株式会社ニコンにおける デザインとその保護の取り組み

デザインの現場とデザイン保護
株式会社ニコンにおける
デザインとその保護の取り組み
株式会社ニコン 映像事業部 デザイン部 プロダクトデザイン課 浅野英昭
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はじめに
より、研究開発活動で生まれる先進的な技術や、デ
ニコンは、1917 年の設立以来、国内外の市場に
ザインを保護し、市場におけるニコン製品のブラン
おいて、光学技術のパイオニアとしての道を切り開
ド価値を支えています。
いてきました。
基本方針として、「知的財産部門」と「事業部門」
現在、デジタルカメラを中心としたカメラ関連製
「研究開発部門」との協働を深化させ、既存事業の
品や双眼鏡などの消費材用光学製品から、半導体露
成長や新事業の創生につながる「知的財産戦略」を
光装置、FPD 露光装置、顕微鏡、測定機などの産
策定しています。この戦略に従い、知的財産活動を
業用精密機械まで、高い技術力をもとにさまざまな
継続的に推進しています。
製品を提供しています。
当社は長年にわたり、知的財産活動に真摯に取り
今後、ニコンのコア技術である「光利用技術」と
組んできました。その積み重ねが、長期的かつ安定
「精密技術」を活かした商品の開発、ソリューショ
的な事業の継続を支える原動力となり、お客様に信
ンの提案、そしてメディカル事業の育成に力を入れ
頼していただけるニコンブランドの価値形成に貢献
ていきます[図 1]
。
しています。過去の知的財産活動が現在の事業を支
えるとともに、現在の活動が、新たなビジネスの基
礎を築いていきます。このような知的財産活動を通
1 知的財産活動
じて、有力な知的財産権を数多く蓄積し、その活用
当社は、知的財産に関するさまざまな取り組みに
により会社業績の長期成長に貢献しています。
●図1 「光利用技術」と「精密技術」を中心とした事業分野の広がり
精機事業
インストルメンツ事業
半導体装置事業
FPD装置事業
マイクロスコープ・ソリューション事業
産業機器事業
光利用技術
精密技術
その他の事業
映像事業
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メディカル事業
カスタムプロダクツ事業
ガラス事業
エンコーダ事業
メガネレンズ事業