高校政経(高2 第1回 実力考査) 1 / 15 ページ ☆Think Globally Act Locally └全体的 └行動する└近くに 全世界的 局部的に 1.資源問題・環境問題の深刻化 ┌経済格差・貧富の差など 南北問題:発展途上国と先進国間の様々な問題 + 南南問題:発展途上国間の様々な問題 ※資源・環境問題の深刻化 先進国…環境破壊を× 発展途上国…先進国に反発と工業化を求める <背景> ①天然資源→枯渇のおそれ ②資源の地域的かたより ┌オイル・ショック・湾岸戦争 資源ナショナリズムの台頭→国際紛争 ③廃棄物 工業化の進展→地域的な公害→地球規模の環境問題へ 例)炭酸ガス→温室効果 ┌スウェーデン ストックホルム 1972年 国連人間環境会議―“かけがえのない地球” ~世界初の地球環境問題をとり上げた 国連環境計画(UNEP)の発足 ┌ブラジル リオデジャネイロ 1992年 国連環境開発会議=「地球サミット」 “持続可能な開発” 2.酸性雨 オゾン層破壊 熱帯雨林の縮小 ~工業化による地球環境の変化~ (その1)=大気汚染 ①廃棄物による環境汚染 ※生態系の自浄能力(作用)を越える自然への破壊・汚染 硫黄酸化物・窒素酸化物による酸性雨→森林破壊 フロンガスによるオゾン層破壊 オゾンホール(南極) 炭酸ガスによる温室効果 ②熱帯雨林の縮小 3.地球環境の悪化 (その2 海洋汚染) 海の浄化作用をこえる汚染の広がり 例)大量死した北海のアザラシ 湾岸戦争…ペルシア湾“ウ(鵜)” ☆クリーンなエネルギーはあるか? ①原子力発電 ┌チェルノブイリの事故・1999年 栃木県東海村の事故 問題点┬安全性の面 └放射性廃棄物 ②様々なエネルギー 例)太陽エネルギー 風力エネルギー 地熱エネルギー ☆人類究極のエネルギー:水素エネルギー ┌水素:水を分解 └2H2+O2→2H2O ※コストの面で=安価に製造する方法が確立されていない http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 2 / 15 ページ 4.人口の爆発的増加 ①世界人口…現在60億突破 ┌1970年ころ 近代化とともに ☆人口爆発:発展途上国における急激な人口増加 →食糧不足の心配へ ②人口転換 ┌医療 多産多死型→多産少死型→少産少死型→高齢化 └発展途上国└社会保障制度 ├労働力 └老後の保障 ③人口政策 マルサス…英 経済学者 『人口論』 人口の増加率>食糧の増加率→貧困・飢餓へ→人口抑制へ× 1974年 世界人口会議→1984年 国際人口会議 1994年 国際人口開発会議(カイロ) …女性の地位の向上 リプロダクティブ・ヘルス http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 3 / 15 ページ 第Ⅰ章 現代の世界と日本 1.国際社会の変容と新たな課題 §1.冷戦の終結と残された問題 a.冷戦の構造 ┌―西側――――┐→代理戦争←┌―東側―――┐ |中心:アメリカ| 朝鮮戦争 |中心:ソ連 | |資本主義諸国 |ベトナム戦争|社会主義諸国| └―――――――┘ など └――――――┘ 資本――――――――――――→社会 私有財産制 ×競争 計画経済 私的利潤の追求 国有化 経済活動の自由 分配の平等化 ↓ ↓ 失業 貧富の差 意欲低下 労働組合 品質低下 b.冷戦終結の背景 ~ソ連における変化~ 軍事費の増大┐ ├→経済の衰退へ 政治の腐敗―┘ ↓ ゴルバチョフの登場 ☆ペレストロイカ(立て直し政策) 政治の民主化 共産党一党独裁→複数政党制 情報公開(+国民の意見をとり入れる)…グラスノスチ 軍備縮小=緊張緩和(デタント) ∥ 軍事費の削減 c.終結の進行 1989年 中国―天安門事件 ベルリンの壁の崩壊(ドイツ) マルタ会談…冷戦の終結を宣言 ~ブッシュ・ゴルバチョフによる 1990年 東西ドイツの統一:コール首相 1991年 ソ連の崩壊 ┌→バルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア) →CIS(独立国家共同体)←グルジア ロシア ↓ ☆東西イデオロギー対立の解消 核兵器の削減へ=軍備縮小 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 4 / 15 ページ d.終結の影響 →低くなる国境の垣根=地域的統合へ (1)ヨーロッパ共同体(EC)→ヨーロッパ連合(EU) 1992年 マーストリヒト条約 ☆1999年より単一通貨(ユーロ)を導入―2002年より (2)アメリカ・カナダ・メキシコ:北米自由貿易協定(NAFTA) (3)貿易体制の強化:1995年 WTO(世界貿易機関) └中国・台湾加盟 §3.第三世界と南北問題 1.発展途上国の状況 “南”の割合 人口:75~80% 国:80% GNP:25%(75%は北=先進国) └国民総生産 ☆格差の原因 帝国主義国による植民地支配 →モノカルチャー経済―農産物 ↓ 旧宗主国による経済的支配の継続 低い技術力→競争に勝てない 人口爆発 価格が不安定―収入が不安定 ※“南”=発展途上国の産業基盤が整っていない 2.解決への努力 1962年 天然資源に対する恒久主権(を認める) …国連にて 1964年 国連貿易開発会議(UNCTAD) 発展途上国の要求により国連総会にて開かれる 『プレビッシュ報告』→発展途上国との貿易促進へ 目標:GNP1%を援助 特恵関税など 1974年 新国際経済秩序(NIEO) ☆先進国中心の国際経済体制を変えていこう―国連総会にて ~具体的な協力~┌1兆円 世界1位 ①政府開発援助(ODA)┌援助・借款・技術協力 ~発展途上国への先進国政府による協力 <内容> (1)経済・開発・福祉の向上に寄与すること (2)グラント・エレメントが25%以上であること └贈与相当分 ②非政府組織(NGO) ~民間の組織・団体として人権侵害・南北問題などに取り組んでいる | 例)アムネスティ・インターナショナル 「良心の囚人」 ☆NPO法の制定へ(1998年12月) http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 5 / 15 ページ 3.新たな課題 ①援助をめぐる問題 「援助」の名をかりた経済侵略 “ひもつき援助”(1970年代まで) 累積債務問題 ―中南米の国々 ②南南問題 資源保有国 技術=工業化のうまくいった国々 うまくいかなかった国々 2.新しい国際社会と日本 §1.日本の近代化と第三の開国 ①開国と近代化 └明治維新~太平洋戦争終結 ☆富国強兵を目標に“上からの近代化” 工業化の進展 └政府 中央集権国家の形成 ②近代化 天皇の神格化 <伝統の再編成>┌1889年 ∥ 大日本帝国憲法の制定→天皇主権―恩恵 臣民の権利 民法の制定→“家”制度 教育勅語の制定 →ゆがみへ→戦争へ(教p.15・16) ③敗戦と2度目の開国 (1)新たな出発┌マッカーサー 敗戦→GHQの支配 →日本国憲法の制定←×松本案 ∥ 国民主権 (2)政治的・社会的近代化の背景 GHQの改革 自由と民主化を求めるうごき┬板垣退助 自由民権運動 └大正デモクラシー 治安維持法 ④国際化と第三の開国 (1)戦後日本の経済成長(1955~70年代前半) ~要因~ 国内市場の拡大 国民の活力 →“経済大国” 平和憲法=軍事費 └その国の経済のよしあしが ホームコメディー 世界の経済に影響を与える 1960年所得倍増計画 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 6 / 15 ページ (2)残る近代化のゆがみ ┌終身雇用・年功序列 集団的なまとまり(個々よりも) →ゆとりのない生活┌利益 急激な経済成長=企業の成長 →公共的社会基盤の遅れ 自国の発展・経済的利益の追求 →国際協調・貢献への遅れ (3)第三の開国 内と外とを区別する意識――――――――┐ ∥ ├集団意識 異民族・異文化に対して閉ざしがちな態度┘ ↓+経済成長 日本への反発 ※「精神的な開国」の必要性 §2.相互依存社会のなかでの日本の役割 ~経済大国日本の課題~ (1)国際社会の特色 冷戦終結→経済的な相互依存社会へ (2)日本の立場 資源の浪費 他国の産業を犠牲→繁栄 ↓ 発展途上国の貧困 経済摩擦の激化 ※自国の狭い利益の追求では× http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 7 / 15 ページ 第Ⅱ章 現代の政治と民主社会 1.民主政治の基本原理 §1.政治と国家 ①政治の目的┌人間は孤立しては生きていられない 必ず集団の中で生きるもの 「人間は社会的動物である」(アリストテレス) ◎人は社会集団を形成┌血┐ ┌地―┬―┐ ├基礎集団…家族・親族・日本・地方・農村など └機能集団…政党・学校・会社など ↓ 秩序の必要性→政治 ②政治の機能 秩序の形成・維持…<ルール>法 公共のサービス…消防・国防・警察など ↓ 強制力の必要性 権力 ~権力の正当性~ マックス・ウェーバー(独) 伝統的支配…天皇制 君主制 カリスマ的支配…卑弥呼 ヒットラー ナポレオン 合法的支配…議会制民主主義 ③国家 政治が最も典型的に行われる場 《国家の三要素》 領域…領海 領土 領空 人民…国民(日本国籍を有する) 主権…最高の権利・権力 └ボーダン(仏) 『国家論』 ~3つの意味~ ①統治権…司法 立法 行政 1951年 サンフランシスコ講和条約 ②国内における最高決定権…国民 + ③国家権力としての最高独立性…外国との→日米安全保障条約 ④国家の分類 a.起源による分類 (1)王権神授説…(英)フィルマー (仏)ボシュエ └国家は神によりつくられ その君主の力は神の権限によって授けられることによって国家は成立した (2)国家征服説 └強い種族が弱い種族を征服・支配することによって国家は成立した (3)社会契約説…(英)ホッブズ ロック (仏)ルソー └人民の合意による契約によって国家は成立した http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 8 / 15 ページ b.機能的分類┌17~19世紀┌警察・国防など 夜警国家(消極国家):必要最小限のことのみ行う(小さな政府) 国民は自由(精神的・経済的) →資本主義の発達(貧富の差・失業←資本家vs労働者) └社会問題 ↓ 福祉国家(積極国家):諸問題の解決をめざし様々な面に介入(大きな政府) 行政機構の拡大 財政赤字の増大 §2.政治と法 ①法とは何か? 社会規範:人々の行動の基準となるもの 例)法・道徳・宗教上の戒律・慣習など ┌―――――┘ 法…社会秩序を維持するために権力によって人々に強制される社会のルール └→強い拘束力 ※法律万能主義× ◎成文法 不文法(教p.25) ②法をつくる ☆憲法あっての国家 └→国の最高法規 立法権(法をつくる権限)=国会 ↓ 国民の代表機関 ※国会中心主義・議会制民主主義 ③法の支配 ☆法に国家権力を含めてすべての人々を従わせるという原則 └国王・支配者なども 以前=“人の支配” “法の支配” ◎17世紀 イギリス裁判官エドワード=クック 「国王といえども神と法の下にある」(ブラクトンの言葉を引用) ※裁判所の役割を重視 注)法治国家(法治主義) ~国会の役割を重視 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 9 / 15 ページ §3.国民主権と民主政治 ①民主政治の成立過程 イギリス=議会主義の母国 絶対主義:16~18世紀 国王が絶対的で強大な権力を持つ―政治の中心 ☆王権神授説が理論的根拠 社会契約説の広まり ホッブズ…主著『リヴァイアサン』 君主主義 イギリス ~自然権を守るために君主を認める契約によって国(君主)に自然権をゆだねる └→“万人の万人に対する闘争”状態 ロック…主著『市民政府二論』 人民主義 イギリス ~契約により国の代表者に権力を付与し自然権を守る 自然権を侵す権力に対して抵抗権をもつ ルソー…主著『社会契約論』 フランス ~社会契約:人民はすべての自然権を“一般意思”へ ∥ 公共の福祉 人民主権論と直接民主制 革命権 ┌→資本家(金持ち)―ブルジョアジー ↓ 資本主義┤ ├市民 市民革命(ブルジョア革命) └→労働者(貧しい)―プロレタリアート 市民階級(ブルジョアジー)が中心=民衆による社会変革 絶対主義の崩壊→民主主義の成立へ ◎イギリス マグナ=カルタ(大憲章):1215年 “法の支配”の出発点 …貴族による王権の制限 権利請願:1628年 エドワード=クック …議会による王権の制限の要求→ほぼ無視 ↓┌――――――┬ イギリス国教会 ピューリタン革命(清教徒革命):1642~49年 …国王処刑 共和制 └→クロムウェル→軍事的独裁→王政復活 名誉革命:1688年→権利章典(1689年) …議会主権にもとづく立憲君主制 ◎アメリカ 独立戦争(1755~83年) …イギリスの植民地支配への抵抗 ∥ 市民革命 →1776年:バージニア権利章典―世界で最初に基本的人権の保障を宣言 アメリカ独立宣言~トマス=ジェファソン ◎フランス フランス革命(1789~99年)→フランス人権宣言:1789年 …フランス絶対王制を崩壊 ↓ 世界各国の権利宣言のモデルへ http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 10 / 15 ページ ②民主政治の基本理念 (1)基本的人権の保障 ~人が生まれながらにして持つ権利を国家が侵してはならない (2)国民主権の原理→民主政治の確立 ~リンカーンの演説 「人民の人民による人民のための政治」 ③民主政治の制度 a.直接民主制…国民が政治に直接参加 ┌憲法改正 ┌レファレンダム:国民投票 住民投票 国民審査 ├リコール:解職請求 解散請求 └イニシアティブ:国民発案 住民発案 b.間接民主制…国民の代表者によって行われる政治 ┌―――┐ └→議会 ↓ └―――――┘ ☆議会政治のあり方 ┌多数決の原理―少数意見も尊重しなくてはならない └審議の原理…二院制 └慎重に話し合いを進めていく c.権力分立制…権力の集中による濫用を防ぐ ↓└ロック(権力分立を説いた最初の人)┐発 三権分立:立法 行政 司法 ↓展 └モンテスキュー『法の精神』(フランス) ★世界各国の政治制度 ①イギリス…“議会政治の母国” 国王は「君臨すれども統治せず」 ★議院内閣制~議会の多数派が内閣を組織 ┌議会:上院と下院の二院制 | ∥ ∥ | 貴族院 庶民院 | | └国民の選挙によって選出 | └国王が勝手に任命する 任期なし 定員(議員定数)なし | →下院優位 └内閣:下院の多数党の党首が内閣を組織 ※二大政党制…保守党vs労働党―ブレア首相 ∥ ∥ 野党 与党 | └政権を担当している └政権を担当していない ◎野党側は影の内閣(shadow cabinet)を組織―政権交代に備えている ☆クエスチョン・タイム―野党の党首が与党の党首に質問 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 11 / 15 ページ ②アメリカ ★大統領制~選挙によって選ばれた大統領による政治 国民→大統領選挙人→大統領 ※議会に対して政治責任を負わない →非常に高度な独立性 ◎大統領の権限:国家元首 行政権を担当 任期4年 3選禁止 ホワイト・ハウス┘ ↓ └F・ルーズヴェルト 軍の最高司令官 行政のトップ=強大な権限 議会へ法案提出権なし→教書送付権(メッセージ) 法案に対して法案拒否権あり ◎議会(=連邦議会)…上院と下院の二院制 ★二大政党制…共和党vs民主党 └ブッシュ ③ロシア┌プーチン ★大統領制~直接選挙による国民の投票 1993年 ロシア新憲法成立→大統領の権限強化 大統領:国家元首 任期4年 | ┌――――――――――――――――┘ ↓ 首相を任命 議会を解散 軍の最高司令官 非常大権など 議会:上院と下院の二院制 連邦会議┘ └国民会議 2.日本国憲法の基本理念 §1.日本国憲法の基本的性格 ①大日本帝国憲法の制定~1889年 <背景>┌板垣退助 ┌自由民権運動が活発化 │→日本各地で私擬憲法―民間の人々がつくった憲法 | 例)植木枝盛『東洋大日本国国憲案』→GHQ マッカーサー ├不平等条約改正への願い└日本国憲法の制定 |└治外法権や関税自主権がない └天皇中心(=中央集権)の国家体制へ ┌ドイツ ☆プロシア憲法をモデル―伊藤博文→枢密院で審議 └→君主権が強い ※欽定憲法 民定憲法―国民が直接話し合って制定 └天皇が天皇の名によって国民に与える ②大日本帝国憲法の性格 基本原理…天皇主権 天皇:「現人神」→神聖化 統治権の総攬者+天皇大権 政治機構…権力分立制―たて前―近代的国家として認めてもらうため ┌帝国議会―天皇の立法権を協賛する(衆議院と貴族院) ├内閣―天皇の行政権を輔弼する └裁判所―天皇の名のもとに http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 12 / 15 ページ ③大日本帝国憲法下での展開 大正期の政治 大正デモクラシー:民主主義的な改革を要求する運動 ┌吉野作造…民本主義を主張―天皇主権を認め政治に参加 └美濃部達吉…天皇機関説を主張―天皇すら1つの機関 ∥ 国家への反抗 政党内閣の成立(1918年 原敬) 普通選挙法の制定(1925年)―治安維持法も制定 昭和期の政治 ファシズムへの動き └→国民の自由や権利を否定する政治のあり方 治安維持法の制定 ↓ (軍部+財閥)大陸侵略へ ☆政党政治の崩壊:5・15事件 2・26事件 →国家総動員体制へ(国家総動員法・大政翼賛会)←政党も× →戦争へ ④日本国憲法の成立 a.敗戦と占領政策 ポツダム宣言の受諾(1945年) …無条件降伏―天皇制の維持 ※国体護持 五大改革 1.婦人の解放 2.労働者の権利を守る 3.教育の民主化 4.圧政的諸制度の廃止 5.経済の民主化 b.日本国憲法の制定 1945年10月~憲法問題調査委員会の設置 委員長:松本丞治 1946年2月~松本案をGHQに提出 └内容はほとんど変化なし→拒否 ☆マッカーサー三原則(天皇を国家元首・平和主義・封建体制の廃止) →マッカーサー案の作成(←憲法研究会『憲法草案要綱』 ※ワイマール憲法…社会権の規定 └国家による保障 自由権―国家からの自由 1946年3月 マッカーサー案をもとに政府が改正案 ↓ 議会で若干の修正 1946年11月3日 公布…文化の日 1947年5月3日 施行…憲法記念日 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 13 / 15 ページ ⑤日本国憲法の三つの柱 《三大原則》 a.国民主権 天皇主権の否定=政治的権限の排除 →“象徴”の地位(1条) 参政権の保障…選挙・被選挙権 ┌――――――┘ ↓ 国会…「国権の最高機関」 └国民の代表者となる国会議員が成立させているから b.基本的人権の保障 “自然権”の考えに基づく └→人間が自然状態において生まれながらに持っている権利 →「侵すことのできない永久の権利」(97条) ※経済の自由 c.平和主義 ∥ 戦前の日本の反省 資本主義の発達 ┌第9条 ↓ ┌労働組合 └憲法前文 資本家vs労働者 §2.民主政治と基本的人権 └階級闘争 ☆近代的人権と現代的人権 貧富の差 失業者 近代的人権…“国家からの自由”の保障=自由権 └社会問題 ↓ 権力者┤※市民革命により成立→平等権 ↓ 現代的人権…“国家による生活・福祉”の保障=社会権←国家に助けてもらう 例)1919年 ワイマール憲法 §3.基本的人権を確保するための権利 ①参政権 公務員の選定・罷免権(15条)…選挙を通じて 最高裁判所裁判官への国民審査(79条)…今まで国民審査によって ┌国 罷免された裁判官はいない 特別法への住民投票(95条) 条例―地方 憲法改正案への国民投票(96条) 請願権(16条) ②請求権:人権を侵害された時に救済を求める 裁判を受ける権利(32条) 損害賠償請求権(17条) 刑事補償請求権(40条) §4.自由権 a.精神の自由:心の中で考えること及びそれを外部に表現する自由 ①思想及び良心の自由(19条) └個人の道徳意識 ~内心の自由のことであり絶対的に無制約 例)三菱樹脂訴訟 ②信教の自由(20条) ※政治と宗教の結びつき×=政教分離の原則 例)津地鎮祭訴訟 愛媛玉ぐし料訴訟 靖国神社公式参拝…中曽根元首相 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 14 / 15 ページ ③表現の自由(21条) 集会・結社・言論・出版の自由 例)チャタレイ事件 東京都公安条例訴訟 オウム真理教―破防法(破壊活動防止法) 検閲の禁止・通信の秘密―1999年 通信傍受法 例)家永訴訟…教科書検定問題 ④学問の自由(23条)…天皇機関説事件 例)東大ポポロ劇団事件┌警察などの国家権力から b.人身の自由:不当な身体的拘束を受けない ①奴隷的拘束及び苦役からの自由(18条) └強制的な労働 ~人間の尊厳に反する拘束は× ②法定手続きの必要・保障(31条) →罪刑法定主義~フランス人権宣言以降 ③不法に逮捕されない権利(33条)…現行犯 ※令状主義 └→裁判官が発行 別件逮捕 ④抑留・拘禁(34条) ⑤住居の不可侵 ⑥拷問及び残虐な刑罰の禁止(36条) ☆死刑廃止問題 1989年 国連“死刑廃止条約”―NGO ⑦刑事被告人の権利(37~39条)→学習の資料 c.経済活動の自由 ①居住・移転・職業選択の自由(22条①) ②外国移住・国籍離脱の自由(22条②)…無国籍は× ③財産権(29条) ※“公共の福祉”による制限 └=社会全体の利益・幸福 §5.法の下の平等(14条) ┌国家 平等権:すべての国民が平等に扱われる権利 a.法の下の平等(14条) 例)尊属殺人重罰規定訴訟 b.家庭生活における個人の尊厳と両性の平等(24条) ~民法改正へ~ 男尊女卑× ①夫婦別姓 ②結婚年齢―男女差(男18・女16)→18へ ③非嫡出子の差別→撤廃へ ☆現代の差別問題 ◎被差別部落問題 ~1922年 全国水平社宣言→教p.42 ◎在日韓国人・アイヌ系住民に対する差別の問題 ~朴訴訟└=外国人 アイヌ文化振興法(1997年) ◎障害者差別問題 ~1960年 障害者雇用促進法 ◎女性差別問題 ~1985年 男女雇用機会均等法(97年改正・99年施行) http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved. 高校政経(高2 第1回 実力考査) 15 / 15 ページ §6.社会権的基本権 社会権:人間に値する生活の保障を国家に要求する権利 →積極国家(福祉国家)をめざす ①生存権(25条) ┌→4つの柱 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」| ┌社会保険 ☆自分の力で実現する=労働を通じて | ├公的扶助 ┌――(できない人)→┌勤労の権利(27条) | ├社会福祉 | └社会保障制度 | └公衆衛生 | 例)朝日訴訟→教p.45└―――――――――――┘ | ※プログラム規定説:憲法25条=政治的指針 | 具体的な規定ではない |②教育を受ける権利(26条) | ┌教育を受ける権利(26条①)…生存権の文化的側面+参政権 | └教育を受けさせる義務(26条②) | ☆国家・親などが「教育を与える」のではない | →「自ら進んで積極的に自らの学習を求めての~」=主体的な権利 | ↑ |③労働基本権 └学習権 └―→勤労の権利(27条①)―働く意志・能力を持っている人が 国に対して労働の機会を求める権利 労働三権(28条) ~団結権 団体交渉権 団体行動権 ※労働三法により具体的に保障 └労働組合法・労働基準法・労働関係調整法 §7.新しい人権┌個人の尊重・幸福追求権(13条) a.プライバシーの権利┌他人・国家 …私生活をみだりに公開されない権利 ※表現の自由 例)政治家の私生活 →『宴のあと』事件 ↓ 自己情報支配権 ☆1988年 個人情報保護法制定 ~国家・地方が保有 b.環境権┌生存権(25条)・幸福追求権(13条) …人間の生存にとって必要なよりよい生活環境を享有する権利 例)嫌煙権 静穏権 日照権 ☆環境アセスメント法成立:1997年 └影響評価 c.知る権利 …国家情報の開示を求める権利 ☆1999年 情報公開法成立 d.アクセス権 …マス=メディアに接近して自己の意見表明を行う権利 http://sound.jp/iwata/ Copyright (C) 2002 Toshi. All rights reserved.
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