業間電子商取引(B2B)、ERP (エンタープライズリソースプラニング)、顧客資源管理 (CRM)、データウェアハウジング、CAD/CAM、リッ チメディアストリーミング、音声/ビデオ/データ・コン バージェンス(融合))など、多くのリアルタイムアプリ ケーションの出現に伴い、企業のストレージ容量に対する 需要が飛躍的に増大しています。ビジネスの成功には、人 アも変化しています。 材やシステムと同じくらい、データそのものが重要になっ SANの成長とインターネットプロトコル(IP)の世界的 プバックアップの能力をはるかに超えています。テープア な優位を受け、IPネットワークの利用によるストレージト ラフィックの伝送が最先端の開発技術になっています。IP ネットワークは、管理可能性や相互運用性、費用効果を高 めます。既存のIPネットワーク(LAN/MAN/WAN)に基 づくストレージの集中化は、ストレージ統合、仮想化、ミ ラーリング、バックアップおよびマネジメントにおいて、 素早い効果を生み出すことができます。集中管理によって 能力や柔軟性、拡張性、スケーラビリティも向上します。 IPプロトコルを利用する2つの主な規格は、FCoE(ファ イバーチャネルオーバーイーサネット)とiSCSI(ipスモ ールコンピュータシステムインターフェース)です。どち らの規格も、IPデータグラムに組み込まれたファイバーチ ャネルコマンドかSCSIコマンドを伝送します。FCoEは、 ファイバーチャネルコマンドがIPトラフィックにカプセル 化される点で異なりますが、これはカプセル化のためにフ ァイバーチャネルとイーサネットの両方に対応できる集中 型ネットワークアダプタ(CNA)を必要とします。iSCSI は、イニシエータというエッジデバイスを利用し、標準イ ーサネットネットワークと標準イーサネットアダプタで動 作します。 現在、10ギガビットイーサネットは、企業のデータセン ターで採用されるアクセススイッチアプリケーションとし て、ますます普及してきています。10ギガビットイーサ ネットで企業競争力を獲得するためには、頑健なITインフ ラが必要です。10GBASE-Tアプリケーションや10Gb SFP+のアプリケーションは、データセンターのネット ているのです。この戦略的資産を保護する必要性は、テー クセスとテープ容量は、高まる需要にまったく対応できて いません。例えばデータストアが増加すれば、テープライ ブラリを増加しなければなりません。その場合も、テープ メディアには、ストレージの追加やメディア全体の交換に よってしか対応できない、という固有の問題があるので す。 ダウンタイムは今日のビジネスにおいて1つの重要なエレ メントです。先ごろ発表されたダン&ブラッドストリート の研究によれば、フォーチュン500社の59%が少なくと も週1.6時間のダウンタイムを経験しています。ダウンタ イムコストは、賃金だけで週89万6,000ドル、年間4,600 万ドル強に上ります。最近のガートナー研究では、1時間 当たりのダウンタイムコストを4万2,000ドルと控え目に 見積もっていますが、データセンター管理者200人を対象 とするUSAトゥデーの調査によると、回答者の80%以上 が1時間当たりダウンタイムコストは5万ドルを超えると 報告し、残りの20%は50万ドルを超えると答えました。 この費用だけでも、ストレージ産業は冗長性と高可用性の 提供を強く求められています。また、医療・金融産業に関 する連邦指令を受けて、遵守要件を満たすためにセキュリ ティと高可用性に関するさらなる指令が出されました。 ストレージネットワーク技術の主なコンフィギュレーショ ンには、以下の3つがあります。ダイレクトアタッチトス トレージ(DAS)、ネットワークアタッチトストレージ (NAS)、ストレージエリアネットワーク(SAN)で す。 ワーキングコンポーネントとSANネットワーキングに、 より信頼性の高い基盤を提供するようになっています。 2 www.siemon.co.jp DASは、サーバーとストレージデバイスとの直接通信経路を通じて、ストレージデバイスをサーバーにローカル接続する伝 統的方法です。図1に示すように、サーバーとストレージデバイスとの接続は、ネットワークケーブル配線とは別の専用径路 にあります。アクセスはインテリジェントコントローラーを通して提供されます。ストレージには、直接接続されたサー バーを通してしかアクセスできません。この方法は、主としてホストコンピュータシステムのドライブベイの欠点に対応す るために開発されました。サーバーにさらなるドライブスペースが必要な場合は、ストレージデバイスが接続されます。こ の方法により、1台のサーバーで別のサーバーをミラーリングすることもできました。ミラーリング機能は、直接接続された サーバー間のインターフェースでも実施することができます。 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N ダイレクトアタッチトストレージ(DAS) 図1: DAS ネットワークアタッチトストレージ(NAS) NASは、ストレージエレメントがLANに直接接続されたファイルレベル・アクセスストレージアーキテクチャで、異種コ ンピュータシステムへのファイルアクセスを提供します。他のストレージシステムと違って、図2に示すように、ネット ワークを通して直接ストレージにアクセスします。共有ストレージ・ファイルにアクセスするために層が1つ余分に追加さ れています。このシステムは一般的に、いずれもIPアプリケーションであるNFS(ネットワークファイルシステム)か CIFS(コモンインターネットファイルシステム)を利用します。独立したコンピュータは通常、「ファイラー」として機 能します。これは基本的に、ユニット自体に組み込まれることのあるストレージのトラフィックセキュリティアクセス制 御機構です。この方法の利点は、いくつかのサーバーが独立ユニットでストレージを共有できることです。DASと違い、 それぞれのサーバーは、ストレージ能力をより効率的に活用できるようにする独自の専用ストレージを必要としません。 すべてのサーバーがIPプロトコルを利用する限り、サーバーは異なるプラットフォームであってもかまいません。 www.siemon.co.jp 3 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N スイッチ/SANディレクター 図2: NASアーキテクチャ 図3: メッシュ型SANアーキテクチャ ストレージエリアネットワーク(SAN) SANオーバーIP SANは共有データストレージへのブロックレベルアクセ ンスタンダードとして開発されました。2つの新しいIP スを提供します。ブロックレベルアクセスは、ファイル ストレージネットワーク技術が、ファイバーチャネル DASと同様に、SANもサーバーの背後で接続されます。 IPはコンポーネントの完全な相互運用性に基づくオープ レベルアクセスと対照的に、ストレージデバイス上の特 オ ー バ ー イ ー サ ネ ッ ト ( FCoE) と SCSIオ ー バ ー IP 定のデータブロックを参照します。1つのファイルには (iSCS I)です。ファイバーチャネルトンネリングまた いくつかのブロックが含まれます。SANは重要なデータ はスト レージトンネリングによる標準IPネットワークで 環境に高可用性と頑健なビジネス継続性を提供します。 のIPコミュニケーションには、ファイバーをトランス SANは一般的に、ファイバーチャネル(FC)を利用し ポートメディアとして利用すると、ほぼ10キロメートル て接続するスイッチ型ファブリックアーキテクチャで の直接接続限度を超える場所でストレージを利用できる す。図3に示すように、スイッチ型ファブリックという という利点があります。データセンター内部に、同軸 用語は、ストレージユニットへの配線径路内部で冗長性 ケーブルまたはツイストペアケーブリングでレガシー を提供する多様なSANスイッチ(SANディレクターとも ファイバー チャネルを配線することもできますが、距 呼ばれる)を通して、各ストレージユニットを各サー 離が大幅に短くなります。これらのストレージシステム バーに接続することを指します。これは追加の通信径路 にIP規格を組み込むことで、速度、利用可能性の向上、 を提供するので、ひとつのセントラルスイッチという 耐障害性、スケーラビリティなどによりパフォーマンス 単一障害点を排除します。 が向上しま す。これらのソリューションは適切に実施 すれば、ほぼ完全なデータ入手可能性が保証されます。 イーサネットには、SANをサポートするうえで、ファイ IPベースの管理プロトコルは、ネットワーク管理者に、 バーチャネルと同様の利点が数多くあります。例えば、 旧世代のストレージ技術であるツールや警告、トリガー 高速、スイッチ型ファブリックトポロジーのサポート、 の最新版を提供します。セキュリティソリューションや 幅広い相互運用性、豊富な管理ツールなどです。スト 暗号化ソリューションも大幅に強化されています。10G レージネットワークアプリケーションにおいて、スイッ が普及し、より高速の新しいWANリンクが利用できる チは重要なエレメントです。大容量ギガビットや10ギガ ようになったことにより、これらのソリューションは真 ビットイーサネットポートの出現に伴い、ストレージへ のストレージオンデマンドが可能になりました。 のIPやイーサネットの利用は一部の環境で自然な成り行 きとなっています。 4 www.siemon.co.jp ネイティブFCは、地理的に制限されたデータセンター内 部およびデータセンター間の規格ベースSAN相互接続技 術で、サーバーとストレージデバイス(ディスクやテープ ライブラリ、CDジュークボックス)、またはサーバーと サーバーを相互接続するためのオープンな高速シリアルイ ンターフェースです。FCには大きなアドレス指定能力が あります。SCSIと同様に、チャネルで各デバイスに番号 が割り当てられます。FCは現在、一般的なストレージ ネットワーキングインターフェースで、フルメッシュ化し て優れた冗長性を提供することができます。FCは、1、 2、4、8、16および32Gb/sの速度で動作することがで き、現在は8~16Gb/sが中心です。伝送距離は速度やメ ディアによって異なります。FCoEでは、イーサネット ネットワークが対応できる長さと距離でパケットが処理さ れますが、やはり速度やメディアによって異なります。 10ギガビットイーサネットオーバーファイバーのIEEE 802.3ae規格によると、シングルモード光ファイバーケー ブルを利用する場合、サポート距離は10キロであり、ネ イティブファイバーチャネルのわずか130メートルと比較 して、50ミクロンのレーザー最適化OM3マルチモード ファイバーでは最大300メートル、OM4なら最大400 メートルです。レーザー最適化OM3/OM4ファイバー は、10Gb/s伝送用ファイバーの重要な選択肢です。 FCoEトポロジー ファイバーチャネルは、イーサネットネットワークとは別 のネットワークで達成されます。ファイバーチャネルオー バーイーサネットでは、イーサネットアダプタの代わりに コンバージネットワークアダプタが利用され、イーサネッ トルーター/ブリッジによる配置状況にかかわらず、単一 チャネルが標準IPネットワークでイーサネットおよびファ イバーチャネルカプセル化パケットの両方を伝送でき、サ ポート距離を企業全体に広げることができます。広域ネッ トワーク上のストレージシステム間のリプリケーションの ために、FCoEは、IPインフラ(LAN/MAN/WAN)上で FC SANまたはFCoE SANのアイランドを相互接続し、1 つの統一FC SANファブリックを形成します。 ネイティブファイバーチャネルSANの典型的なコンポー ネントとエレメント ファイバーチャネルハードウェアは、ストレージデバイス をサーバーと以下を介して接続し、ファイバーチャネル ファブリックを形成します。 • インターコネクションデバイス:スイッチ、ディレク ター • トランスレーションデバイス:サーバー、アダプタ、ブ リッジ、ルーター、ゲートウェイに設置されたホストバス アダプタ(HBA) • ストレージデバイス:非RAIDまたはRAID(Redundant Array of Independent Disks)ディスクアレイ、テープ FCトポロジー ライブラリ ト、アービトレート型ループ、スイッチ型ファブリックの る、ファイバーチャネルSANのイニシエータ。HBAを通 ネイティブファイバーチャネルは、ポイントツーポイン 3種類の接続トポロジーをサポートします。スイッチ型 ファブリックは、その名が示すように、ファイバーチャネ ル内部でメッシュ接続を可能にするので、より優れたソ リューションです。ファブリックアイランドと呼ばれる形 で構成されることもあります。ファブリックアイランド は、地理的に多様なファイバーチャネルファブリックを接 続します。これらのファブリックは、IPなしでメディアの 範囲内のどこにでも置くことができます。IPがあれば、 ファブリックは外部のルーターやリンクによって拡張され るため、サポート距離が広がります。さまざまなトポロ ジー(カスケード、リング、メッシュ、コアツーエッジ) を含むこともありますが、共有データアクセスやリソース 統合、データバックアップ、リモートミラーリング、災害 復旧のために、接続を追加する必要が生じるかもしれませ ん。 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N ファイバーチャネル(FC)とファイバーチャネルオーバ ーイーサネット(FCoE) • サーバー:IPネットワークにインターフェースを提供す してファイバーチャネルファブリックと相互作用する。 • 物理レイヤー/メディア:同軸ケーブル、ツイストペア ケーブル、光ファイバーケーブル(ただし、光ファイバー が最も一般的) FC SANスイッチはスイッチかディレクターのどちらかに 分類されます。SANファブリックスイッチのポート数は 少から中程度ですが、ディレクターは多ポート数スイッチ (一般に64ポート以上)です。ファイバーチャネルス イッチをネットワークでつなぎ、より大きなストレージ ネットワークを構築することができます。HBAは従来の イーサネットカードより複雑で、ネットワーキングケーブ リングサブシステムを介して、ファイバーチャネルネット ワークをIPネットワークに接続します。ブリッジを使って BibliographyBibliographyBibliographyBibliograph yレガシーSCSIまたはESCON(エンタープライズシステ ム接続)ストレージデバイスをファイバーチャネルネット ワークに接続することもあります。このブリッジは、さま ざまなプロトコルを転送またはカプセル化し、SANを介 してレガシーストレージデバイスと通信できるようにする 役目を果たします。 www.siemon.co.jp 5 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N 図4: iSCSI SAN接続図 スモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI) オーバーIP(iSCSI) 一般に、データセンターでiSCSIストレージネットワークを 展開するためには、iSCSIホストバスアダプタ(HBA)によ iSCSIプロトコルはストレージとIPネットワーキングを結合 る接続か、IPイーサネットスイッチまたはIPストレージス します。iSCSIは既存のイーサネットデバイスとIPプロトコ イッチ/ルーターを介してストレージリソースを既存のイー ルを利用し、SCSI SANに保存されたデータを送信・管理す サネットに接続するストレージNICを使用します。指定され る、簡単・高速・低コストの長距離ストレージソリューショ たストレージIPルーター/スイッチは、iSCSIインターフェー ンです。従来型のSCSI接続デバイスに関する1つの問題は距 スと他のストレージインターフェース(SCSIやファイバー 離的な制限でした。iSCSIは、既存のネットワークコンポー チャネルなど)とを組み合わせ、従来のIPスイッチやイーサ ネントを利用し、ネットワークマネージメントなどの ネットスイッチでは不可能だったマルチプロトコル接続を提 LAN/MAN/WAN用ツールといったIPネットワーキングを活 供します。 用することによって、距離制限なしのSAN接続をストレー ジ市場で拡大しています。既存の機器やインフラを利用する FC SANに接続するには、IPストレージスイッチ/ルーター ので、費用対効果の高いプロトコルです。既存の1ギガビッ でFCプロトコルをiSCSIに転換する必要があります。IPスト トイーサネットから10ギガビットイーサネットへの10倍増 レージルーター/スイッチはFC SANの到達範囲を広げ、FC により、SAN市場の主力製品になるでしょう。SANは10ギ SANをiSCSI SANにブリッジします。例えば、IPストレー ガビットイーサネットを利用して、かつてないストレージ転 ジスイッチによってユーザーは、イーサネット-イーサネッ 送速度を達成しています。 ト間だけでなく、FC-FC間、FC-iSCSI間、FC-イーサ ネット間のスイッチングを行うことができます。 iSCSIの典型的なコンポーネント/エレメント: • iSCSIホストバスアダプタ(HBA)またはNIC(サーバー にインストール) • ストレージデバイスディスクアレイまたはテープライブラ リ • サーバー • 標準IPイーサネットスイッチ/ルーター • ストレージスイッチ/ルーター • ゲートウェイ • 物理レイヤーメディア:光ファイバー、ツイストペア 6 www.siemon.co.jp データセンターで最も一般的に考慮されるのは、SANの 柔軟性と低価格は、特に長距離ストレージにとって、 ケーブル配線問題と設計要素ですが、ビデオや音声やその iSCSIアプローチの実施を推進する重要な要因です。加え 他の融合型アプリケーションも含んでいます。頑健なネッ て、イーサネット速度が絶えず上昇しているため、10ギ トワークケーブル配線の基礎が不可欠です。データセン ガビットイーサネットベースのiSCSIがデータセンターの ター環境において、ケーブリングシステムの基本要件は以 SANに広く利用されるようになると考えられています。 下のとおりです。 大量のネイティブFCストレージソリューションが導入さ れている現状に対応するために、多くのデバイスが開発さ • 規格ベースのオープンシステム れています。ストレージ技術への短期投資を保護するため • 10GbE、8、16および32Gb/s FCのサポート に、SAN設置は特定の単一ストレージネットワークか • 多様なSAN/NASとプロトコルのサポート ら、ファイバーチャネル製品とiSCSI製品の混合型に発展 • 融合型アプリケーションの累積帯域幅需要のサポート するかもしれません。 • 高信頼性 さらに、NASとSANの集中または統合が予想され、多言 • 柔軟かつ拡張性があり、MACを簡単に展開するための • 冗長性 語(組み合わせ)ファイバーチャネルスイッチやイーサ メカニズムを提供 ネットスイッチの展開が見込まれます。統合型SAN/NAS • 低損失コネクタの最高性能ファイバーを利用し、新た ネットワークはスケーラブルで費用効果が高くなり、多様 にファイバー配線することなく再構成できることが非常 なプロトコルとインターフェースをサポートするでしょ に望ましい。 う。この統合は、イーサネット-ファイバーチャネル- iSCSI間のプロトコル収束によって、既存の電子機器を利 上記すべての要件を満たすには、10GbEツイストペア/ 用する信頼できる長距離接続を提供し、顧客がネイティブ レーザー最適化マルチモードファイバーが第一の選択肢で ファイバーチャネルSANを最適化できるようにします。 す。TIAはツイストペアケーブリングの最低基準としてカ 発展するSAN規格 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N 混合型アーキテクチャストレージネットワーク テゴリー6Aを、ファイバーの最低基準として今のところ OM4を推奨しています。ISO 24764は、ツイストペアの FC規格は、全米情報技術標準委員会(NCITS)の技術小 最低基準として6Aを、ファイバーの最低基準としてOM3 委員会NCITS/T11が開発しています。当初のFC規格は を推奨しています。現在のデータセンターでは10GbE対 1994年 に ANSI X.3230に よ っ て 、 最 初 の SCSI規 格 は 応インフラが優位を占めており、基幹アプリケーションで 1986年にANSIによって承認されました。その後、業界 は40/100GbEが急速に普及しています。通信インフラの 内部の変化を反映して複数の修正が加えられました。 信頼性を高めるうえで、冗長性はデータセンターの設計に あたって検討すべき主要事項です。冗長性は、物理的に分 インターネットエンジニアリングタスクフォース(IET 離されたサービスやクロスコネクトエリア、配線径路を提 F)は、IPプロトコルの改善により、これらの規格を上記 供するか、ファブリックトポロジーで冗長な電子装置を提 の既存のインターフェース規格と運用規格に発展させてい 供することによって達成できます。 ます。2003年2月、iSCSI仕様は「規格案」としてIETFに より公式に承認されました。さらに、ストレージネット ワーキング・インダストリ・アソシエーション(SNIA) ファイバーチャネル産業協会(FCIA)をはじめとする業 界団体も、SAN規格の実施と開発に取り組んでいます。 データセンターは組織のインフラの重要な中核です。典型 的なデータセンターには、SAN /NASコンポーネント以 外に、その他さまざまなコンポーネントや接続性に関する 検討事項があります。TIA TR-42.1.1グループは、データ センターの発展に取り組むために「データセンターの通信 インフラ規格」を開発、この規格はANSI/TIA/EIA-942 として発表され、その後、修正版のTIA 942-Aとして発 表されました。この規格は、ケーブリングシステム設計、 配線径路およびスペースを対象としています。同様にISO も、データセンター用ISO 24764国際ケーブル配線規格 を開発しました。 www.siemon.co.jp 7 D AT A C E N T E R S T O R A G E E V O L U T I O N 結論 ストレージエリアネットワークは、今日のネットワークを横断する集中型アプリケーションの1つのコンポーネントにすぎませ んが、そのシステムの利点は無数にあるだけでなく、ビジネスにとって絶対に欠かせないものです。高性能ストラクチャード ケーブリングインフラを利用して、ネットワークでつながれたすべてのアプリケーションに必要な帯域幅を供給すれば、その 機能性が長きにわたって確保されます。受動的(アプリケーションや機器の高帯域幅化に伴う)にインフラを改良あるいは交換 するには費用がかかります。ケーブル配線インフラは少なくとも10年はデータ伝送できるように計画すべきだという点で、業 界専門家の意見が一致しています。 ストレージソリューションは豊富にあり、今日のデータセンターのすべてに当てはまる万能の解決策はありません。実際、一 部のデータセンターはアプリケーション要件に応じて、さまざまなストレージアーキテクチャを利用しています。ネイティブ のファイバーチャネルがストレージのための一般的なアーキテクチャとなっていますが、iSCSIとFCoEが勢いを増していま す。ファイバーチャネルSANでイーサネットネットワークを補完するときは、データ送信用に二重経路が提供されます。イー サネット上でファイバーチャネルを集中させれば、必要となるポートの数は減りますが、チャネル上のトラフィックが倍にな ります。帯域幅をギガビットから10GbEに増やせば、これらのアプリケーションにより多くの帯域幅が提供されます。 サーバー-スイッチ速度を高める場合、一般に多様な10GbEリンクか新しい40/100GbE速度を利用して、アップリンクポー トの速度も高める必要があります。シーモン社のデータセンター設計サポートチームは、ストレージアーキテクチャやネット ワークアーキテクチャの設計をお手伝いし、皆さまのビジネスニーズをサポートします。 1903年に創業したシーモン社は、世界トップクラスの企業にSANを含むデータセンタ、通信室等のローカルエリアネット ワークや 、インテリジェントビルディングシステムに不可欠な高品質で高性能な通信システム、ツイストペア・光ファイバー ケーブリングソリューションとサービスを提供しています。優れた性能と最高密度(1Uで144芯 LC・864芯 MTP)を実現した LightStack™は、このクラスで一番のケーブル・ジャンパーの容易な抜差しを提供しています。シーモンケーブリングシステ ムは、製品保証を強化し製品品質、性能マージン、アプリケーション動作保証を20年まで延長し保証します。 Bibliographyシーモン社データセンタソリューションの詳細は、www.siemon.com/datacenterをご覧ください。 参考文献 • Worldwide Disk Storage Systems Report, IDC, www.idc.com • SAN for the Masses, Computing Technology Industry Association, http://www.comptia.org/research/ • Storage Network Infrastructure, 2003 Forecast (Executive Summary), Dataquest of Gartner, www.gartner.com • ANSI, American National Standards Institute, www.ansi.org • TIA, Telecommunications Industry Association, www.tiaonline.org • EIA, Electronics Industry Alliance, www.eia.org • IETF, Internet Engineering Task Force, www.ietf.org • SNIA, Storage Networking Industry Association, www.snia.org WP_SAN_C 8/14 • FCIA, Fibre Channel Industry Association, www.fibrechannel.org Worldwide Headquarters North America Watertown, CT USA Phone (1) 860 945 4200 US Phone (1) 888 425 6165 8 www.siemon.co.jp 日本・東京オフィス [email protected] 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