株式会社 野田自動車工業所

第 3 回企業紹介
株式会社 野田自動車工業所
〒503-2214 岐阜県大垣市赤坂新田3-16-1
語り手:株式会社 野田自動車工業所 代表取締役 野田 信行 氏
聞き手:大垣西濃信用金庫 常勤理事兼地域活性化支援部長 田中 勝義
田中理事 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し
上げます。
さて、御社は今年9月に法人設立50周年を迎えら
れるとお聞きしました。
大変おめでとうございます。まず初めに御社の創業
についてお聞かせ下さい。
株式会社 野田自動車工業所
創業 昭和21年9月
設立 昭和41年9月
事業 橋梁架設計画・施工
クレーンリース
一般区域貨物運送事業
シニアマンションの運営
資 本 金 4,800万円
従業員数 125名
関連会社
㈱クレーンタル野田
(クレーンのレンタル業務)
㈱ノダエンジニアリング
(機械設計業務)
㈱大垣ケーブルテレビ
(ケーブルテレビ事業・
インターネット事業)
㈱エヌオーディー
(石材卸・石材販売業)
野田社長 弊社の前身は、先々代社長の野田孝夫が、終
戦間もない昭和21年9月に揖斐川町で自動車修理業として野田自動車工業所
を創業したのが始まりです。
創業当初は車も少ない時代で閑古鳥が鳴く状態でしたが、やがて戦後復
興景気で事業は順調に伸び、昭和30年には大垣市赤坂に事務所を移転し、そ
れまでの自動車修理販売に加え産業機械の修理販売も手掛けるようになりま
した。クレーンとの出会いは、昭和39年に購入した半旋回トラッククレーン
(7トン)でした。販売目的で購入したにもかかわらずこのクレーンが思いのほか働いてくれまして、昭和
40年には㈱河合石灰さんの乙女坂工場のコンベア組み立て工事にてクレーンリースとして初めて使用して
頂きました。
昭和41年9月には㈱野田自動車工業所を設立し、本格的にクレーン事業を開始しました。
今では油圧式クレーンは国内最大の550トンから12トンミニラフターまでフルラインアップしており、
又、日本では数少ないドイツ製特殊クレーンや特殊トレーラーや架設機材等を多数保有しております。
おかげさまで「野田クレーン」の
愛称で親しまれていますが、これは
グループの総称で、㈱野田自動車工
業所、㈱クレーンタル野田、㈱ノダ
エンジニアリングの3社のことをい
います。
又、50周年を記念しまして社歌
「明日に架ける」を作り社員一同の
ロイヤリティと団結を目指してこれ 北陸新幹線 富山稲荷高架橋 架設工事
石川県津幡町 国道8号線バイパス工事
からも継続して行く覚悟であります。
御社の主な事業内容についてお聞かせ下さい。
野田社長 弊社は「野田クレーン」として世間様に認知され、クレーンを使用するリース及び工事業のイ
メージが強いのですが、実は建設工事(橋梁架設)や大型特殊トラック・トレーラーでの運搬業務等の
ウェートが年々高まっております。
「橋梁架設」は昭和40年ころから、「一般区域貨物運送業」は昭和44年頃
から行っております。
「橋梁架設」では、「大阪万博」関連工事(昭和45年)、「九州新幹線PC桁架設」工事(昭和49年)、「阪
神淡路大震災復興」工事(平成7年)等多くの橋梁を架設しております。
又、弊社は常に技術の開発に努めており、都会の狭い場所での橋梁架設を行うことができる「電動PC
桁横取り装置」を初め多くの装置・施工工法の開発を行っており、技術力については業界で高い評価を得
ております。
平成18年には東京支店を
開設し、中部地区や関東地
区だけでなく、北は北海道
から南は沖縄まで、日本全
国の橋梁工事現場や大型建
設工事現場で活躍させてい
ただいております。
岐阜県揖斐川町
門型リフター&架設桁&360tクレーン併用
兵庫県姫路市 門型リフター一括撤去工法
御社の経営理念についてお聞かせ下さい。
野田社長 弊社の創業者野田孝夫は「人づくり」「最高を求めてはいけない。丁度が一番」と常々言っており
ました。その精神は今の弊社の基本ベースになっておりまして、社員一丸となって「ナンバーワンよりオ
ンリーワン」を目指しております。
それを実現するための「社是」として次の3つを掲げております。
(1)安全 安全はすべてに優先し、無事故・無災害は自分の家庭を会社を守る。
(2)協調 人を思いやり、信用・信頼し共に考え共に行動する。
(3)成長 実行力・忍耐力・思考力・チャレンジ精神が企業発展に繋がる。
人材育成についてお聞かせ下さい。
野田社長 弊社は、創業者の遺志である「人づくり」もありますが、今、建設業界は人材不足が恒常化して
いると言われ、弊社もその例に洩れません。特に弊社はオペレーター・トレーラー運転手、技士等一人一
人がプロフェッショナルであることが求められています。
そのための人材育成として、各種の免許・資格の取得を奨励しています。現在弊社には、技術士、1級
土木施工管理士、1級建築施工管理士の資格者30数名を有しており、今後とも特に新入社員には資格を取
得するための助成・休暇
を与えるなど自前のプロ
を育てていく計画であり
ます。
又、社員が安心して
働ける環境づくりとして
「ふれあいセンター」の
設立、女子社員に対する
「茶道稽古」(月3回)等
を行っています。
阪急電鉄・庄内駅 複線式架設機工法
中部縦貫 富士川橋梁上部PC床板架設機工法
リニア新幹線・高速道路整備や東京オリンピック開催、又熊本地震復興などクレーン業界の必要性は
増々増大すると思われます。今後の御社の事業展開についてお聞かせ下さい。
野田社長 新幹線や高速道路の新設はほぼ終盤となり、又、震災の復興工事は1年半程経過してからがピー
クとなります。高度経済成長から50年を経過し社会資本の老朽化が進展しており、今後はその更新工事や
整備事業の増加が見込まれています。
日本は少子高齢化・労働人口の減少を向え、建設業界の労働力不足対策は喫緊の課題であることから、
海外にも目を向けていきます。実績のある韓国橋梁業者との協働、米国への橋梁架設技術の提供だけでは
なく、更にはインドネシアを初めとする東南アジア諸国との協働を推進する計画です。
本日は大変お忙しいところ、興味深いお話を賜り誠に有難うございました。設立50周年を迎え、日本国
内だけでなく海外でも一層躍進されますよう御社の今後の増々のご発展を祈念致します。