慢性咳嗽患者における“痰の引っ掛かり感” (SMIT:A

第16回 日本咳嗽研究会
一般演題 第1群
慢性咳嗽患者における“痰の引っ掛かり感”
(SMI
T:A sensati
onofmucusi
nthethroat
)
に対する
amphoteri
ci
nBとbudesoni
deの単回吸入の急性効果
−FACSJAPAN proj
ectC−
小川 晴彦1),大倉 徳幸2),藤村 政樹3)
石川県済生会金沢病院 内科1),恵寿総合病院 内科2)
国立病院機構七尾病院 呼吸器内科3)
【背景】慢性咳嗽を総合的に管理するためには,咳症状とともに咳関連咽喉頭異常感
(CLS)
も的確に治療されなければならない
(Pul
m Pha
r
ma
c
olThe
r
.
2014)。数あるCLSの中でもSMI
T
は,喀痰の真菌培養陽性と関連があり
(Rs
pi
r
ol
ogy
.
2013),おもに真菌関連慢性咳嗽
(F
ACC)
患者の重要なCLSとして
(Al
l
e
r
golI
nt
.
2014 i
npr
e
s
s
)報告されているが,SMI
T自体に対する
治療法が確立されているわけではない。
慢性咳嗽患者が訴えるSMI
Tに対する抗真菌薬とステロイドの単回吸入の急性効果を,
【目的】
喀痰からBa
s
i
di
o
myc
e
t
ou
(B
s M)f
ung
(担子菌)
i
が培養された群
(BM陽性群)と培養されなかっ
た群(BM陰性群)で比較した。
【方法】
喀痰真菌培養を実施しえた慢性咳嗽患者4
0名を対象とした。初診時に,カプサイシ
ン咳テスト,一般肺機能,可逆性試験を施行した。患者はa
mphot
e
r
i
c
i
nB
(APTB)
2.
5㎎
吸入
群とbude
s
oni
de
0.
5㎎
吸入群にランダムに振り分けられ,吸入前,直後,10,30,および60
Tに対する有効
分後において,SMI
Tの程度をスコア化して
(05)記録した。各吸入薬のSMI
性は,ΔSMI
T
(吸入前との変化)で評価した。
【結果】ΔSMI
Tは,BM陽性群では,吸入終了60分後において,APTB吸入群
(2.
7±
0.
8)で,
bude
s
oni
de
吸入群(-0.
3±
1.
0)より有意に大きかった(P<0.
05)が,BM陰性群では,すべての
時間帯において,2群間に有意差を認めなかった。
【結論】APTBの単回吸入は,喀痰からBMが培養された慢性咳嗽患者のSMI
T症状に対して,
吸入早期から有効である可能性が示された。
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