H26.3.26 第5回八甲田山火山防災協議会 資料2 融雪型火山泥流の再検討結果 ◇◆ 資料目次 ◆◇ 1.積雪深の再設定・・・・・P2 2.計算条件の再設定・・・・P4 1 1.積雪深の 積雪深の再設定 ◆気象庁、青森県道路課、八甲田ロープウェー株式会社の過去25年間の積雪データを収集 ・各年度の最大積雪深を求め、平均最大積雪深を求めた。 ※気象庁の青森を追加 観測機関 データ 個数 観測点名 標高 (m) 青森 3 74 88 94 62 43 96 93 120 82 93 147 87 154 128 82 79 178 148 58 82 63 98 130 152 142 25 103 酸ヶ湯 890 289 305 326 343 321 373 356 450 328 283 428 483 428 341 437 389 501 453 375 402 336 300 407 496 566 25 389 田代平 612 - - 241 208 209 - 173 192 143 174 232 272 196 157 189 173 310 248 186 188 125 101 208 279 306 22 205 沖揚平 692 202 258 284 251 192 352 349 332 271 225 305 445 415 340 252 265 376 349 282 300 206 223 283 354 431 25 302 谷地 768 - - - - - 265 310 267 178 197 313 396 263 248 297 273 399 322 292 197 - - - - - 15 281 山麓駅 666 - - - - - - - - - 240 350 360 350 260 270 270 440 380 270 295 215 250 315 390 430 16 318 S63 H01 H02 H03 H04 H05 H06 H07 H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 気象庁 青森県道路課 八甲田 ロープウェイ 平均値 ◆八甲田山ガイドクラブに聞き取り調査を実施 ・大岳、小岳、硫黄岳、井戸岳、赤倉岳、田茂萢岳ともに山頂付近は積雪1m程度である。また、山頂 では露岩している箇所もある。 ・植生限界(標高1500m以下)の東側では概ね5m程度。吹き溜まり等の多い箇所で6m程度。 ・大岳避難小屋(標高1436m)では4m程度。 ・仙人岱ヒュッテ(標高1321m)も4m程度。 ※岩木山8合目(標高1328m)の平均最大積雪深は3.56m。ほぼ同じ標高の仙人岱ヒュッテの4mは概ね妥当な値と考えられる。 ◆平均最大積雪深と 平均最大積雪深と各観測点の 各観測点の標高から 標高から近似式 から近似式を 近似式を求め、標高別の 標高別の積雪深を 積雪深を想定 ・聞き取り調査結果のうち 調査結果のうち、 のうち、植生限界、 植生限界、大岳避難小屋、 大岳避難小屋、仙人岱ヒュッテの 仙人岱ヒュッテの情報 ヒュッテの情報も 情報も加えて解析 えて解析 2 1.積雪深の 積雪深の再設定 〇各観測点の標高と平均最大積雪深 観測点 青森 酸ヶ湯 田代平 沖揚平 谷地 山麓駅 仙人岱 避難小屋 植生限界 ◆前回提示 標高 (m) 3 890 612 692 768 666 1321 1436 1500 平均最大 積雪深 (cm) 103 389 205 302 281 318 400 400 500 観測点・設定根拠 気象庁 気象庁 青森県道路課 青森県道路課 青森県道路課 八甲田ロープウェイ㈱提供 八甲田山ガイドクラブの聞き取り調査 八甲田山ガイドクラブの聞き取り調査 八甲田山ガイドクラブの聞き取り調査 ◆再検討結果 〇標高別想定積雪深の推定 ・得られた近似式から、標高別の積雪深を算出した。 ・前回提示結果よりも、積雪深が減少した。 ※理由 ・前回は標高600-800mの値と、1300m付近の情報 から解析。高標高部の値が少なかった。 ・今回は高標高部(聞き取り調査)と低標高部(気象 庁・青森)の値を追加し、全体的な傾向を反映して いる ◆標高別想定積雪深 標高 (m) 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 前回提示 想定積雪深 (cm) 175 213 250 287 324 362 399 436 473 511 548 585 622 再検討結果 想定積雪深 (cm) 189 212 235 258 281 304 327 351 374 420 443 466 489 増減 (cm) 13 -1 -15 -29 -43 -57 -72 -86 -100 -91 -105 -119 -133 ・火砕流の被覆範囲と標高別想定積雪深 から、積雪水量を算出 ⇒再度、数値シミュレーションを実施 3 2.計算条件の 計算条件の再設定 ◆「積雪水量(積雪深×密度)」と「融雪可能水量(火砕流が融かせる限界)」を比較して小さい値を「融雪水量」と設定 ・中規模(50万㎥)では、積雪水量よりも融雪可能水量が小さくなるケースがある ・大規模(500万㎥)では、全てのケースで積雪水量の方が小さくなる 【泥流量の 流量の算出】 算出】 噴火 規模 ・融雪可能水量算出 に用いる火砕流の 温度は、岩木山と 同じ400℃に設定 ケース 中規模 (50 万 ㎥) 大規模 (500 万 ㎥) 【計算条件】 計算条件】 項目 代表粒径 値 c1 c2-1 c2-2 c3 c4s c4j c5 c1 c2-1 c2-2 c3 c4s c4j c5 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 備考 1cm 岩木山の値を参照 3 砂礫密度 2.4g/cm 泥水密度 1.2g/cm3 堆積土砂濃度 積雪密度 積雪水量合計 ( g/c ㎥) (㎥) 岩木山の値を参照 一般値(細粒分を含む泥水) 0.6 一般値 内部摩擦角 30° 一般値 マニング粗度係数 0.04 一般値(自然河道) Regime式の係数 5.0 一般値 595,557 663,277 964,213 492,791 829,765 718,039 1,002,240 1,829,912 2,273,054 1,863,563 1,896,899 2,092,170 1,238,636 2,222,634 融雪可能水量 ( 火砕流400 ℃ ) (㎥) 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 融雪水量 (㎥) 595,557 663,277 795,000 492,791 795,000 718,039 795,000 1,829,912 2,273,054 1,863,563 1,896,899 2,092,170 1,238,636 2,222,634 泥流総量 (㎥) 744,446 829,096 993,750 615,988 993,750 897,548 993,750 2,287,390 2,841,318 2,329,454 2,371,124 2,615,213 1,548,294 2,778,293 ピーク流量 ピーク 流量 (開始から (開始 から 720s後) 720s 後) (㎥/ s) 414 461 552 342 552 499 552 1,271 1,579 1,294 1,317 1,453 860 1,543 【地形データ 地形データ】 データ】 地形データ(メッシュ間隔:30mメッシュ メッシュ)を作成。 メッシュ ・基盤地図情報(10mメッシュ標高)を基本とするが、青森 市街地は基盤地図情報(5mメッシュ標高:航空レーザ 測量)を用いた 4 2.計算条件の 計算条件の再設定 【泥流総量】 泥流総量】 〇融雪水量と泥流総量の比較 ・前回提示結果 前回提示結果よりも 前回提示結果よりも、 よりも、融雪水量および 融雪水量および泥流総量 および泥流総量が 泥流総量が減少した。 減少 ※理由 ・積雪深の減少に伴い、積雪水量が減少したため、融雪水量 ( 「積雪水量(積雪深×密度)」と「融雪可能水量(火砕流が融かせる限界)」を 比較して小さい値)が減少した。 ・中規模(50万㎥)では、融雪可能水量よりも積雪水量が小さ くなるケースが増加した。 泥流の 到達範囲が くなった。 ・その結果、前回提示結果よりも泥流 泥流 の到達範囲 が狭くなった ⇒シミュレーション結果を参照 噴火 規模 中規模 (50 万㎥) 大規模 (500 万 ㎥) ケー ス 積雪 密度 3 ( g /cm ) c1 c2-1 c2-2 c3 c4s c4j c5 c1 c2-1 c2-2 c3 c4s c4j c5 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 前回提示 融雪可能水量 積雪水量合計 ( 火砕流400℃ 火砕流400℃ ) (㎥) (㎥) 740,094 805,899 1,164,660 609,287 1,012,772 877,692 1,235,375 2,245,051 2,698,346 2,241,430 2,328,647 2,508,793 1,502,472 2,692,023 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 595,557 663,277 964,213 492,791 829,765 718,039 1,002,240 1,829,912 2,273,054 1,863,563 1,896,899 2,092,170 1,238,636 2,222,634 925,117 993,750 993,750 761,609 993,750 993,750 993,750 2,806,314 3,372,932 2,801,787 2,910,809 3,135,991 1,878,090 3,365,029 前回提示 再検討結果 融雪水量 (㎥) 融雪水量 (㎥) 740,094 795,000 795,000 609,287 795,000 795,000 795,000 2,245,051 2,698,346 2,241,430 2,328,647 2,508,793 1,502,472 2,692,023 595,557 663,277 795,000 492,791 795,000 718,039 795,000 1,829,912 2,273,054 1,863,563 1,896,899 2,092,170 1,238,636 2,222,634 大規模 (500 万 ㎥) 再検討結果 融雪可能水量 積雪水量合計 ( 火砕流400℃ 火砕流400℃ ) (㎥) (㎥) 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 795,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 7,950,000 前回提示 泥流総量 (㎥) c1 c2-1 c2-2 c3 c4s c4j c5 c1 c2-1 c2-2 c3 c4s c4j c5 中規模 (50 万 ㎥) 【積雪水量・ 積雪水量・融雪可能水量・ 融雪可能水量・融雪水量】 融雪水量】 噴火 規模 ケース 再検討結果 前回との 前回 との 泥流総量 差 (㎥) (㎥) 744,446 829,096 993,750 615,988 993,750 897,548 993,750 2,287,390 2,841,318 2,329,454 2,371,124 2,615,213 1,548,294 2,778,293 -180,671 -164,654 0 -145,621 0 -96,202 0 -518,924 -531,614 -472,333 -539,685 -520,778 -329,796 -586,736 融雪水量 前回との との差 前回 との差 ( ㎥) -144,537 -131,723 0 -116,497 0 -76,961 0 -415,139 -425,291 -377,866 -431,748 -416,622 -263,837 -469,389 5
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