第4号 発行 平成22年12月1日 愛 泉 会 日 南 病 院 〒887-0034 宮崎県日南市大字風田 3649 番 2 (TEL)0987-23-3131 (FAX)0987-23-8130 http://www.aisenkai-nichinan.jp/ うみがめ (1) もくじ うみがめ (2) 院長コラム 1. 松かぜ ・・・・・・・・・・・・ P1 2. 院長コラム・医師紹介・・・・・・ P2 3. 病棟・外来紹介・・・・・ P3・P4 4. 療育活動紹介・・・・・・ P5・P6 5. 診療科新設のお知らせ・・・・・ P7 6. 各病棟行事・・・・・・・・・・ P7 7. 編集後記・・・・・・・・・・・ P7 「待つ」 ということ 院 長 春山 康久 「できるだけ早く、目に見える成果を」出そうとする子育て。それを成功している 教育が善しとされる風潮。 「待てない教育」、 「待てない子育て」が、今、この国に蔓延 「待てない時代にどう育てるか∼人間教育 しつつあると思えてならない。これは、 を育てるもの∼」というタイトルで当時恵泉女学園(東京都)の校長をされていた 安積力也先生の言葉です。本来子どもは「桃栗三年柿八年」なのに、 「出来るだけ速く、目に見える成果を上 利用者様の作品を、毎号「松かぜ」 ∼作品ギャラリー∼のコーナーでご紹介します! げる教育」を親も教師も求めてしまう現状に問題提起をされたものであり、子どもの「内発性*」が育つた めには「待つ」 ことが必要であると言っておられました。 先の重症心身障害療育学会に出席し、重症心身障害児(重心児)とのコミュニケーションづくりで「待 つ」ことの意義を発表した報告を聴く機会がありました。重心児との関係において、重心児の反応を待つ べき時に焦って次の言葉をかけてしまう。重心児とのやり取りのなかで、重心児の反応を待つことで重心 児の自発性が誘発され、 表現の変化や伝達手段が獲得できたという報告でありました。 政治や経済の領域では待てない、即断を求められることもありますが、ふたつの出会いから教育、療育 の現場では「待つ」という姿勢が必要で、待つことで育つもの、待たなければ育たないものがあるというこ ∼ 作品ギャラリー ∼ とを教えられました。 これから還暦を迎える3名の作品です。 *内発性 本来子どもの内側から育つもので、それが外目にも見えてきて、それを生き生きと子どもが生きることで、子どもが自 分に自信を持ち、 人格の大事な土台ができてくる 医師紹介 医 師 山口 和彦 当病院の病棟には、現在140名の重度心身障害児(者)の利用者さんや一般内科の患者 さんが入院・加療しておられます。 私は各病棟を日に2∼3回回診し、アトピー性皮膚炎、白癬、じんましん、ヘルペス、創傷 などの皮膚疾患の治療をしています。その中でも私が気を付けているのは疥癬で、人から人 へと感染するので、特に集団生活(病棟)では注意が必要です。 かゆみがひどく治りにくい皮膚病の発症があれば本症を疑うように努め、これからも私自信研鑽を心がけてまい 樋口 説子さんと谷口 良一さんの共同作品 ります。 また、外来においては12月1日より皮膚科診療が新設されますので、 今までの経験を活かし患者さまのお役に立 てるよう頑張っていきたいと思います。 マ メ 知 識 A インフルエンザの話 ※表紙タイトル 「うみがめ」 、作品ギャラリータイトル「松かぜ」のロゴは、利用者様の作品です。 ヒトの疾患のうちで最も流行 したのはインフルエンザだとい えるでしょう。 一九一八年に流行したインフ ルエンザ、通称﹃スペインかぜ﹄は 世界中で六億人︵当時の世界人口 約 十 八 億 人 ︶が 感 染 し 、五 千 万 人 が死亡したといわれています。 その後も、一九五六年に中国南 西部から発生したアジア型、一九 六八年に香港から発生した香港 型、一九七七年に旧ソ連で局地的 に流行したソ連型、そして昨年は 新型が流行しています。 インフルエンザでは発生地の 名前が型名となることが多いの ですが、一九一八年の流行はアメ リカから発生したにもかかわら ず﹃ ス ペ イ ン か ぜ ﹄と 呼 ば れ て い ます。一九一八年当時は第一次世 界大戦の最中でした。欧米の多く の国が参戦していましたが、スペ インは中立国で大戦とは関係が あ り ま せ ん で し た 。そ の た め 、ス ペインでは情報が規制されるこ となく、インフルエンザの流行が 世界中に発せられました。当時の 世 界 情 勢 が﹃ ス ペ イ ン か ぜ ﹄と い う疾患名を生んだことになりま す。 さて、今年は新型よりも 香港 型が多いようで、早めに流行する と予想されています。ぜひワクチ ン接種をしておきましょう。 病院疾病制御研究所 所長 峰松 俊夫 東 美代子さんの作品 (3) うみがめ うみがめ ■ 臨床検査 病 棟 ・ 外 来 紹 介 当院の臨床検査室には、2名のスタッフが勤務して います。どのような仕事内容かというと、血液や尿等を ■ 2病棟 調べる検体検査(生化学、血液、一般検査、輸血、免疫検 一般診療内容についてはうみがめ第2号の病院紹介 査、細菌検査)や、体を直接調べる生理検査(心電図、脳 で案内されています。 波、肺機能、視力、聴力)を行っています。 内科医師2名・看護職員18名・看護補助者4名の職場 検査の技術も日々進歩しており、幅広い領域におい です。 スタッフの平均年齢は38歳で若い?フレッシュな病 棟です。患者平均年齢約83歳とご高齢な患者様が多い 中、機能訓練、日常生活動作訓練、摂食・嚥下訓練、呼吸 (4) て、最新の技術・情報を提供できるように、コミュニ ケーションを図りつつ日夜取り組んでいます。 委員会活動としては、院内感染委員会や、精度管理委員会などを通して、MRSAなどの感染症情報 や、精度管理や検査値に関する情報を発信しています。 訓練などPT・OT・STの関わり、栄養面では管理栄養士が個人に合わせた食事形態の提供や、個人の機 <スタッフの自己紹介> 能に応じて薬の調剤、臨床検査技師、放射線技師等ともお互い協力し合い連携しています。その評価 橋本 務 臨床検査技師 をご家族も含めリハビリカンファレンス、 ケースカンファレンスを行っています。 実家は北郷です。現在吾田に住んでいますが、そのうち北郷に戻ります。子供は2歳の娘が一人い 患者様の散歩や、季節に応じた行事の計画実施、食堂で患者様が集える環境作り、入院期間が長く ます。特技は、 ご飯をおいしく炊くことです。これからも、よろしくお願いします。 なった患者様についてはご家族の協力を得て、外出や外泊等の取り組みも行っています。また、宮医 北村 真弓 臨床検査技師 大生・看護専門学校・日南学園の実習生も受け入れ、地域医療としての役割を担っております。 入社して早くも3カ月経ちます。学ぶことも多く充実した日々です。今までの経験を生かし、安心・ 安全な質の高い検査を提供できるスタッフの一人として頑張りたいです。 ■ 薬 局 ■ 放射線 ① 医療事故に留意し安全な薬剤を提供します。 当院の放射線部門は、診療放射線技師2名にて外来・入 院患者様の検査を行っており、検査内容は一般撮影、骨密 度測定、透視検査、CT撮影に対応しています。 ② 病状、 身体状況に応じた薬剤を提供します。 ③ 必要な薬剤情報を提供します。 以上3つの基本方針を掲げ中堅?(年)薬剤師3名で 日々奮闘しております。当院は経管チューブによる投 《一般撮影》 多いため他の薬局の3倍くらいの時間と労力のかかる仕事内容となっています。入院患者様の状態 症状に応じて、まず第一に行われる検査です。X線を使用 して胸部・腹部や全身の骨、 関節などの撮影を行い、CR(デ ジタルX 線画像診断)システムを用いて撮影データをコ ンピュータ処理することにより高画質の画像を提供します。ポータブルX 線撮影装置を用いての病棟内 に応じた剤型を薬局サイドから処方医に提案させていただくこともあります。最近では××OD錠な での撮影も行っています。 薬患者様や嚥下困難な患者様、認知能力の低下した患 者様が多く、粉末計量、錠剤粉砕といった難しい調剤が どと呼ばれる水に溶けやすく味の良い錠剤も増えてきたため積極的に採用したり、専門医と検討の 上、新しい作用機序の抗てんかん薬を採用したりして患者様のQOLの向上に努めています。その情報 は「新規採用薬情報」として病棟等関係部署へ配布し、また院内LANにて閲覧できるようにしていま す。重心の患者様に接することは決して多くないのですが、車椅子に乗った意志表示の困難な入院患 者様を見るたびに「医療事故を起こしてはいけない!」と心に誓う毎日です。また特養など施設の患 者様へは院外処方箋を発行しています。地域医療連携が重要視される時代になってきた昨今、施設の 患者様にも適正な薬剤を提供できるよう調剤薬局との連携を深めていきたいと考えています。一般 外来の患者様は最後に薬をもらって帰宅されるわけですから、その患者様に必要な薬剤を漏れなく お渡しし、 安心・満足して帰っていただけるよう今後とも努めてゆきたいと考えています。 《骨密度測定》 X線を利用して身体の骨塩量 (塩分やカルシウム)を測定する検査です。 骨密度を測定し骨の強度を知る ことにより骨粗鬆症の予防に役立ちます 《X線TV透視検査》 この装置は造影剤を飲んだり、 血管内や関節内などに注射することにより、X線単純撮影だけでは分 かりにくい臓器の位置や形および働きをリアルタイムで観察し、 適時撮影する時に使用されます。 《CT撮影》 CTとはComputed Tomographyの略でコンピューター断層法と言います。X線とコンピュータを使用 して身体の断面を連続して撮影し、 病気の状態、大きさ、形態などを見ることができます。 いずれも、患者様の治療を迅速かつ安全に遂行し、安心して検査を受けてもらえるよう心がけて診察支援 を行います。 うみがめ (5) うみがめ 療育の広場 夏祭り 昼の部 レクリエーションの様子 8月 28 日(土) (6) て くて 冷 たく 冷た い しい お いし おい 夜の部 夏祭りステージの様子 親 親子 子で で ゲ ゲー ート トボ ボー ール ル かき氷 ナー ゲームコー 運 動会 10 月 23 日(土) 今 年 の 運 動 会 は、天 候 が 悪 く、 各病棟の室内で行いました。 笑 笑顔 顔と と元 元気 気 が が1 番 1番! ! スゥイングニュー王子バンドの皆 さんによる生演奏、ステップアップ レクリエーション協会の皆さんによ る元気なダンスで、会場全体が楽 しい雰囲気で盛り上がりました。 外食では、家族の方やスタッフと 一緒にメニューを選ぶことも楽し んでいます。 いつもと違う雰囲気に食欲も旺盛 です。 喫茶では、デザートや飲み物など を注文し、ティータイムを楽しみ ます。ケーキやプリン、ジュース など、甘くて美味しい物が大好き です。 ンス 毎年恒例ダ よさこい ソーラン節 あ あと と少 少し し! ! 走 なかよし徒 ∼ ょ∼ しょ いし ど こい っこ どっ 援ダンスや、 スタッフの応 りました。 が 衣装で盛り上 わせて、 みんなの呼吸を合 巨大新聞紙の穴に ン ポ ボールをコロリン 来年は、外で運動会 ができますように♪ ドライブでは、道の駅やその時期にしか見られないスポット(こいのぼり・ コスモス畑・あじさいロードなど)に行き、季節感を味わいながら景色を 楽しんでいます。 今年は、汽車に乗ることにも挑戦してみました。揺れや車窓を楽しまれて いる方もいれば、少し緊張される方もいました。駅の中を歩いたり、スタ ンプを押したり、 切符を記念にもらったりしながら、 いい体験が出来ました。 うみがめ (7) ん MSUのみなさ 12/1より皮膚科を新設いたしました。 ありがとうございます!! 診療科新設のお知らせ 担当医師 山口 和彦 ● 診察日 毎週月・火・木・金 ● 受付時間 8:30∼12:00 14:30∼16:30 ● 診察時間 8:30∼12:30 14:30∼17:00 当院には多くの木々や花たちが私たちの 心をなごませてくれています。 今回、5病棟の川越るり子さんかおるさん のお父さまに、大きなクレーンを使って大 きく育った木々た ちの手入れをして もらいました。 お か げ さ ま で 、病 棟に明るい日差し が入るようになり ま し た 。ど う も あ りがとうございま した。 当院では毎週水曜日に療育の一環で、合同 保育を行っております。 そのうちの月1回は、NPO法人MSU (Miyazaki Sportsman United)のみな さんとのふれあいで、球技を楽しんでいま す。 サッカーに挑戦 した利用者さん は、最高の笑顔で 歓声をあげなが ら楽しんでいま した。 いつも楽しいひ ととき、ありがと うございます。こ れからも宜しく お願いします。 平成22年10月13日の宮日新聞にも掲載されました。 編 集 後 記 今年は口蹄疫感染で大変な年になりましたね。 当院でも消毒マットの設置や募金活動を行いました。 これから再建にあたるみなさんを応援しています。 私たち愛泉会日南病院も広報誌やホームページをとおして、 宮崎から情報発信してまいります。 がんばろう!宮崎! 【 広 報 委 員 】 阿多雄之、村田信裕、田中宏明、蓑輪友英、田中小百合、松本絹代、中村友香理、伊東 麻弓
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